異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

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第5章 新興勢力

第101話 ハンター

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 それほど時間を掛けずに支度を終えたオレは、そのまま屋敷を後にし、サザビー辺境伯を訪れると、事の次第を説明する。

 ハリガリ村はサザビー領内にあるため、事前にある程度の許可をもらう必要があった。

「アレの様子はどうだ?」

 書類にサインと捺印をしながら、サザビーが方眉を上げる。

「ギルドで早速やらかしたようだ。ランクDのパーティーを瞬殺だそうだ」

 クツクツと笑いながら、クレイは出された紅茶に手を伸ばす。

「元気良いな。今度貸せ」

「そりゃ構わんが、壊すなよ?アレはオレんだからな」

「壊すかい!ちょっと稽古付けるだけじゃ」

「その『ちょっと』が怖いんだろーがよ」

 今のシチローなら、多少のムチャなら平然とこなすだろうがな、と内心思いながら、サザビーから書類を受け取り立ち上がる。

「もう行くのか?」

「あぁ。どうもハンター共も動いているらしいからな。シチローは機会があれば連れて来るから・・・手は出すなよ?」

 ハンターと口に出した途端、サザビーの顔が苦虫を噛み潰したようになり、何か言いたげにクレイを睨む。

 オレを睨んでも仕方あるまいにと思いつつ、肩を竦めて答える。

 一応釘を刺すことを忘れず、オレはサザビーの前を辞した。

 ハンターとは、裏柳生とは違う組織に所属する、転生者を回収する者たちである。

 裏柳生とは異なり、回収の仕方は荒い。

 裏柳生は転生者を発見したあと、密かに関係者と接触して協議する。

 その結果次第で転生者を預かるなり、成人するまで守護するなりの指針を示す。

 しかし、ハンターたちは一切の斟酌なしに転生者を回収し、邪魔者は武力で排除する。

 親兄弟関係なく、殺戮した上で転生者を誘拐するのだ。

 クレイ自身、何度も煮え湯を飲まされたし、ハンターを屠ってきた。

 ハンターの背後関係は不明だが、少なくとも裏柳生と同じ背景を持つ組織なのは間違いないだろう。

 ただ、目的も所在も不明なため、誘拐された転生者がどうなるかすら、確認が取れなかった。

 何度かハンターを追跡したが、撒かれるか、追跡者が殺害されている。

 ハンターの背後がどのように情報を得ているのかすら分からず、対策の取りようもなかった。

 影のように現れ、霞のように消え失せるため、クレイは裏柳生関係者には状況把握のみを徹底した。

 それでもなお、転生者やその関係者を守るため、裏柳生がムリをして殺害されるコトが度々起こる。

 

 
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