貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします

三園 七詩

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227.誰?

「ローズ、俺から離れるなよ…」

ガブリエルはローズに声をかけると

「私も少しなら戦えますから!なにも抵抗しないでやられるもんか!」

グッと体を壁で支えて立ち上がると

「本当に頼もしいな…まじで令嬢?」

「ええ!まぁ貧乏な領主の田舎令嬢ですけどね!」

ローズは邪魔なスカートをビリッと破くと動きやすくする。

「はは、わざわざやられやすくしてくれたのか?」

ボストンがスカートの隙間から見えるローズの足をちらっと見ながらニヤつくと廊下を気にする…足音はもうすぐそこまで来ていた。

「おい!ここだ!こいつらを大人しくさせた者には褒美をやろう!ただし殺すなよ!」

ボストンは不気味に笑って声をかけると勝ち誇ったようにローズとガブリエルを睨んだ。

扉の前まで足音がくると、ローズとガブリエルは覚悟を決めて構えた。

しかし部屋に入ってきた物をみて目を見開く!

「えっ!」

そこには黒い毛玉が飛び込んで来た!

「バルト!」

ローズは毛玉の正体にすぐに気がついた!

「「ローズ!」」

「ローズ様!」

続いてロイ王子にカイル様…反対側の廊下からスチュアートさんが駆けつけてくれた!

「みんな…」

ローズはみんなの顔を見るとほっとして力が抜けストンと床に座り込んだ…安堵からポロポロと目から涙がこぼれる。

バルトはボストン目掛けて飛びかかるとその鋭い爪でボストンの顔を思いっきり引っ掻いた!

「ぎゃぁー!目がぁ~!」

ボストンが顔を手で覆うと、手には生暖かい感触がある…目には激痛が走り何も見えなくなった。

「ローズ!」

バルトはそのままローズの元に駆け寄ると

「はぁ、はぁ…すまない…遅くなった…」

息も絶え絶えローズの前に立ってボストンを警戒する。

「バルト!」

ローズは頼もしいバルトの背中に我慢できずに抱きついた!

「や、やめろ!あいつが来たら戦えないだろ!」

バルトが離せと悶えると

「大丈夫だよ…だってロイ王子にカイル様、スチュアートさんがいるもん…」

ローズは嬉しくてバルトの背中に顔を埋めた。

ロイとカイル、スチュアートはボロボロに乱されたローズの姿を見てしまった…

「ローズ…様…」

スチュアートが恐る恐る声をかけると

「スチュアートさん…」

顔をあげたローズは泣いており、頬は腫れ胸元の服は破かれて肌があらわになっていた…

誰がどう見ても乱暴された様子のローズに…

「これはどういう事でしょうか?説明願えますか?ボストン大臣…いや…ボストン!」

スチュアートさんがボキボキと指を鳴らして近づくと

「な、なぜお前達が!ここにいた男達は?かなりの人数を置いておいたはずだぞ!」

ボストンは王子達やスチュアートの声に気がついて床を這いつくばって焦っていると

「ここにいたヤツらは全員潰しておいた…それよりもこれはどういう事だ!ボストン!」

ロイはボストンに怒鳴り声をあげる!

スチュアートさんがボストンの服を掴んで上に吊るしあげた。

「ローズは私の婚約者候補だぞ…いやそうでなくても令嬢を誘拐、監禁、暴行…!現行犯だ言い逃れはできないぞ!」

「ち、違う!私は…そ、そうだそこの男からローズ嬢を助け出そうと…仲間の振りをして隙をみつけようとしていたんです!」

ボストンがガブリエルを指して苦しい言い訳をすると

「嘘はよくありませんねぇ…」

スチュアートさんから怒気がダダ漏れる。

ゴキッ!

ボストンの肩が外れる音がする。

「ほ、本当だー!」

ボストンは掴まれた手を払い除けるとスチュアートは触られては堪らないとその手を離した。

「そこの男とはこいつか?」

ロイが床に転がったボストンにガブリエルを示した。

「す、すみません…目が…ですがローズ嬢の前にいる黒髪の男です!」

「だ、そうですよ。ガブリエルさん」

ロイがガブリエルに話しかけると

「ガブリエルさん?」

なぜ名前を?

ローズも同様にえっ?とガブリエルを見上げた…
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