異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

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第3章 鍛練

第60話 ビアンカ・ヨーステン

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「ビアンカ・ヨーステンってんだ」

 どうしようもないくらいイイ笑顔で女冒険者は自己紹介を始めた。

「ビアンカ・・・さん?」

「ビィでいい」

「仲間入りは断ったんだけど?」

「あんなヤツらと一緒にすんな」

 僕の言葉にやや被せ気味に回答し、少し頬を膨らませて主張する。

 こんな表情もするんだ。

 精悍な雰囲気がコケティッシュなものに変わる。

「・・・では?」

 何故近付くんだと言外に含ませる。

 そんな僕の心情を無視して、カラリとした笑顔で、

「依頼を受けるならソロよりパーティーの方が良いからな」

 と宣った。
 
「誰ともパーティー組む予定は無いんですがね?」

 僕はため息を吐き、腰に手を当ててビアンカを見やる。

 実際、誰かと連れ立って活動する予定はないのだ。

 鍛練のコトもあるし、自身のランクのコトもある。

 だいたいランク最下位をパーティーに誘うとか、どれだけ博愛精神に溢れてるんだ。

 少なくともビアンカに、僕を騙して利用しようと言う裏はなさそうだけど、だからこそ理由が判らない。

「ツれねぇコト言うなよ」

 ガシッと僕の首をロックするように肩を組んでくるビアンカ。

 筋肉質に見えて、ちょっと柔らかいってのは、やっぱり女性だからなんだろうか。

 革鎧で胸の柔らかさは解らないが、やっぱり柔らかいのだと思った。

 ただ、汗臭い。

「そんなコト言われても」

 女性なんだから匂いは気にしろよと思わなくもないが、気にしてどうにかなる職業でもないかと諦める。

「限定パーティーでいいさ」

 ビアンカの提案に、ちょっと興味が出る。

「限定・・・ねぇ」

 限定ってコトは、その時その時でパーティーを解消するってコトだろう。

 自分の都合で活動出来るし、ソロではやれないコトも出来るってのは、実際有難い話だよな。

「そうそう。パーティーと言っても二人だけなんだけどね」

 前向きな僕の雰囲気を察してか、ビアンカが嬉しそうに僕の頭をワシワシと乱す。

「二人だけならペアなんじゃ?」

「二人以上はパーティーなんだよ」

「何で僕なんです?」

 当然であろう質問を、僕はビアンカにぶつける。

「気に入った・・・じゃダメか?」

 少しタメ、漠然とした回答が返ってきた。

 何となく予想出来る答えではあったが。

「ダメって言うか、気に入る要素が解りませんね」

 だからこそ、僕は僕を欲しがる理由が気になっている。

「パーティーを組むには大事な要素なんだけどな。理由は幾つかあるよ」

 あるのか!?いや、あるだろうな。

「教えてもらえます?」

 
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