異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

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第4章 冒険者

第85話 冒険者の闇

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「仕方ないさね。男女混合のパーティーじゃ当たり前のコトだよ?」

「そりゃそうだろうけど」

「シチローが私を女扱いしてくれるのは嬉しいけどね、そこは割りきってもらわなきゃ何も出来なくなるさ」

 僕は女性冒険者とパーティーを組んだコトをちょっと後悔した。

 ちなみに、女性冒険者はパーティーを組んだ男性冒険者に、襲われるコトもあるらしい。

 結婚とか付き合うとかしないクセに、性的捌け口には出来るらしいと、ビアンカは吐き捨てるように言った。

 それはビアンカ個人の経験則ではなく、すべての女性冒険者の意見だと言うのが情けない。

 女性冒険者の職掌は魔術師や法術師、盗賊、弓術者が多く、いづれも技術職であり、パーティーでは後衛になる。

 剣士や盾士、拳闘士などのパワー重視の前衛職に女性冒険者は少ないのだ。

 ビアンカも女性冒険者のパーティーで重宝されたらしいが、パーティー自体がリーダーの結婚やメンバーの怪我、引き抜きなどで解散となり、ビアンカ一人が取り残されるコトとなったという。

 他に女性冒険者だけのパーティーが無く、新しく作るには女性冒険者の数に余裕はなく、仕方なく混合パーティーを探しても女性剣士の需要が無く、あっても慰安係兼任などと言う、フザケタ条件を出された。

 ビアンカは僕と出会うまで、ソロで糊口をしのいでいたらしい。

 ビアンカが必死になって僕とパーティーを組みたがる訳だ。

 ・・・うん?

 ビアンカ的には僕は男の範疇に入ってないのか?

 ・・・まぁイイか。

「着いたよ」

 僕が自分の疑問に強制的に納得している間に、二階へ降りる階段に到着した。

 斜め下に向かう洞穴の地面、全部がキレイな階段になっていた。

 人工的なモノだと言われても納得出来る、立派な階段だった。

 思ったより急な傾斜である。

 この傾斜が魔物のダンジョン脱出を阻んでいるらしいが、ホントのトコは解らない。

 少なくとも降りる時にコケたら、かなり危険だと思う。

 骨折なら幸運ってレベルの、だ。

 僕が壁に手を付けて階段を降りようとすると、ビアンカから注意された。

「むやみに壁に触らないさ。罠があったら終わりだからね」

 自分が傷付く罠ならまだイイが、仲間を傷付けるタイミングで発動する罠もあるらしい。

 なるほど、クレイモアみたいな感じだな。

 クレイモアは指向性対人地雷だ。

 引っ掛かった当人だけじゃなく、被害を被る範囲や方向を選択出来る仕掛けである。

 そんな物騒な罠が、ダンジョン内には至るところに仕掛けられているという。
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