225 / 271
第19章 再会の時
12.ゆびきりの約束
しおりを挟む
■■■前書き■■■
お気に入りや感想、web拍手、コメントをありがとうございます。
頂いた応援は更新の励みになっております。
今回はシェニカ視点のお話となります。
■■■■■■■■■
「このベリーの焼き菓子。果汁たっぷりで美味しいな~♪」
懐かしさと親しみを感じたボルフォンを出発して9日目。
到着した日の夜から視界を遮るような激しい雨が続いているため、今いる街で天候の回復を待っている。この場所は標高の高い山の間にある影響で、1年中雨が多く、雪は降らないけど肌寒い季節もあるらしい。そのおかげで寒さを好む野菜や果物の有名な産地だそうで、宿の料理は非常に美味しい。
雨のおかげでお昼前に解毒薬を作り終わったので、今は宿にある土産物コーナーでベリーの焼き菓子やアップルパイを購入し、部屋に備え付けのハーブティーと一緒に楽しんでいる。
「今夜はお酒飲んじゃおっかな~!ビールもいいけど、ベリーのシードルも気になるなぁ。どっちにしようかな」
良い香りとほろ苦さのあるハーブティーを飲み干すと、ベッドの横にあるサイドテーブルに飾ったミルクちゃんを抱きしめ、スプリングのきいたベッドに倒れ込んだ。
目を閉じてミルクちゃんを触りながら、可愛いユーリくんのことを思い浮かべた。
この街に到着した最初の日は周囲を警戒して出てこなかったけど、昨日から食事中にディズの胸元から顔を見せてくれるようになった。その時に少しだけ触れ合えたけど、どうせならしっかりと触れ合いたい。ナデナデしたいし、リスボタンを堪能したい。で、できればチューも…。
ーーユーリくん、お疲れ様のチューしても良い?
ーーユーリくんの可愛いおねだりが見たいんだ。すこーしだけ『恋するクルミ』をあげるのを焦らしてもいい?
ーーあぁっ!ユーリくんのお目々がハートに!くぅっ!なんて可愛いのっ!
「ユーリくん大好きだよぉ~。一緒に旅がしたいよ。ユーリくんがいないと寂しくて泣いちゃいそうだよ…」
ミルクちゃんを撫で続けながら、ユーリくんとの楽しい旅を想像しようと目を閉じてみた。
治療院では私の服の中に隠れているけど、休憩に入ると肩まで登ってきて、お疲れ様のチューをもらえたり…。
牧場に行ったら、ユーリくんが『頑張れ頑張れ!』と調子の悪い子たちの横で応援したり…。
馬を借りて移動する時、お馬さんに挨拶した時にユーリくんも一緒に挨拶してくれて。お馬さんの頭の上に乗るユーリくんを、優しいおめめで見守る大きなお馬さん…。たてがみにしがみついて、手綱を引いている気持ちになっているユーリくん…。きゃぁぁぁ!!おっきな動物とちいさな動物の組み合わせって、なんて素敵なんだろう!
ユーリくんとどんな動物の組み合わせを想像してみようか。
おっきな動物といえば、メーコのところにいる成長したシフォンちゃん達が真っ先に思い浮かんだ。聞き分けが出来て優しい子達だから、『食べちゃだめだよ。優しくしてあげてね』と言ったら、ユーリくんが背中に乗ったり、周囲を駆け回っていても、怒ったり襲ったりしないだろう。この組み合わせで、どんなほのぼのした情景を想像してみようか。
シフォンちゃんの角にしがみついてみたり、ポフィちゃんのたてがみの中に隠れてみたり。キャンディちゃんの尻尾にしがみついてみたり、リボンちゃんの背中の上で日向ぼっこしたり、メロディちゃんの背中に乗って空をお散歩したり。小さなユーリくんをみんなが優しい目で見守って、のんびり過ごす。
あぁ!ユーリくん、一緒に旅がしたい!ユーリくん、ユーリくん…。
強い風を受けた窓のカタンという音がして、ハッと一気に覚醒した。窓の外はすっかり暗くなっているから、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。シーツのシワを伸ばして洗面所に行くと、口の端によだれの後があった。残念な気持ちになりながら顔を洗い、身だしなみを整えていると。コンコンコンと扉をノックする音が聞こえた。
「そろそろ夕食の時間になりますが。レストランに行きませんか?」
「うん。行く行く!」
廊下に出ると、ファズ様とルクトがいた。やることがないとぼやいていた彼は、部屋で動物図鑑を読んだり、武器の手入れをしたりしているらしい。私も読ませてもらったけど、ヘビワニに黒魔法が効きにくいというのは初耳だった。
本を読みながら思い返してみれば、リボンちゃんは小さい頃から日向ぼっこが大好きで、猫のように一番日当たりの良い、ぽかぽかして気持ちの良い場所でお昼寝していた。ご飯の時間になると、みんなが自分で食べるなか、リボンちゃんだけ私に向かって口をあ~んと開けて、口の中に入れてもらうのを待っていた。昼間は動かないから夜行性なのかなと思っていたけど、夜は温かいところで寝ていた。いつ活動するんだろうかと不思議だったけど、まさか日向ぼっこが活動だったとは…。アビテードは陽が差さないから、いまごろ太陽の光を恋しく思っているに違いない。
レストランに行くと、この日はいつもよりおしゃべりなお客さんが多かったのか、普通の声量では聞こえにくいほどの大きな笑い声やガヤガヤとした音が、食べ終わるまでずっと続いていた。せっかく顔を見せてくれるようになったユーリくんは、この音に警戒してしまったようで、今日は可愛い姿を見ることが出来なかった。ユーリくんそっくりなミルクちゃんもいいけど、やっぱり生のユーリくんと触れ合いたい!
そんな願望を抑えることが出来なくて、部屋に戻る途中、ディズにお願いしてみることにした。
「ディズ、もしよかったらユーリくんが眠くなるまで、私の部屋で預かってもいい?ユーリくんと遊びたくて…」
「では私も部屋に遊びに行っても良いですか?」
ディズはにっこり笑うと、そう言った。
「お仕事はいいの?」
「今夜はお休みにします」
彼がそう言った時、胸元あたりがモゾモゾと動き始め、ディズがボタンを外した瞬間、可愛いお顔が弾けるように出てきた。
夕食を終えてレストランを出ると、副官を1人連れたトゥーベリアス様が立っていた。彼らの前を気にせず通り過ぎることも出来たけど、何か言いたげな目と視線が合ってしまうと、自然と足が止まった。
「ディスコーニ殿。私にもシェニカ様の警備を担わせていただけませんか?」
「警備は抜かりなく行っておりますし、何かあれば私がすぐに駆けつけますので、ご心配には及びません」
ディズの言葉を聞いたトゥーベリアス様は、視線を私に移すと心配そうな顔になった。
「シェニカ様。何かご不便なことはございませんか?」
「ディスコーニ様やファズ様達が気遣ってくださるので、特に不便は感じておりません」
「天候の回復にはもう少し時間がかかるかもしれません。もしよろしければ、話し相手として私にシェニカ様のお時間をいただけないでしょうか」
「やりたいことがありますので…」
「そうですか…」
トゥーベリアス様はシュンとした表情を浮かべると、何か言おうと開いた口をゆっくり閉じて、静かに宿の外へ出ていった。
ディズから『国内にいる間はバルジアラ様の元にいるから、副官のうち2人を警備兼連絡役として部屋の前に控えさせます』と言われた。ディズだけでなくファズ様たちも忙しいだろうし、ルクトもいるから大丈夫だよと言ったら。
『トラントの一件はまだ未解決の状態ですので、シェニカの警備は厳重にしておく必要がありますし、シェニカに面会を申し込む外部の人達との連絡役も担います。私の副官達の方が気安く話せるのではないかと思いましたが、トゥーベリアス殿にお願いすることも出来ます。どちらが良いですか?』
と言われた。確かに、トラント国王を奪還し、『聖なる一滴』目的で私が狙われるかもしれない。そう思うと、夜襲の時の経験を踏まえて、顔と名前が一致する人の方が安心できるから、お言葉に甘えてファズ様たちにお願いしようということになった。
「おやすみルクト」
「おやすみ」
ルクトと別れ、私の部屋に入ると、ディズの胸元からユーリくんがひょっこりと顔を出した。かわいい姿を見たくて彼の顔の前に手を出すと、すぐに手のひらから肩まで駆けて来て、頬にスリスリと顔を寄せてくれた。
ーーあぁぁぁぁっ!!もふもふでかわいい~♪ あまりの可愛さに悶え死にしそうっ!! 1日1回は可愛いユーリくんを堪能しないと、衰弱死してしまうかもしれないわ!
ーー『シェニカお疲れ様!』と言って、頬にスリスリしてくれたら、ぜひご褒美のチューを…!あ、だめだ。一度嫌がられてしまっているから、別の方法で…。あ!一緒にお風呂なんてどうかしら!もくもくとした蒸気で念入りに毛繕いをするユーリくん。尻尾の先から、小さな頭まで一生懸命身体を捻って毛繕い…。絶対かわいいっ!
「シェニカ、鼻血が出ていますが大丈夫ですか? ソファで休みましょうか」
「あぁぁ!ごめん!つい興奮してしまって…」
ユーリくんを肩に乗せたまま鼻に治療魔法をかけると、ディズに促されてソファに座ることにした。
「もふもふで気持ちがいいなぁ…」
興奮を抑えながらユーリくんを撫でていたら、彼は何かに気付いたのか急に起き上がって絨毯が敷かれた床に飛び降り、部屋の隅に向かって駆け出した。絨毯を掘るような動きをしばらくしていたけど、その後は部屋の中を探検し始めた。
撫でて気持ちよさそうな顔を見たり、美味しそうにクルミを食べる姿を見るのもいいけど、ワクワクしたように探検する姿を見るのも楽しい。というか、ユーリくんは何をやっても可愛い。あぁ、こんな可愛い子と一緒に旅が出来たら良いのに…。
「ユーリくんから見たら、きっと大きな世界に見えるんだろうな」
「そうですね。お酒を飲みますか?」
「うん!ビールかベリーのシードルで悩んでるんだよね~」
「どちらも魅力的ですね」
ディズがルームサービスのメニューを持ってくると、しばらく悩んだ結果、ベリーのシードルを注文した。
彼が部屋の外にいる人に注文を告げに行っている間、私は観葉植物を器用に登るユーリくんの正面で可愛い姿を眺めることにした。
「ユーリくんはディズのどんなところを見て主人にしようって決めたの?」
一番上の枝で毛繕いを始めたユーリくんに声をかけると、毛繕いをやめて私をジーッと見つめて来た。
水色のお目々が私をジーッと…。ジーッと…。じーっと…。
ーーぼくはシェニカと結婚したいな!
ーーわっ!わわわわたしもっ!私もユーリくんと結婚したい!お嫁さんにして下さいっ!
ユーリくんの心の声が聞こえた気がしたから、条件反射で返事をしそうになったけど。プロポーズは一度失敗しているし、キスをした時に逃げられてしまった苦い記憶が蘇り、『これは都合の良い妄想だ』と言い聞かせて、気持ちを落ち着かせた。
「え、えっと。ディズの優しいところ?真面目なところ?強いところ?」
ディズの良いところを色々挙げてみたら、ユーリくんはその場でクルリと宙返りをして、枝を駆け下りて絨毯の上を走って行ってしまった。
「うーん。よくわかんないな…。きっとビビっと来るものがあったんだろうなぁ」
「どこを認めてくれたのか分かれば、シェニカの相棒探しも捗りそうですが…。私にもユーリがどこを気に入ってくれたのか分からなくて」
お酒だけでなく、ローストビーフや野菜スティック、フルーツの盛り合わせなどが乗ったワゴンを押したディズが、困った顔をして戻ってきた。
「仲良くなれなかったけど、少しだけ距離が縮まった気がしたから、また生息地に行きたいな。そしたら次こそは…!」
「陛下がすぐに許可して下さると思います。その時は、私も一緒にいいですか?」
「もちろん!ユーリくんもお友達と遊べるし!」
「今度こそシェニカとゆっくりした時間を過ごしたいです。では乾杯」
広い4人がけのソファに膝をくっつけるようにして座り、微笑み合いながら一口飲むと、甘酸っぱい味とシュワシュワとした炭酸が口いっぱいに広がった。
「ん~美味しい!」
「シードルは色々な種類があって飽きませんね」
ユーリくんに構いたいバルジアラ様のお話、ファズ様達とユーリくんの微笑ましい話、ディズが小さい頃の話。お酒を飲みながらディズと話すのはすごく楽しい。
彼は微笑んでいる時が多いけど、亡くなったお姉さんとお母さんのお話をする時になると、懐かしそうに目を細める。きっと良い家族だったんだろうな~と想像出来た。
「殿下は『王宮の中庭をオオカミリスの第2の生息地に!』計画に本気のようで、樹洞ができやすい木を調べているそうです。陛下と宰相様からは他のことも同じくらい熱心になってくれればいいのに、と手紙に書いてありました」
「殿下ってあんまり王太子らしくないというか、親しみやすいよね」
「殿下が地方視察に行くと現地の服を着ていらっしゃるので、子供や目が悪くなったご老人から現地の人とよく間違われています。護衛がいなければ、溶け込み過ぎて高い身分の方と分からないのではないでしょうか。
殿下は長年陛下と宰相様から怒られすぎて、耐性がついてしまったようで、縄でグルグル巻にされたり、鎖で椅子に縛り付けられたり…。だんだん囚人の扱いに近くなっていますが、それでも殿下がみんなから愛されているのは、やはり人柄だと思います」
「スァンも良い人だもんね」
「地方視察に行ったときは、殿下が釣り大会に精を出す横で、妃殿下は現地の奥様方と大会用の炊き出し料理を作ったり、おしゃべりに興じられたり、地元の人達と一緒に楽しんでいらっしゃいます。妃殿下も殿下と並んで、とても愛されているんですよ」
シードルの瓶があと少しになった頃、だいぶ酔いが回ったのかフワフワして気持ちよくなった。ディズとお酒を飲みながら色々な話をするのは楽しいな~。ポーチで眠るユーリくんの夢に私が出てきたらいいな~とか思っていたら。ふとローズ様の言葉が頭に浮かんで、胸がズキッと痛んだ。そんな僅かな変化も彼にはしっかり伝わってしまうようで、心配そうな表情を向けられた。
「どうかしました?」
「あ、いや…。えっと…。ディズが戦場に行ったら、撤退することって出来ないの?」
「そうですね。この立場になってしまうと、自然災害が発生するとか、双方戦場が維持出来ないような動物の乱入などの例外を除けば撤退は出来ず、必ず勝敗をつけることになります。特にウィニストラは侵略戦争が出来ませんので、撤退することは許されていません」
「そう、だよね…」
「何か気になることがありましたか?」
「あ、えっと…。滅多なことを言うものではないと思うんだけど、ディズが死んでしまうんじゃないかって考えて…」
私の言葉を聞いたディズは、一瞬なんとも言えない表情を浮かべた。それだけで可能性は十分あるのだと察し、酔いがスーッと覚めていくような感じがした。
「これからウィニストラはサザベルと国境を接することになるでしょ? もし何かのキッカケで戦争が起きたら…」
「大国同士が国境を接するのは初めてなので、どうなるのか分かりませんが。基本的に侵略戦争が出来ない国同士、様子見の状態が続くと思います。それに、正式にトラントがウィニストラに組み込まれれば、国力も戦力も大国のなかでも頭一つ飛び抜けることになります。
仮に大国も自由に戦争を行えるようになったとしても、ウィニストラと戦ってもサザベルの方が苦しむ可能性が高くなりますから、勝算が高くなければ戦争を起こせないと判断することになるでしょう。よっぽどのことがない限り、そのようなことは起きないと思いますよ」
戦場に行くのも仕事だと分かっているけど、生命は大事にして欲しい。たとえ瀕死の状態でも、治療が間にあえば助けることが出来るから、どうにか生き残って欲しいけど…。戦争に負けてしまったら、きっと生存は望めないのだろう。
私に出来ることといえば、近くの街で彼の帰還を待つしかくらいだけど、タイミングが合わない可能性のほうが高い。彼のために私が出来ることは他にないだろうか…と考えた時、『聖なる一滴』を受けて苦しむ姿を思い出したのと同時に、ローブの内ポケットが少し重くなったような気がした。
「では約束をさせてください」
気付いたら項垂れていたようで、彼の右手の小指が視界に入ったことに驚いて顔を上げると、彼は安心させるような笑顔を浮かべながら、私の足元に跪いた。
「どんな戦地に行っても、私は必ず生きて戻ると約束します」
彼の右手に小指を絡めると、彼は指切りをして約束してくれた。指をはなした瞬間、安心と不安が同時に襲ってきて、気付いたら立ち上がったディズの胸に飛び込むように抱きついていた。
抱きしめ返してくれる腕の強さを感じると、与えてくれる安心感の大きさを実感するし、もっと一緒にいたいと思う。こんな気持ちがどんどん重なって、愛になっていくんだろうな。
ーーその人がそれで良いと了承するなら、同じ人と何度関係を持とうと、それはただのご褒美です。
ーー顔には出さずとも、貴女と愛し合う時をモジモジしながら待っていらっしゃるようですよ。
ーー好きな人と一緒にいたい、愛し合いたいと思うのは自然なこと。二人の気持ちが同じなら、時間なんて関係ないのだと思いますよ。
ローズ様から言われた時は混乱してしまったけど。ディズとなら、関係を進めても良いかもしれない。
お気に入りや感想、web拍手、コメントをありがとうございます。
頂いた応援は更新の励みになっております。
今回はシェニカ視点のお話となります。
■■■■■■■■■
「このベリーの焼き菓子。果汁たっぷりで美味しいな~♪」
懐かしさと親しみを感じたボルフォンを出発して9日目。
到着した日の夜から視界を遮るような激しい雨が続いているため、今いる街で天候の回復を待っている。この場所は標高の高い山の間にある影響で、1年中雨が多く、雪は降らないけど肌寒い季節もあるらしい。そのおかげで寒さを好む野菜や果物の有名な産地だそうで、宿の料理は非常に美味しい。
雨のおかげでお昼前に解毒薬を作り終わったので、今は宿にある土産物コーナーでベリーの焼き菓子やアップルパイを購入し、部屋に備え付けのハーブティーと一緒に楽しんでいる。
「今夜はお酒飲んじゃおっかな~!ビールもいいけど、ベリーのシードルも気になるなぁ。どっちにしようかな」
良い香りとほろ苦さのあるハーブティーを飲み干すと、ベッドの横にあるサイドテーブルに飾ったミルクちゃんを抱きしめ、スプリングのきいたベッドに倒れ込んだ。
目を閉じてミルクちゃんを触りながら、可愛いユーリくんのことを思い浮かべた。
この街に到着した最初の日は周囲を警戒して出てこなかったけど、昨日から食事中にディズの胸元から顔を見せてくれるようになった。その時に少しだけ触れ合えたけど、どうせならしっかりと触れ合いたい。ナデナデしたいし、リスボタンを堪能したい。で、できればチューも…。
ーーユーリくん、お疲れ様のチューしても良い?
ーーユーリくんの可愛いおねだりが見たいんだ。すこーしだけ『恋するクルミ』をあげるのを焦らしてもいい?
ーーあぁっ!ユーリくんのお目々がハートに!くぅっ!なんて可愛いのっ!
「ユーリくん大好きだよぉ~。一緒に旅がしたいよ。ユーリくんがいないと寂しくて泣いちゃいそうだよ…」
ミルクちゃんを撫で続けながら、ユーリくんとの楽しい旅を想像しようと目を閉じてみた。
治療院では私の服の中に隠れているけど、休憩に入ると肩まで登ってきて、お疲れ様のチューをもらえたり…。
牧場に行ったら、ユーリくんが『頑張れ頑張れ!』と調子の悪い子たちの横で応援したり…。
馬を借りて移動する時、お馬さんに挨拶した時にユーリくんも一緒に挨拶してくれて。お馬さんの頭の上に乗るユーリくんを、優しいおめめで見守る大きなお馬さん…。たてがみにしがみついて、手綱を引いている気持ちになっているユーリくん…。きゃぁぁぁ!!おっきな動物とちいさな動物の組み合わせって、なんて素敵なんだろう!
ユーリくんとどんな動物の組み合わせを想像してみようか。
おっきな動物といえば、メーコのところにいる成長したシフォンちゃん達が真っ先に思い浮かんだ。聞き分けが出来て優しい子達だから、『食べちゃだめだよ。優しくしてあげてね』と言ったら、ユーリくんが背中に乗ったり、周囲を駆け回っていても、怒ったり襲ったりしないだろう。この組み合わせで、どんなほのぼのした情景を想像してみようか。
シフォンちゃんの角にしがみついてみたり、ポフィちゃんのたてがみの中に隠れてみたり。キャンディちゃんの尻尾にしがみついてみたり、リボンちゃんの背中の上で日向ぼっこしたり、メロディちゃんの背中に乗って空をお散歩したり。小さなユーリくんをみんなが優しい目で見守って、のんびり過ごす。
あぁ!ユーリくん、一緒に旅がしたい!ユーリくん、ユーリくん…。
強い風を受けた窓のカタンという音がして、ハッと一気に覚醒した。窓の外はすっかり暗くなっているから、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。シーツのシワを伸ばして洗面所に行くと、口の端によだれの後があった。残念な気持ちになりながら顔を洗い、身だしなみを整えていると。コンコンコンと扉をノックする音が聞こえた。
「そろそろ夕食の時間になりますが。レストランに行きませんか?」
「うん。行く行く!」
廊下に出ると、ファズ様とルクトがいた。やることがないとぼやいていた彼は、部屋で動物図鑑を読んだり、武器の手入れをしたりしているらしい。私も読ませてもらったけど、ヘビワニに黒魔法が効きにくいというのは初耳だった。
本を読みながら思い返してみれば、リボンちゃんは小さい頃から日向ぼっこが大好きで、猫のように一番日当たりの良い、ぽかぽかして気持ちの良い場所でお昼寝していた。ご飯の時間になると、みんなが自分で食べるなか、リボンちゃんだけ私に向かって口をあ~んと開けて、口の中に入れてもらうのを待っていた。昼間は動かないから夜行性なのかなと思っていたけど、夜は温かいところで寝ていた。いつ活動するんだろうかと不思議だったけど、まさか日向ぼっこが活動だったとは…。アビテードは陽が差さないから、いまごろ太陽の光を恋しく思っているに違いない。
レストランに行くと、この日はいつもよりおしゃべりなお客さんが多かったのか、普通の声量では聞こえにくいほどの大きな笑い声やガヤガヤとした音が、食べ終わるまでずっと続いていた。せっかく顔を見せてくれるようになったユーリくんは、この音に警戒してしまったようで、今日は可愛い姿を見ることが出来なかった。ユーリくんそっくりなミルクちゃんもいいけど、やっぱり生のユーリくんと触れ合いたい!
そんな願望を抑えることが出来なくて、部屋に戻る途中、ディズにお願いしてみることにした。
「ディズ、もしよかったらユーリくんが眠くなるまで、私の部屋で預かってもいい?ユーリくんと遊びたくて…」
「では私も部屋に遊びに行っても良いですか?」
ディズはにっこり笑うと、そう言った。
「お仕事はいいの?」
「今夜はお休みにします」
彼がそう言った時、胸元あたりがモゾモゾと動き始め、ディズがボタンを外した瞬間、可愛いお顔が弾けるように出てきた。
夕食を終えてレストランを出ると、副官を1人連れたトゥーベリアス様が立っていた。彼らの前を気にせず通り過ぎることも出来たけど、何か言いたげな目と視線が合ってしまうと、自然と足が止まった。
「ディスコーニ殿。私にもシェニカ様の警備を担わせていただけませんか?」
「警備は抜かりなく行っておりますし、何かあれば私がすぐに駆けつけますので、ご心配には及びません」
ディズの言葉を聞いたトゥーベリアス様は、視線を私に移すと心配そうな顔になった。
「シェニカ様。何かご不便なことはございませんか?」
「ディスコーニ様やファズ様達が気遣ってくださるので、特に不便は感じておりません」
「天候の回復にはもう少し時間がかかるかもしれません。もしよろしければ、話し相手として私にシェニカ様のお時間をいただけないでしょうか」
「やりたいことがありますので…」
「そうですか…」
トゥーベリアス様はシュンとした表情を浮かべると、何か言おうと開いた口をゆっくり閉じて、静かに宿の外へ出ていった。
ディズから『国内にいる間はバルジアラ様の元にいるから、副官のうち2人を警備兼連絡役として部屋の前に控えさせます』と言われた。ディズだけでなくファズ様たちも忙しいだろうし、ルクトもいるから大丈夫だよと言ったら。
『トラントの一件はまだ未解決の状態ですので、シェニカの警備は厳重にしておく必要がありますし、シェニカに面会を申し込む外部の人達との連絡役も担います。私の副官達の方が気安く話せるのではないかと思いましたが、トゥーベリアス殿にお願いすることも出来ます。どちらが良いですか?』
と言われた。確かに、トラント国王を奪還し、『聖なる一滴』目的で私が狙われるかもしれない。そう思うと、夜襲の時の経験を踏まえて、顔と名前が一致する人の方が安心できるから、お言葉に甘えてファズ様たちにお願いしようということになった。
「おやすみルクト」
「おやすみ」
ルクトと別れ、私の部屋に入ると、ディズの胸元からユーリくんがひょっこりと顔を出した。かわいい姿を見たくて彼の顔の前に手を出すと、すぐに手のひらから肩まで駆けて来て、頬にスリスリと顔を寄せてくれた。
ーーあぁぁぁぁっ!!もふもふでかわいい~♪ あまりの可愛さに悶え死にしそうっ!! 1日1回は可愛いユーリくんを堪能しないと、衰弱死してしまうかもしれないわ!
ーー『シェニカお疲れ様!』と言って、頬にスリスリしてくれたら、ぜひご褒美のチューを…!あ、だめだ。一度嫌がられてしまっているから、別の方法で…。あ!一緒にお風呂なんてどうかしら!もくもくとした蒸気で念入りに毛繕いをするユーリくん。尻尾の先から、小さな頭まで一生懸命身体を捻って毛繕い…。絶対かわいいっ!
「シェニカ、鼻血が出ていますが大丈夫ですか? ソファで休みましょうか」
「あぁぁ!ごめん!つい興奮してしまって…」
ユーリくんを肩に乗せたまま鼻に治療魔法をかけると、ディズに促されてソファに座ることにした。
「もふもふで気持ちがいいなぁ…」
興奮を抑えながらユーリくんを撫でていたら、彼は何かに気付いたのか急に起き上がって絨毯が敷かれた床に飛び降り、部屋の隅に向かって駆け出した。絨毯を掘るような動きをしばらくしていたけど、その後は部屋の中を探検し始めた。
撫でて気持ちよさそうな顔を見たり、美味しそうにクルミを食べる姿を見るのもいいけど、ワクワクしたように探検する姿を見るのも楽しい。というか、ユーリくんは何をやっても可愛い。あぁ、こんな可愛い子と一緒に旅が出来たら良いのに…。
「ユーリくんから見たら、きっと大きな世界に見えるんだろうな」
「そうですね。お酒を飲みますか?」
「うん!ビールかベリーのシードルで悩んでるんだよね~」
「どちらも魅力的ですね」
ディズがルームサービスのメニューを持ってくると、しばらく悩んだ結果、ベリーのシードルを注文した。
彼が部屋の外にいる人に注文を告げに行っている間、私は観葉植物を器用に登るユーリくんの正面で可愛い姿を眺めることにした。
「ユーリくんはディズのどんなところを見て主人にしようって決めたの?」
一番上の枝で毛繕いを始めたユーリくんに声をかけると、毛繕いをやめて私をジーッと見つめて来た。
水色のお目々が私をジーッと…。ジーッと…。じーっと…。
ーーぼくはシェニカと結婚したいな!
ーーわっ!わわわわたしもっ!私もユーリくんと結婚したい!お嫁さんにして下さいっ!
ユーリくんの心の声が聞こえた気がしたから、条件反射で返事をしそうになったけど。プロポーズは一度失敗しているし、キスをした時に逃げられてしまった苦い記憶が蘇り、『これは都合の良い妄想だ』と言い聞かせて、気持ちを落ち着かせた。
「え、えっと。ディズの優しいところ?真面目なところ?強いところ?」
ディズの良いところを色々挙げてみたら、ユーリくんはその場でクルリと宙返りをして、枝を駆け下りて絨毯の上を走って行ってしまった。
「うーん。よくわかんないな…。きっとビビっと来るものがあったんだろうなぁ」
「どこを認めてくれたのか分かれば、シェニカの相棒探しも捗りそうですが…。私にもユーリがどこを気に入ってくれたのか分からなくて」
お酒だけでなく、ローストビーフや野菜スティック、フルーツの盛り合わせなどが乗ったワゴンを押したディズが、困った顔をして戻ってきた。
「仲良くなれなかったけど、少しだけ距離が縮まった気がしたから、また生息地に行きたいな。そしたら次こそは…!」
「陛下がすぐに許可して下さると思います。その時は、私も一緒にいいですか?」
「もちろん!ユーリくんもお友達と遊べるし!」
「今度こそシェニカとゆっくりした時間を過ごしたいです。では乾杯」
広い4人がけのソファに膝をくっつけるようにして座り、微笑み合いながら一口飲むと、甘酸っぱい味とシュワシュワとした炭酸が口いっぱいに広がった。
「ん~美味しい!」
「シードルは色々な種類があって飽きませんね」
ユーリくんに構いたいバルジアラ様のお話、ファズ様達とユーリくんの微笑ましい話、ディズが小さい頃の話。お酒を飲みながらディズと話すのはすごく楽しい。
彼は微笑んでいる時が多いけど、亡くなったお姉さんとお母さんのお話をする時になると、懐かしそうに目を細める。きっと良い家族だったんだろうな~と想像出来た。
「殿下は『王宮の中庭をオオカミリスの第2の生息地に!』計画に本気のようで、樹洞ができやすい木を調べているそうです。陛下と宰相様からは他のことも同じくらい熱心になってくれればいいのに、と手紙に書いてありました」
「殿下ってあんまり王太子らしくないというか、親しみやすいよね」
「殿下が地方視察に行くと現地の服を着ていらっしゃるので、子供や目が悪くなったご老人から現地の人とよく間違われています。護衛がいなければ、溶け込み過ぎて高い身分の方と分からないのではないでしょうか。
殿下は長年陛下と宰相様から怒られすぎて、耐性がついてしまったようで、縄でグルグル巻にされたり、鎖で椅子に縛り付けられたり…。だんだん囚人の扱いに近くなっていますが、それでも殿下がみんなから愛されているのは、やはり人柄だと思います」
「スァンも良い人だもんね」
「地方視察に行ったときは、殿下が釣り大会に精を出す横で、妃殿下は現地の奥様方と大会用の炊き出し料理を作ったり、おしゃべりに興じられたり、地元の人達と一緒に楽しんでいらっしゃいます。妃殿下も殿下と並んで、とても愛されているんですよ」
シードルの瓶があと少しになった頃、だいぶ酔いが回ったのかフワフワして気持ちよくなった。ディズとお酒を飲みながら色々な話をするのは楽しいな~。ポーチで眠るユーリくんの夢に私が出てきたらいいな~とか思っていたら。ふとローズ様の言葉が頭に浮かんで、胸がズキッと痛んだ。そんな僅かな変化も彼にはしっかり伝わってしまうようで、心配そうな表情を向けられた。
「どうかしました?」
「あ、いや…。えっと…。ディズが戦場に行ったら、撤退することって出来ないの?」
「そうですね。この立場になってしまうと、自然災害が発生するとか、双方戦場が維持出来ないような動物の乱入などの例外を除けば撤退は出来ず、必ず勝敗をつけることになります。特にウィニストラは侵略戦争が出来ませんので、撤退することは許されていません」
「そう、だよね…」
「何か気になることがありましたか?」
「あ、えっと…。滅多なことを言うものではないと思うんだけど、ディズが死んでしまうんじゃないかって考えて…」
私の言葉を聞いたディズは、一瞬なんとも言えない表情を浮かべた。それだけで可能性は十分あるのだと察し、酔いがスーッと覚めていくような感じがした。
「これからウィニストラはサザベルと国境を接することになるでしょ? もし何かのキッカケで戦争が起きたら…」
「大国同士が国境を接するのは初めてなので、どうなるのか分かりませんが。基本的に侵略戦争が出来ない国同士、様子見の状態が続くと思います。それに、正式にトラントがウィニストラに組み込まれれば、国力も戦力も大国のなかでも頭一つ飛び抜けることになります。
仮に大国も自由に戦争を行えるようになったとしても、ウィニストラと戦ってもサザベルの方が苦しむ可能性が高くなりますから、勝算が高くなければ戦争を起こせないと判断することになるでしょう。よっぽどのことがない限り、そのようなことは起きないと思いますよ」
戦場に行くのも仕事だと分かっているけど、生命は大事にして欲しい。たとえ瀕死の状態でも、治療が間にあえば助けることが出来るから、どうにか生き残って欲しいけど…。戦争に負けてしまったら、きっと生存は望めないのだろう。
私に出来ることといえば、近くの街で彼の帰還を待つしかくらいだけど、タイミングが合わない可能性のほうが高い。彼のために私が出来ることは他にないだろうか…と考えた時、『聖なる一滴』を受けて苦しむ姿を思い出したのと同時に、ローブの内ポケットが少し重くなったような気がした。
「では約束をさせてください」
気付いたら項垂れていたようで、彼の右手の小指が視界に入ったことに驚いて顔を上げると、彼は安心させるような笑顔を浮かべながら、私の足元に跪いた。
「どんな戦地に行っても、私は必ず生きて戻ると約束します」
彼の右手に小指を絡めると、彼は指切りをして約束してくれた。指をはなした瞬間、安心と不安が同時に襲ってきて、気付いたら立ち上がったディズの胸に飛び込むように抱きついていた。
抱きしめ返してくれる腕の強さを感じると、与えてくれる安心感の大きさを実感するし、もっと一緒にいたいと思う。こんな気持ちがどんどん重なって、愛になっていくんだろうな。
ーーその人がそれで良いと了承するなら、同じ人と何度関係を持とうと、それはただのご褒美です。
ーー顔には出さずとも、貴女と愛し合う時をモジモジしながら待っていらっしゃるようですよ。
ーー好きな人と一緒にいたい、愛し合いたいと思うのは自然なこと。二人の気持ちが同じなら、時間なんて関係ないのだと思いますよ。
ローズ様から言われた時は混乱してしまったけど。ディズとなら、関係を進めても良いかもしれない。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる