悪役になれなかった令嬢の悲しい結末

ありすめあ

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すきすきすきすきすきすきすき…


でもあなたは振り向いてくれない。私を見てもくれない。
どんなに綺麗になろうとも、どんなにあなたに尽くしても
誰に美しいと言われても、誰に完璧な淑女だと言われても、あなたからの言葉でなければなんの意味もないの。

あなたがあの子と仲良くしているのを見るたび、心が張り裂けそうなの。
悲しくて、寂しくて、悔しくて…醜い私が出てきてしまう。

その場所は私の場所。あの子さえいなくなれば…

でもそんなことをしてもあなたの心は手に入らないなんて分かっているわ。

苦しい苦しい苦しい。

もう終わりにしてしまいましょう。
せめて最後まで綺麗な私のままで…













日記はそこで終わっていた。


毒をあおってもなお美しい死顔をさらした婚約者。
傍らに置かれたこの日記に気づいたものはまだいない。


静かに倒れたままの婚約者に近づき、髪をなでる。
気持ちには気づいていた。
心から美しい娘だと思っていたし、王妃となるにはこれ以上ふさわしいものはいないだろう。
だが、気持ちに応えるわけにはいかなかった。


許してほしいとは思わない。
許されるつもりもないが、貴女のことは一生私の心に刻み付けていこう。


青白くなった唇にそっと口づける。
もう一度つややかな髪をひとなでしたところで、遠くから複数の足音が聞こえてきた。



「王太子殿下、陛下がお呼びです」

「分かった。すぐに行こう」


日記を懐に収め、立ち上がる。


さあ、はじめよう。
血塗られた戦いを。


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