貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

三園 七詩

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199.ジュリアとロイ

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「ここは人も多し違う場所に行こうか?」

クリスがローズに聞くと…

「でも、木を隠すなら森の中って言うじゃない?人が隠れるなら…」

目の前の人混みを見つめる。

「ここに?」

「有り得ますね」

スチュアートさんが頷くと

「しかも王子を見張れるなんて斥候の仕事としては最高なんじゃない?」

「確かに…何らかの情報を回収できるかもしれないもんね」

ローズ達は少し離れて人溜まりを監視する事にした。


「ロイ様!次はあの店に行きましょう!」

ジュリアはロイの腕を掴んで引っ張ると…

「もう、王宮に戻らないか?人が集まりすぎてる」

ロイが顔を顰めて腕を引くと

「なんでですか!だって今日は私に付き合うって言ってくれたじゃないですか!今日だけは婚約者だと思って接していいって!あの言葉嘘ですか?」

ジュリアがぷぅと頬を膨らませる。

ロイは顔をさらに顰めると…

ローズなら可愛いと思ったが…不快な気分でこれをされると…殴りたくなるな。

王子らしからぬ事を思う。

「婚約者ならもっと考えるべき事もあるんじゃないかい?」

ロイは感情を殺してなるべく優しく聞くと、ジュリアは考える…

「ああ!もっと綺麗になれって事ですか?ならあっちのお店に確か私に凄く似合う宝石店があるんです」

こっちだとジュリアが誘導する。

まぁ店の方が人を散らせるか…

ロイはいやいやジュリアの後をついて行った…

ジュリアは馴染みの宝石店に入ると…

「これはこれはジュリア様!あっ!ロイ王子!ようこそおいでくださいました!」

店主はロイに気がつくと

「よろしければ別室を用意致します!」

店主が別室にお連れしようとすると…

「あら、それより貸切にして下さらない?ロイ王子がいるのよ?」

ジュリアが当たり前のように言うと

「まだ先にいる人もいるからね…奥に案内してもらうよ」

ロイが裏でいいと店主の顔を見ると…

「ちょっとそこのあなた…ロイ王子の御前ですよ…」

ジュリアがキッと客を睨むと…

「…失礼致しました…我々はお暇しましょう」

宝石を眺めていたご婦人と娘が顔を顰めると店を出ていこうとする。

「あっ!ロンバード様!」

店を出てしまったご婦人を店主は追いかけると…

「申し訳ございません…またお待ちしております」

深々と頭を下げる。

「あれが第二王子の婚約者候補とは…嘆かわしい事です…」

「申し訳ございません…」

店主は謝ることしか出来ずに頭を下げ続けていると

「まぁあなたが謝ることではないですけどね…また…気が向いたら来ます」

ご婦人は待たせていた馬車に乗り込むと店を後にした…

店主はフーっと息を吐くと店へと戻る、中ではご機嫌なジュリアがロイ王子を引っ張りながら宝石を眺めていた…

「これも素敵!出してちょうだい!」

次々に店員に宝石を出させては身につけてロイ王子に見せている…

ロイ王子を見ると、呆れるやら疲れているような表情を浮かべていた…

店主は対応をしてくれていた店員に声をかけると

「変わります」

労うように肩を叩いた。

店員は店主の姿にほっとすると頭を下げて下がって行った。

「これはどうかしら?」

ジュリアが大きな宝石が付いた指輪をはめると王子に見せる…どう見ても不釣り合いな指輪に王子は顔を顰めると

「こっちの方がいいんじゃないかい?」

ジュリアにあった小ぶりな石の付いた指輪を指した。

ーおお、店主は心の中で驚く。

ロイ王子が選んだ物は確かにジュリア様にあっていたからだ、やはりまだ若いご令嬢には重厚感ある宝石よりもフレッシュで小ぶりな方が若々しい手にあっていた。

ロイ王子はちゃんとわかって選んであげたのだと思っていると…

「嫌です!こんな小さな石の指輪なんて!全然愛を感じないわ!」

ジュリアが嫌だと駄々をこねた…

「なら、君の好きな物にすればいい…」

ロイ王子の突き放す様な言葉にジュリアは嬉しそうに頷いていた…


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