雨巫女と天候の国

もも野はち助

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9.助っ人

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 オーガスト家の夜会参加後、アイリス達は更に二回程別の夜会に参加した。

 するとアレクシスが宣言した通り、二回目三回目と会を重ねる毎に周囲の目の厳しさを強く感じる事が多かったアイリスだったが、それはどの夜会も参加した直後だけだった。
 会場入りした直後のアレクシスにエスコートされてる時は、確かにコソコソと陰口を言われている事を多々感じたアイリス。しかし二人がダンスを披露すると、その評価は一気に好転するのだ。

 その状態に出来たのは、アイリスが今まで受けてきた王妃教育の賜物でもある。
 アイリスは王太子の婚約者という立場で、あれだけ好き勝手に振舞う以上は自身も文句の付けようがない状態まで高める努力を怠るべきではないという考えで、今まで貪欲に王妃教育を受けて来たのだ。

 ダンスの精度はもちろん、それは会話術の方でもだ。政治や経済等の時事ネタに限らず、流行やお洒落ネタの話まで、振られればアイリスはスラスラと相手の興味が一番高いベストな回答を導き出した。
 ただこれに関しては、アイリス自身も驚いていた。
 自分自身が初対面の相手の求めている言葉をこんなにも簡単に導き出す事が出来るとは思ってもみなかったからだ。

 しかし、そういう特技を身に付けてしまった経緯は何となく分かっていた。
 それはアイリスにとっては非常に不本意だが、これまでのアレクシスとの面会や手紙のやり取りの中で繰り広げていた嫌味の言い合いで、いつの間にか相手の出方を見る癖がついてしまっていたからだ。

 相手にとって一番ダメージになる言葉は何か……常にそれを探りながら嫌味の応酬をアレクシスに対して繰り出していたアイリス。しかしそれは、逆に相手が喜んでしまう言葉も瞬時に把握する必要がある。
 相手の欲しい真逆の言葉、それはすなわち相手が言われたくない言葉だからだ。

 現在三回まで参加した夜会を通してアイリスが感じた事は、嫌味だらけのやり取りとは言え、アレクシスとの交流を始めた6年前から、自分では気づかぬ内にアレクシスにこういった会話術を鍛えられていたのではないかという懸念が今、生まれている。
 結局、自分はあの男の掌の上で転がされていたのではないか……そう思ってしまうと、腹立たしさを越えて、情けなさから涙が出そうだ。

 それでもそのお陰で、自分に厳しい目を向けていた人間の多い今回の夜会で、アイリスの悪い印象をかなり好転出来た事は事実だ。三日後に最後の四回目の夜会参加を控えているアイリスだが……正直こちらの方はもう何の心配もない。

「後は……巫女会合よね……」

 そう盛大にため息をついたアイリス。
 こちらに関しては、いつの間にかアレクシスに鍛え上げられてしまった会話術は、恐らく通用しない……。
 何故ならアイリス以外の巫女同士の繋がりや信頼関係が強いからだ。
 そんな中にあまり良い印象を抱かれていないアイリスが気の利いた言葉を何度か発したとしても、すぐには受け入れて貰えない事は容易に想像できる。

 何よりも、まずその巫女達が抱いているアイリスへの悪印象の度合いが全く分からないので、対策を立てようにも情報不足なのだ。
 そんな状況を思い、思わずため息が出てしまったアイリスの手元には、巫女の家系の計六家の令嬢達の名前が書かれた紙があるのだが……名前以外は何も書かれていない。

 現状では六家中、自身の家であるスコール家と全面的に協力してくれそうなティアドロップ家の面々に関しては、すでに攻略済と考えていい状況だ。そうなると残りは四家との関係醸成が、今回の課題となってくる……。
 風巫女の一族は三家全てで、ブレスト家、エアリズム家、ストーム家。
 雨巫女の一族では、レイニーブルー家、現在はこの四家との関係醸成をアイリスは迫られている。

 だが、ここで問題になってくるのは、これらの令嬢達の情報を一体どうやって入手するかだ……。
 アイリスは姉や妹達から聞き出す事も考えたが、身内の力を借りる事はアレクシスが求めている課題の取り組み方に反する事になるので、後でこの部分を突っ込まれて登城滞在期間を延ばす言いがかり材料にされかねない。
 そうなるとやはり一番手っ取り早いのが、ティアドロップ家の4姉妹から情報収集をする事になる。

「セラフィナ様にお茶席を設けて頂くしかないのかしら……」

 しかし、ティアドロップ家の令嬢達は、この間の夜会の雰囲気からでは、そう言った派閥争い的な感じの事とは無縁な気がした。彼女達は通称「姫巫女」と呼ばれるだけあって、深窓のお姫様という感じで下世話な噂話などをする感じが一切しなかったからだ。そうなると恐らくアイリスが欲しい情報は、そこまで引き出せないだろう。

 巫女会合まであと10日……。
 もう少し他の巫女達の情報が欲しいアイリスだが、その方法が思いつかない……。
 そんな状態でいつの間にか眉間にシワを刻み考え込んでいると、自室の扉がノックされる。

「パール、カルミア。開けて」

 アイリスの指示で二人が扉を開けると、王妃セラフィナが室内に入って来た。

「セラフィナ様? 本日は夫人会の会合でお忙しいのでは?」
「そうなのだけれど、少し気になって抜けてきたの」
「気になる?」

 するとセラフィナは、キョロキョロとアイリスの部屋の中を見回した。

「あら、まだわたくしが手配しておいた助っ人さんは来ていないようね?」
「それは……以前おっしゃっていたフィーネの代わりの?」
「ええ。今日こちらに来ると言っていたのだけれど……。あの子、結構気まぐれな性格だから、寄り道でもしているのかしら? アイリス、悪いのだけれど少しここで待っていてあげてね?」
「それは構いませんが……。それならば客間のご用意を……」
「それには心配及ばなないわ。恐らくここへ直接入って来る・・・・・と思うから」
「ここに直接ですか?」
「ええ。だからもう少し待ってあげて? それではわたくしは一端、会合に戻るわね」
「お忙しいのにわざわざお気遣い頂きまして、ありがとうございました」
「いいのよ! だってその分、あなたの歌を聴く権利が得られるもの!」
「セラフィナ様ぁ……」
「アイリス。 世の中、ギブアンドテイクよ?」
「心に深く刻んでおきます……」

 セラフィナがアイリスに甘い理由の8割は、恐らく歌目当てだ。
 もはやお馴染みとも言える歌の催促をしながら部屋を出ようとしたセラフィナだが、急に何かを思い出した様にパールとカルミアの方へ目を向けた。

「そうそう、あなた達。そこのバルコニー付きの窓なのだけれど、出来れば全開しておいて頂戴ね」
「「か、かしこまりました!」」
「セラフィナ様? 窓がどうかされましたか?」
「アイリス。今日は窓を開けておくと、とっても良い風が入ってくるわよ?」

 そう意味ありげな言葉を残し、アイリスの部屋から出て行ったセラフィナ。
 すると早速、パールとカルミアが窓を開けにかかる。

「アイリス様。窓の方は、このぐらい開けておけばよろしいでしょうか?」
「うーん……。全開とおっしゃっていたから、もっと思い切って……」

 そうアイリスが言いかけたと同時に急に窓から突風が吹き込んで来た。

「「きゃぁぁぁー!!!!」」

 なだれ込むように吹き込んで来た風にパールとカルミアが悲鳴を上げる。
 アイリスも思わずその突風から庇う様にして顔の前に両腕をかざした。
 テーブルの上にあった空白だらけの対策資料は、その所為で部屋中に散らばる。
 すると――――。

「ごめんなさい! タイミングよく窓が開いたから思わず入っちゃった……」

 ここに居るはずのない懐かしい声がして、アイリスが両腕を下ろし、その人物に視線を向ける。
 すると肩くらいの長さの淡いラベンター色の髪を黒いリボンで一つに結んだ綺麗な顔立ちの12~13歳くらいの少年が、アイリスの部屋に笑顔を浮かべながら佇んでいた。

「ア、アズリルっ!? あなた……なんて所から入って来くるのよ!」
「アイリス姉様、お久しぶり~!」
「『お久しぶり~』じゃないでしょう!! 護衛に見つかったら怒られるわよ!?」
「大丈夫だよー。ほら、僕、特別に空から登城する許可貰っているから!」

 突風と共に現れたのは、少年令息の様な格好をした美少年……ではなく、風巫女の一族であるエアリズム家の次女アズリエールだ。彼女は意識を集中し、自身の体の周りに強力な風を纏って空を舞いながら風を起こす少し変わったスタイルの風巫女だ。

 彼女の風の力は、現風巫女の中では一番力が強いブレスト家のエリアテールと同じくらいなのだが、風を起こせる範囲が極端に狭い。例えるならピンポイントで圧縮した高圧の風を放つような……そんな風だ。
 現在は貿易が盛んなこの大陸の玄関口的な国であるマリンパールの第二王子と婚約中で、近々この風を使ってマリンパールに入港してくる船の迅速な誘導に貢献する予定となっている。

「アズリル……そんなに巫女力に頼り過ぎて空ばかり飛んでいたら、将来的に巫女力を失った時にうっかり転落死しちゃいそうで、心配なのだけれど……」
「平気平気! 今のところ巫女力失う予定なんて一切ないもん」
「でもあなた、確か三か月前にマリンパールの第二王子と、やっと婚約が決まったのではなかったかしら?」
「うん。オルク、すっごく優しくてお兄さんみたいないい人だよ?」
「お兄さんって……。オルクティス殿下って、確かあなたより一つ年上なだけで、大して年齢は変わらないはずじゃなかったかしら?」
「でもね、オルクは15歳にしては、とても落ち着いていて大人っぽいんだよ?」
「それならあなたは、少しはご婚約者様を見習ったら?」
「嫌だよ。もし二人共大人っぽくなったらメリハリなくなっちゃうよ? 僕が子供っぽいから、オルクの大人っぽさが引き立ってるのだし。そっちの方がオルクのイメージアップにもなるから、絶対お得でしょ?」
「アズリル、あなた本当にアレクに感化され過ぎているのね……」
「アレク兄様から学ばせて貰った処世術は、すっごく助かってるよ? そもそもそういうあざとさないと、こんな格好で風巫女なんて出来ないしね」

 そう言って自分の所為で部屋中に散らばった紙をアズリエールが拾い出す。

「あっ! セラフィナ様がおっしゃってた事って、この事かな? アイリス姉様……今回、かなり苦戦してるみたいだね?」

 紙に書かれた内容を見たアズリエールが、ニヤリとした顔をアイリスに向ける。

「気づいて貰えたのなら、助けて欲しいのだけれど? 助っ人さん」
「ふっふっふっ! 任せて! 僕こういう情報たくさん持ってるから!」
「でしょうね……。なんせアレク直伝の対人スキルを習得しているのだから」

 アイリスが半ば呆れ顔でそう言うと、アズリエールが侍女二人に声を掛ける。

「そこの可愛らしいお嬢さん方、申し訳ないだけれど、お茶の準備お願い出来るかな?」
「「かしこまりました!」」
「アズリル……私の侍女達に勝手に指示を出さないでくれる?」
「だってこの話、長くなるよ? そうなるとお茶は必須でしょう?」

 アズリエールは、フィーネリア繋がりで親しくなった風巫女だ。
 サンライズの巫女達は、6歳の巫女デビューを期にある昼食会に参加させられるようになる。その昼食会は表向きは派遣巫女の選別を目的という事になっているが、実際は婚約者候補の巫女を選ぶお見合いパーティーの要素が強いものだった。通常であれば、巫女達の取り合いになるほどの売れ行きを見せるそのお見合い昼食会なのだが……。フィーネリアは8歳まで今とは違った容姿の所為で、アズリエールはこの少年令息風の服装を好む変わった令嬢という事が原因で、売れ残り仲間として段々と親しくなっていったそうだ。

 特にアズリエールなど、幼少期からの婚約者から婚約破棄された経験があり、それから6年以上婚約が決まらず、最近やっとマリンパールの第二王子からの申し入れで決まったくらいだ。そんな売れ残りの原因であるアズリエールのこの少年令息風スタイルには、なかなか複雑な理由があるのだが……。本人はそんな事を微塵も感じさせない程、明るい性格をしている。

「これを見ると……ああ、ティアドロップ家はもう攻略済なんだね! まぁ、あそこは家族全員がアイリス姉様の大ファンだからね……。フィーネがいっつもお姉様達にアイリス姉様に会わせて欲しいってせがまれてて困っていたし」
「そ、そうなの!?」
「うん。でもアイリス姉様、自分の歌声があまり好きじゃないでしょう? 会わせちゃうと、どうしてもその話題になっちゃうから、フィーネも気を使ってお姉様方と会わせる事を控えていたんだよ」
「別に……自分の歌声が嫌いな訳じゃ……」
「その辺の事情は、アレク兄様がやらかした人生最大の大失態だと思うけれどね」
「アズリル……あなた10年前の事、アレクから何て聞いているの?」
「えへへ~。内緒~」

 思わせぶりな事を言いながら、無邪気な笑みを浮かべて誤魔化すアズリエールにアイリスがため息をつく。基本的にアズリエールは、アレクシスから毒気を抜いたような感じなので、策士的な要素が強いタイプでもあるのだ。

「まぁ、いいわ。それよりも今は巫女会合対策の方を優先させないと……」
「そうだね。とりあえず……六家中二家は問題ないよね。あと……ブレスト家も」
「ブレスト家って……風巫女エリアテール様のご実家よね?」
「うん。ここもエリア姉様の影響で姪っ子全員アイリス姉様のファンだから」

 さらりとそう言って、アズリエールが淹れて貰った紅茶に手を付ける。
 その言葉にアイリスは一瞬、時が止まった。

「はぁ!? それ、どういう事よっ!」
「あれ? 知らなかったんだ。エリア姉様、アイリス姉様の大ファンで、ずっと巫女会合で会えるの楽しみにしてたんだよ? でも結局はその前に急遽本格的に婚礼の話が進んじゃって、会えずじまいになっちゃったけれど……」
「私、その事を全く聞いていないのだけれど! 何故アレクはその事を隠蔽してんのよ!」
「隠蔽というか……あれだけ自分が拒絶されてたら言い出せないと思うけれど?」
「だからってエリアテール様は関係ないでしょ! ああ! 私も同じ歌巫女としてお話してみたかったのにぃ!」
「じゃあ、今からでもアレク兄様に頼めば? アレク兄様、イクレイオス殿下とは親友だし、言えばすぐにコーリングスターにアイリス姉様を連れて行ってくれるよ?」
「アレクに頼むのは絶対に嫌っ! 長距離を一緒に移動する事は、もっと嫌っ!」
「うわぁー。少しは改善されたかと思ったのだれけどアレク兄様、相変わらず嫌われているね……」

 アイリスの反応に若干引き気味な表情を浮かべるアズリエールだったが、気を取り直して話を進める。

「あとは……うちのエアリズム家も大丈夫かな。チビ助達は私とアイリス姉様が親しいの知ってるし、ユリーは今回も巫女会合不参加だから……」

 ユリーと聞いて、アイリスの表情がやや曇った。
 ユリー事、ユリアエールはアズリエールとは一卵性双生児で彼女の姉だが、幼少期にあったある事件が切っ掛けで、人が大勢いる場所に出て来れなくなった……と表向きはではなっている。しかし、実際は心身ともに何の問題もなく元気だ。
 しかしアズリエールに対するある行動で、アイリスは彼女に良い印象を抱いていなかった。

「アズリル……。今回のオルクティス殿下との婚約は……大丈夫なの?」

 その瞬間、先程まで天真爛漫であどけなかったアズリエールの表情が一変した。
 アイリスの言葉に目を見開いたかと思うと、ゆっくり綺麗な笑みを作り出す。

「アイリス姉様? どうしてそこでオルクの名前が出てくるの?」

 そしてアズリエールは、これ以上は踏み込ませないという強い意思を瞳に宿し、アイリスに向かって綺麗な微笑みを向ける。そのあまりにも頑ななアズリエールの様子にアイリスは、そっと目を伏せる。

「ごめんなさい……。余計な事を聞いてしまったわ。忘れて……」
「こっちこそ、ごめんなさい。アイリス姉様が僕の事を凄く心配してくれている事は伝わってきたから……。でもね、今回は本当に大丈夫!」

 そう言って、またいつも通りのあどけない表情に戻ったアズリエールは、仕切り直すようにコホンと咳ばらいをする。

「さてと! ここまで問題ないと言い続けてきた僕だけど……。アイリス姉様、残念な事にここからは問題しかないからね?」
「どういう事?」
「実は残りの二家である風巫女ストーム家と雨巫女レイニーブルー家に関しては、アイリス姉様の事をかなり・・・良く思っていないんだよね……」

 に~っこりしながら面白がる様に告げてきたアズリエールの言葉にアイリスは「やっぱり……」と心の中で呟いた。
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