61 / 84
第4章 冒険者
第85話 冒険者の闇
しおりを挟む
「仕方ないさね。男女混合のパーティーじゃ当たり前のコトだよ?」
「そりゃそうだろうけど」
「シチローが私を女扱いしてくれるのは嬉しいけどね、そこは割りきってもらわなきゃ何も出来なくなるさ」
僕は女性冒険者とパーティーを組んだコトをちょっと後悔した。
ちなみに、女性冒険者はパーティーを組んだ男性冒険者に、襲われるコトもあるらしい。
結婚とか付き合うとかしないクセに、性的捌け口には出来るらしいと、ビアンカは吐き捨てるように言った。
それはビアンカ個人の経験則ではなく、すべての女性冒険者の意見だと言うのが情けない。
女性冒険者の職掌は魔術師や法術師、盗賊、弓術者が多く、いづれも技術職であり、パーティーでは後衛になる。
剣士や盾士、拳闘士などのパワー重視の前衛職に女性冒険者は少ないのだ。
ビアンカも女性冒険者のパーティーで重宝されたらしいが、パーティー自体がリーダーの結婚やメンバーの怪我、引き抜きなどで解散となり、ビアンカ一人が取り残されるコトとなったという。
他に女性冒険者だけのパーティーが無く、新しく作るには女性冒険者の数に余裕はなく、仕方なく混合パーティーを探しても女性剣士の需要が無く、あっても慰安係兼任などと言う、フザケタ条件を出された。
ビアンカは僕と出会うまで、ソロで糊口をしのいでいたらしい。
ビアンカが必死になって僕とパーティーを組みたがる訳だ。
・・・うん?
ビアンカ的には僕は男の範疇に入ってないのか?
・・・まぁイイか。
「着いたよ」
僕が自分の疑問に強制的に納得している間に、二階へ降りる階段に到着した。
斜め下に向かう洞穴の地面、全部がキレイな階段になっていた。
人工的なモノだと言われても納得出来る、立派な階段だった。
思ったより急な傾斜である。
この傾斜が魔物のダンジョン脱出を阻んでいるらしいが、ホントのトコは解らない。
少なくとも降りる時にコケたら、かなり危険だと思う。
骨折なら幸運ってレベルの、だ。
僕が壁に手を付けて階段を降りようとすると、ビアンカから注意された。
「むやみに壁に触らないさ。罠があったら終わりだからね」
自分が傷付く罠ならまだイイが、仲間を傷付けるタイミングで発動する罠もあるらしい。
なるほど、クレイモアみたいな感じだな。
クレイモアは指向性対人地雷だ。
引っ掛かった当人だけじゃなく、被害を被る範囲や方向を選択出来る仕掛けである。
そんな物騒な罠が、ダンジョン内には至るところに仕掛けられているという。
「そりゃそうだろうけど」
「シチローが私を女扱いしてくれるのは嬉しいけどね、そこは割りきってもらわなきゃ何も出来なくなるさ」
僕は女性冒険者とパーティーを組んだコトをちょっと後悔した。
ちなみに、女性冒険者はパーティーを組んだ男性冒険者に、襲われるコトもあるらしい。
結婚とか付き合うとかしないクセに、性的捌け口には出来るらしいと、ビアンカは吐き捨てるように言った。
それはビアンカ個人の経験則ではなく、すべての女性冒険者の意見だと言うのが情けない。
女性冒険者の職掌は魔術師や法術師、盗賊、弓術者が多く、いづれも技術職であり、パーティーでは後衛になる。
剣士や盾士、拳闘士などのパワー重視の前衛職に女性冒険者は少ないのだ。
ビアンカも女性冒険者のパーティーで重宝されたらしいが、パーティー自体がリーダーの結婚やメンバーの怪我、引き抜きなどで解散となり、ビアンカ一人が取り残されるコトとなったという。
他に女性冒険者だけのパーティーが無く、新しく作るには女性冒険者の数に余裕はなく、仕方なく混合パーティーを探しても女性剣士の需要が無く、あっても慰安係兼任などと言う、フザケタ条件を出された。
ビアンカは僕と出会うまで、ソロで糊口をしのいでいたらしい。
ビアンカが必死になって僕とパーティーを組みたがる訳だ。
・・・うん?
ビアンカ的には僕は男の範疇に入ってないのか?
・・・まぁイイか。
「着いたよ」
僕が自分の疑問に強制的に納得している間に、二階へ降りる階段に到着した。
斜め下に向かう洞穴の地面、全部がキレイな階段になっていた。
人工的なモノだと言われても納得出来る、立派な階段だった。
思ったより急な傾斜である。
この傾斜が魔物のダンジョン脱出を阻んでいるらしいが、ホントのトコは解らない。
少なくとも降りる時にコケたら、かなり危険だと思う。
骨折なら幸運ってレベルの、だ。
僕が壁に手を付けて階段を降りようとすると、ビアンカから注意された。
「むやみに壁に触らないさ。罠があったら終わりだからね」
自分が傷付く罠ならまだイイが、仲間を傷付けるタイミングで発動する罠もあるらしい。
なるほど、クレイモアみたいな感じだな。
クレイモアは指向性対人地雷だ。
引っ掛かった当人だけじゃなく、被害を被る範囲や方向を選択出来る仕掛けである。
そんな物騒な罠が、ダンジョン内には至るところに仕掛けられているという。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる