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第3章 鍛練
第79話 瞬間芸
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もしかしたら、体力とか素早さとかにも補正がかかっているのかもと、僕はこの世界に来た当初を思い返す。
ただ歩くだけで息を荒くしていた僕は、正しく女の子程度の、それも幼女と呼ばれる少女程度の体力しかなかったハズだ。
それが僅か一月足らずで、中堅冒険者五人を相手に瞬殺してみせた。
クレイから剣技を習い、走り込みなどの体力増強を図っていたとしても出来すぎだろう。
考えれば考えるほど、能力の干渉があったとしか思えない。
そして、今の状況だ。
激昂して僕に近付き、拳を振り上げるフリューゲスの姿を、僕はスローモーションビデオを見ているように観ていた。
何か叫んでいるが、耳には届かない。
フリューゲスの拳がゆっくりと僕に近付く。
僕は何とはなしにフリューゲスの拳を掴み、捻るように極めて流し、円を描くように力の方向を導いて掬い上げる。
フリューゲスはバランスを崩し、僕の腕の流れに対処することなく、自ら進んで前転するみたいに身体を投げ出した。
フリューゲスが背中を強かに打って息を詰まらせた時、僕は掴んだままの拳を返し、フリューゲスをうつ伏せにして掴んだ拳を背中に回し、もう一方の手と一緒に膝で踏みつける。
気が付いたら取り押さえていた状況に、フリューゲスは元より、周りの冒険者が目を丸めて息を飲んでいた。
僕は自由になった両手で、ビアンカに借りた剣の鞘を払う。
「待った!そこまで!!」
フリューゲスの首に剣先を着けた僕を、リーダーっぽい冒険者が止める。
他の冒険者たちは目の前の出来事に対応出来ず、呆然と成り行きを見ていたというのに、このリーダーっぽい冒険者は咄嗟に声を上げ、僕の動きを牽制した。
さすがリーダーっぽいだけはある。
て言うか、この冒険者はかなりランクが高いんじゃないだろうか?
僕は無表情でリーダーっぽい冒険者を一瞥し、視線を戻して再び剣先をフリューゲスの首に突き入れようとした。
「それ以上は無用!後はこちらに任せてくれ!!」
僕の動きを察し、リーダーっぽい冒険者が重ねて言葉を投げてくる。
「金魚のフンに何を任せろと?」
実力があるくせに新人イビりの片棒を担いで僕を囲ったヤツと、僕はリーダーっぽい冒険者を揶揄する。
「冒険者同士の喧嘩までなら問題ないが、殺しは別だ。悪いのはこちらでも、罪はお前に行くぞ」
「喧嘩までなら問題ないから、言うことを聞かない新人を囲んでボコるのか?ならばこちらは罪を認めれば問題なかろう?」
僕の言葉に、リーダーっぽい冒険者が青くなる。
ただ歩くだけで息を荒くしていた僕は、正しく女の子程度の、それも幼女と呼ばれる少女程度の体力しかなかったハズだ。
それが僅か一月足らずで、中堅冒険者五人を相手に瞬殺してみせた。
クレイから剣技を習い、走り込みなどの体力増強を図っていたとしても出来すぎだろう。
考えれば考えるほど、能力の干渉があったとしか思えない。
そして、今の状況だ。
激昂して僕に近付き、拳を振り上げるフリューゲスの姿を、僕はスローモーションビデオを見ているように観ていた。
何か叫んでいるが、耳には届かない。
フリューゲスの拳がゆっくりと僕に近付く。
僕は何とはなしにフリューゲスの拳を掴み、捻るように極めて流し、円を描くように力の方向を導いて掬い上げる。
フリューゲスはバランスを崩し、僕の腕の流れに対処することなく、自ら進んで前転するみたいに身体を投げ出した。
フリューゲスが背中を強かに打って息を詰まらせた時、僕は掴んだままの拳を返し、フリューゲスをうつ伏せにして掴んだ拳を背中に回し、もう一方の手と一緒に膝で踏みつける。
気が付いたら取り押さえていた状況に、フリューゲスは元より、周りの冒険者が目を丸めて息を飲んでいた。
僕は自由になった両手で、ビアンカに借りた剣の鞘を払う。
「待った!そこまで!!」
フリューゲスの首に剣先を着けた僕を、リーダーっぽい冒険者が止める。
他の冒険者たちは目の前の出来事に対応出来ず、呆然と成り行きを見ていたというのに、このリーダーっぽい冒険者は咄嗟に声を上げ、僕の動きを牽制した。
さすがリーダーっぽいだけはある。
て言うか、この冒険者はかなりランクが高いんじゃないだろうか?
僕は無表情でリーダーっぽい冒険者を一瞥し、視線を戻して再び剣先をフリューゲスの首に突き入れようとした。
「それ以上は無用!後はこちらに任せてくれ!!」
僕の動きを察し、リーダーっぽい冒険者が重ねて言葉を投げてくる。
「金魚のフンに何を任せろと?」
実力があるくせに新人イビりの片棒を担いで僕を囲ったヤツと、僕はリーダーっぽい冒険者を揶揄する。
「冒険者同士の喧嘩までなら問題ないが、殺しは別だ。悪いのはこちらでも、罪はお前に行くぞ」
「喧嘩までなら問題ないから、言うことを聞かない新人を囲んでボコるのか?ならばこちらは罪を認めれば問題なかろう?」
僕の言葉に、リーダーっぽい冒険者が青くなる。
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