天使な狼、悪魔な羊

駿馬

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第6章 新たな出会い

8.傭兵街での治療院2

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治療院を開いて3日目。
今日もせっせと治療をしていると、3人の男性傭兵に身体を支えられながら入って来たのは、腹部が振動でポヨンポヨンと波打つ、肥満体型のぽっちゃりした男性傭兵だった。
全員同じデザインの大ぶりのピアスを身に着けているから、同じ傭兵団に所属しているのだろう。

傭兵団に所属する傭兵は、大体傭兵団共通の何かを身に着けている。ピアスや腕輪、服装を統一の物にしたり、傭兵団のシンボルマークを入れ墨にしていたりして、ひと目見れば分かるようになっていることがほとんどだ。


「先生、こいつの治療をお願いします」


「そこのベッドに横にしてあげて下さい」

診察ベッドが悲鳴をあげるように軋んだが、何とか巨体はベッドに横たえられた。
尋常じゃないほどの汗をかき続け、唇は紫色、指先が小刻みに震えている。手をかざして調べてみれば、お腹のあたりで違和感を感じた。どうやらよろしくない物を食べたらしい。



「うーん。この状態になっているのは1人だけですか?」

私はお腹に解毒の魔法をかけながら運んできた3人に尋ねると、3人は一様に顔を見合わせた。



「はい。何でこいつだけなのかは分からないんですけど…。こんな症状、誰も見たことがなくて。他にいないか聞くって事は、感染うつる病気ですか?」


「感染ることはないんですけど、これはコーヌという毒魚を食べたことによる中毒です。他に食べた人で同じ症状の人はいませんか?」


「コーヌ?」


「沼に住んでいて、中指くらいの長さの細い小魚なんです。毒素を持っていますが食べても大丈夫な人もいれば、毒素が体質に合わなくてこうして中毒になってしまう人もいるんです。はい、治療終わりです」



治療を終えると、ぽっちゃり傭兵は目を開けて周囲を見渡し、疲れたように3人に笑いかけていた。


「そうなんですか。こいつもみんなも小魚なんて食べてないはずなんですが…」


「ごめん、僕食べたんだ。みんなであの沼で野宿した時、1匹だけ小魚が釣れたんだけど、みんなと分ける程のものじゃないかなって。こっそり焼いて食べたんだ。そしたら、具合悪くなっちゃって…」

ぽっちゃり傭兵のその言葉に、はぁ~と、3人は同時に深いため息を吐いた。



「お前、この間はキノコ食って1週間寝込んだだろ?!食べるのは良いけど、ちゃんとみんなに聞いてからにするって約束したろうが!」

ーーおいおい。毒キノコ食べて苦しんだのに、今度は毒魚かい!



「だって!みんなも食べたいって言われたら、僕の食べる分が減るじゃないか…」

ーー食いしん坊な理論だなぁ。これで懲りてくれるといいけど。こういう人は、リーダーがしっかり目を光らせてないとダメじゃないのかな。



「誰もお前の分を取ったりしないよ。頼むから変な物ばかり口に入れるのはやめてくれ。リーダーのお前がみんなに心配かけてどうするんだよ」

……リーダーかいっ!


まぁ、食いしん坊みたいだが、人当たりは良さそうだから人望もあるんだろう。是非他の人が、彼のそばで拾い食いしないように目を光らせていてほしい。



「あの…。本屋さんに『毒性のある動植物』って小さいハンドブックが売っているので、それを買ってみてください。見たことのないものを食べようと思ったら、それを見てください。それを見ても分からない新しい物は、食べるのをやめて下さいね」


「はい!今から買いに行って来ます。さ、みんな行くぞ~!本屋行ったら酒場行って快気祝いだっ!」


「「「お~!!!」」」

すっかり元気になったリーダーを筆頭に、ゾロゾロと治療院を出て行った。その後ろ姿はとても楽しそうだ。

私は所属出来ないが、こういうまったり傭兵団も楽しそうだ。




お昼休憩中、3人で他愛のない話をしていると治療の話になった。


「嬢ちゃんは、毒の種類とか何でも知ってるんだな。どうして分かるんだ?」


「患者が病気の場合、まずは全身の魔力の流れを調べるんだ。身体のどこかに毒とか病気の原因になるものがあれば、その場所に違和感を感じるの。そういう場所は、原因ごとに特徴的なパターンを感じられるから、今までの経験と照らし合わせて原因を判断してるの」


「へぇ。そうなんだ。じゃあ経験が物を言うんだな。でも、お前は『白い渡り鳥』も3年だろ?なってすぐの時でも、そんなに経験あったのか?」


「私の恩師は元『白い渡り鳥』だから、神殿に治療を求める人が連日押し寄せて来ていたんだ。そういう患者さん達を相手に私が練習させてもらったんだけど、軽症の人から重症の人までたくさんだったから、今、こうしてその経験が活かせてるんだよ」



私がローズ様のもとで学んだ6年間、ローズ様の治療を求める人は毎日押し寄せていた。
ローズ様は私の指導もあるし、高齢で体力も衰えてきていたので治療の時間こそ決めていたが、どんな患者でも診療拒否することもなく、真摯な態度で治療していた。

そんな恩師の姿は私の憧れでもあり、理想の姿でもあった。


ローズ様との6年間を思い出すと、懐かしくて胸と目がじんわりと熱くなってくる。6年間毎日顔を合わせて濃密な時間を過ごしていたので、今では自分の親よりも身近な存在だ。



治療を再開すると、軍服を着た女性2人組が部屋に入ってきた。1人は布で両目を覆っていて、もう1人はその付き添いらしい。目が見えないのだろうか。


「すみません。呪いの解呪をお願いします」


「はい、ではそのベッドに横になって下さい」


ベッドのそばに座り、首元にそっと手を当てて魔力を込めると、確かに呪われている。
かけられているのは、『盲目の狂戦士バーサーカー』と呼ばれる呪いだ。この呪いを受けると、自分の目に映る者が全て敵に見える幻覚を見てしまう。

目の前に映る者が見えなければ、普段通りのままで襲いかかることはないので、こうして目隠しをして解呪を待つことになる。ただし、解呪するまで常に目隠しの状態になるので、解呪が遅くなればその分だけ不便な生活を過ごすことになる。
呪いのレベルとしては中級なので、私でなくても白魔道士なら解呪出来るはずだ。でもこの街の軍部にも、解呪できる白魔道士がいないのだろう。

私は女性の首元に手を当てたまま、目を閉じて意識を集中させると呪いの世界に引き込まれた。



目を開ければ、白い空間の中でポツンと座り込み、悲しそうに泣いている褪せた茶色のぬいぐるみが1体いた。原型が何だったのか分からないほどのボロボロの状態だ。
この呪いは、呪いをかける人によって呪いの本体のイメージが違う。今回ぬいぐるみということは、ぬいぐるみに思い入れのある人がかけたのだろう。


「ううっ。もう誰も遊んでくれない。誰も来てくれない。寂しいよ……」

ブツブツとそう言いながら泣き続けるぬいぐるみは、近づく私に気付くと嬉しそうに振り向いた。あちこちから中綿が出ているし、顔は口以外のパーツは無くなっているが、どうやら見えているらしい。


「オネーサン、ワタシと遊んでくれるの?遊んで遊んで!」

ぬいぐるみは両手に持ったナイフを振り回しながら、私に襲いかかって来た。私は痴漢撃退にしかならない中級の雷の魔法をぶつけると、ぬいぐるみは避けることもなく命中した。命中した瞬間、ナイフは遠くに転がってぬいぐるみはクタリと倒れて動かない。


「はい、終わりだよ。バイバイ」

私はぬいぐるみに浄化の魔法をかけると、ぬいぐるみは砂のようにボロボロと崩れて消えた。


簡単に本体が倒れてくれたのは、呪いをかけた術者がそんなに高い黒魔法の適性を持っておらず、素直な性格だったからだろう。
呪いの解呪は術者の黒魔法の適性だけでなく、その人の性格も表れるから、解呪していると術をかけた人の性格が何となく分かってくる。

私はまだ経験はないが、黒魔法の適性が高く、ねちっこい性格の人がかけた高レベルの呪いを解呪する時、解呪し終わるまでに数日かかることもあるらしい。
そんな人は、呪いの世界だけでなく実際の世界でも関わりたくないものだ。


「解呪終わりました。もう目隠しを外して大丈夫です」

目を開けてそう告げると、起き上がった患者の女性は自分で目隠しを取った。




「良かった……。これでやっとまともに生活できるわ!解呪ありがとうございました」


「先生、ありがとうございました。さ、これから迷惑かけた人に謝りに行かないと。旦那達にはガミガミ言われるし、部隊をクビになってしまうわよ?」

付き添いの女性がそう言うと、患者の女性は持っていた目隠しを強く握りしめた。



「でもその前に回復祝いに甘い物食べに行きましょ!お預けになってた甘味処に行くわよっ!私、あのパフェを早く食べたかったの!」


「良いわね!甘い物はお薬だものね!旦那達には後で適当に言い訳しときましょ!」

すっかり元気になったらしく、2人で楽しそうに女の子らしい甘い物談義をしながら出て行った。




「はい、次の方~!」

どの人も深刻な顔をして部屋に入って来るが、笑顔で出て行くのはとてもやりがいがあって気持ちがいい。
いつもよりナンパが少なくて済むと、患者が多い分時間短縮になってとてもありがたい。やはりランクSSの傭兵が2人も後ろに控えているというのは、とても効果があるようだ。


毎日忙しく治療を続けて、5日目になるとようやく治療院を訪れる人がまばらになった。今は患者がいないので、3人でお茶を飲みながらまったりしている。


「この様子だと、今日で治療院を終わりにしても良いかな」


「じゃあ、今から俺が領主のところに行ってそれを伝えてこよう」

レオンさんが椅子から立ち上がり、外していた長剣を背中に携えだした。



「ルクト、コロシアムの大会までに仕事終えられたね」


「そうだな」


「そうか。お前は今度の大会に出るんだったな」

レオンさんは部屋から出ようと歩き出したところだったが、ピタリとその足を止めてこちらを振り向いた。


「お前もだろ?」


「もちろんだ。これが楽しみでここにいるんだからな。ということは、大会中は嬢ちゃんが一人になるのか。大丈夫なのか?」


「あ、そうだったな。宿で待ってるか?」

レオンさんのその言葉を聞いて、ルクトは初めて大会中の私を状況に気付いたらしい。
折角なんだし、私だってコロシアムでルクトが戦っている姿を見てみたい。宿でのんびり待ってるだけなんて、もったいなさ過ぎる。


「私も大会見たいから、観客席で結界を張って大人しくしておこうと思ってる」


「ま、とりあえず俺は屋敷に行ってくるから、お前さん達は治療院終わったら宿に戻ってくれ。夕飯までには宿に戻るから待っててくれな」

私達はその日の治療を終えると宿に戻った。夕食はレオンさんが戻ってきてからなので、私は部屋でお風呂を済ませた。



「メシ食いに行くぞ」


「分かった。今行く~」

ベッドで魔導書を読んでいると、ルクトが呼びに来た。レストランのいつもの個室席に行くと、すでにレオンさんが席に座っていて私達の姿を見て手を上げた。


「嬢ちゃん、領主が明日の朝屋敷に来て欲しいと言っていたよ。
それとコロシアムのことだが、先に話しておくな。領主がコロシアムを見る予定の嬢ちゃんのことを気にかけててね。大会中は領主が嬢ちゃんに部屋を用意するそうだ。もちろん護衛付きでな」


「護衛付きで部屋まで…。申し出はありがたいけど、良い宿、護衛、お手伝いまで世話してもらって悪いな。借りを作りたくないのに」

こんなにも厚遇を受けると、いざという時に断りにくい状況にならないか心配になる。


「まぁ、安全に観戦するならこれしか手はないだろうな。ありがたく受け入れておけよ。護衛も信用できる奴だから」


「まぁ確かに。それしかないか…」

観客席に結界を張って動かないというのは、周囲を取り囲まれると結界の外に抜け出せないという欠点がある。その状況になるとトイレに行きたくても行けないのだ。
そうなると困るので、水は最低限にしか飲まず、もじもじしながらルクトの迎えを待つしかないと、ちょっと覚悟しておいた。なので、正直言えばカロン様のこの申し出はありがたい。



翌朝、私達は領主の屋敷へ行くとすぐにカロン様が応接間に現れた。


「シェニカ様、とても親身な治療をして頂いてありがとうございました。
こちらにも市民や傭兵、軍人まで多くの人からの感謝の言葉がかけられて、私もとても鼻が高いです。こちらが私からの御礼です。どうぞお受け取り下さい」


「ありがとうございます。遠慮なく頂戴致します」

私はカロン様からお金の入った袋を4つも貰ってしまった。
破格の待遇に、破格の礼金という厚遇に色々と勘ぐってしまう。カロン様は油断できない人なので、自分の言動にはよく気をつけなければ。



「レオンから聞きましたが、護衛のルクトさんは明日から始まるコロシアムに出場なさるとか」


「ええ、その予定です」


「その間、宿はそのまま利用してもらって構いませんし、大会中はシェニカ様には護衛付きで部屋を用意しますので、そちらでご観戦下さい。
ああ、遠慮しないでください。大切な客人をもてなすのは当然のことですので。それに、女性を1人で観客席に置いておくのは見過ごせません」


「そうですか。ではお言葉に甘えさせて頂きます」


「そのかわりと言ってはなんですが、1つお願いがあるんです」


「なんでしょう?」


「コロシアムは3日続きますが、その間出場者の治療をお願いできませんか。もちろん謝礼はお支払いします。本来ならシェニカ様に頼む事ではないと分かってはいますが、この街にはシェニカ様以外に頼める者がいない状況なので、お願いしたいのです」


「…分かりました」

この街に逗留させる目的で、何か色々と要求されるかと勘ぐったが、出場者の治療ならば問題ない。



屋敷を出て宿に戻る途中、ルクトとレオンさんは言いにくそうに私に声をかけてきた。


「それで明日から大会が始まるわけだが。あのだな…」

ルクトは視線が明後日の方向を向いている。どうやら頼み事らしいが、言いづらいらしい。
彼らのお願いには心当たりがあるから分かっているが、別に言いづらいことでもないだろうに。私が前に魔力切れを起こしかけたから、それが申し訳ないのだろう。


「鍛錬したいから結界張って、って言いたいんでしょ?」


「そう!嬢ちゃん話が分かるな!」


「そりゃ、2人が言いにくそうにしてれば想像つくよ。良いよ、今夜でしょ?今度は前ほど疲れてないから、もっと地面をボコボコにしても大丈夫だよ」


「前ほど派手にはやらないから安心してくれ」

初日の2人から考えられないほど、今ではすっかり2人は仲良くなったらしい。鍛錬に浮き立つ2人を見て、私は微笑ましく思えた。



それから夕食までは街を散策したり、宿でのんびりしたりして時間を潰した。
街にはコロシアム目的の傭兵や観光客達がさらに多く訪れていて、街の中は来た時よりもたくさんの人で溢れかえっていた。コロシアム効果はかなりのものである。

夕食を終え、以前使った空き地に行って前回と同じ様に結界を張ると、2人は剣を引き抜いて鍛錬というには激しい攻撃を始めた。
今回はすぐにモヤみたいなものが周囲を包んだので、私は2人を見るのは諦めて魔法の光を作り出して魔導書を開いた。


魔導書を読んでいると、じんわりと眠気が襲ってきて欠伸が止まらない。芝生の上に寝っ転がって、魔導書を胸の上に置いて目を閉じた。
2人の剣が合わさる音、魔法がぶつかる振動が目を閉じても伝わってくる。きっと、2人はまた楽しそうに生き生きしながら鍛錬に励んでいるんだろう。街を歩いている時にはいつも無表情な2人だけど、こういう時は凄く生き生きするってことは、戦場が身にしみた傭兵なんだと音を聞きながらぼんやりと考えた。



「おい、終わったぞ。起きろ」

いつの間にか眠っていたのか、結界内にルクトが入ってきた。どうやら寝ている間に鍛錬は終わったらしい。そよそよと周囲に柔らかな風が吹くと、何だか気持ちのいい空気を感じた。


「ん?あ、お疲れ様」


「今回は周囲に被害はないから安心してくれ」


「それは良かったわ」

寝転んだままの私にルクトが手を差し伸べてくれたので、手を伸ばすとグッと力を入れて身体を起こしてくれた。握りしめたルクトの手は、大きくてあったかくて力強かった。


「お前、この結界に入れるのか?俺は弾かれたぞ?ほら」

レオンさんが結界に触れるとバチン!と弾く音がした。


「主従の誓いの効果で、私の作る結界にはルクトは入れるんだよ」


「へぇ、そういうのもあるのか。主従の誓いを結んでるのって、奴隷にしてる奴しか見たことないから、そんな効果があるなんて知らなかったよ」


私が結界を解くと、私の両隣を固めるように宿の方へと歩き出した。
レオンさんはいつも先導するように前を行くことが多いが、今回は私の隣にいる。背の高い2人に挟まれると、会話する時に見上げるから肩が凝ってしまう。
私は標準的な女性の背の高さだが、2人は標準男性よりも高い方に入る。どうすればそうやって背が伸びるのか。少しうらやましく思うが、多分今更私の背は伸びないだろう…。


「確かに奴隷扱いしてる人多いからね。私はそういうの嫌だな」


「嬢ちゃんはどうしてこいつを平等に扱うんだ?」


「あくまでもルクトは護衛だし、奴隷扱いする必要なんてないもの。そもそもそんなことするのが嫌いだし」


「嬢ちゃんは人間できてるなぁ」


「神殿で散々白魔道士とは、『白い渡り鳥』とは…って授業受けたからね」



3人で宿に戻ると、私の部屋の前で結界を張るまで見届けるルクトに、貰った謝礼が入った革袋を渡した。

「はい、これルクトの分だよ。いつもありがと」


「お前もお疲れ様」


「明日大会なんだから、早く寝るようにね。深酒しないように!」


「俺はガキじゃねぇよ。お前こそ早く寝ろ」

結界を張って扉を閉める一瞬、ルクトが何とも言えない表情をして私の口元を凝視していることに気付いた。
私はその視線の先にハッと思い当たった。




「もしかして寝てた時にヨダレ出てたかなぁ。やだな恥ずかしい」

扉を閉めた後、私は必死に口元をゴシゴシとハンカチで拭った。

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