異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

文字の大きさ
59 / 84
第4章 冒険者

第83話 連絡通路

しおりを挟む
 そもそもこの世界は、剣と魔法の世界である。

 才能の差違はあれ、この世界の住人は魔法を使用出来る。

 いわゆる生活魔法というものを加えれば、ほぼ全員が使えるようだ。

 ビアンカが使ったライトの魔法も、そうした生活魔法の一つになる。

 他に火を着けたり、水を出したり、風を流したりと、ちょっとした魔法なら全ての属性を使えるらしい。

 ただ、治療や攻撃といった魔法は専門魔法となり、それこそ先天的な能力とか才能が必要となり、使用する知識の過多に左右されるという。

 基本的に魔力が少ないと能力があっても使えず、知識がないと生活魔法以上の活用は出来ないってコトだ。

 転生者に魔法特化が多い理由がコレらしい。

 前世の記憶を持っていれば、多少なりとも科学知識というものはあるだろう。

 この科学知識が、この世界でチートと呼ばれる能力の下地になっている。

 例えば、火というものを、この世界の住人は焚き火を基本に考える。

 物が燃える現象としての『火』だ。

 しかし、転生者は物が燃えるプロセスを理解した上での『火』を認識している。

 それはつまり、『火』の燃焼力や温度、性質を魔法に還元出来るというコトだ。

 ライトの魔法も理屈は同じになる。

 ビアンカはライトの魔法を『明るくなる』と認識して使っている。

 だから明るくなっても熱くはならないのだ。

 ただ、ビアンカのライトの魔法はけっこう明るい。

 ビアンカの頭上に揺れているせいか、僕には少し眩しい感じだが、暗い通路の先まで照らしているため不便は感じない。

 ダンジョンの通路は割りと広く、長い。

 石を積んだ、いわば連絡通路ってヤツで、本当のダンジョンはこの先にある自然洞穴からになる。

 自然と言いながら、ダンジョン内部には初めから階段や扉があり、冒険者が入り易くなっている。

 コレはダンジョン自体が冒険者を招き入れるための、罠の一種と認識されているらしい。

 ダンジョン内に跋扈する魔物や、度々発生する宝物といったものと同じで、冒険者を引き付け捕食するシステムの一部というコトだ。

 宝物と言っても、宝箱が有るわけではない。

 ダンジョン内の部屋の一部に盛り上がった場所があり、そこを掘ると硬貨や装備品が埋まっているのだ。

 そのほとんどは、ダンジョンで不明になった冒険者の所持品であるという。

 ダンジョン内部で死んだ冒険者を取り入れ、不要なモノをまとめて排出したモノを、宝物と称するらしい。

 羽振りの良い冒険者が不明になると、出現する宝物のグレードが上がるというのは、冒険者なら誰でも知っている話だし、それを逆算してダンジョンに潜る冒険者も存在する。

 なんとも浅ましい話だが、そうした輩が宝物を手に入れられる程、ダンジョンは浅くはない。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

無能妃候補は辞退したい

水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。 しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。 帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。 誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。 果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか? 誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

イジメられっ子世に憚る。

satomi
ファンタジー
主人公須藤正巳はぼんやりと教室で授業を受けていた。その時、突然教室中に物凄い量の光が…。 正巳が属する2-C全員が異世界転移することとなってしまった。 その世界では今まで正巳が陰キャとして読み漁ったラノベともゲームとも異なり、レベルがカウントダウン制。つまりレベル999よりレベル1の方が強い。という世界だった。 そんな中、クラスのリーダー的陽キャである神谷により全員で教室の外に出ることに。 いきなりドラゴンに出会い、クラスの全員がとった行動が『正巳を囮にして逃げること』だった。 なんとか生き延びた正巳は、まず逃げた連中へ復讐を誓う。

処理中です...