異世界・野獣暴れ旅 ~スローライフに憧れて~

送り狼

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第5章 新興勢力

第104話 聖マリアン教会

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「いいんですか!?」

 良くはない。

 しかし、自分の考えが正しければ、村に明日は来ない。

 エランは自分の迂闊さにホゾを噛んだ。

 転生者が産まれた場所を的確に訪れ、躊躇なく拐っていくハンター。

 単に鼻が効くのではなく、組織立っての行動というのは分かっていた。

 裏柳生はその組織が自分たちと同じ体系のものだと誤認していたのだ。

 理由はエランの、いや、この世界の半分の者が、思ってもいないコト。

 誰も教会が子供を誘拐し、村を殲滅させるなど、考えもしない。

 しかし、教会であれば転生者の選別も容易い筈だし、誘拐した子供を管理出来、ハンター共を飼い慣らすことも出来る。

 さらにハンター共が教会内に入り込めば、市井にヤツらの痕跡がないのは当たり前の話だ。

 一部の聖職者が企み、教会を利用しているわけではないだろう。

 規模が大き過ぎる。

「責任は俺が取る。一刻も早く司祭様に引き返していただけ」

「は、はい。分かりました!」

 エランは嫌な汗をかきながら、村長の元へ急いだ。

 今監視しているハンター共を刺激したくないため、エランは自分の行動を平常通りにするように努めた。

 教会が敵なら、強引にでも村に訪れるだろう。

 洗練の儀を終えたら歓待を断り村を出、ハンターに繋ぎを取って・・・襲撃は今夜。

 おそらく夜明け前には、すべてが終わっているだろうな。

 間に合ってくれるか?

 エランは立ち止まり、西の空を仰ぎみて、

「・・・クレイ様」

 一言呟いた。



「どうした、エラン?」

 村長を訪ねたエランは、家族揃って昼食を食べ始めたところだったらしい。

 この村では一日三食が当たり前になっていた。

 全部の家庭が村長の食卓ほど贅沢ではないが、食事と言える程度ではある。

 それだけ村が潤っているのだが、明日はどうなるか判らない。

 運が良ければ被害は弟夫婦と俺だけで済むが、下手をすれば一村ことごとく屠られて終わりだ。

「司祭様の来訪を思い止まっていただくように、使いを出しました」

「何?どういうコトだ!?」

 エランの言葉に、村長は席を立つ。

「今、村は盗賊団の監視下にあります。司祭様の来訪が襲撃の水引になる可能性もありますので、もしものコトを考え、勝手に指示をだしました」

 一気にまくし立て、エランは村長の目を見たまま意見を待った。

「危ないのか?」

「もし危険をおして来訪いただいた場合、村長には司祭様の宿泊をお願いしたい」

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