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11.怒りの矛先
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イアルの訪問を目撃し、片頭痛を悪化させてベッドに突っ伏したクレアは、どうやらそのまま眠ってしまったようだ。
サイドテーブルには、恐らくマリンダが運んでくれたと思われるシルバーのティーセットが置かれていた。はちみつが添えられているところを見ると、恐らくこの中には、冷やされたカモミールティーが入っているのだろう。
クレアは、ややシワがついてしまったドレスを伸ばすようにして立ち上がると、もう日がすっかり落ちているようで、窓の外には紺色の空の境界線辺りにうっすらと夕焼けの赤色が差している事を確認する。
ふと右手で頬に触れるとシーツの痕がついていた。
「あの後、イアルはどうしたのかしら……」
眠った事で片頭痛はすっかり治まったが、直前で見た光景を思い出し、クレアは急に不安な気持ちを抱く。そのまま部屋を出ると、ちょうどクレアの様子を確認しようと、こちらへ向かっていたジョルジュに出くわした。
「クレアお嬢様! もうお加減はよろしいのですか?」
「ええ。眠ったら大分良くなったわ。ジョルジュ、ありがとう」
「それはよろしゅうございました」
「ところであの後、ジェラルド様の接待はどうなったの?」
「ご安心くださいませ。すぐに旦那様が来てくださいましたので。その後、イアル様もお見えになられたので、ティアラお嬢様も大人しく自室の方で過ごされておりましたよ?」
その話を聞いて、クレアがホッと胸を撫でおろす。
「そう。良かった……」
「どうやらジェラルド様は、ティアラお嬢様にとって理想の塊である男性像のようでございますね?」
「そうみたい。全く困ったものだわ」
それでもイアルの訪問があれば、そちらを優先させたティアラの行動にクレアは安堵していた。
◆◆◆
翌日、このティアラが全く懲りてない事を思い知らされる。
昨日のクレアの体調不良によって代理で対応してくれた父から、本日昼過ぎにそのジェラルドが、クレアの様子を心配して訪問する事を聞かされていた。
その為、クレアは先程からずっと自室で、ジェラルドの到着の知らせを待っているのだが……何故か一向にその知らせがクレアのもとにこない。
ジェラルドに提示する為のハーブ園についてまとめた資料の精査もすっかり終わってしまった。
不審に思ったクレアがその事を確認しようと部屋を出ると、ちょうど階段を降りようとしていたマリンダが、そのクレアの姿に気づく。
「クレアお嬢様!? もうお加減はよろしいのですか?」
「お加減? 片頭痛なら昨日しっかり寝た事で、もうとっくに治まっているのだけれど」
「ですが、ティアラお嬢様からは昼食後にクレアお嬢様は起き上がる事も出来ないほど頭痛が酷いため、ジェラルド様のお出迎えはご自身でされるとご対応されておりますが……」
その話を聞いたクレアは、あまりの話に瞳を大きく見開いて唖然とする。
「なんですってぇ!? ティアラは今どこに!?」
「三十分程前からお庭の方で公爵様をおもてなしされております」
それを聞き終わらないうちにクレアは、慌てて庭の方へと向かおうとする。
しかし、そんなクレアの目の前にイアルを案内しながらジョルジュが現れた。
「イアル!? ど、どうしたの? 確か昨日も来ていたと聞いたのだけれど、今日もティアラに会いに来たの?」
やや引きつった笑顔でクレアが問うと、イアルがゆっくりと首を振った。
「今日はティアラじゃなくて、君に会いに来たんだ」
「私に?」
「うん。少し聞きたい事があって」
そう言ったイアルは、どこか悲しそうな笑みを浮かべる。
その表情にクレアは、やや嫌な予感を抱く。
「ならば客間の方で……」
そう言いかけたクレアだが、今そこにイアルを案内してしまうと、中庭でジェラルドとお茶をしているティアラ達の姿が丸見えだ。
その事に気づいたクレアがどうしようかと迷っていると、それを察したのかイアルが困った笑みを浮かべる。
「クレア。少し聞きたい事があるだけで、そんなに長居するつもりはないよ。何なら君の部屋でも構わないよ?」
そう言って目の前にあるクレアの自室の方へと視線を向ける。
「でも、せめてお茶くらいは……」
「気にしないで。本当に少し……少しだけ確認したい事があるだけだから」
そう言ってイアルが、ゆっくりとクレアの部屋の方へと向かって歩き出したので、クレアもそれに合わせて移動する。幼少期から兄妹のような付き合いなので、クレアの自室にイアルが入る事は、お互いあまり抵抗がないのだ。
「どうぞ」
「ありがとう」
クレアが扉を開けて入室を促すと、イアルはいつも通り中へと足を踏み入れる。
そしてそのまま、座り慣れたクレアの部屋のソファーに腰を掛けた。
クレアもそれに合わせて向かい側の一人掛け用のソファーに座る。
「それで……聞きたい事って何かしら?」
「実はティアラの事なんだけれど」
その言葉にクレアが一瞬、ビクリと反応した。
すると、イアルが悲しげで困り果てたような笑みを浮かべる。
「ティアラは今、公爵閣下と中庭でお茶をしているみたいだね?」
「ど、どうしてそれを?」
「昨日、ティアラから聞いたんだ。君の体調があまり良くないから、代わりに自分が閣下の対応をするって嬉しそうに話してくれた」
そのイアルの言葉にクレアの顔色が悪くなる。
幼馴染でもある彼は、ティアラの性格をよく理解している。
だが、今のイアルが口にした言葉は、ティアラがジェラルドに惹かれている事を示唆するような内容である。そのことに気づいたクレアは。すぐに弁明する。
「違うの! 昨日は私、本当に片頭痛が酷くて……。それでティアラが私を気遣って対応役を買ってでてくれただけなの!」
つい先程まで、イアルが誤解している状況と全く同じ疑念を抱いていたクレアだが、今は必死にこの壊れかけている二人の関係の修復をしなければと、咄嗟にそういう言葉が出てしまった。
しかしその気遣いも虚しく、イアルが口にした言葉は耳を疑うようなものだった。
「ティアラがね。もし公爵閣下から婚約の打診があった場合、僕との婚約は無かった事にして欲しいと、昨日無邪気な笑顔をしながら僕に言って来たんだ」
そう言ったイアルの表情は、今までクレアが見た中で一番慈愛に満ちた笑みで、一番恐怖を感じる笑みだった。
イアルから放たれた妹の信じられない言葉に衝撃を受けたからなのか。
それともイアルが、初めて見せた恐怖すら感じる優しすぎる微笑みに怯んでしまったのか。
クレアは何かを発しようとして、全く声が出ないという状況を初めて味わう。
そんなクレアの反応を確認するようにイアルがゆっくり、静かに言葉を続けた。
「公爵は……ティアラが好きなロマンス小説に出てくる素敵な容姿の男性のようだね」
その言葉にクレアの口元が、無意識にぎゅっと締まる。
「僕だってティアラとは付き合いが長いから、彼女が自分好みの男性と遭遇した際に過剰に執着してしまうことは、ある程度理解はしているよ?」
まるで穏やかに歌でも口ずさむようにイアルがゆっくりと言葉を紡ぐ。
その様子にクレアは、顔から血の気が引いていくのを感じた。
「そして僕との婚約も公爵閣下から逃げるために承諾したということも受け入れているつもりだった」
やや顔を俯かせたイアルは、悲しそうな笑みを向けてきた。
そんな彼の切なそうな表情にクレアは息を張り詰める。
ティアラが無自覚にしてしまった行為に弁明の余地などはない。
そのことを実感してしまったクレアの首筋に嫌な汗が流れる。
「でもね、流石の僕でも今の状況は、あまりにも納得できない。だからその事で昨日ティアラを少し責めたんだ。そうしたら彼女、こんなことを口にしたんだよね」
一度そこで言葉を溜めたイアルは、スッとクレアの方に真っ直ぐ顔を向け、とびきり優しい笑みを浮かべた。
「公爵閣下がオーデント領に来た当初の目的には、ティアラに会う事も含まれていたから、それを気遣った君が荷物を取りに来たティアラに話し合いの場に同席するようにと勧めてきたって」
その話を聞いたクレアは、大きく目を見開きながら小さく震え出す。
イアルが自分達二人の事をよく知っているようにクレア達もイアルが、どういう性格なのかをよく知っている。
イアルは本気で怒ると物凄く優しい笑みを浮かべながらゆっくりと……そしてじっくり諭すようにその気持ちを訴えてくる。
彼は深く静かに怒るタイプなのだ。
だからティアラがそのような嘘をついてしまった事は、分からなくもない。
いつも不満や怒りをまき散らしている人間に怒鳴られるより、普段は優しく穏やかで滅多に怒らない人間が、本気で怒っている時の方が恐ろしい。
なまじ周りの人間をいつの間にか怒らせてしまう事が多いティアラにとって、相手から本気で怒りをぶつけられる事は、ややトラウマになっている。
傍から見れば、ティアラが無意識に繰り出した不快な振る舞いが蓄積された結果なので、自業自得な状況だと言われても仕方のない状況である。
ティアラにとっては、相手の不快になる行為だという事に気づけず、無意識でやり続けてしまっているので、限界を感じて怒りをぶつけてくる相手が、自分は何もしてないのに急に怒り出したように見えてしまうのだ。
だから本気で怒りを訴えてくる人間に対して、すぐに自分は悪くないという逃げ道を必死で探してしまう悪い癖がある。
無自覚に人を不快にさせてしまうことが多いティアラは、人から怒られることがトラウマになっている。
その状況を回避しようと、思わず嘘をついてしまうのだ。
だがそれはすぐに嘘だと分かる稚拙な言い訳であることが殆どで、それが原因でまたしても相手を怒らせてしまう。
今回ティアラは、自分がジェラルドに気に入られて婚約を申し込まれても、優しいイアルであれば快く婚約を解消してくれるだろうと思い込み、軽い気持ちでそんな話をしてしまったのだろう。
相手の立場になって物事を考えることが苦手なティアラらしい愚行だ。
しかし、ずっとティアラに想いを寄せ、必死で諦めようとしながら、やっと婚約者になる事が出来たイアルにとっては、いくらティアラがそういう性格だと分かっていても許す事が出来なかったのだろう。
普段は優しく滅多に怒らない婚約者に深い怒りを訴えられたティアラは、咄嗟にそのような嘘をついてしまったのだろう。
だが、責任転換されてしまったクレアのほうはたまったものではない。
「待って、イアル! 私がお父様と必死になってティアラが閣下と顔を会わせないように動いていたのは、あなたも知っているでしょう!? その私がそんなことを言うと思う!?」
イアルならティアラの性格をよく知っているはずなので、その妹の言い分は嘘だと、すでに理解しているはずだ。
だが、目の前にいるイアルからは全くその気配が感じられない。
その状況をまずいと判断したクレアは、ソファーから立ち上がり、必死にイアルへ自分の無実を訴える。
するとイアルは、冷たさを含む優しい笑みを浮かべてきた。
「そうだね……。確かに君はそんな事を言う人ではない。ならどうして、その時に何としてでもティアラを自室に下がらせようとしなかったんだい? 君だって、ティアラの好きな物に対する過剰な執着心は知っていただろ?」
「下がらせようとしたわ! でもあの子、ちっとも言う事を聞いてくれなくて……。あなたもあの子がそういう性格だって知っているじゃない!」
するとイアルがソファーから立ち上がり、必死に弁明するクレアの方へと、ゆっくりと近づいてくる。
そのイアルの動きに何故かクレアは恐怖を感じてしまい、思わず後ろへ数歩ほど後ずさってしまった。
「もちろん知っているよ? 本気で怒られることを酷く恐れるティアラが、一杯一杯になって自分の保身の事しか考えられず、誰もがすぐに見抜ける完成度の低い嘘の言い訳を咄嗟にしてしまう事も」
「だったら!!」
「でも君は、僕とティアラの仲を後押ししてくれていただろ? 君だってティアラの性格をよく分かっているのだから、もう少し彼女から公爵閣下を遠ざけるように対策は出来なかったのかな?」
「だから……その件に関しては、防ぎようが無かったとつたえたでしょう!? イアル……あなた変よ? 今までのあなたならこんな理不尽な怒り方なんてしなかったじゃない」
クレアのその言葉にイアルが、フッと小さく息を吐きながら口の端を上げる。
「確かに僕は変だ。公爵から言い寄られると勘違いして逃げる口実として婚約を受けてもらい、実はその公爵が好みの男性だと判明した途端、切り捨てようとする。そんな酷い仕打ちを罪悪感もなく、無邪気な笑みで僕に行おうとした君の妹に深い愛情を抱いてしまっているのだから……。でも、それを言ったら君の妹もかなり変だ。そしてクレア、君自身も」
そう口にしながらイアルはクレアとの距離を詰めてきた。
明らかに静かな怒りを発しているイアルにクレアは無意識に後ずさる。
気づけば、いつの間にか部屋の隅にまで追いやられていた。
「君は本当に公爵閣下からティアラを遠ざける気はあったのかな?」
「どういう……意味?」
「だって君は、以前一時とは言え、僕に好意を抱いていたじゃないか」
そこでクレアは、やっとイアルが言わんとしていることを理解する。
過去の自分がイアルに恋心を抱いていたことが短い期間とはいえあったことを。
しかし、そのイアルの気持ちが妹にあると思い、身を引く事にしたが、土壇場になってその妹が公爵閣下という魅惑的な男性に惹かれている事を目の当たりにしたクレア。
イアルは、ティアラとジェラルドが結ばれれば、自分がまたクレアの許に戻ってくるかもしれないという考えをクレアが抱いたのではないかという事を問い詰めてきているのだ。
そんな事を微塵も考えた事もないクレアが、必死で否定しようとする。
しかし、イアルの冷たい笑みを前にして、自分でも信じられない程の恐怖を感じてしまい、声が上手く出せない。
そもそも今のイアルは、明らかに様子がおかしい。
瞬時に異変に気づいたクレアは彼の横をすり抜け、扉まで逃れようとする。
しかし気づかれてしまい、後ろに倒れそうなほど勢いよく腕を引っ張られた。
その反動でクレアの腰がサイドテーブルに激しくぶつかり、中身のないシルバーのティーセットが部屋中に盛大な音をたてながら落下する。
その音に驚き目をつぶってしまったクレアは、その一瞬で両手を壁に貼りつけられてしまう。
恐る恐る目を開けば、悲しみと絶望の表情を浮かべているイアルの顔が間近にあった。
そんな彼に恐怖しながらも、憐れむような視線を向けてしまう。
「クレア……君は本当に本心で僕とティアラの仲を祝福してくれていたのかな?」
光の無い瞳でゆっくりと口元に笑みを浮かべながら、やや首を傾げたイアルがクレアの両手首から手を放す。
しかし次の瞬間、イアルのその両手は掴む対象を今度はクレアの首へと変えた。
驚きで目を見開いたクレアは、ヒュッと音を立てて大きく息を吸い込む。
そしてすぐに吸い込んだ空気を吐きだそうとした。
だが、それは首に添えられたイアルの大きな手によって阻まれてしまう。
「お願いだ……。答えてくれ」
答えを求めながら答えられない状況を強いてくるイアルは、ゆっくりと真綿で締め上げるように指先への力が強めてくる。
人一倍真面目で誰よりも優しかったイアルの信じがたい行動にクレアは、驚きと恐怖で目を見開いた。
だか、虚ろな瞳をした彼は全く指の力を緩める気配がない。
それだけイアルの心は深く傷つき、追い詰められていてしまったのだろう。
そしてなぜかその怒りは彼を一番深く傷つけた妹のティアラではなく、姉であるクレアへと向けられている。
本気で首を締め上げてくる大きな手から逃れようと、クレアは必死にその手と自身の首の間に指を差し入れようとした。
しかしガッチリと掴まれてしまっているため、そんな隙間はない。
それどころかさらに指に力が込められ、クレアの気道を完全に塞ごうする。
「イ……アル……。やめ……てっ!」
絞り出すようにクレアが懇願するが、目の前のイアルは虚ろな瞳をしたまま、じっとクレアを見つめ、更に首に掛けた手の力を強めて行く。
段々と意識が薄れて行く中で、ついにクレアの手がイアルから滑り落ちた。
視界の周りに黒い靄が掛かり始める。
クレアがもうダメだと覚悟した瞬間――――。
突然、部屋の扉が大きく蹴破られる。
すると、我に返ったイアルの手がクレアの首から一瞬で離れた。
それと同時にクレアの中に勢いよく空気が押し寄せ、咳き込みながらクレアは膝を折って床にへたり込んでしまった。
そして目の前では、物凄い音と共にイアルが勢いよく床に押しつけられている。
「クレア様っ!! お気を確かにっ!!」
そう自分に向って叫んでいるのは、ジェラルドの護衛のコリウスだ。
その後から、執事のジョルジュとマリンダが勢いよく部屋に入ってくる。
「クレアお嬢様ぁぁぁー!!」
悲痛な叫びを上げながら駆け寄って来たマリンダと、真っ青な顔をしたジョルジュの姿を確認したクレアは、急に目の前が真っ暗となり、そのまま意識を失ってしまった。
サイドテーブルには、恐らくマリンダが運んでくれたと思われるシルバーのティーセットが置かれていた。はちみつが添えられているところを見ると、恐らくこの中には、冷やされたカモミールティーが入っているのだろう。
クレアは、ややシワがついてしまったドレスを伸ばすようにして立ち上がると、もう日がすっかり落ちているようで、窓の外には紺色の空の境界線辺りにうっすらと夕焼けの赤色が差している事を確認する。
ふと右手で頬に触れるとシーツの痕がついていた。
「あの後、イアルはどうしたのかしら……」
眠った事で片頭痛はすっかり治まったが、直前で見た光景を思い出し、クレアは急に不安な気持ちを抱く。そのまま部屋を出ると、ちょうどクレアの様子を確認しようと、こちらへ向かっていたジョルジュに出くわした。
「クレアお嬢様! もうお加減はよろしいのですか?」
「ええ。眠ったら大分良くなったわ。ジョルジュ、ありがとう」
「それはよろしゅうございました」
「ところであの後、ジェラルド様の接待はどうなったの?」
「ご安心くださいませ。すぐに旦那様が来てくださいましたので。その後、イアル様もお見えになられたので、ティアラお嬢様も大人しく自室の方で過ごされておりましたよ?」
その話を聞いて、クレアがホッと胸を撫でおろす。
「そう。良かった……」
「どうやらジェラルド様は、ティアラお嬢様にとって理想の塊である男性像のようでございますね?」
「そうみたい。全く困ったものだわ」
それでもイアルの訪問があれば、そちらを優先させたティアラの行動にクレアは安堵していた。
◆◆◆
翌日、このティアラが全く懲りてない事を思い知らされる。
昨日のクレアの体調不良によって代理で対応してくれた父から、本日昼過ぎにそのジェラルドが、クレアの様子を心配して訪問する事を聞かされていた。
その為、クレアは先程からずっと自室で、ジェラルドの到着の知らせを待っているのだが……何故か一向にその知らせがクレアのもとにこない。
ジェラルドに提示する為のハーブ園についてまとめた資料の精査もすっかり終わってしまった。
不審に思ったクレアがその事を確認しようと部屋を出ると、ちょうど階段を降りようとしていたマリンダが、そのクレアの姿に気づく。
「クレアお嬢様!? もうお加減はよろしいのですか?」
「お加減? 片頭痛なら昨日しっかり寝た事で、もうとっくに治まっているのだけれど」
「ですが、ティアラお嬢様からは昼食後にクレアお嬢様は起き上がる事も出来ないほど頭痛が酷いため、ジェラルド様のお出迎えはご自身でされるとご対応されておりますが……」
その話を聞いたクレアは、あまりの話に瞳を大きく見開いて唖然とする。
「なんですってぇ!? ティアラは今どこに!?」
「三十分程前からお庭の方で公爵様をおもてなしされております」
それを聞き終わらないうちにクレアは、慌てて庭の方へと向かおうとする。
しかし、そんなクレアの目の前にイアルを案内しながらジョルジュが現れた。
「イアル!? ど、どうしたの? 確か昨日も来ていたと聞いたのだけれど、今日もティアラに会いに来たの?」
やや引きつった笑顔でクレアが問うと、イアルがゆっくりと首を振った。
「今日はティアラじゃなくて、君に会いに来たんだ」
「私に?」
「うん。少し聞きたい事があって」
そう言ったイアルは、どこか悲しそうな笑みを浮かべる。
その表情にクレアは、やや嫌な予感を抱く。
「ならば客間の方で……」
そう言いかけたクレアだが、今そこにイアルを案内してしまうと、中庭でジェラルドとお茶をしているティアラ達の姿が丸見えだ。
その事に気づいたクレアがどうしようかと迷っていると、それを察したのかイアルが困った笑みを浮かべる。
「クレア。少し聞きたい事があるだけで、そんなに長居するつもりはないよ。何なら君の部屋でも構わないよ?」
そう言って目の前にあるクレアの自室の方へと視線を向ける。
「でも、せめてお茶くらいは……」
「気にしないで。本当に少し……少しだけ確認したい事があるだけだから」
そう言ってイアルが、ゆっくりとクレアの部屋の方へと向かって歩き出したので、クレアもそれに合わせて移動する。幼少期から兄妹のような付き合いなので、クレアの自室にイアルが入る事は、お互いあまり抵抗がないのだ。
「どうぞ」
「ありがとう」
クレアが扉を開けて入室を促すと、イアルはいつも通り中へと足を踏み入れる。
そしてそのまま、座り慣れたクレアの部屋のソファーに腰を掛けた。
クレアもそれに合わせて向かい側の一人掛け用のソファーに座る。
「それで……聞きたい事って何かしら?」
「実はティアラの事なんだけれど」
その言葉にクレアが一瞬、ビクリと反応した。
すると、イアルが悲しげで困り果てたような笑みを浮かべる。
「ティアラは今、公爵閣下と中庭でお茶をしているみたいだね?」
「ど、どうしてそれを?」
「昨日、ティアラから聞いたんだ。君の体調があまり良くないから、代わりに自分が閣下の対応をするって嬉しそうに話してくれた」
そのイアルの言葉にクレアの顔色が悪くなる。
幼馴染でもある彼は、ティアラの性格をよく理解している。
だが、今のイアルが口にした言葉は、ティアラがジェラルドに惹かれている事を示唆するような内容である。そのことに気づいたクレアは。すぐに弁明する。
「違うの! 昨日は私、本当に片頭痛が酷くて……。それでティアラが私を気遣って対応役を買ってでてくれただけなの!」
つい先程まで、イアルが誤解している状況と全く同じ疑念を抱いていたクレアだが、今は必死にこの壊れかけている二人の関係の修復をしなければと、咄嗟にそういう言葉が出てしまった。
しかしその気遣いも虚しく、イアルが口にした言葉は耳を疑うようなものだった。
「ティアラがね。もし公爵閣下から婚約の打診があった場合、僕との婚約は無かった事にして欲しいと、昨日無邪気な笑顔をしながら僕に言って来たんだ」
そう言ったイアルの表情は、今までクレアが見た中で一番慈愛に満ちた笑みで、一番恐怖を感じる笑みだった。
イアルから放たれた妹の信じられない言葉に衝撃を受けたからなのか。
それともイアルが、初めて見せた恐怖すら感じる優しすぎる微笑みに怯んでしまったのか。
クレアは何かを発しようとして、全く声が出ないという状況を初めて味わう。
そんなクレアの反応を確認するようにイアルがゆっくり、静かに言葉を続けた。
「公爵は……ティアラが好きなロマンス小説に出てくる素敵な容姿の男性のようだね」
その言葉にクレアの口元が、無意識にぎゅっと締まる。
「僕だってティアラとは付き合いが長いから、彼女が自分好みの男性と遭遇した際に過剰に執着してしまうことは、ある程度理解はしているよ?」
まるで穏やかに歌でも口ずさむようにイアルがゆっくりと言葉を紡ぐ。
その様子にクレアは、顔から血の気が引いていくのを感じた。
「そして僕との婚約も公爵閣下から逃げるために承諾したということも受け入れているつもりだった」
やや顔を俯かせたイアルは、悲しそうな笑みを向けてきた。
そんな彼の切なそうな表情にクレアは息を張り詰める。
ティアラが無自覚にしてしまった行為に弁明の余地などはない。
そのことを実感してしまったクレアの首筋に嫌な汗が流れる。
「でもね、流石の僕でも今の状況は、あまりにも納得できない。だからその事で昨日ティアラを少し責めたんだ。そうしたら彼女、こんなことを口にしたんだよね」
一度そこで言葉を溜めたイアルは、スッとクレアの方に真っ直ぐ顔を向け、とびきり優しい笑みを浮かべた。
「公爵閣下がオーデント領に来た当初の目的には、ティアラに会う事も含まれていたから、それを気遣った君が荷物を取りに来たティアラに話し合いの場に同席するようにと勧めてきたって」
その話を聞いたクレアは、大きく目を見開きながら小さく震え出す。
イアルが自分達二人の事をよく知っているようにクレア達もイアルが、どういう性格なのかをよく知っている。
イアルは本気で怒ると物凄く優しい笑みを浮かべながらゆっくりと……そしてじっくり諭すようにその気持ちを訴えてくる。
彼は深く静かに怒るタイプなのだ。
だからティアラがそのような嘘をついてしまった事は、分からなくもない。
いつも不満や怒りをまき散らしている人間に怒鳴られるより、普段は優しく穏やかで滅多に怒らない人間が、本気で怒っている時の方が恐ろしい。
なまじ周りの人間をいつの間にか怒らせてしまう事が多いティアラにとって、相手から本気で怒りをぶつけられる事は、ややトラウマになっている。
傍から見れば、ティアラが無意識に繰り出した不快な振る舞いが蓄積された結果なので、自業自得な状況だと言われても仕方のない状況である。
ティアラにとっては、相手の不快になる行為だという事に気づけず、無意識でやり続けてしまっているので、限界を感じて怒りをぶつけてくる相手が、自分は何もしてないのに急に怒り出したように見えてしまうのだ。
だから本気で怒りを訴えてくる人間に対して、すぐに自分は悪くないという逃げ道を必死で探してしまう悪い癖がある。
無自覚に人を不快にさせてしまうことが多いティアラは、人から怒られることがトラウマになっている。
その状況を回避しようと、思わず嘘をついてしまうのだ。
だがそれはすぐに嘘だと分かる稚拙な言い訳であることが殆どで、それが原因でまたしても相手を怒らせてしまう。
今回ティアラは、自分がジェラルドに気に入られて婚約を申し込まれても、優しいイアルであれば快く婚約を解消してくれるだろうと思い込み、軽い気持ちでそんな話をしてしまったのだろう。
相手の立場になって物事を考えることが苦手なティアラらしい愚行だ。
しかし、ずっとティアラに想いを寄せ、必死で諦めようとしながら、やっと婚約者になる事が出来たイアルにとっては、いくらティアラがそういう性格だと分かっていても許す事が出来なかったのだろう。
普段は優しく滅多に怒らない婚約者に深い怒りを訴えられたティアラは、咄嗟にそのような嘘をついてしまったのだろう。
だが、責任転換されてしまったクレアのほうはたまったものではない。
「待って、イアル! 私がお父様と必死になってティアラが閣下と顔を会わせないように動いていたのは、あなたも知っているでしょう!? その私がそんなことを言うと思う!?」
イアルならティアラの性格をよく知っているはずなので、その妹の言い分は嘘だと、すでに理解しているはずだ。
だが、目の前にいるイアルからは全くその気配が感じられない。
その状況をまずいと判断したクレアは、ソファーから立ち上がり、必死にイアルへ自分の無実を訴える。
するとイアルは、冷たさを含む優しい笑みを浮かべてきた。
「そうだね……。確かに君はそんな事を言う人ではない。ならどうして、その時に何としてでもティアラを自室に下がらせようとしなかったんだい? 君だって、ティアラの好きな物に対する過剰な執着心は知っていただろ?」
「下がらせようとしたわ! でもあの子、ちっとも言う事を聞いてくれなくて……。あなたもあの子がそういう性格だって知っているじゃない!」
するとイアルがソファーから立ち上がり、必死に弁明するクレアの方へと、ゆっくりと近づいてくる。
そのイアルの動きに何故かクレアは恐怖を感じてしまい、思わず後ろへ数歩ほど後ずさってしまった。
「もちろん知っているよ? 本気で怒られることを酷く恐れるティアラが、一杯一杯になって自分の保身の事しか考えられず、誰もがすぐに見抜ける完成度の低い嘘の言い訳を咄嗟にしてしまう事も」
「だったら!!」
「でも君は、僕とティアラの仲を後押ししてくれていただろ? 君だってティアラの性格をよく分かっているのだから、もう少し彼女から公爵閣下を遠ざけるように対策は出来なかったのかな?」
「だから……その件に関しては、防ぎようが無かったとつたえたでしょう!? イアル……あなた変よ? 今までのあなたならこんな理不尽な怒り方なんてしなかったじゃない」
クレアのその言葉にイアルが、フッと小さく息を吐きながら口の端を上げる。
「確かに僕は変だ。公爵から言い寄られると勘違いして逃げる口実として婚約を受けてもらい、実はその公爵が好みの男性だと判明した途端、切り捨てようとする。そんな酷い仕打ちを罪悪感もなく、無邪気な笑みで僕に行おうとした君の妹に深い愛情を抱いてしまっているのだから……。でも、それを言ったら君の妹もかなり変だ。そしてクレア、君自身も」
そう口にしながらイアルはクレアとの距離を詰めてきた。
明らかに静かな怒りを発しているイアルにクレアは無意識に後ずさる。
気づけば、いつの間にか部屋の隅にまで追いやられていた。
「君は本当に公爵閣下からティアラを遠ざける気はあったのかな?」
「どういう……意味?」
「だって君は、以前一時とは言え、僕に好意を抱いていたじゃないか」
そこでクレアは、やっとイアルが言わんとしていることを理解する。
過去の自分がイアルに恋心を抱いていたことが短い期間とはいえあったことを。
しかし、そのイアルの気持ちが妹にあると思い、身を引く事にしたが、土壇場になってその妹が公爵閣下という魅惑的な男性に惹かれている事を目の当たりにしたクレア。
イアルは、ティアラとジェラルドが結ばれれば、自分がまたクレアの許に戻ってくるかもしれないという考えをクレアが抱いたのではないかという事を問い詰めてきているのだ。
そんな事を微塵も考えた事もないクレアが、必死で否定しようとする。
しかし、イアルの冷たい笑みを前にして、自分でも信じられない程の恐怖を感じてしまい、声が上手く出せない。
そもそも今のイアルは、明らかに様子がおかしい。
瞬時に異変に気づいたクレアは彼の横をすり抜け、扉まで逃れようとする。
しかし気づかれてしまい、後ろに倒れそうなほど勢いよく腕を引っ張られた。
その反動でクレアの腰がサイドテーブルに激しくぶつかり、中身のないシルバーのティーセットが部屋中に盛大な音をたてながら落下する。
その音に驚き目をつぶってしまったクレアは、その一瞬で両手を壁に貼りつけられてしまう。
恐る恐る目を開けば、悲しみと絶望の表情を浮かべているイアルの顔が間近にあった。
そんな彼に恐怖しながらも、憐れむような視線を向けてしまう。
「クレア……君は本当に本心で僕とティアラの仲を祝福してくれていたのかな?」
光の無い瞳でゆっくりと口元に笑みを浮かべながら、やや首を傾げたイアルがクレアの両手首から手を放す。
しかし次の瞬間、イアルのその両手は掴む対象を今度はクレアの首へと変えた。
驚きで目を見開いたクレアは、ヒュッと音を立てて大きく息を吸い込む。
そしてすぐに吸い込んだ空気を吐きだそうとした。
だが、それは首に添えられたイアルの大きな手によって阻まれてしまう。
「お願いだ……。答えてくれ」
答えを求めながら答えられない状況を強いてくるイアルは、ゆっくりと真綿で締め上げるように指先への力が強めてくる。
人一倍真面目で誰よりも優しかったイアルの信じがたい行動にクレアは、驚きと恐怖で目を見開いた。
だか、虚ろな瞳をした彼は全く指の力を緩める気配がない。
それだけイアルの心は深く傷つき、追い詰められていてしまったのだろう。
そしてなぜかその怒りは彼を一番深く傷つけた妹のティアラではなく、姉であるクレアへと向けられている。
本気で首を締め上げてくる大きな手から逃れようと、クレアは必死にその手と自身の首の間に指を差し入れようとした。
しかしガッチリと掴まれてしまっているため、そんな隙間はない。
それどころかさらに指に力が込められ、クレアの気道を完全に塞ごうする。
「イ……アル……。やめ……てっ!」
絞り出すようにクレアが懇願するが、目の前のイアルは虚ろな瞳をしたまま、じっとクレアを見つめ、更に首に掛けた手の力を強めて行く。
段々と意識が薄れて行く中で、ついにクレアの手がイアルから滑り落ちた。
視界の周りに黒い靄が掛かり始める。
クレアがもうダメだと覚悟した瞬間――――。
突然、部屋の扉が大きく蹴破られる。
すると、我に返ったイアルの手がクレアの首から一瞬で離れた。
それと同時にクレアの中に勢いよく空気が押し寄せ、咳き込みながらクレアは膝を折って床にへたり込んでしまった。
そして目の前では、物凄い音と共にイアルが勢いよく床に押しつけられている。
「クレア様っ!! お気を確かにっ!!」
そう自分に向って叫んでいるのは、ジェラルドの護衛のコリウスだ。
その後から、執事のジョルジュとマリンダが勢いよく部屋に入ってくる。
「クレアお嬢様ぁぁぁー!!」
悲痛な叫びを上げながら駆け寄って来たマリンダと、真っ青な顔をしたジョルジュの姿を確認したクレアは、急に目の前が真っ暗となり、そのまま意識を失ってしまった。
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