異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

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第4章 冒険者

第81話 クレイの確認

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「なるほどなぁ」

 その日あったコトをかい摘まんで説明した僕に、クレイは顎を撫でながら呟いていた。

 ギルドの質の低下を慮っているのかと思いきや、どうやら僕のトラブル体質を呆れていたようだ。

「しかし、胆力の強化に身体能力の強化、な」

 これは益々兵法特化の能力だな、と、クレイは笑いだした。

「そういえば・・・」

 と、クレイは続ける。

「最初にお前と出逢った時、オレが抜き打ちにお前に剣先を向けたコトがあっただろう?」

 その時、僕は平然としていた。

 その頃から、胆力は強化されていたってコトか。

「顔は平然としていたが、膝は面白いくらいに震えていたよな」

 何が言いたいんだよ!?

「オレはその気丈さに爆笑したワケだが、胆力強化の下積はあったんだろうな」

「つまり?」

「想いの力」

 なるほど。

 痩せ我慢もそうなるのか。

 前世で持ってなかった、もしくは持てなかった、欲しいと熱望したモノを、今、手に入れたってコトか。

 僕は前世で何も得られず、何も出来なかった。その分、この世界でまとめてもらったって話になるのだろう。

「チートって言えばチートだよな?一般人が頑張って手に入れる力を、容易く手にできるんだ。いや、頑張っても手に入らない力だって、お前は手に出来る」

 胡座をかいた姿勢で上半身を僕に寄せ、クレイは妖しく言い募る。

「で、その力でお前に絡んできたヤツを潰したワケだが、どんな感じだった?何を思った?」

 口調は努めて明るく、しかし目は真剣に、クレイは僕の一挙手一投足を見詰めた。

 フリューゲスの人を小バカにした態度と同じではなく、僕の心の内を見透かそうとするような雰囲気だった。

 敢えて付け加えるなら、返答次第ではって、言外に告げられているような厳しさだ。

 とは言うものの、何が正解でどう答えれば正しいのか、まったく分からない。

 取り繕った返答は論外だろう。

 だから僕は、正直に、その時思ったコトをクレイに言った。

「絡む相手も判らない程の冒険者としての質の悪さ。そうした冒険者に高ランクを与えるギルドのレベルの低さ。一般人に迷惑をかけるレベルの冒険者のモラルの低さ・・・」

「そりゃ対外的なモンだろ。お前自身が思ったコトは何だ?」

「・・・面倒臭かった?」

 僕の一言に、クレイは弾けたような笑い声を上げた。

 それまでの穿つような雰囲気は霧散し、陽気な笑い声だけが部屋に溢れる。

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