アラフォー主婦が異世界に行ったら同じアラフォーの魔法使でした。

ぺこたま

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 はいはい、次ー。靴もあったけどサイズがあわなかった。王族は小さすぎる。アクセサリーはセリカ王女と館長に紹介状を書いてもらった店にマミヤと出かけた。一番きれいな服を着ていったけど、それでも浮くわー。さすがに接客はよかったけどね。
 大ぶりはさけて。いや、値段もすごかったけどさ。よかったよ、余分にお金入れてきて。クレジットカードないからねえ。現金オンリー。
「魔力通しやすいのはどれですか?できれば小さいので色が付いていないのがいいのですが」
「魔法使の方でしたか」
 納得してもらえてよかったよ。入った瞬間は「誰だこいつ?」みたいな視線はさすがにあったから。私が反対の立場だったらやってる。
「一番はダーモンですね。イヤリングでお探しでしょうか?」
「はい。もしデザインでマウシャ帝国っぽいのがれば嬉しいのですが」
「流行はこちらでしが、マウシャ古来でしたらこちらになります」
 流行はいらない。古来、というといわれがあるのかな。
 視線だけで説明が始まる。素敵。
「三日月の女神メルサンをイメージしたものです」
 三日月に小鳥がとまってる?
「メルサンは歌うのが大好きな女神で、歌い続けるうちに小鳥になり、夜でも月にのって子守歌を歌っていたといわれています」
 話も透明な月に黄色の小鳥がのってるデザインも可愛い。揺れるタイプ好きなんだよね~。
 問題は値段。ちょっと予算オーバー。だが一生物と思えば。今ここで!のタイミング。ラオンを売る?
「マミヤ、あのラオン売ったらいくらくらいになりそう?」
「そ、うですね。もし全額たりなければ出ると思いますが」
 ラオンを売れば足りる。どうしようかなあ。
 こういう店は値引き交渉がないだろうし。さようなら私のお肉~にするしかないか。
「後でまた来てもいいですか?取り置きできますか?」
「紹介状もありますし大丈夫です。もしよろしければ、魔導石でも取り引きいたしますよ」
 なに?
「魔導石はいくらあっても足りないものです。宝石の加工にも使いますし」
 それはありがたい。一個ポシェットから出して鑑定してもらって何個必要かきいてみよう。と、思ったら、石は店に用意してる物を使うという。店のカウンターの横を通り案内された部屋にはいると、腰の高さまでの平べったら石があった。ダルシアでは見たことない大きさ。
 断りを入れて魔力を流してみる。…いけそう。ただかなり魔力必要だね。ディタなら平気だけどね。
「これ一つですか?」
 はい、とのことだったのであっさり取引成立。マミヤにはまってもらって早速作業開始。店員さんにはなぜか驚かれたけど。時間惜しいからさくさくいくぞー。
 集中したらちょっと疲れた。寝れば回復するから大丈夫、なはず。これで無事アクセサリーゲット。手に職持ってるディタ素敵。ちなみに接客してくれた店員さんは副店長でした。
 靴はマミヤも時々はくというブーツにした。高さもあるし、見えるのはさきだけだからオッケー。見かけた布屋で白いレースを購入。これを今ある靴ひもと取り替える。マミヤは驚いてたけど、可愛くなるんだよ。全部見せるわけじゃないから、それくらいのかわいさはあってもいい。自己満足。通りで見かけたガラス小瓶を買ったり、ところどころ寄り道して帰ったら夕飯時間ギリギリになってしまった。久しぶりにたくさん歩いたなあ。今日はよく足をマッサージしておこう。

 やってきました、晩餐会当日。顔合わせの豪華なディナーだけだと思ってたよ。昼食べたら(少ししか出なかった)即準備。いや、私はそんな用意することないんだけど。と反論は通らず。お風呂に入った後化粧水とマッサージで整え、昨夜作ったチューブブラを着る。メイドさんは変な顔してた。頭の頭皮マッサージのあと、ブラッシング。オイルでつやを出して三つ編み団子。
「これ使ってもいいですか?」
 部屋に飾られていた切り花を髪に挿す。うん、いい感じ。ドレスの青とよく似合う。バランス大事。レースひものブーツをはく。満足な出来映え。メイドさんに手伝ってもらってドレスを着る。メルサン女神イヤリングをつける。小鳥が宝石に少しずつ魔力流したら下半分が黄緑に変わった。色変わるのか?てびっくりした。もう少し魔力流したら緑になったかも。あとでヨゾンにきいてみよう。
 化粧は軽く。うん、いいんじゃない?
「おかしくないですか?」
「え…あ、はい。花を髪に挿すの素敵です!その髪型はどうしたらまとまるのですか?」
 お、おう。そんなに気に入ったのか。勢いにびっくりしたよ。三つ編みにしても団子にはしないのね。時間は余っていたので、メイドさんと髪の編み方講座をしてみた。女の子いると「やってやってー」絵本もってくるんだよね。いや、あれはお姫様みたいにするのは難しいよ?それでも動画見ながら練習しましたよ、はい。今は何でもスマホあればできるのね。
 時間になったので行こうとしたら、
「魔法使様、杖をお忘れです」
 と止められた。え、もってくの?!食事中どこに置いておけばいいのよ、こんな大きいもの。傘ひっかけるリングみたいのがテーブルについているとか?きけば専用のイスがあるというい。いやいやきいた私のほうがびっくりよ、メイドさん。杖なしでも魔法使えるのに。荷物は持っていきたくないけどなぁ。晴れの日に大きな傘わざわざ持ってく?みたいな。やっぱり小さい専用の杖がほしい。
 待ち合わせ集合はロビーだ。ドレスに杖って合わないなぁ。いや、魔法少女みたいな可愛い杖だったら似合うのか?なんてあほなこと考えてしまった。
「ディタ、可愛いじゃないか」
 ドレスもきりっとして似合うマミヤだった。私の七五三的な感じではない着慣れてる感があるわー。
 マミヤ以外の女騎士は制服の騎士服。儀式用というだけあっていつもより華々しい。騎士団も同じような感じだ。白が眩しい。
 ヨゾンとデレスは貴族礼服。ダルシア王国の紋章メダルをつけている。セリカ王女とアデルはさすがの出で立ち。これが正しいドレスの着方かー。いや、どれだけギュウギュウコルセットしぼってるんだろう。ウエストあれだけしかないよ?倒れないかおばちゃん心配しちゃうよ。

 館からは馬車で城まで移動する。マミヤと一緒なので気楽だ。
「あれ、小鳥昨日は黄色じゃなかったですか?」
「魔力入れたら色変わっちゃったんだよ。なぜかわかる?」
「宝石に魔力が混じって変化するなんて聞いたことないけど」
 そうかー。ヨゾンのも変わらなかったもんね。小さいからかなぁ。
「昨日のブーツとは思えません」
 視線の先はブーツだ。
「可愛いでしょ。仕事以外の日にやってみたら?ひも入れ替えるだけだから」
 裾をめくる。もっと若い子なら短いドレスでこれはいても可愛いかも。
「さすがに私では」
 苦笑してたけど、充分若いよー。
 そんなこと話してたら、すぐ着いた。距離も近いけどさ。歩いていけるよ。
 順番はセリカ王女が一番で私が最後。足を踏み入れた瞬間わかった。
 結界が張られている。丸いドームみたいなのがみえた。ダルシアとは違う種類の結界だ。これ何カ所で張ってるいるんだろ。数人で一斉に魔力流してるっぽい。結界ってはじかれたらどうしよう、てなんかドキドキする。悪いことしてなくもね。歩いてたら警官にあったときみたいな。
 魔力が混ざるから複雑に結界ができあがる。頑丈になる。ダルシアだめだね。パリンてすぐ割れそうよ。
 おっとつい結界に夢中になってしまった。会場の入り口扉いも結界が施されている。ガラスみたい。お、結構分厚いぞ。三重くらいかな。よかった、はじかれなくて(笑)
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