貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

三園 七詩

文字の大きさ
146 / 318
連載

205.ロイ視点

その頃宝石店を出た王子達は、やはり人が集まり過ぎたこともあり早々と王宮に戻ってきていた。

「最後に一緒にお茶を飲んでください」

ジュリアはウルウルと目を潤ませてロイに伺う様にお願いする、下から覗き込み声をかけるとロイの顔が歪んだ…

「これだけで最後なんてあんまりです…他の方はもっと長い時間一緒にいたと聞きました…」

そっとロイの裾を掴むと…

「…その情報は誰から?他の令嬢との事は秘密事項のはずですが」

ロイがジュリアをじっと見る。

「い、いえ…誰からと言うか…本人達が楽しかったと言っていたのをたまたま聞いてしまって…」

ジュリアが気まずそうに目をそらすと、裾を離した…

「そうですか…あまり口が軽い人は困りますね」

ロイがため息をつくと

「ええ!本当に!私なら絶対に話しませんわ!」

ジュリアが頷くと…

「ではもう少しだけ…サロンでいいですか」

ロイが歩き出すと

「王子…良かったら私のお部屋に来てください…」

「部屋に?それは…」

「ロイ王子はローズさんの部屋に何度か伺った事がありますよね?彼女の部屋に行けて私の部屋に来れない訳はありませんよね?」

「いや…あれは…まぁそうですね。ではジュリア嬢の部屋へ」

ロイがにっこりと笑って腕を差し出すと、ジュリアは満足そうにその腕を取った。


ジュリアの部屋に通されるともう来る前提とされていたのかきっちりとお茶を楽しむ用意がされていた…

「まるで来る事がわかっていたかのようですね…」

ロイが居心地悪そうにソファーに座ると

「まさか!いつでもお客様が来ていいように常に準備しているだけですわ」

ジュリアがにっこりと笑うと…

「少し待っていて下さいね」

ロイを置いて隣の部屋に向かう…

「は?」

突然の行動にロイも思わず地が出る…一緒に着いてきていた近衛兵達も顔を合わせると…少ししてドレスを変えて戻ってきた…

ロイは突然の行動に唖然としてジュリアを見つめる。

ジュリアは胸の開いた色っぽい格好に着替えるとお茶を持ってあらわれた。

「ロイ王子…そんなに見つめないで下さい…」

ジュリアはじっと自分を見つめる王子の視線に頬を染めて恥ずかしそうに下を向いた…

「あ…すみません…」

ロイは顔を逸らして後ろの警護の兵士を見つめる!

なんだあれ!?

口パクで伝えると兵士達も困惑して首を振っている…

ロイは気を取り直してジュリアに向き合うと…

「す、すみません…突然の行動に驚いてしまって…まさか着替えて来るとは…」

つい本音が漏れると

「どうしてもロイ王子にこのドレスを見ていただきたくて…お気に召しましたか?」

ジュリアはそっと屈むと豊満な胸を強調する。

「ははは…」

ロイは笑うしかなかった…
感想 1,399

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。