異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

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第3章 鍛練

第78話 能力覚醒

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 気になる新人を確保するため、コミュニティ加入希望だが利用価値のないパーティーを咬ませ犬として利用し、煽てて勧誘しようと画策しながら、断られたらコミュニティ内で実力のあるヤツに待ち伏せさせ、半ば脅迫に近い勧誘をニヤニヤ笑いながらヤるヤツがリーダーのコミュニティに、誰が好き好んで加入するだろうか。

「言い方を変えよう。ランク査定に人格や品性を加えるべきだ」

「貴様っ!」

 ついにフリューゲスの仮面が剥がれた。

 ニヤニヤ笑いも憎悪剥き出しの凶相に変わり、鋭い罵声を浴びせてくる。

 不思議と、僕はフリューゲスを怖いと思っていなかった。

 それはフリューゲスだけでなく、今日絡んできた冒険者すべてに言えるコトだったが、緊張で身体が萎縮するコトすらなかった。

 前世の僕はひ弱で、身体つきのガッシリした小学生なら、余裕で負けるくらいの存在だった。

 それがこちらに来てから、誰かを恐れるというコトがなくなった。

 おかげで口が悪くなったと、一応自覚している。

 澄ましたヤツを怒らせ、生意気なヤツをからかい、理屈屋の揚げ足を取ることを、僕は楽しいと感じてもいた。

 自分自身嫌なヤツだと思う。

 昔の僕なら、間違いなく近寄らないかだろう。

 多分、病気が消えて身体が軽く、兵法の一端を掴んだコトで、自信が付いているのだろう。

 あと、元々の性格もあるのかも知れない。

 前世でも理不尽なヤツは大嫌いだったし、小突かれれば突っ掛かったりする性格だった。

 弱いくせに、だ。

 当然昔の僕なら、フリューゲスを前に余裕なんて持てるハズない。

 しかし、今はフリューゲスを脅威とは考えない自分がいる。

 むしろ脅威とすら考えない。

 オッサンが何か言ってるとか、ムキになったオッサンは見苦しいくらいの印象しかない。

 これはちょっと異常だった。

 どういうコトか、後でクレイに聞いてみよう。

 クレイは能力って話をしていたけど、僕の能力は『分析』、『記憶』、『模倣』だと言うが、実は度胸とか胆力って能力もあるんじゃないか?

 そうでなければ、今の自分の落ち着き様は説明出来ない。

 どんな時も沈着冷静で、相手の剣技すら一目で解析して覚え、寸分違わず模倣して見せる。

 どんなチートだよ!

 対象武器が剣に限定されるのか、それとも武術全般に適応されるのか、はたまた記憶に上限があるのか、取捨選択が出来るのか、考えたら怖いモノがあるハズなのに、そう言う畏れすら感じなくなっているようだ。
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