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後後147 おにぎりころりん
しおりを挟むある小春日和の日
今日はトリミングは夕方からにしようと決め、その旨張り紙だし、登山用特性下駄をベースにして作ったくるぶしまであるわらじ下駄を履き、シューレの所に寄って握り飯を作ってもらって山に向かった。
なんだかんだで結構鍛えられているガク。周囲が桁違いなので、そのケツにぶら下がってる程度でも、かなりの力を付けていた。(中ー27話)
本気になったガクの足どりはしっかりとし、そして早かった。装備は握り飯に水の入った竹筒のみ。それも腰にぶら下げるのではなく手製バックパックで背負っている。
わらじ下駄は足首でしっかり固定され地面の感触も足に伝わる。
昼には峠の一番見晴らしのいい場所に出ていた。
懐かしいな、、と思い出した。
あの旅の始まりがこの峠超えだった。
あの時はひーひーで、今にも死にそうで、大変だったお思いしかなかった。
何年経ったのか。あまりそういうことに意味を見出さないこっちの人びと。いつ、より、何があったのか?が重要だということらしい。事実を覚えておれば、年月など曖昧でもさほど問題ない。
なので、
「いったい、俺は今何歳なんだろう?」
ここでもそう思った。
そんではここで握り飯くうかな?と座る場所を決めるために見渡すと、少し登ればもっと眺めが良さそうな感じの岩場が。
急な岩場っぽい感じなんで両手も使い登る。頂上にある松の木?の根本に座って、四方を眺めながら握り飯を食う。
裏は斜面で木が生えている。景色がいいのは他の3方だ。裏も木々の上の方に遠景が見えるけどね。
握り飯の最後の1個に手を伸ばしたら、掴み損ねたかころりんと、後ろに転がる、コロコロ、、加速、
おいまてごらぁあ!といいながら追いかけるガク。
と、ほどなくおにぎりがうさぎの穴?みたいのに落ちていってしまった。
あーあ、と覗いてみるとなんか深そう。ま、いーか、、と
「・・・・」
穴からなんか聞こえる、、、
「・・りこ・・りんs・・ん」
ま、いーか、、最後だったし、、とその穴を無視して行く。
ぼこぼこぼこぼこ!!
と、足元に走る土の盛り上がり!モグラの奇襲?!
ぽこっ!と顔を出す、大きめの、、もぐら?あまり良く見たこと無いけどそれっぽ!
「無視しないでください!!定石は踏むべきでしょう?!」
いきなり喋りだすモグラ?
無視していこうとしたら裾を掴まれた。
「うるせーなー、、なんだよー」ガク
たしかに毛皮で、なかなか手触りも良さそうに見える。が、土の中の物体。常に汚れている。
トリミングなんぞ意味ネーじゃん、と、ガクは全くそそられない。
なーんか、ここにきて一挙だなぁ、、、出てこないくていいのに、、、
「おまえ、帰れよ、、」ガク
「ごむたいなっ!!」モグ
「最近新キャラ多くってなー、お腹いっぱい」
「・・・・殺生な!!」
しるか、、と振り払おうとしても、その手は強く、つめも思いっきりひっかかっている。
「なんだよー、言いたいことあるならとっとと言え!」ガク
「・・・おにぎり、、もっとください」
「ない。あれが最後の1個。もらえただけ有り難いと思え」
正論である!!
「つーか、モグラはみみず食って生きてるんだろ?何米食ってんだ?」
「モグラは根食いしたりもするんですよ?」
「害獣じゃねーか、退治していい?」
「ごむたいなっつ!!」
「・・・おまえに名前つけてやる」
ワクワクワク!!(もぐ)
「ごむたい君。良い名だろ?な?いいよな?すっごくいいなをしたいだろ?」強引に迫るガク
「・・・・はい、、、いい、です、、、」折れるモグ
!!
「名前付けて貰ったんだから、あなたは飼い主ですよね?責任持って買ってくださいね!」
「狩ればいいのか?」
「飼うんですよっつ!!」
「まるまる太らせればいいか、、、」
「・・・まずいです、、」
「うそつけ、結構旨くて珍味で高く売れるつーじゃないか、わかった飼ってやる」うそだけどね!つか聞いたことすらない。
「・・・・やっぱいーです」
ガクが斜面のほうから下に降りようと歩くと、土がぼこぼこ盛り上がり、付いてくる。
げしっつ!!げしげしげしっつ!!踏み荒らす。
ぼこ!と顔を出し、
「ひどいっす!!いたいけなかわいいモグラをっ!!」
「害獣」
「・・・・・」
「付いてくるから悪いんだ。もううちには狼、、、そういえばうちにはねこ獣人もいるから、モグラ狩り、好きだったな、、」ガク
「なぜそんなにいじめるんですか!!」
「だからついてこなけりゃいいだろ?迷惑です!」
「・・・・・かわいいのに、、」
「きたねーよ土だらけで、、」
「・・もぐらだから、、」
なぜ一気にこんなんなるんだろう?
俺なんか呪われているんかなぁ、シューレに払ってもらおうかなぁ、、あ、、シューレが元凶だったりしたら、、、
「おまえ、精霊とかに牽かれる口か?」
「はあ?いませんよ、精霊なんて」
ほう、、そう思ってるのか、、んじゃ違うのかな?
「でもな、言葉を喋るようなモグラ居るくせに、精霊いないって決めつけるって、どーゆーことかな?」
「モグラは正義です!!」
あばよ、、
すたたたたたたたーーー!!
走るのに追いつける穴掘りなんざいない。
山を降りるのに走って降りるとすぐヒザと腿がだめになる。なので、飛び降りていくようにいくと早い。重いザック背負ってると無理だけどね。木の根元付近を利用すると木の幹に体重掛けられるのでかなり楽。
一瞬で次々にルート決め、それを辿って跳ねていく。
走るより早いし。若者しか出来ないけどねw
行きの半分以下の時間で山を降り、走って上村まで到着。
村の中通って、顔なじみとかには軽く声かけながら、最初にガクを拾ってくれたおっちゃんちの方に出た。
昼間なのでやっぱり2人ともいない。
上村の中で貰った魚をおっちゃんちのテーブルの上に置いて小館に帰る。
やっと着いた、、、なんか、最近はもう、、
シューレの店で一休みして早めの夕飯食べて帰ってトリミング、、と思って、、
ガラガラガラ、と店の引き戸を開け、、
「シューレー、にぎりm・・・・・おめー、なんでいるんだ?」ガク
なんか人の大きさになったモグラが食堂のイスに堂々と座っていた。
「それはモグラですから」
「返答になって無い。しかもでかくなってるし、、モグラって大食漢なんだろーが、でかくなってどーすんだよっつ!!」
「あ、それはだいじょぶです。食事の量はかわらずで、、そうですね、今の私の大きさくらいしか食べません、一日に。」
村の食料の危機?!
「うざくなったらこいつを丸焼きにすりゃいいだろ?」
あ!
「泉さん、早いですね?いたんですか、このへんな物体に目が行ってて、、」
「そりゃそーだよな、俺もこいつが入ってきたとき、そのままこの木刀で一刀両断しようと思ったさ」
うん、魔力まとって斬るからできるよね!
「こいつ、寄生先をさがしてるみたいなんですよ、、飼え飼えうるさくて、、」ガク
「おう、じゃ俺が飼い主な。とっととまるまる太れよ!!」泉
「・・ここの人たちはモグラは食う対象でしかないんですかっ!!」もぐ
「「他に何があるってんだ?」」
「おいおい、、食材としても使えるが、強壮剤の素材としても売れるそうだぞ?」シューレ
へぇ、、そういう知識も持ってるんですね?
「そりゃ長生きだからな」
・・・・
「ごはん、食べさせてください。そしたら帰ります」モグ
やっとあきらめたか、、
そして閉店になったら山に帰ったモグ。それまで食い散らかしていた。さすが大食漢なモグラである。
「ガクにつけておこう」シューレ
それから、たまに店にきちゃ、ガクのツケで大量に食べて帰っていくようになったそうな。
「少し位の被害あっても、これ以上レギュラー増やしてたまるかっつ!!」ガク
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