異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

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第3章 鍛練

第67話 準備も大事

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「さて、次に装備だけど・・・」

 僕の現在の装備は、鍛練の時から愛用している革鎧、鎧下は着流し、革ヒモで編んだ草鞋。武器無し。

 ため息を吐いたビアンカは、

「取り敢えず後で動き易い服を見に行こう」

 乾いた笑顔でそう言った。

「シチローは剣士みたいだから、前衛だね。武器は剣で良い?」

「構わないけど、お金ないよ?」

「私の予備が何本かあるから、この依頼の間は貸してあげる」

 ビアンカはインベントリから剣を取り出し、テーブルの上に拡げた。

 どれも鉄の鍛造剣で、女性が扱うだけあって幾分細い直剣である。

 まだ子供と言える自分が持つには、このくらいの方が使い勝手が良いのかも知れない。

「今日は装備と準備を整えて、依頼は明日からってコトでどうかな?」

「問題ないと思う」

 クレイはしばらくギルドの依頼を受けるように言っていたから、反対されるコトはないだろう。

 問題があるとすれば、誰とも判らない相手とパーティーを組んだコトか。

「準備はどうするの?」

「何が必要?」

「日帰りだから、バッグ一つでイイけど、水と食料は余分に準備して。あとはポーションとか厚手のマントがあれば。余裕があれば着替え」

「日帰り、だよね?」

「最低限だよ」

 地図があるとはいえ、ましてや浅いとはいえ、ダンジョンの中は何が起こるか分からない。

 日帰り予定であっても、二、三日潜れる準備は必要だとビアンカは言う。

 準備で一番必要なのに一番重いのは、水袋に入れた飲料水である。

 成人男性で一日二リットルは必要だとすれば、それだけ重いし嵩張るのだ。

 ダンジョンで戦闘となれば、それを抱えて走り回るコトになる。

「何日も潜る冒険者はどうしてんの?」

 有力パーティーなんかだと、一週間をダンジョンの中で過ごすコトもザラだと聞いた。

「そう言うパーティーはポーターを雇うか、パーティーメンバーにポーターがいるかだね」

 ポーター。荷物持ち兼雑用係だ。

 パーティーの必需品を常時持ち歩き、倒した魔物の素材剥ぎ取りや回収も行う。

 腕の良いポーターはどこかのコミュニティやパーティーに所属しているコトが多く、日雇いに応じるポーターは駆け出しか、信用を落としたハグレ者らしい。

 ポーターを雇うなら、その人となりを十分確認しないと、ダンジョン攻略途中に逃げられるか、最悪背中を刺されるコトになる。

 もっとも、日帰りの冒険者に日雇いのポーターは必要ない。

 食事をする度に荷物は軽くなるし、一日で手に出来る素材や証明部位はたかが知れている。
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