異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

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第3章 鍛練

第77話 指折り

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「さすがに最高とは言わないんだ?」

 嘲るように呟いた僕の声が聞こえたのか、フリューゲスの顔が朱に染まる。

 この町の冒険者ランクで指折りなのは、『脳筋サザビー』ことエルビン・トール・サザビー辺境伯、『剣豪クレイ』ことクレイハ・エムリス・アリハザルト・コーダの二人がSS、『白断サリウス』ことギルマスのサリウス・エルテンテ、『紅蓮のエニキス』ことマリーベル・エニキス、『幻影ローザン』ことローザン・キルツの三人がS、ランクAの『双剣ウルブス』ことルナマリア・ウルブス、『浪花甚五郎』こと花巻甚五郎、『剛拳ナディア』ことナディア・アンダンテ、『金狼ダグラス』ことダグラス・クリステンと続き、最後に『仮面のフリューゲス』ことヨハン・フリューゲス、もしくは『炎天クローズ』ことイパネラ・クローズとなる。

 正直フリューゲスとか指折りにかかるかどうかの評価じゃねーか。

 て言うか、浪花甚五郎って何だよ!?

 関西人ですか!?

 演歌歌手なんですか!?

 て言うか、二つ名多すぎだろ。

 いや、むしろ冒険者ランク高過ぎだろ。

 どんだけ優秀なんだよ。

 ツッコミ処満載だろ。

 とはいえ、冒険者でありながら辺境伯という貴族に列なるサザビーが治め、尚且つサザビーに並ぶ有力者のクレイが作った町である。

 ギルドに優秀な冒険者が集まるのも宜なるかな、だ。

 基本的にギルド所属の冒険者は、有事の際には所属地域の貴族の指揮下に入るよう、事前の取り決めがある。

 優秀な冒険者はそのまま優秀な兵力となる。

 有名冒険者の所属が貴族のステータスとなり得るのだ。

 もっともこの町の場合、冒険者ギルド発祥の地として冒険者の矜持というモノがあった。

 有事の際には呼ばれなくてもサザビーの元に冒険者は集まり、指揮はクレイが取り、ギルマスがその補佐となるように決まっていた。

 いずれにせよ、多数の冒険者を有するコミュニティは、そのリーダーが指揮を取る。

 つまり、有事の際、清廉の焔は一つの部隊として行動し、隊長はフリューゲスとなる。

 考えてみると、最低な隊長が指揮を取る有力部隊ってコトだ。

 何か怖い。

 平気で裏切りそうだ。

 コミュニティ規範がどうなっているのか分からないし、リーダー選出の基準も知らないけど、今のままだとコミュニティの存続自体が危ういんじゃないか?

 僕が心配するコトじゃないけど。

 少なくとも目の前のバカにリーダー失格を突き付けても、本人に自覚がないから理解出来ないだろう。

 バカだから。

 現に何度断っても理解出来てないし。

 
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