放課後はダンジョンに行って憂さ晴らしのつもりがいつの間にか学園最強になってたことに気が付かなかった

uni

文字の大きさ
111 / 253

第百十一話 ダンマスの気持ち(ムータン)

しおりを挟む

で、ドラゴニア、ムータン、異世界間初の経済軍事同盟締結。
ドラゴニアの通貨をムータンでこっちの世界の通貨に両替してもらうことが可能になった。
王様はレート通りでいいと言い張ったが、ドーラは最初の話しを押し通した。ドラゴニアにとってこっちのカネは「必要なモノを買うだけのため」なので、そレだけの価値が無いものはまず買わない。
何より、ムータンはそれ以上のリスクを負うのだ。

ムータンが
・異世界の強国と繋がりを持った
・金を大量に得られる
・魔法を使えるようになる
このざっくりな3つだけをとっても、世界の大国は喉から手が出るほどだ。特にあの建国以来侵略戦争していない年は2-3年しかないあの世界最強国は絶対に、あの手この手で侵略してくる。

でも、ドラゴニアにとって、別にこっちの世界のモノは「無くても問題ない」ので、いつ両替できなくなっても良い。

ムータンの負うリスクは、ドラゴニアと比べて天地ほどの差があるのだ。
それをこの王は判っている。

彼にとって、彼の国にとって、彼の国民にとって、それほど”魔法”は魅力なのだ。
もしくは、彼(王)は、国ごと向こうに移転したいと思っているのかもしれない。
もしそうだとしたら、ダンマス、ドーラ、ユータは喜んで協力するだろう。
”本当の善良な人びと”は、そういう国は、それほど価値があると彼らは知っているから。
この同盟の本質は目に見えないそこなのだ。

ムータンにしても、もし、国内で魔法を使うことができるようになれば、経済封鎖とかされても全く問題なくなる。怖いのは国内を混乱させられたり、武力侵略されること。
でも、バリア張れば、何をどうやっても人も入ってこられなくなる。国内混乱工作はされない。
また、サーチを常時発動できればミサイルや航空機に対処でき、
更に、ダンマス達がいれば、攻撃してきた国の軍と政府を完全に抹殺できるだろう。ひとつふたつ前例を作れば、こんな小国に手を出すバカはいなくなるのではないか?

と、王は踏んだ。

今回何もしなくても、そのうち必ず何かをされる。どんな小国であろうとも、無視してもらえる期間などわずかにしかない。それは今日までの歴史が証明している。

ーー

夕食も終わって、皆部屋に戻ったあと、、

大魔法使いのプチ屋敷。
大魔法使いが一人で少し酒を飲んでいると、ダンマスが現れた。
なんとなく、来るんじゃないかなーと思ってまだ寝てなかった大魔法使い。

ダンマスにショットグラスを渡して酒を注ぐ。ひとじゃないからチェイサーとかいらない。今では大魔法使いも同類だが。
クイッとあおるのも好きだが、ちびちに舐めるのも好きなダンマス。
喉越しをあまり感じないからだ。でも匂いと味がわかる。
とげとげしい新しめより、香りがよくなり味も丸みが出る何年か置いたものが好みの様子。

テーブルを挟んでちびちびやる2人。

「もし、あのとき、こっちに移住となったら、どうするつもりだったんですか?」ダンマス
前回の向こうの世界崩壊の危機の事だ。(第九話)

「・・・こっちをあまり詳しく知らなかったし、、まず国を作ろうと思っていた。ひっそりとな」ユーリ

「だが、今となってはそんな、ひっそりとなんぞ出来やしないってわかったがね。モロバレだ。人工衛星ですぐバレる」ユーリ
「そう、すぐに、、そう、あそこの配下もしくはあそこ自身が物量に物言わして乗り込んできたでしょう」ダンマス

「当時の俺らじゃぁ、勝ち目無いわな、、魔力がすっからかんだったろうからな。あの地下でもそう簡単に回復させられなかったろう。不可能だったかもな、、」ユーリ
「状況把握しているうちに爆撃され、、、」ダンマス
「だよなー」
ユーリは今ではダンマスとだけはざっくばらんに話せる。ユーリにとってはそこまでの仲になっている。

「ただ、今度ダンマスが国を興すとなれば話は全く違ったものになるよな?」
「ええ、準備万端ですよ」
だな、、とつぶやくユーリ。

ただ、、と、
「あまり関わりたくない世界なんだよな、なんか、こっちは」ユーリ
「ええ、ユータがいなけりゃ来ませんね。」
「まぁ、俺は戻らないほうがいい感じなので、仕方がないけどな、、」
「どうでしょう?あの子達は、やらかしますよ?」
期待、かな、、とユーリ
ですねぇ、、とダンマス

ーー

で、
期待通りに、とは言わないが、”ぷち”で

翌朝早くに、
「んじゃ、ユータ、市のところへの扉作って」ドーラ
「ええっ!、、と、、こっちの世界内だけだからいいのか、、、」
「そういうこと。奴等をここに住ませて、稽古の時だけあっちに帰す。なんかあったらこっちに移住しちゃえばいい」
「まぁそーか、、」

ということですぐ作ったユータ。
「どうだ?魔力は」
「うん、あまり減ってない感じ、向こうで作った時とあまり変わらないかな?」
安心して2人は扉をくぐる。

「よう!」ドーラ
「あ、、いつの間にと言うか、扉ですか!」市
「こんばんわー」
「ユータさん、、、、、どこから?」

「「ムータン!」」
????
市は知らない様子だった。

ーー

一方ダンマスも翌日はもう動いた。
ムータンの地理的中央付近の森の中にダンジョンの種を埋めた。
ダンマスは毎日夜寝る前に種に魔力を注ぎ込み、あの洞窟の中で寝て魔力回復させ、朝ムータンに戻るようにすることに決めた。

ユータとドーラの魔力はまだまだ大丈夫なようだ。ダンマスは特に見ようとしないでもわかるのだ。
目に見えるほど減ったら、洞窟に行くように言おうと思っている。

こっちの世界で、まだどこの国にも知られていないうちに、できるだけ進めとかねばならないのだ。

その後ダンマスは密かに空港と、国外に通づる全ての人が通る道の側に、迷彩にしたモモンガ達を配置した。
全ての道だ。もちろんいくつもある悪意の無い抜け道にもだ。この国に対し悪意のある者達の出入りを許さないため。もちろん手法はいつもどおり。

逆に、今までいた情報ルートや便利に使えていた者達が消えたら、おかしいと思われるだろう。でもそのまま情報が筒抜けになるよりは万倍も良い。時間は稼げる。

ダンマスは、本心は、この国全てを向こうに移転することを提案したいのだ。だが、まだダンマス達にその力はない。
ダンマスは、あの王が、本当の王としての実権を持ち、どこまで良い国にできるか、を見届けたいのだ。

もしかしたら、私が産まれてから、最もおおきく困難なケースになるかもしれませんね。
ダンジョンの王は、そう思うと、ゾクゾクしてきた。
必ず勝つ。そう決めた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-

すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン] 何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?… たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。 ※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける 縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は…… ゆっくりしていってね!!! ※ 現在書き直し慣行中!!!

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。 ↓ PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

ダンジョン学園サブカル同好会の日常

くずもち
ファンタジー
ダンジョンを攻略する人材を育成する学校、竜桜学園に入学した主人公綿貫 鐘太郎(ワタヌキ カネタロウ)はサブカル同好会に所属し、気の合う仲間達とまったりと平和な日常を過ごしていた。しかしそんな心地のいい時間は長くは続かなかった。 まったく貢献度のない同好会が部室を持っているのはどうなのか?と生徒会から同好会解散を打診されたのだ。 しかしそれは困るワタヌキ達は部室と同好会を守るため、ある条件を持ちかけた。 一週間以内に学園のため、学園に貢献できる成果を提出することになったワタヌキは秘策として同好会のメンバーに彼の秘密を打ちあけることにした。

処理中です...