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第17章 変化の時
6.身勝手の代償
しおりを挟む翌朝。覚えのない気配に気付いて目が覚めた。気配の出処を探れば、廊下の曲がり角辺りに兵士が2人立っている。こいつらは、シェニカの警備と目を覚ました時に朝飯を持ってくる連絡役でもあるのだろう。
激しい雨音が聞こえる窓に行けば、分厚く黒い雲から前が見えないくらいの雨が降っていた。この雨の様子だと、ウィニストラに向けて出発するのは延期になるかもしれない。
シェニカは起きているだろうかと隣の部屋の気配を読むと、ベッドから動かないからまだ眠っているらしい。
もう少し眠ろうかと思ったが、一度目が覚めてしまうとシェニカに別れを切り出された瞬間や、ディスコーニに責められた瞬間を思い出してしまい、眠気はもうやって来なかった。自分のやったことの重大さを突きつけられ、罪悪感、後悔が込み上がってくる。やり直したいという俺の願いを、シェニカがどう判断するのかというのが気になってしょうがない。
このまま別れることになるのではないかという不安に苛まれながら、ベッドで眠れない時間を十分すぎるほど過ごした頃、のろのろと起き上がって時間をかけてシャワーを浴びた。風呂場から出てみると、隣の部屋の気配が動いているからシェニカは目を覚ましたらしい。
いつもよりも遅くまで眠っていたのは、疲れと眠れない夜を過ごしたからかもしれない。シェニカの気配を追い続けていた頃、甲冑姿のファズがパンとスープが乗ったトレイを持った2人の兵士を連れて俺の部屋にやって来た。
「おはようございます。朝食をお持ちしました。シェニカ様にお伝えしたいことがありますので、お取次頂けますか」
「分かった」
部屋に俺の分のトレイを置いてシェニカの分を受け取ると、2人の兵士はファズにお辞儀をして階段の方へと去っていった。ファズを連れて隣のシェニカの部屋の扉をノックすると、部屋の奥から早足で向かってくる気配を感じた。それだけでも、シェニカが確かにここに戻ってきた、俺の行動に反応してくれているのだと実感できて嬉しくなる。
「俺だ」
俺の声を確認したシェニカはすぐに扉を開いた。旅装束に白魔道士のローブを羽織ったシェニカの顔には、まだ疲労の色が見える。やはり眠れなかったらしい。
「シェニカ様、おはようございます。本日は雨のため、本国に向けて出発するのは延期となりました」
「そうですか」
「それと、サザベルよりシェニカ様に面会したいと申し入れがありました。お受けなさいますか?」
「はい、お受けします」
「ではそのように伝えておきます。後ほどお迎えに参りますので、部屋でお待ち下さい」
ファズはそう言うと、シェニカに軽く頭を下げてその場から去って行った。その背中を見送った俺は、シェニカに持っていたトレイを差し出した。
「これ、朝飯だ」
「ありがとう。あの……さ。やり直したいっていう願いは変わらない?」
今ここで返事が貰えるのだろうか。どんな答えを言われるのだろうか。トレイを受け取ったシェニカの表情から答えを先に読み取れないかと思ったが、俺を困ったように見ているから、悪い答えを言われるのではないかと一気に不安になった。
「あぁ。変わらない」
「やり直すってことになれば、私はディズのことを忘れないといけないでしょ?でも、私は彼を忘れられないからルクトの願いは叶えられないよ。だから他の願いに変えて欲しい」
「他の願いはない」
「でも私は」
「なら、俺はお前があいつのことを好きだというのを受け入れる」
シェニカの言葉を遮ってそう言えば、顔に浮かぶ困惑の色が濃くなった。
本当なら、俺以外の男のことなど一瞬たりとも許容したくない。でも、このままだと俺の願いは叶いそうにない。シェニカがあいつのことを好きだとか、忘れられないと言うのは一時的なものだ。シェニカの目が醒めるまで我慢すれば、俺に挽回の余地はあるはずだ。
なら、シェニカへの償いを兼ねて、その苦痛の時間は受け止める。
「え?でもそれはルクトに誠実じゃないから駄目だよ」
「常に側にいるなら許せないが、あいつはウィニストラから出られない。これから先の旅に同行出来ないのなら別に構わない」
「でもそれって二股じゃない。私はそういうの」
「昨日はお前を浮気だと責めて悪かった。お前は身分や特権をあまり使わないから、複数の相手を持てる特権があるってこと忘れてたんだ。だから、浮気だと責めたことは忘れてくれ。
あいつを忘れられないってことを俺が受け入れるって言ってるんだから、お前が遠慮する必要はない」
「え?でも浮気は浮気だよ」
「お前があいつを好きなんだと受け入れることをあの晩の償いにするから、あの時のことは許してくれないか?」
俺がそこまで言うと、シェニカは困ったような顔をして俯いて黙った。
「もう少し…考えさせてくれる?」
「ああ」
そう言ってシェニカはゆっくりと扉を閉め、俺は廊下に残された。
扉1枚しか隔てていないのに、俺とシェニカの間には鍾乳洞で見た底なしの大穴があるように感じる。
シェニカとの距離、今までのような関係ではなくなったことを感じる度に、こんなことになるのなら、もっとよく考えて行動すれば良かったと後悔の気持ちが溢れ出る。
自分の部屋に戻って味のしないパンとスープをのろのろと食べ終えると、シェニカの部屋の前に2人の気配が立ち止まった。廊下に出ると、ファズを連れたディスコーニが扉を開けたシェニカと顔を合わせていた。
「シェニカ、おはようございます」
「おはよう」
ディスコーニはファズのように俺を通すことなくシェニカの元に行き、シェニカは俺を待つことなく扉を開く。シェニカにとってディスコーニは特別な存在なのだと、不安定な立場の俺に目を閉じたくなる現実が突きつけられる。
「言いにくいのですが、断ってもらっても構わないお願いが2つあるんです。聞くだけ聞いて貰えませんか?」
「どんなこと?」
「今回の戦争のこと、行方が分からない将軍らのことを知りたいので、トラント国王の尋問をしたいのです。普通に尋問しても素直に喋ろうとしないので、強制催眠をかけて事実を話させようとしたのですが、国王は白魔法の適性が高く、白魔道士長では術にかからなかったのです。なので、トラント国王に尋問に素直に答えるように強制催眠をかけてもらえませんか?というのが1つ目のお願いです」
「2つ目は?」
「鍾乳洞にいた時、壁に刻まれた旧字を覚えていますか?あの時書いてあった『ガーファエル』というのは鍾乳洞を発見した時のトラント国王の名前で、彼や伝承に関する古い文献、隠されていた手帳があるのですが、旧字で書かれていて誰も読めないのです。これを読んでもらえないか、というのが2つ目のお願いです。
シェニカは戦争に関係のない立場ですので、もちろん断ってもらって構いません」
「2つとも大丈夫だよ」
「無理をしていませんか?気を遣わなくても良いんですよ」
「大丈夫だよ。戦場介入させることになった真相は私も知りたいし」
「ありがとうございます。それとサザベルとの面会ですが、今からでも良いですか?」
「うん、いいよ」
シェニカが了承の返事をすると、ファズがウィニストラが使っている建物とサザベルが使っている建物を繋ぐ2階の渡り廊下に向かって案内を始めた。
俺の3歩前には、シェニカと手が触れ合うほど近くを歩くディスコーニがいる。奴に向けて『離れろ』と視線を背中に浴びせるのだが、ディスコーニはシェニカと離れようとしない。そんな様子を苦々しく思いながらも、俺は黙って耐えるしかなかった。
「昨晩は眠れなかったみたいですね。この後の予定は時間に余裕を持たせますから、無理しないでいいですからね」
「眠れなかったのは確かだけど、大丈夫だよ。昨日眠れなかった分、今夜は眠れるかもしれないし」
「シェニカが無理する必要はないのですから、辛かったり眠くなったら休んで下さいね」
「心配してくれてありがとう。ディズは休めた?」
「えぇ。私もユーリもしっかり休めました。私達が鍾乳洞にいる間、ウィニストラは当然のこと、キルレとサザベルの人達も捜索していたそうですから、彼らも安心して休めたのではないでしょうか」
「そうなんだ。色んな人達に迷惑かけちゃったね」
「サザベルはトラント国王の行方を掴むためにも鍾乳洞への入り口を見つけたかったでしょうし、戦争に関係のないキルレは見届けるべきシェニカがいないので探すのは自然な流れだったでしょう。どの国も迷惑ではなかったと思いますよ」
「ルクトも探してくれたんだよね。心配かけてごめんね。ありがとう」
「別に……。当然のことをしただけだ」
シェニカは急に振り返り、俺に遠慮がちな笑顔を向けてくれた。久しぶりに見るシェニカの笑った顔は、寂しさと虚しさ、悔しさでいっぱいだった心の中を、むず痒さを伴いながら明るく照らした。
それからも続く2人の他愛のない会話を聞きながら歩いていると、大きな窓が左右に配置されている長い渡り廊下が見えてきた。ウィニストラ側の渡り廊下の入り口を警備する兵士の横を通り過ぎ、廊下の中ほどまで進んだ時、ふと視線を感じた。視線の場所を辿れば、長い渡り廊下を渡った先の3階の1室で、窓からこちらを見下ろす軍服姿のユドがいた。俺と目が合ったユドはすぐに目を逸らし、部屋の中に消えていった。
視線を廊下の先に戻すと、そこには入り口を警備するサザベルの兵士と、礼拝堂を捜索する時に見た紺色の髪の副官が軍服姿で待っていた。
「ご案内します。こちらへどうぞ」
渡り廊下からすぐの階段を上がり、廊下の脇にズラリと並んだサザベル兵の視線を浴びながら歩いていると、廊下の突き当りに豪華で大きな木製の扉が見えてきた。その扉の両脇には、軍服姿の副官達が6人ずつ控えている。
「失礼します。シェニカ様をお連れしました」
12人の副官達が一斉に腰を折る横を通り過ぎると、先頭を歩く紺色の副官がノックをして扉越しに声をかけた。すると、その声に反応するように部屋の内側からゆっくりと扉が開かれた。
部屋の中に一歩入ってまず目についたのは、正面左右の3方向に配置された大きな窓だ。3つの窓からはウィニストラが使っている建物、黒い王宮、煉瓦で作られた街並みがそれぞれ見え、部屋の壁には装飾用の剣や短剣が一面飾られている。
部屋にある家具は応接セットとデカイ執務机だけという華美さのない部屋だが、入ってきた扉から真正面の窓の上に、国王らしい服を着た人物を描いた古めかしい肖像画がある。それは応接セットと窓の間にある執務机を見下ろす高い位置に飾られていて、その両隣にはトラント国旗が掲げられているが、この部屋の捜索の時に外したのか絵も国旗も微妙に傾いている。
部屋の真ん中には、広いローテーブルを挟んで3人掛けのソファと1人掛けのソファが向き合うように置いてあり、3人掛けのソファの前にはサザベルの将軍3人が立ってこちらを見ている。
案内した紺色の髪の副官はシェニカを1人掛けのソファまで案内すると、壁側に控えていた2人の副官の隣に移動した。そして、将軍3人がシェニカに対して胸に手を当てて腰を折ると、副官達もまったく同じ動きをした。
広い部屋を囲う3方向の壁の中央に大きな窓が1つがあることで開放的な印象を受けるが、この場にいる連中の出す空気のせいなのか、重苦しさが満ちている。
「昨日の今日でまだお疲れかと思いますが、面会の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。昨日ご紹介出来なかった者をご紹介します」
「はじめまして。将軍を務めておりますヘルベです」
ディネードに促されたヘルベは笑顔を浮かべて挨拶したが、エメルバやファズを相手に嫌味を言っているのを見ているからか、胡散臭い印象を抱いた。
1人がけのソファの前に立ったシェニカの後ろに俺が立ち、誰も立っていない窓の近くにファズとディスコーニが控えた。サザベルの副官達とディスコーニ達が向かい合う形になるが、流石にシェニカがいる場だからか、殺気や憎悪が滲むような険悪な空気にはならなかった。
「はじめまして。シェニカ・ヒジェイトです」
シェニカがペコリと頭を下げるとディネードは手でソファを勧め、シェニカが座ったのを確認してから3人は座った。
「シェニカ様が落盤事故に巻き込まれたと聞いた時は大変心配しました。シェニカ様がご無事で何よりです」
「皆様にも捜索して頂いたと聞きました。ありがとうございました」
「我々がもう少し早くこの地に到着していれば、落盤事故を回避出来たかもしれないと思うと、大変申し訳なく思います。シェニカ様のお力になれなかったことを、どうぞお許しください」
「いえ、偶然の事故でしたから」
「以前、シェニカ様とはこちらのユドが旧マードリアのヤンゴートでお会いしたことがある、とお聞きしました。その節はご挨拶出来ませんで申し訳ありませんでした」
「いえ、領主様からユド様を交えてお食事でもとお誘い頂きましたが、お断りしましたので」
「シェニカ様はウィニストラの首都に行かれた後、どちらに向かうご予定ですか?」
「特に決めてはいないのですが、少し落ち着いた国に行こうと思います」
「そうですか。我が国は海を挟んだ島国から頻繁に侵略戦争を起こされていますが、国内は大変安定しております。我が国の国王陛下を始めとした王族の方々はもちろんのこと、我々もシェニカ様のお渡りをお待ちしておりますので、是非とも1度我が国にもお越し下さい。
シェニカ様の旅ではたくさんの者が救われますが、ご心労も多いと思います。我が国にお越しになった際には、プライベートビーチをご用意しますので是非旅の疲れを癒やしにお越し下さい。
シェニカ様のご希望であれば、静養中には貴族や軍の者、王族の方も距離を取らせて頂きます。静かな環境をお約束させて頂きますので、どうぞお気軽にお越しくださいませ」
「はい、機会がありましたら」
ディネードは口元に微笑を浮かべながら喋っているが、ユドは無愛想な無表情でシェニカを見ていて、ヘルベは視線を机に落としている。
シェニカはこの状況が居心地悪いらしく、話を終わらせたいと思っているのが伝わってくる。
「シェニカ様とこのような場所でお会いできたのも何かのご縁。もしよろしければ、私や他の者とカケラの交換をお願い出来ませんでしょうか?」
「申し訳ありません。カケラの交換は、私から声をかけさせて頂いた方とのみと決めておりますので」
「そうですか。とても残念です」
「では、そろそろ失礼します」
話が切れたタイミングでそう切り出したシェニカは、向かいに座るサザベルの将軍達にペコリと頭を下げた。
「戻りましょうか」
部屋の隅で控えていたディスコーニがシェニカの隣に来て声をかけると、助けの必要もないのに手を出した。シェニカは何の疑いもなくその手を取って立ち上がると、ディスコーニは恋人のような近さで再びシェニカの隣を陣取って、立ち上がったサザベルの将軍に背を向けた。ファズが2人の前に出て扉へ歩き出すと、この部屋まで案内した紺色の副官が先回りして扉を開けた。
そしてシェニカが扉に向かって進み始めると、ディネードとユドはディスコーニに殺気と憎悪の視線を向けたが、ヘルベはエロ親父なのか、ローブを着たシェニカの後ろ姿を舐め回すように見ている。
扉を出る直前、ディスコーニが歩きながらシェニカの耳元で何かを囁くと、シェニカは穏やかな微笑を浮かべて奴を見た。キスだけだと言っていたが、見つめ合う2人を見れば、それ以上の深い関係にあるような空気が出ている。
俺しか知らないシェニカをあいつも知ったのではないかと思うと、悔しさと怒りが一気に込み上げてくる。憎しみにも似たその感情を抑えようと、手のひらに爪が食い込むのも構わず握りしめた。
「シェニカ様はディスコーニに奪われつつあるようですね。シェニカ様を取り返すためにも、貴方もかの者を排除したいでしょう。我々が手を貸しましょうか」
扉を出た2人から数瞬おいて歩き始めた時、ディネードが視線を扉に固定したまま俺に声をかけて来た。その内容が気になって、2人が扉の外に出たのも構わず足が止まった。
「手を貸す?」
「貴方だけでは、かの者に及ばないことも多いでしょう。あの男は扱い難い性格な上に守りも固く、小国ごときの将軍では殺すことも出来ない。倒すことも失脚させることも容易な話ではないですが、時間はかかっても方法がないわけではない」
「方法?」
「我々と手を組みますか?」
俺に視線を移したディネードは無表情だが、目には殺気は籠もっていないものの、戦場で見るような鋭いものになっていた。ディネードの隣にいるユドは俺を冷たい目でチラリと見てきたが、興味が無いらしく渡り廊下が見える窓の方へと歩き出した。
「俺は軍人なんて信用してねぇ。手を組むのはお断りだ」
「そうですか。我々はいつでも良い返事をお待ちしています。奪われたくなければ、しっかりとシェニカ様を繋ぎとめておいて下さいね」
「余計なお世話だよ」
ディネードにそう言い放つと、早足で扉の外に出た。すると、サザベルの副官達の列が途絶えた辺りで、シェニカ達はこちらの方を向いて立ち止まっていた。
「ルクト、どうしたの?」
「なんでもない」
ファズとディスコーニの何か言いたげな表情を感じながら、俺は目を逸らした。
ーーーーーーー
「雨が落ち着いたら本国に帰還する。準備を整えておけと伝えろ」
赤い髪の男が立ち去った後、扉の前まで移動した長い深緑色の男が廊下の副官達にそう言うと、一斉に散り散りに動き始めた。
「いつ機会が巡って来るか分からない上に失敗は許されない。準備は抜かりなくやれ」
三叉槍の階級章をつけた男が独り言のようにそう言って3人掛けのソファの端に座ると、テーブルを挟んで向かいにある1人掛けのソファに体格の良い男が座った。大きな身体をソファに預けた男がすぐ後ろにいる腹心に手を出すと、1冊の本を受け取った。その男は、人の出入りが多くなって、少し騒がしくなったことなど気にしない様子で熱心に読み始めた。
「この偶然は我々に好機。ウィニストラの将軍共だけでなく、王族らの悔しがる顔も存分に楽しめますな。国王陛下もお喜びになるでしょう」
「全てはあの男次第だ。せいぜい頑張って貰わねばな」
本から目を離すことなく満足そうに呟くしゃがれ声に、向かいに座る男がソファの背もたれに両腕を伸ばしながら答えた。そのやり取りが聞こえているはずの茶髪の男は、相変わらず無言のまま窓際に佇み、渡り廊下を歩く4人を無表情で見下ろした。
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