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第1話 屋根裏部屋
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某県某所にある至って普通の住宅での出来事でした。
私は転勤の為会社から近い場所に住もうと思い部屋探しをしていたのです。どこも似た様な価格帯で今の給料で住めないわけではなかったのですが好きなことに使いたかった為、不動産屋から提供される物件を吟味してました。
「うーん...そうですねぇ。あまり他の人には見せてないんですが」
そう言って渋々提示してくれた物件がありました。一軒家なのに先程まで見ていた物件の中で一番家賃が安かったのです。
「一軒屋かぁ。でも私一人だしなぁ」
「意外と一人で使ってみると贅沢なものですよ。見学だけでもいかがです?」
「じゃあ...見学だけ、してみます」
そうして見学の約束をした私は後日、不動産屋の前で待ち合わせをしそのまま物件へと車で向かいました。道中、気になる様な点はこの時は何も無かったのですが。
「着きましたよ」
車を降りるとそこにあったのはまだ新しい一軒屋でした。不動産屋の話によるとここに住んで少し経った後、海外へ転勤となり家を手放したというのです。
「中も綺麗ですね」
「はい。使った期間が短かったので比較的綺麗なんですよ。しかも家賃も安いですし」
「何故、家賃が安いんですか?」
「手放したもののメンテナンスなどしていませんでしたので価値が下がりこの家賃という事になっております」
「へぇ~」
心の中でこの物件にしようと決めていた私は戻った後、手続きを済まし1週間後にこの家に来ることになりました。
友達に引越しの手伝いをしてもらいその日は友人の3人と私の計4人でこの家で過ごすことになったのです。
「そういえばさ、屋根裏部屋みたいなの見つけたんだけどドア開かなかったんだよね」
「屋根裏部屋...?」
「ここ紹介された時間取りとか見なかった?」
「見たけど」
そんなものあっただろうかと思いながらも友人の話を聞いていると、
「あー、そういえばあそこ開かない~って言ってたね」
「そそ。置けない荷物置くのに丁度いいかな~と思ってたんだけど」
どうやらドアに鍵がかかっていたらしく開かなかった、というのだが。
不動産屋からそんな話は聞いていないし、鍵も渡されていない。不思議に思いつつもその日はそのままリビングで寝てしまっていた。
ゴン!
夜中の3時位だろうか。突然2階から大きな物音が聴こえたので飛び起きると、私以外の3人も音に気付いたらしく顔を見合わせていた。
「何、今の音?」
「荷物か何か落ちたんじゃない?」
「......とりあえず見てくる」
「あ、うちも一緒に行くよ」
4人で2階へ続く階段を上り3つある部屋を一つずつ確認する。結局何も異常はなく、気のせいだろうと1階へ戻ろうとした時。
ゴンゴン!
明らかに上から音がしたのだ。今度はハッキリと起きた状態で。
4人の間にしばらく沈黙が走る。頭の中で浮かぶのは事故物件という言葉だ。明らかに安い家賃と開かずの屋根裏部屋。そして、今聴いた物音。条件は揃っていた。
「......あの、さ。屋根裏部屋ってどこから行けるの?」
「あの奥の部屋の天井から行けるんだけど」
奥の部屋に行き、電気を付ける。午前中ここで屋根裏部屋を発見した友人2人は付属していたドレッサーから天井を開けるようの棒を取り出す。
暫くして天井に付いていた梯子を下ろし、開かずの扉を確認する。
「ここが開かなかったんだよね」
「そうそう」
私が手で押し上げると、なんと開かないはずの扉が開き屋根裏部屋へと入れたのだ。
屋根裏部屋は電気がなく携帯の明かりを頼りに確認をする。
ギィ...ギィ...
何かを引っ掻くような音が目の前から聞こえてくる。
携帯の明かりで恐る恐る照らすと...
「え、嘘..........」
血だらけの指で必死に床を引っ掻いてる老婆らしき人物がいたのだ。
その横に黒い影が立ってるのが見え、息を荒らげながら照らす。
そこには手にハンマーを持った男が立っていて、こちらを凄い形相で睨み付けた。
叫びたいが余りの怖さに声が出ない。手も足もブルブル震えてしまい動けないのだ。
「ねぇ、どうした?」
「なんかいたー?」
1人しか入れない入口の為、梯子を支える友人達が私に問いかける。だがやがて友人達も私の様子がおかしいということに気がつき、力づくで二階の部屋へと戻す。
気が付くと私は病院にいた。
あの晩、何があったのか聞くと、
「実はね、様子がおかしくなったから力づくで戻したんだけど...手が、手の。その。爪が全部剥がされてて鈍器で殴られたみたいに腕が腫れ上がっててだから...」
救急車を呼び緊急搬送されたとの事だ。
後日、不動産屋に問い合わせると昔この家で感染病にかかった老婆が屋根裏部屋で隔離されていたらしい。奥の部屋は精神的におかしくなってしまった息子が住んでいたらしく、とある日老婆の手をハンマーで何回も殴り挙句の果てに頭を殴って殺害したとの事だ。
私はあれ以来、すぐに引越しをして別の場所で住んでいる。
私は転勤の為会社から近い場所に住もうと思い部屋探しをしていたのです。どこも似た様な価格帯で今の給料で住めないわけではなかったのですが好きなことに使いたかった為、不動産屋から提供される物件を吟味してました。
「うーん...そうですねぇ。あまり他の人には見せてないんですが」
そう言って渋々提示してくれた物件がありました。一軒家なのに先程まで見ていた物件の中で一番家賃が安かったのです。
「一軒屋かぁ。でも私一人だしなぁ」
「意外と一人で使ってみると贅沢なものですよ。見学だけでもいかがです?」
「じゃあ...見学だけ、してみます」
そうして見学の約束をした私は後日、不動産屋の前で待ち合わせをしそのまま物件へと車で向かいました。道中、気になる様な点はこの時は何も無かったのですが。
「着きましたよ」
車を降りるとそこにあったのはまだ新しい一軒屋でした。不動産屋の話によるとここに住んで少し経った後、海外へ転勤となり家を手放したというのです。
「中も綺麗ですね」
「はい。使った期間が短かったので比較的綺麗なんですよ。しかも家賃も安いですし」
「何故、家賃が安いんですか?」
「手放したもののメンテナンスなどしていませんでしたので価値が下がりこの家賃という事になっております」
「へぇ~」
心の中でこの物件にしようと決めていた私は戻った後、手続きを済まし1週間後にこの家に来ることになりました。
友達に引越しの手伝いをしてもらいその日は友人の3人と私の計4人でこの家で過ごすことになったのです。
「そういえばさ、屋根裏部屋みたいなの見つけたんだけどドア開かなかったんだよね」
「屋根裏部屋...?」
「ここ紹介された時間取りとか見なかった?」
「見たけど」
そんなものあっただろうかと思いながらも友人の話を聞いていると、
「あー、そういえばあそこ開かない~って言ってたね」
「そそ。置けない荷物置くのに丁度いいかな~と思ってたんだけど」
どうやらドアに鍵がかかっていたらしく開かなかった、というのだが。
不動産屋からそんな話は聞いていないし、鍵も渡されていない。不思議に思いつつもその日はそのままリビングで寝てしまっていた。
ゴン!
夜中の3時位だろうか。突然2階から大きな物音が聴こえたので飛び起きると、私以外の3人も音に気付いたらしく顔を見合わせていた。
「何、今の音?」
「荷物か何か落ちたんじゃない?」
「......とりあえず見てくる」
「あ、うちも一緒に行くよ」
4人で2階へ続く階段を上り3つある部屋を一つずつ確認する。結局何も異常はなく、気のせいだろうと1階へ戻ろうとした時。
ゴンゴン!
明らかに上から音がしたのだ。今度はハッキリと起きた状態で。
4人の間にしばらく沈黙が走る。頭の中で浮かぶのは事故物件という言葉だ。明らかに安い家賃と開かずの屋根裏部屋。そして、今聴いた物音。条件は揃っていた。
「......あの、さ。屋根裏部屋ってどこから行けるの?」
「あの奥の部屋の天井から行けるんだけど」
奥の部屋に行き、電気を付ける。午前中ここで屋根裏部屋を発見した友人2人は付属していたドレッサーから天井を開けるようの棒を取り出す。
暫くして天井に付いていた梯子を下ろし、開かずの扉を確認する。
「ここが開かなかったんだよね」
「そうそう」
私が手で押し上げると、なんと開かないはずの扉が開き屋根裏部屋へと入れたのだ。
屋根裏部屋は電気がなく携帯の明かりを頼りに確認をする。
ギィ...ギィ...
何かを引っ掻くような音が目の前から聞こえてくる。
携帯の明かりで恐る恐る照らすと...
「え、嘘..........」
血だらけの指で必死に床を引っ掻いてる老婆らしき人物がいたのだ。
その横に黒い影が立ってるのが見え、息を荒らげながら照らす。
そこには手にハンマーを持った男が立っていて、こちらを凄い形相で睨み付けた。
叫びたいが余りの怖さに声が出ない。手も足もブルブル震えてしまい動けないのだ。
「ねぇ、どうした?」
「なんかいたー?」
1人しか入れない入口の為、梯子を支える友人達が私に問いかける。だがやがて友人達も私の様子がおかしいということに気がつき、力づくで二階の部屋へと戻す。
気が付くと私は病院にいた。
あの晩、何があったのか聞くと、
「実はね、様子がおかしくなったから力づくで戻したんだけど...手が、手の。その。爪が全部剥がされてて鈍器で殴られたみたいに腕が腫れ上がっててだから...」
救急車を呼び緊急搬送されたとの事だ。
後日、不動産屋に問い合わせると昔この家で感染病にかかった老婆が屋根裏部屋で隔離されていたらしい。奥の部屋は精神的におかしくなってしまった息子が住んでいたらしく、とある日老婆の手をハンマーで何回も殴り挙句の果てに頭を殴って殺害したとの事だ。
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