3 / 19
第二章 追われる理由
しおりを挟む
街を抜けるまで、ユウは一度も振り返らなかった。
背中の重みが増したわけではない。それでも、振り返る余裕が消えていた。
足音を消すため、瓦礫の少ないルートを選ぶ。崩れた看板の影、傾いた高架の下、かつて人が行き交っていた痕跡だけが残る通り。風向きと視界を計算しながら進むのは、もはや癖だった。拾ったものが何であれ、まずは生き延びる。それが最優先だ。
背中で、微かに体が動いた。
ユウは歩調を落とさず、声だけを低く投げる。
「起きてるなら、喋るな。呼吸だけ整えろ」
返事はない。だが、呼吸の乱れがわずかに落ち着いたのが分かった。
それで十分だった。
補給庫から離れた旧市街の外縁部は、比較的安全だ。だが“比較的”でしかない。スカベンジャーが漁り尽くした場所は、次にレイダーが来る。あるいは、別の何かが。
ユウはそれを、肌で知っていた。
不意に、背後で金属音が鳴った。
反射的に身を低くし、壁に寄せる。銃口を構え、息を止める。
——違う。風だ。
安堵は一瞬で切り捨てる。油断は死に直結する。
再び歩き出した、その時だった。
「……ユウ?」
声は、背中から聞こえた。
掠れていて、弱い。それでも、確かに言葉だった。
「……起きるなって言っただろ」
「……名前……聞いてない……」
ユウは、短く息を吐いた。
状況判断と感情は、常に噛み合わない。
「ユウトだ。……たぶん」
「たぶん?」
「……覚えてない。気がするだけ」
その言い方が、妙に胸に引っかかった。
名前すら、確かな輪郭を持たない。その事実が、この世界の残酷さを凝縮している。
「今はそれでいい。喋るのは最低限にしろ」
「……助けて、くれた?」
ユウは答えなかった。
代わりに、歩調をわずかに上げた。
助けたかどうかを決めるのは、まだ先だ。生き延びてからでいい。
だが、次の瞬間、その判断を後悔することになる。
遠くで、乾いた爆音が響いた。
続いて、空気を切り裂くようなエンジン音。複数。数は……三、いや四。
レイダーだ。
ユウは即座に進路を変更した。正面突破は無理だ。隠れる場所を探す。
高架の影に滑り込み、瓦礫の山を越え、崩れた地下通路の入り口に飛び込む。
暗闇に身を沈めた瞬間、エンジン音が頭上を通過した。
レイダーの笑い声が、風に混じって聞こえる。
「……やばい……」
ユウトの声が、震えた。
「黙れ」
言葉は強いが、手は無意識に支えを調整していた。
背負っているのは荷物じゃない。そう意識してしまった時点で、もう後戻りはできない。
エンジン音が遠ざかったかに思えた、その時。
ライトの光が、地下通路の入口をかすめた。
見つかる。
ユウは歯を食いしばり、手榴弾を取り出しかけて——やめた。
爆音は呼び寄せる。今は違う。
代わりに、ユウトをそっと下ろす。壁に寄せ、口元を押さえ、視線だけで指示する。
動くな。音を立てるな。
レイダーの影が、入口に差し込んだ。
一瞬の沈黙。次の瞬間、罵声とともにライトが振られる。
その刹那、ユウは引き金を引いた。
音は一発だけ。
倒れた影が崩れ落ちる前に、ユウはユウトを再び背負い、奥へ走った。
逃げる理由が、はっきりした。
拾ったからだ。拾った以上、狙われる。
この世界は、未来を拾う者を、決して放っておかない。
地下通路を抜け、再び地上に出た頃には、空の色がわずかに変わっていた。
終わり続ける世界の中で、時間だけが律儀に進んでいる。
ユウトの呼吸は、少しだけ安定している。
ユウは立ち止まり、遠くの地平を見た。
「……なあ」
「喋るなって言っただろ」
「……それでも……」
ユウトは一拍置き、絞り出すように言った。
「……俺、追われてた……たぶん……」
ユウは、黙ったまま歩き出した。
答えは、もう分かっている。
追われる理由は、拾った未来そのものだ。
そしてその理由は、これから否応なく、明らかになっていく。
世界が、動き始めた。
世界が、動き始めた。
それは爆音や警報のような分かりやすい兆候ではなかった。むしろ逆だ。空気が一段階、静かになる。風の流れが変わり、音の輪郭が研ぎ澄まされる。長く生き残ってきた者ほど、その違和感に先に気づく。
ユウは歩きながら、背中の感触に意識を向けた。
ユウトの呼吸は浅いが、安定している。熱はある。だが、致命的ではない。問題はそれ以外だった。
「……追われてたって言ったな」
「……うん」
ユウトの声は弱い。それでも、さっきより芯があった。
生きる側に、意識が戻り始めている。
「誰に」
「……わからない。でも……人じゃなかったかも」
ユウは足を止めなかった。
人じゃない、という言葉を、この世界で額面通りに受け取るほど、彼は甘くない。
「装備は」
「……首の、後ろ……」
ユウは一瞬、歩調を落とした。
嫌な予感が、確信に変わる。
廃ビルの影に入り、慎重にユウトを下ろす。背後を確認し、銃を構えたまま距離を取る。
ユウトの首筋に、細い金属のラインが走っていた。古いが、意図的に埋め込まれたものだ。
「……チップか」
ユウトは、答えなかった。
知らない、というより、知らされていない顔だった。
GENESIS。
白い施設、赤い警告灯、管理と修正の名のもとに行われた再生計画。
人を“資源”として扱う思想。
ユウは、舌打ちを飲み込んだ。
「動くな」
手袋を外し、最低限のスキャンをかける。反応は、かすかだが生きている。完全な起動状態ではない。だが、放っておけば、いずれ誰かが気づく。
「……俺、壊れてる?」
「まだだ」
短く言い切った。
壊れている、と言わせるのは簡単だ。だが、それを許した瞬間、この世界は人を二度殺す。
ユウは思考を切り替えた。
今は感情ではなく、選択の段階だ。
チップを抜くには設備が足りない。下手に触れば、逆に信号を強める可能性がある。
つまり——動き続けるしかない。
「行くぞ」
「……どこに」
「安全な場所だ。今は、それだけでいい」
ユウトはそれ以上、聞かなかった。
背負われる感覚に、ほんの一瞬だけ、身を預けるような力が伝わってくる。
再び歩き出した直後、遠くで別の音がした。
レイダーのエンジン音とは違う。もっと規則的で、無駄がない。
ドローンだ。
ユウは即座に進路を切った。高低差のある瓦礫地帯に入り、熱源を分散させる。
追跡は、もう始まっている。
「……俺のせい、だよな」
ユウトの声が、背中から落ちてきた。
「違う」
即答だった。
理由を考えるより先に、言葉が出た。
「拾ったのは、俺だ」
それが事実だった。
未来を拾ったのは、ユウ自身だ。
世界は、選択を許さない。
だが、選んだ責任から逃げることも、また許さない。
夜が近づいていた。
空の色が、灰から深い群青へと沈んでいく。
ユウは歩き続ける。
追われる理由を背負いながら、拾われた未来とともに。
第二章は、まだ終わらない。
だが、この時点で一つだけ、はっきりしたことがあった。
もう、この世界は、彼らを見逃さない。
背中の重みが増したわけではない。それでも、振り返る余裕が消えていた。
足音を消すため、瓦礫の少ないルートを選ぶ。崩れた看板の影、傾いた高架の下、かつて人が行き交っていた痕跡だけが残る通り。風向きと視界を計算しながら進むのは、もはや癖だった。拾ったものが何であれ、まずは生き延びる。それが最優先だ。
背中で、微かに体が動いた。
ユウは歩調を落とさず、声だけを低く投げる。
「起きてるなら、喋るな。呼吸だけ整えろ」
返事はない。だが、呼吸の乱れがわずかに落ち着いたのが分かった。
それで十分だった。
補給庫から離れた旧市街の外縁部は、比較的安全だ。だが“比較的”でしかない。スカベンジャーが漁り尽くした場所は、次にレイダーが来る。あるいは、別の何かが。
ユウはそれを、肌で知っていた。
不意に、背後で金属音が鳴った。
反射的に身を低くし、壁に寄せる。銃口を構え、息を止める。
——違う。風だ。
安堵は一瞬で切り捨てる。油断は死に直結する。
再び歩き出した、その時だった。
「……ユウ?」
声は、背中から聞こえた。
掠れていて、弱い。それでも、確かに言葉だった。
「……起きるなって言っただろ」
「……名前……聞いてない……」
ユウは、短く息を吐いた。
状況判断と感情は、常に噛み合わない。
「ユウトだ。……たぶん」
「たぶん?」
「……覚えてない。気がするだけ」
その言い方が、妙に胸に引っかかった。
名前すら、確かな輪郭を持たない。その事実が、この世界の残酷さを凝縮している。
「今はそれでいい。喋るのは最低限にしろ」
「……助けて、くれた?」
ユウは答えなかった。
代わりに、歩調をわずかに上げた。
助けたかどうかを決めるのは、まだ先だ。生き延びてからでいい。
だが、次の瞬間、その判断を後悔することになる。
遠くで、乾いた爆音が響いた。
続いて、空気を切り裂くようなエンジン音。複数。数は……三、いや四。
レイダーだ。
ユウは即座に進路を変更した。正面突破は無理だ。隠れる場所を探す。
高架の影に滑り込み、瓦礫の山を越え、崩れた地下通路の入り口に飛び込む。
暗闇に身を沈めた瞬間、エンジン音が頭上を通過した。
レイダーの笑い声が、風に混じって聞こえる。
「……やばい……」
ユウトの声が、震えた。
「黙れ」
言葉は強いが、手は無意識に支えを調整していた。
背負っているのは荷物じゃない。そう意識してしまった時点で、もう後戻りはできない。
エンジン音が遠ざかったかに思えた、その時。
ライトの光が、地下通路の入口をかすめた。
見つかる。
ユウは歯を食いしばり、手榴弾を取り出しかけて——やめた。
爆音は呼び寄せる。今は違う。
代わりに、ユウトをそっと下ろす。壁に寄せ、口元を押さえ、視線だけで指示する。
動くな。音を立てるな。
レイダーの影が、入口に差し込んだ。
一瞬の沈黙。次の瞬間、罵声とともにライトが振られる。
その刹那、ユウは引き金を引いた。
音は一発だけ。
倒れた影が崩れ落ちる前に、ユウはユウトを再び背負い、奥へ走った。
逃げる理由が、はっきりした。
拾ったからだ。拾った以上、狙われる。
この世界は、未来を拾う者を、決して放っておかない。
地下通路を抜け、再び地上に出た頃には、空の色がわずかに変わっていた。
終わり続ける世界の中で、時間だけが律儀に進んでいる。
ユウトの呼吸は、少しだけ安定している。
ユウは立ち止まり、遠くの地平を見た。
「……なあ」
「喋るなって言っただろ」
「……それでも……」
ユウトは一拍置き、絞り出すように言った。
「……俺、追われてた……たぶん……」
ユウは、黙ったまま歩き出した。
答えは、もう分かっている。
追われる理由は、拾った未来そのものだ。
そしてその理由は、これから否応なく、明らかになっていく。
世界が、動き始めた。
世界が、動き始めた。
それは爆音や警報のような分かりやすい兆候ではなかった。むしろ逆だ。空気が一段階、静かになる。風の流れが変わり、音の輪郭が研ぎ澄まされる。長く生き残ってきた者ほど、その違和感に先に気づく。
ユウは歩きながら、背中の感触に意識を向けた。
ユウトの呼吸は浅いが、安定している。熱はある。だが、致命的ではない。問題はそれ以外だった。
「……追われてたって言ったな」
「……うん」
ユウトの声は弱い。それでも、さっきより芯があった。
生きる側に、意識が戻り始めている。
「誰に」
「……わからない。でも……人じゃなかったかも」
ユウは足を止めなかった。
人じゃない、という言葉を、この世界で額面通りに受け取るほど、彼は甘くない。
「装備は」
「……首の、後ろ……」
ユウは一瞬、歩調を落とした。
嫌な予感が、確信に変わる。
廃ビルの影に入り、慎重にユウトを下ろす。背後を確認し、銃を構えたまま距離を取る。
ユウトの首筋に、細い金属のラインが走っていた。古いが、意図的に埋め込まれたものだ。
「……チップか」
ユウトは、答えなかった。
知らない、というより、知らされていない顔だった。
GENESIS。
白い施設、赤い警告灯、管理と修正の名のもとに行われた再生計画。
人を“資源”として扱う思想。
ユウは、舌打ちを飲み込んだ。
「動くな」
手袋を外し、最低限のスキャンをかける。反応は、かすかだが生きている。完全な起動状態ではない。だが、放っておけば、いずれ誰かが気づく。
「……俺、壊れてる?」
「まだだ」
短く言い切った。
壊れている、と言わせるのは簡単だ。だが、それを許した瞬間、この世界は人を二度殺す。
ユウは思考を切り替えた。
今は感情ではなく、選択の段階だ。
チップを抜くには設備が足りない。下手に触れば、逆に信号を強める可能性がある。
つまり——動き続けるしかない。
「行くぞ」
「……どこに」
「安全な場所だ。今は、それだけでいい」
ユウトはそれ以上、聞かなかった。
背負われる感覚に、ほんの一瞬だけ、身を預けるような力が伝わってくる。
再び歩き出した直後、遠くで別の音がした。
レイダーのエンジン音とは違う。もっと規則的で、無駄がない。
ドローンだ。
ユウは即座に進路を切った。高低差のある瓦礫地帯に入り、熱源を分散させる。
追跡は、もう始まっている。
「……俺のせい、だよな」
ユウトの声が、背中から落ちてきた。
「違う」
即答だった。
理由を考えるより先に、言葉が出た。
「拾ったのは、俺だ」
それが事実だった。
未来を拾ったのは、ユウ自身だ。
世界は、選択を許さない。
だが、選んだ責任から逃げることも、また許さない。
夜が近づいていた。
空の色が、灰から深い群青へと沈んでいく。
ユウは歩き続ける。
追われる理由を背負いながら、拾われた未来とともに。
第二章は、まだ終わらない。
だが、この時点で一つだけ、はっきりしたことがあった。
もう、この世界は、彼らを見逃さない。
0
あなたにおすすめの小説
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~
Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。
それでも、組織の理不尽には勝てなかった。
——そして、使い潰されて死んだ。
目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。
強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、
因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。
武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。
だが、邪魔する上司も腐った組織もない。
今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。
石炭と化学による国力強化。
情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。
準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。
これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、
「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、
滅びの未来を書き換えようとする建国譚。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる