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第3章 鍛練
第55話 木札のシチロー
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「ギルドの仕事にも馴れようか」
そう言えば、ギルドには登録しただけで活動はしてなかったな。
しばしキョトンとしつつ、クレイの言葉の意味に思い至る。
「鍛練は?」
目下のところ、最大の関心事はコレである。
やっと楽しくなってきたのに、他のコトに時間を割きたくなかった。
「鍛練は時間を見て一人でやってみろ。ギルドの仕事は、新人は採集か雑用くらいしかないから、受け付けに相談しながらになるな」
「クレイは?」
「オレはこう見えて忙しいんだよ。今日はこれで終わるから、あとは好きにしてろ」
始めから決めていたようなスムーズな流れで、クレイは右手をヒラヒラさせながら道場を出て行った。
僕は一人、道場にポツンと残されてしまった。
「・・・どーすんのさ」
勉強の面白さを知った矢先に夏休みになった気分だ。
取り敢えず風呂で汗を流して着替え、出掛ける準備を調えた。
昼にはまだ時間があるので、ギルドの依頼でも物色してみるのも有りかと思ったのだ。
新人に緊急依頼なんてあるはずないし、のんびりやれる依頼でも探してみよう。
「今日はギルドでしたね。頑張って下さい」
玄関を箒で掃いていた、サクラが声を掛けてくれる。
客分から弟子にシフトチェンジした時点で、サクラは付メイドから離れたものの、シチローを気に掛けてくれている。
特に真面目に修練を始めてからは、動かない身体の支えとか、食事の介添えとか、ずいぶんと助けてもらっていた。
「うん、行ってくるよ」
僕は小さく手を振り、屋敷を出る。
そう言えば、町に出るのも久しぶりだった。
前世と違い、動くコトに集中するためのニート生活だなと、僕はふっと笑う。
胸の辺りに、ギルドから貰った木札がある。
揺れないのは体幹にブレがないからだろうか。
そう思えば成長しているんだと感慨深くもなる。
この木札、実はさっき部屋の文机を漁ってようやく見付けたモノだったりする。
本来なら首に掛けて、肌身離さず着けておくモノなんだろうけど、鍛練の邪魔になったのである。
忘れていた訳ではない。
とにかく、これで僕は冒険者の一人なので、堂々とギルドの扉を開いて中に入って行った。
「木札のシチローじゃねぇか」
ん?
「何しに来やがったんだ?」
んん?
「クレイさんの使いだろ?」
んんん?
「他に何が出来るってんだ?」
妙に刺々しいセリフがシチローの耳に届く。
少なくとも冒険者の反感を買うコトなどしなかったハズだが?
そう言えば、ギルドには登録しただけで活動はしてなかったな。
しばしキョトンとしつつ、クレイの言葉の意味に思い至る。
「鍛練は?」
目下のところ、最大の関心事はコレである。
やっと楽しくなってきたのに、他のコトに時間を割きたくなかった。
「鍛練は時間を見て一人でやってみろ。ギルドの仕事は、新人は採集か雑用くらいしかないから、受け付けに相談しながらになるな」
「クレイは?」
「オレはこう見えて忙しいんだよ。今日はこれで終わるから、あとは好きにしてろ」
始めから決めていたようなスムーズな流れで、クレイは右手をヒラヒラさせながら道場を出て行った。
僕は一人、道場にポツンと残されてしまった。
「・・・どーすんのさ」
勉強の面白さを知った矢先に夏休みになった気分だ。
取り敢えず風呂で汗を流して着替え、出掛ける準備を調えた。
昼にはまだ時間があるので、ギルドの依頼でも物色してみるのも有りかと思ったのだ。
新人に緊急依頼なんてあるはずないし、のんびりやれる依頼でも探してみよう。
「今日はギルドでしたね。頑張って下さい」
玄関を箒で掃いていた、サクラが声を掛けてくれる。
客分から弟子にシフトチェンジした時点で、サクラは付メイドから離れたものの、シチローを気に掛けてくれている。
特に真面目に修練を始めてからは、動かない身体の支えとか、食事の介添えとか、ずいぶんと助けてもらっていた。
「うん、行ってくるよ」
僕は小さく手を振り、屋敷を出る。
そう言えば、町に出るのも久しぶりだった。
前世と違い、動くコトに集中するためのニート生活だなと、僕はふっと笑う。
胸の辺りに、ギルドから貰った木札がある。
揺れないのは体幹にブレがないからだろうか。
そう思えば成長しているんだと感慨深くもなる。
この木札、実はさっき部屋の文机を漁ってようやく見付けたモノだったりする。
本来なら首に掛けて、肌身離さず着けておくモノなんだろうけど、鍛練の邪魔になったのである。
忘れていた訳ではない。
とにかく、これで僕は冒険者の一人なので、堂々とギルドの扉を開いて中に入って行った。
「木札のシチローじゃねぇか」
ん?
「何しに来やがったんだ?」
んん?
「クレイさんの使いだろ?」
んんん?
「他に何が出来るってんだ?」
妙に刺々しいセリフがシチローの耳に届く。
少なくとも冒険者の反感を買うコトなどしなかったハズだが?
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