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第18.5章 流れる先に
7.戦場というもの
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■■■前書き■■■
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今回はディスコーニの初陣の話です。ディスコーニが人を殺す描写がありますので、苦手な方はご注意下さい。
■□■□■□■□■□
第18.5章は色んな名前が飛び交うため、少しでも分かりやすくなればと、出てくる人達を整理しておきます。ご参考までにどうぞ。
(バルジアラの副官)
●リスドー ※腹心
●イスト
●ヴェーリ
●モルァニス
●アルトファーデル
(下級兵士)
●ライン(リスドーの部隊所属)
●ロア(イストの部隊所属)
●マルア(ヴェーリの部隊所属)
●ロンド(ヴェーリの部隊所属)
●ワンド(アルトファーデルの部隊所属)
(階級章のない上級兵士)
●ダナン(イストの部隊所属)
(銅の階級章を持つ上級兵士)
●ダルウェイ(リスドーの部隊所属)
●リーベイツ(モルァニスの部隊所属)
■■■■■■■■■
入隊してもう少しで半年になる頃。国境を接する小国ルタンが侵攻の構えを見せたため、バルジアラ様が出陣することになった。
戦場に向かって隊列を組んで歩いているのだが、今は甲冑を着ていないというのに普段より足が重く、次第に得体のしれない何かに包まれるような不安が湧き上がってくる。
ーーなんとなく死んでいくのだから、今日死んでも構わないはずなのに。
入隊前なら、死ぬ可能性のある場所に行くことになっても、こんなに考え込まなかったと思うのに。
今は一緒に過ごす仲間やバルジアラ様、副官方、上級、中級兵士といった人達から影響を受けたからなのか、色々な感情や思考が混ざり合って、渦巻く感情や思考を上手く言葉に表せない。
「ディスコーニ。暗い顔してるけど緊張してる?」
名前を呼ばれた方に顔を向けると、いつもと変わらない様子で喋りながら歩いていたラインやロアたちが、一様に自分を心配そうな顔で見ていた。
「初陣だしな。そりゃあ不安になるし緊張するよなぁ」
「撤退しても軽蔑されることもないし、後ろめたさを感じなくてもいい。バルジアラ様が以前言っていたように、生き残ることを一番に考えるんだ」
「ディスコーニはもう俺たちじゃ敵わないくらい強くなってるから、無理しなければ大丈夫だよ」
「俺たちが相手をするのは下級兵士やランクの低い傭兵だろうから、そこまで思い詰めなくても大丈夫だよ」
「そうなんですか?」
そういえば、バルジアラ様からは『桃色宣教師』とその取り巻きには手を出さずに逃げろと言われたものの、強い相手に対峙した時のことは言われていない。戦場には大勢の傭兵や兵士がいるから、当然自分には敵わないような相手もたくさんいるが、ラインたちの口ぶりだとそういう人は自分を相手にしないらしい。
「軍人、傭兵に関係なく、戦果の報酬っていうのは『倒した数ではなく、倒した相手の階級やランクに応じて報酬を加算する』っていうのが戦場の一般常識だから、真っ先に狙われるのは階級章のある上級兵士なんだ。
敵の中級兵士や上級兵士は、いくら俺たちが直轄部隊であろうと、地方兵士に毛の生えた程度としか認識してないから相手にしない」
「大勢の兵士や傭兵が出世や金、名声を求めて襲ってくるわけだけど。死んだら意味がないから、よほどの命知らずじゃなければ格上の相手に挑むことはしない。
相手の強さ、自分の武器や戦術との相性とか、そういうのをパッと見極めて相手を選んでいるんだけど、戦ってみて相性が悪いとか、勝てないと思えばすぐに撤退するのが普通なんだ。だから自然と自分と同じくらいか、何とか勝てるくらいの者が自分の相手になる」
「でも。ディスコーニのように階級は低くても、強力な広範囲の攻撃魔法が使う敵がいることもあるし、撤退すると見せかけて反撃してくることもあるから、油断しちゃだめだよ」
「わかりました」
「もし何かあったら俺たちが助けに入るから、大丈夫だよ」
笑顔で言われたその言葉を耳にすると、また目の前で自分を庇って死ぬ幻覚を見てしまいそうになる。
あの幻覚が現実にならないように。目の前で仲間を失い、取り返しのつかない後悔をしないように。自分がしっかりしなければ。
そんな風に考えれば、不安はいくらか和らいで、戦場に立つ覚悟が少し出来てきたような気がした。
戦場となる場所に到着すると、国境を示す柵の向こう側に大量の傭兵や兵士を並べたルタン軍が待ち構えていて、開戦前から重くピリピリとした空気が立ち込めている。
地方配属の兵士達を大量に率いて来たから、全体の数がほぼ互角とはいえ、核となる直轄部隊の数は倍以上の差があるのが遠目でも分かる。刻々と迫る開戦を前に息苦しさを感じるほどに緊張してきて、不安も増大し始めた。
その不安がどんどん大きくなって心が落ち着かなくなってきた時、ふと姉達のことが頭に浮かんできた。口を挟めないほどよく喋り、活発で明るかった姉達も、この独特の緊張感が漂う戦場で誰かに殺されたのだろうかと思うと、戦死の一報を聞いた時の言葉に表せない虚しさも思い出した。ただ、母のように平和な場所で突然死ぬこともあるのだから、『いつか死ぬのならどこであっても同じじゃないか』と、その時から考え始めた。
そんな経験や考えのせいか、時間が経つにつれて『なんとなく生きて、なんとなく死ぬ』と思うようになったものの、すっかり馴染んだ仲間たちの真剣な面持ちを見ていると、今はまだここで死にたくないと、なんとなく思った。
「お前の食いっぷり、本当にいつも感心してる。お前が食べてる姿を見ると、食べるって幸せなことなんだな~って思えるよ。帰ったら一緒にメシ食いに行こうぜ」
「ラインにはいつも助けてもらってばっかだから、いつか絶対お礼をしたいと思ってるんだ。それが何か分かんないけど、ちゃんと恩返しさせてくれよな」
ウィニストラ側も準備を整え終わったのか、周囲に広がる空気がどんどん重くなり、ざわついた物音が収まってきた頃。近くにいるラインとワンドがお互いの両肩に手を置いて、そんなことを言い始めた。なんとなく普段と雰囲気が違う空気で一言二言言葉を交わすと、今度は別の人と肩に手を置きあって、同じように言葉をかけている。
もういつ開戦してもおかしくない状況で何をしているのかと思っていると、ここにいないバルジアラ様と副官方を除く部隊全員が、階級に関係なく同じようなことを始めていた。
「実は。この前、酔いつぶれたお前の生え際から毛を1本取ったの俺なんだ。酔った勢いだったとはいえ、すまなかった」
「お前ぇぇ!!俺の生え際がギリギリって、白魔道士もお手上げだって知ってるだろ!俺が丹精込めて、毎朝毎晩『離れないでくれ』ってお願いして、たっぷり愛情を注いで育てているのに!!」
「悪かった、お詫びに帰ったら俺の前髪3本抜いて良いから。だから死ぬなよ?な?」
「当たり前だ!毛の無念を晴らすまで、死んでも死にきれるか!!ちゃんと生きて戻れよ!」
「もちろんだ」
急に何が始まったのか不思議に思っていると、ロアが近付いてきた。
「ディスコーニ。儀式やるよ」
「儀式、ですか?」
戦場でこんな儀式をするなんて初めて知ったと思っていると、ロアは自分の両肩に手を置いた。
「俺たちは部隊全員同じ時間を過ごした仲間だ。1人1人に思い出があるだろ?」
「はい」
「ここは戦場だから、次に顔を合わせる時には死に顔かもしれない。もしそういう時、『あんなことを言っておけばよかった』『謝っておけばよかった』とか後悔しないように、この場所で最期の言葉をかけるんだ」
「なるほど…」
そういう意味があるのかと思いながら自分もロアの両肩に手を置くと、彼は今までにないような明るい笑顔を見せてきた。
「まぁ、こんなことしてるのはこの部隊だけなんだけど。ディスコーニは初めての戦場になるから緊張してると思うし、色々不安もあるだろうけど、バルジアラ様は絶対負けないし、みんなで助け合えば大丈夫だから!
君はこの部隊で初めて出来た可愛い後輩。もっと色々喋って、一緒に鍛錬して、立派になっていくのを見届けたい。だから絶対死なせない」
ロアの言葉を聞くと、バルジアラ様の目指す生還率の高い部隊になるように。自分にはもったいないほどの良き仲間達と再び生きて顔を合わせられるように、自分もきちんと務めを果たしたいと素直に思った。
「いつも声をかけて、気にかけてくれてありがとうございます。おかげであっという間に部隊に馴染めました。少しでも力になれるように、助け合えるように頑張りたいと思います」
お互いの肩から腕をはなすと、ロアの後ろで順番待ちをしていたワンドのそばに中級、上級兵士達も集まってきた。
「俺たちがついてるから安心していいぞ。でも油断は禁物だからな」
「生き残っていれば必ず結果がついてくる。戦績欲しさで無理をする必要はないからな」
「怪我したら俺がすぐ治療するからな。俺で無理なら白魔道士の所にすぐ連れて行くから、とにかく生き残るんだ」
「撤退するのも一つの手だ。恥だと思わず、次に繋げるためにも無理をするなよ」
色んな人と儀式をしていると、自分はみんなに心配をかけながらも期待されているのだと分かる。たくさんの言葉をかけられるうちに、不安や心配が和らいでくるから不思議だ。
部隊全員で儀式を終えて整列すると、周囲には今まで見たことのない真剣な眼差しをした頼もしい仲間たちが、まっすぐに国境線の向こう側にいるルタンの軍勢を見据えている。自分も彼らに倣って前を見ていると、前線側にいる地方兵士を鼓舞してきたバルジアラ様と副官方が、馬に乗って戻ってきた。
「ダスタンドはそろそろ引退しても良い年齢なのに、まだまだヤル気満々。元気ですね」
「今の国王になってからネイダスの領土を一部奪えたから、この流れでウチからも奪ってやろうと盛り上がってるらしい。ダスタンドも若返ったように血気盛んになったらしいぞ」
その会話を確認するように、ルタン側の最奥へ目を凝らしてみると、甲冑姿の歩兵の後ろに武装した騎馬の群れがある。一人一人の顔までは見えないが、そのどこかに敵将であるダスタンドがいるらしい。
今回はバルジアラ様がリスドー様、モルァニス様、アルトファーデル様を連れて敵将のところに突撃する作戦になっていて、自分たちはイスト様とヴェーリ様の指揮に従って、向かってくる敵を倒すだけだ。
「いいか。毎回同じことを言うが、相手が自分より強いと思ったら手を出す必要はない。怪我をしたり、呪われたらすぐに撤退しろ。
生命の奪い合いだが、お前達が無理をする必要はない。自分の生命は大事にしろ。必ず部隊全員で帰還するぞ」
それからしばらくすると、ルタン側の最前線にいた者たちが一斉に大声を張り上げて風の魔法を放ち、国境を示す木杭が派手に吹き飛ばされて開戦となった。
「そろそろだ」
「はい」
前線にいるウィニストラ兵や傭兵たちの横を抜けたルタンの勢力が、群れを成してどんどん自分たちに向かってくる。その殺意に満ちた顔がハッキリと見えるようになった時、イスト様の合図で自分が氷の上級魔法を発動させて敵兵の足元を凍りつかせて動きを封じると、仲間達が一斉に炎の魔法を放って敵を焼いた。
「ディスコーニ、俺たちがついてるから冷静にな」
「油断するなよ!」
絶命して倒れたり、地面をのたうちまわって戦闘不能になった敵軍の後ろからは、また新たな敵が群を成してやってくる。同じように仲間と協力しながら魔法を放って敵の数を着実に減らすが、何度も繰り返していくうちに徐々に自分たちとの距離は縮まっていく。そしてとうとう剣を交える近さになり、雄叫びを上げながら振り下ろされた相手の剣を自分の剣で受け止めた。
ーーどうすれば見ず知らずの他人に明確な殺意を向けられるのだろう。出世のためだろうか。仲間のためだろうか。それとも部隊の仲間達のように、尊敬する上官のために戦うのだろうか。
吐息すら感じる距離で鍔迫り合いをしている最中、相手の気迫に満ちた形相を眺めながらそんなことを考えた。相手は自分より少し年上の下級兵士のようで、合わせた剣に体重を乗せて力で押し切ろうとしている。
そんな力任せなやり方を利用しようと自分の剣の向きを変えると、男の剣が自分の剣の上を滑り落ちたと同時に、彼自身もバランスを崩して前のめりになった。その隙を逃さずに剣を薙ぎ払えば、相手の利き腕の肩から肘までが血に染まった。
すると、相手は素早く剣をもう一方の手に持ち替え、痛みなど感じていないかのように薙ぎ払ってきたが、自分は数歩距離を取って避けた。
「素直に撤退すれば生命を奪うことはしません。諦めて撤退してくれませんか?」
「この野郎!!なめやがって!!」
ーー力の差も歴然。加えて負傷して形勢不利な状況なのに。なぜ素直に撤退しないのだろうか。
負傷に気付いていないかのような男は氷の刃を作り出す魔法を放って来たものの、自分が姿勢を低くして避けたことに苛立ったようで、言葉にならない雄叫びを上げて剣を振り上げながら自分に駆け出して来た。
「がぁぁぁ!!」
自分の提案は彼を激昂させてしまったものの、この人にも帰りを待つ人がいるだろうから諦めて撤退してほしい。そう思って致命傷にならないよう、炎の魔法で右足だけを焼いたのだが。彼は右足が完全に使えなくなった状況にも関わらず、足を引きずりながら奇声をあげ、懐から取り出した短剣を自分に投げつけてきた。
その短剣を自分の剣を振るって弾き飛ばした瞬間。弾いた短剣は、魔法を詠唱していた男の喉に刺さってしまった。
首から大量の血を流し、目を大きく見開いたまま絶命した相手を前に呆然としていると、同じ部隊のダナンという階級章のない上級兵士が駆け寄ってきた。
「ディスコーニはなぶり殺しにするのが好きなのか?」
「そんなつもりはないんです。この人にも帰りを待つ人がいるだろうから、諦めて撤退してほしかっただけなんです」
「なるほど。気持ちは分かるけど、ここに来ている人間は誰かを殺しても、自分が死ぬことになっても、全てを受け入れる覚悟で来てる奴ばかりだ。
生き残って次に繋げたいと思っている奴は、不利と判断すれば早い段階で引き下がるが、未来や生命にこだわらない奴は、大火傷を負っても手足を失っても、味方が後方に連れて行かない限り生命が尽きるまで襲ってくる。
優しさは尊いことだが、こういう場所で撤退を相手に望むことは自分に隙を作るし、今みたいに相手に余計な苦しみを与えることになる。情けをかけるなら、一思いに殺してやったほうが苦しみは少なくて済む」
「そう、ですね…」
「お前を含め、この部隊には優しい奴ばかりだ。平時なら相手を思いやるのが優しさだが、この場の優しさは敵を楽にしてやることに変わるんだと割り切ったほうが良い。
相手は命をかけてこの場に臨んでいる。だからそれを受ける方も命がけて応える。それが戦場の礼儀ってもんだよ」
「はい…」
ダナン様から助言を受けた後、少し離れた場所で相手と剣を合わせている仲間を見ると、普段は仲間思いの優しい彼らも相手には躊躇なく剣を突き立て、顔についた返り血を雑に拭っている。
普段は優しさの塊のような彼らと戦場に立つ彼らの姿は全く違うように見えたが、苦しまないよう一撃で終わらせようとしているのだと分かった。
「大丈夫?精神的に辛かったら、下がっていてもいいんだよ」
「大丈夫です。割り切って考えられそうです」
ダナン様は自分の顔を見ると真剣な顔で頷いて、新たにこちらに向かってくる敵の方へと駆けて行った。
ーー殺し合いをするこの戦場では、一思いに殺すのが優しさ。
ーー相手は命をかけてこの場に臨んでいる。だからそれを受ける方も命がけて応える。
ーー死を覚悟して襲ってくる相手には自分も死ぬ気で戦い、逃げる相手には手を出さない。
心の中でそう繰り返していると、戦場という特殊な空気に飲まれ始めたのか、次第に自分の心の芯だけが周囲から隔離され、それ以外は空っぽになってきた。
目を閉じて心の芯が完全に硬い蕾の中に収まったのを感じ取ると、目を開けて向かってくる敵の一軍に向けて水で出来た大きな鳥を作る魔法を放った。すると、鉤爪で顔が抉られ、身体のあちこちに羽が貫通したルタン兵の死体が転がる状況になったが、自分が殺したという事実は変わらないのに、数分前の逡巡が嘘のように何も感じなかった。
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(バルジアラの副官)
●リスドー ※腹心
●イスト
●ヴェーリ
●モルァニス
●アルトファーデル
(下級兵士)
●ライン(リスドーの部隊所属)
●ロア(イストの部隊所属)
●マルア(ヴェーリの部隊所属)
●ロンド(ヴェーリの部隊所属)
●ワンド(アルトファーデルの部隊所属)
(階級章のない上級兵士)
●ダナン(イストの部隊所属)
(銅の階級章を持つ上級兵士)
●ダルウェイ(リスドーの部隊所属)
●リーベイツ(モルァニスの部隊所属)
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入隊してもう少しで半年になる頃。国境を接する小国ルタンが侵攻の構えを見せたため、バルジアラ様が出陣することになった。
戦場に向かって隊列を組んで歩いているのだが、今は甲冑を着ていないというのに普段より足が重く、次第に得体のしれない何かに包まれるような不安が湧き上がってくる。
ーーなんとなく死んでいくのだから、今日死んでも構わないはずなのに。
入隊前なら、死ぬ可能性のある場所に行くことになっても、こんなに考え込まなかったと思うのに。
今は一緒に過ごす仲間やバルジアラ様、副官方、上級、中級兵士といった人達から影響を受けたからなのか、色々な感情や思考が混ざり合って、渦巻く感情や思考を上手く言葉に表せない。
「ディスコーニ。暗い顔してるけど緊張してる?」
名前を呼ばれた方に顔を向けると、いつもと変わらない様子で喋りながら歩いていたラインやロアたちが、一様に自分を心配そうな顔で見ていた。
「初陣だしな。そりゃあ不安になるし緊張するよなぁ」
「撤退しても軽蔑されることもないし、後ろめたさを感じなくてもいい。バルジアラ様が以前言っていたように、生き残ることを一番に考えるんだ」
「ディスコーニはもう俺たちじゃ敵わないくらい強くなってるから、無理しなければ大丈夫だよ」
「俺たちが相手をするのは下級兵士やランクの低い傭兵だろうから、そこまで思い詰めなくても大丈夫だよ」
「そうなんですか?」
そういえば、バルジアラ様からは『桃色宣教師』とその取り巻きには手を出さずに逃げろと言われたものの、強い相手に対峙した時のことは言われていない。戦場には大勢の傭兵や兵士がいるから、当然自分には敵わないような相手もたくさんいるが、ラインたちの口ぶりだとそういう人は自分を相手にしないらしい。
「軍人、傭兵に関係なく、戦果の報酬っていうのは『倒した数ではなく、倒した相手の階級やランクに応じて報酬を加算する』っていうのが戦場の一般常識だから、真っ先に狙われるのは階級章のある上級兵士なんだ。
敵の中級兵士や上級兵士は、いくら俺たちが直轄部隊であろうと、地方兵士に毛の生えた程度としか認識してないから相手にしない」
「大勢の兵士や傭兵が出世や金、名声を求めて襲ってくるわけだけど。死んだら意味がないから、よほどの命知らずじゃなければ格上の相手に挑むことはしない。
相手の強さ、自分の武器や戦術との相性とか、そういうのをパッと見極めて相手を選んでいるんだけど、戦ってみて相性が悪いとか、勝てないと思えばすぐに撤退するのが普通なんだ。だから自然と自分と同じくらいか、何とか勝てるくらいの者が自分の相手になる」
「でも。ディスコーニのように階級は低くても、強力な広範囲の攻撃魔法が使う敵がいることもあるし、撤退すると見せかけて反撃してくることもあるから、油断しちゃだめだよ」
「わかりました」
「もし何かあったら俺たちが助けに入るから、大丈夫だよ」
笑顔で言われたその言葉を耳にすると、また目の前で自分を庇って死ぬ幻覚を見てしまいそうになる。
あの幻覚が現実にならないように。目の前で仲間を失い、取り返しのつかない後悔をしないように。自分がしっかりしなければ。
そんな風に考えれば、不安はいくらか和らいで、戦場に立つ覚悟が少し出来てきたような気がした。
戦場となる場所に到着すると、国境を示す柵の向こう側に大量の傭兵や兵士を並べたルタン軍が待ち構えていて、開戦前から重くピリピリとした空気が立ち込めている。
地方配属の兵士達を大量に率いて来たから、全体の数がほぼ互角とはいえ、核となる直轄部隊の数は倍以上の差があるのが遠目でも分かる。刻々と迫る開戦を前に息苦しさを感じるほどに緊張してきて、不安も増大し始めた。
その不安がどんどん大きくなって心が落ち着かなくなってきた時、ふと姉達のことが頭に浮かんできた。口を挟めないほどよく喋り、活発で明るかった姉達も、この独特の緊張感が漂う戦場で誰かに殺されたのだろうかと思うと、戦死の一報を聞いた時の言葉に表せない虚しさも思い出した。ただ、母のように平和な場所で突然死ぬこともあるのだから、『いつか死ぬのならどこであっても同じじゃないか』と、その時から考え始めた。
そんな経験や考えのせいか、時間が経つにつれて『なんとなく生きて、なんとなく死ぬ』と思うようになったものの、すっかり馴染んだ仲間たちの真剣な面持ちを見ていると、今はまだここで死にたくないと、なんとなく思った。
「お前の食いっぷり、本当にいつも感心してる。お前が食べてる姿を見ると、食べるって幸せなことなんだな~って思えるよ。帰ったら一緒にメシ食いに行こうぜ」
「ラインにはいつも助けてもらってばっかだから、いつか絶対お礼をしたいと思ってるんだ。それが何か分かんないけど、ちゃんと恩返しさせてくれよな」
ウィニストラ側も準備を整え終わったのか、周囲に広がる空気がどんどん重くなり、ざわついた物音が収まってきた頃。近くにいるラインとワンドがお互いの両肩に手を置いて、そんなことを言い始めた。なんとなく普段と雰囲気が違う空気で一言二言言葉を交わすと、今度は別の人と肩に手を置きあって、同じように言葉をかけている。
もういつ開戦してもおかしくない状況で何をしているのかと思っていると、ここにいないバルジアラ様と副官方を除く部隊全員が、階級に関係なく同じようなことを始めていた。
「実は。この前、酔いつぶれたお前の生え際から毛を1本取ったの俺なんだ。酔った勢いだったとはいえ、すまなかった」
「お前ぇぇ!!俺の生え際がギリギリって、白魔道士もお手上げだって知ってるだろ!俺が丹精込めて、毎朝毎晩『離れないでくれ』ってお願いして、たっぷり愛情を注いで育てているのに!!」
「悪かった、お詫びに帰ったら俺の前髪3本抜いて良いから。だから死ぬなよ?な?」
「当たり前だ!毛の無念を晴らすまで、死んでも死にきれるか!!ちゃんと生きて戻れよ!」
「もちろんだ」
急に何が始まったのか不思議に思っていると、ロアが近付いてきた。
「ディスコーニ。儀式やるよ」
「儀式、ですか?」
戦場でこんな儀式をするなんて初めて知ったと思っていると、ロアは自分の両肩に手を置いた。
「俺たちは部隊全員同じ時間を過ごした仲間だ。1人1人に思い出があるだろ?」
「はい」
「ここは戦場だから、次に顔を合わせる時には死に顔かもしれない。もしそういう時、『あんなことを言っておけばよかった』『謝っておけばよかった』とか後悔しないように、この場所で最期の言葉をかけるんだ」
「なるほど…」
そういう意味があるのかと思いながら自分もロアの両肩に手を置くと、彼は今までにないような明るい笑顔を見せてきた。
「まぁ、こんなことしてるのはこの部隊だけなんだけど。ディスコーニは初めての戦場になるから緊張してると思うし、色々不安もあるだろうけど、バルジアラ様は絶対負けないし、みんなで助け合えば大丈夫だから!
君はこの部隊で初めて出来た可愛い後輩。もっと色々喋って、一緒に鍛錬して、立派になっていくのを見届けたい。だから絶対死なせない」
ロアの言葉を聞くと、バルジアラ様の目指す生還率の高い部隊になるように。自分にはもったいないほどの良き仲間達と再び生きて顔を合わせられるように、自分もきちんと務めを果たしたいと素直に思った。
「いつも声をかけて、気にかけてくれてありがとうございます。おかげであっという間に部隊に馴染めました。少しでも力になれるように、助け合えるように頑張りたいと思います」
お互いの肩から腕をはなすと、ロアの後ろで順番待ちをしていたワンドのそばに中級、上級兵士達も集まってきた。
「俺たちがついてるから安心していいぞ。でも油断は禁物だからな」
「生き残っていれば必ず結果がついてくる。戦績欲しさで無理をする必要はないからな」
「怪我したら俺がすぐ治療するからな。俺で無理なら白魔道士の所にすぐ連れて行くから、とにかく生き残るんだ」
「撤退するのも一つの手だ。恥だと思わず、次に繋げるためにも無理をするなよ」
色んな人と儀式をしていると、自分はみんなに心配をかけながらも期待されているのだと分かる。たくさんの言葉をかけられるうちに、不安や心配が和らいでくるから不思議だ。
部隊全員で儀式を終えて整列すると、周囲には今まで見たことのない真剣な眼差しをした頼もしい仲間たちが、まっすぐに国境線の向こう側にいるルタンの軍勢を見据えている。自分も彼らに倣って前を見ていると、前線側にいる地方兵士を鼓舞してきたバルジアラ様と副官方が、馬に乗って戻ってきた。
「ダスタンドはそろそろ引退しても良い年齢なのに、まだまだヤル気満々。元気ですね」
「今の国王になってからネイダスの領土を一部奪えたから、この流れでウチからも奪ってやろうと盛り上がってるらしい。ダスタンドも若返ったように血気盛んになったらしいぞ」
その会話を確認するように、ルタン側の最奥へ目を凝らしてみると、甲冑姿の歩兵の後ろに武装した騎馬の群れがある。一人一人の顔までは見えないが、そのどこかに敵将であるダスタンドがいるらしい。
今回はバルジアラ様がリスドー様、モルァニス様、アルトファーデル様を連れて敵将のところに突撃する作戦になっていて、自分たちはイスト様とヴェーリ様の指揮に従って、向かってくる敵を倒すだけだ。
「いいか。毎回同じことを言うが、相手が自分より強いと思ったら手を出す必要はない。怪我をしたり、呪われたらすぐに撤退しろ。
生命の奪い合いだが、お前達が無理をする必要はない。自分の生命は大事にしろ。必ず部隊全員で帰還するぞ」
それからしばらくすると、ルタン側の最前線にいた者たちが一斉に大声を張り上げて風の魔法を放ち、国境を示す木杭が派手に吹き飛ばされて開戦となった。
「そろそろだ」
「はい」
前線にいるウィニストラ兵や傭兵たちの横を抜けたルタンの勢力が、群れを成してどんどん自分たちに向かってくる。その殺意に満ちた顔がハッキリと見えるようになった時、イスト様の合図で自分が氷の上級魔法を発動させて敵兵の足元を凍りつかせて動きを封じると、仲間達が一斉に炎の魔法を放って敵を焼いた。
「ディスコーニ、俺たちがついてるから冷静にな」
「油断するなよ!」
絶命して倒れたり、地面をのたうちまわって戦闘不能になった敵軍の後ろからは、また新たな敵が群を成してやってくる。同じように仲間と協力しながら魔法を放って敵の数を着実に減らすが、何度も繰り返していくうちに徐々に自分たちとの距離は縮まっていく。そしてとうとう剣を交える近さになり、雄叫びを上げながら振り下ろされた相手の剣を自分の剣で受け止めた。
ーーどうすれば見ず知らずの他人に明確な殺意を向けられるのだろう。出世のためだろうか。仲間のためだろうか。それとも部隊の仲間達のように、尊敬する上官のために戦うのだろうか。
吐息すら感じる距離で鍔迫り合いをしている最中、相手の気迫に満ちた形相を眺めながらそんなことを考えた。相手は自分より少し年上の下級兵士のようで、合わせた剣に体重を乗せて力で押し切ろうとしている。
そんな力任せなやり方を利用しようと自分の剣の向きを変えると、男の剣が自分の剣の上を滑り落ちたと同時に、彼自身もバランスを崩して前のめりになった。その隙を逃さずに剣を薙ぎ払えば、相手の利き腕の肩から肘までが血に染まった。
すると、相手は素早く剣をもう一方の手に持ち替え、痛みなど感じていないかのように薙ぎ払ってきたが、自分は数歩距離を取って避けた。
「素直に撤退すれば生命を奪うことはしません。諦めて撤退してくれませんか?」
「この野郎!!なめやがって!!」
ーー力の差も歴然。加えて負傷して形勢不利な状況なのに。なぜ素直に撤退しないのだろうか。
負傷に気付いていないかのような男は氷の刃を作り出す魔法を放って来たものの、自分が姿勢を低くして避けたことに苛立ったようで、言葉にならない雄叫びを上げて剣を振り上げながら自分に駆け出して来た。
「がぁぁぁ!!」
自分の提案は彼を激昂させてしまったものの、この人にも帰りを待つ人がいるだろうから諦めて撤退してほしい。そう思って致命傷にならないよう、炎の魔法で右足だけを焼いたのだが。彼は右足が完全に使えなくなった状況にも関わらず、足を引きずりながら奇声をあげ、懐から取り出した短剣を自分に投げつけてきた。
その短剣を自分の剣を振るって弾き飛ばした瞬間。弾いた短剣は、魔法を詠唱していた男の喉に刺さってしまった。
首から大量の血を流し、目を大きく見開いたまま絶命した相手を前に呆然としていると、同じ部隊のダナンという階級章のない上級兵士が駆け寄ってきた。
「ディスコーニはなぶり殺しにするのが好きなのか?」
「そんなつもりはないんです。この人にも帰りを待つ人がいるだろうから、諦めて撤退してほしかっただけなんです」
「なるほど。気持ちは分かるけど、ここに来ている人間は誰かを殺しても、自分が死ぬことになっても、全てを受け入れる覚悟で来てる奴ばかりだ。
生き残って次に繋げたいと思っている奴は、不利と判断すれば早い段階で引き下がるが、未来や生命にこだわらない奴は、大火傷を負っても手足を失っても、味方が後方に連れて行かない限り生命が尽きるまで襲ってくる。
優しさは尊いことだが、こういう場所で撤退を相手に望むことは自分に隙を作るし、今みたいに相手に余計な苦しみを与えることになる。情けをかけるなら、一思いに殺してやったほうが苦しみは少なくて済む」
「そう、ですね…」
「お前を含め、この部隊には優しい奴ばかりだ。平時なら相手を思いやるのが優しさだが、この場の優しさは敵を楽にしてやることに変わるんだと割り切ったほうが良い。
相手は命をかけてこの場に臨んでいる。だからそれを受ける方も命がけて応える。それが戦場の礼儀ってもんだよ」
「はい…」
ダナン様から助言を受けた後、少し離れた場所で相手と剣を合わせている仲間を見ると、普段は仲間思いの優しい彼らも相手には躊躇なく剣を突き立て、顔についた返り血を雑に拭っている。
普段は優しさの塊のような彼らと戦場に立つ彼らの姿は全く違うように見えたが、苦しまないよう一撃で終わらせようとしているのだと分かった。
「大丈夫?精神的に辛かったら、下がっていてもいいんだよ」
「大丈夫です。割り切って考えられそうです」
ダナン様は自分の顔を見ると真剣な顔で頷いて、新たにこちらに向かってくる敵の方へと駆けて行った。
ーー殺し合いをするこの戦場では、一思いに殺すのが優しさ。
ーー相手は命をかけてこの場に臨んでいる。だからそれを受ける方も命がけて応える。
ーー死を覚悟して襲ってくる相手には自分も死ぬ気で戦い、逃げる相手には手を出さない。
心の中でそう繰り返していると、戦場という特殊な空気に飲まれ始めたのか、次第に自分の心の芯だけが周囲から隔離され、それ以外は空っぽになってきた。
目を閉じて心の芯が完全に硬い蕾の中に収まったのを感じ取ると、目を開けて向かってくる敵の一軍に向けて水で出来た大きな鳥を作る魔法を放った。すると、鉤爪で顔が抉られ、身体のあちこちに羽が貫通したルタン兵の死体が転がる状況になったが、自分が殺したという事実は変わらないのに、数分前の逡巡が嘘のように何も感じなかった。
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