異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

第４章 冒険者

第94話 稼ぎ

　証明部位143個、銀貨四枚と大銅貨二枚枚、そして銅貨九枚。

　新通路確認報酬金貨一枚。

　特別報酬大銀貨二枚。

　魔石買い取り銀貨七枚に大銅貨一枚、銅貨五枚。

　締めて金貨二枚、大銀貨三枚、銀貨一枚、大銅貨四枚、銅貨四枚。

　一人金貨一枚、大銀貨一枚、銀貨五枚、大銅貨七枚、銅貨二枚。

　これが今回の稼ぎだった。

　更に新通路の奥には部屋があり、そこには三ヵ所、土の盛り上がりがあった。

　中には空間魔法が付与された革袋がそれぞれ一つづつ埋まっていた。

　出て来たのは併せて白金貨一枚、大金貨十枚、金貨三十枚、大銀貨五枚、銀貨八枚、大銅貨六十枚、銅貨百四十七枚。

　冒険者必須アイテムの雑貨の他、いつのものと知れない水と食糧。

　ミスリル製ロングソード一本、ダガー二本、ワンド一本。鋼鉄製ショートソード一本、ガントレット一組。

　一財産である。

　武具と現金はそのままインベントリに突っ込んでいる。

　新人が浅い階層でこれだけ稼いだら、当然二匹目のドジョウを狙うヤツらが出てくる。

　それが中堅冒険者となると、本人が気付かない内に評価は駄々下がりだ。

　ベテランになればなるほど、そんな中堅冒険者を蔑み、共同依頼では忌避するようになる。

　『恥を知らないヤツは恥ずかし行為が分からない』ってコトだ。

　何を仕出かすか分からないヤツに、背中は任せられないよな。

　新通路確認の発表がなされて以降、ダンジョンの浅い階層には低ランク冒険者が溢れ、若干の中堅冒険者が混ざっていた。

　どうやら低ランク冒険者の教育という建前で、周りの顰蹙をかわそうって魂胆らしい。

　形としてはビアンカのポジションと同じだが、内容はまったく別ものだ。

　低ランク冒険者たちも災難だと思う。

　ギルドで依頼の確認をしていたら、まったく見ず知らずの冒険者から、無理やりダンジョン潜行に付き合わされるのだから。

　断るに断れない状況の中、嫌々ダンジョンに連れて行かれた後、教育そっちのけで新通路発見を強制されるという事案が、すでに何件かギルドに報告されているらしい。

　昨日の今日でこの状態である。

　結局、僕とビアンカはダンジョン潜行を見合せ、依頼達成困難の申請を出すに至る。

　依頼達成困難の申請は、正当な理由があれば実行中の依頼でも申請をすれば中途解約が出来るシステムである。

　申請が通れば依頼受注そのものがなかったものとされ、違約金の支払いやペナルティー等が課せられるコトはなくなる。

　申請はすんなり通り、僕とビアンカは他の依頼を受けられるようになった。