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見せたくない(ロイ視点)
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ランス達を含む前衛隊が森の中へ入ってからどのくらい経っただろうか。
「うわああああ」
救護班と一緒に救護所の前で待機していると、突然森の中から王都の騎士が叫びながら走ってきた。
「どうした!」
何かから逃げてきたようだが、何もいない空中に剣を振り翳していてどうやら騎士は錯乱しているらしい。他にも数名の騎士が森の奥から走ってきたが、やはり錯乱しているようだ。
「いけない、このままだと幻覚に、飲み込まれる」
リラが神妙な顔で言うと、白龍ジュインが片手を大きく広げて空中を扇ぐ。すると光が周囲に舞い、騎士達の周りに降り注いだ。騎士達はハッと我に返る。
「お、俺たちは一体……」
「どうしたんだ、急に森の中から出てきたが」
静かに聞くと、騎士達は顔を見合わせて身震いをする。
「ケインズ団長達の後に続いていたんだが、突然魔物が沢山現れてきて。倒しても倒してもわいて出てくるんだ。出元を突き止めて向かっていると突然みたことも無い恐ろしい魔物に襲われて……」
「君たちはどうやら幻覚を見せられていたようだね。弱い心に漬け込む魔物がいたようだ」
ジュインが言うと、騎士達はバツの悪そうな顔をしている。
「怪我、してる」
リラが気づいて治癒魔法をかける。リラが自分から誰かの状態を気にかけるなんてすごい進歩だ、驚きと嬉しさが込み上げる。だが、なぜか同時に心配にもなってしまうのは過保護だろうか。
リラの様子に気づいた救護班の医師や看護師たちも他の騎士達の救護に当たり始めた。
「!」
森の中から禍々しい気配がする、数体いるか。
「ひっ、あいつらわいて出てくる魔物達だ、俺たちを追ってきたのか」
騎士が悲鳴をあげる。
わいて出てきたと言っていたが、気配からするにそんなに数は多くないし今のところ限られている。騎士達を追って本体からはぐれた魔物ってとこだろう。すぐに剣を抜いて構える。
「ロイ」
リラが心配そうに俺の名前を呼ぶ。心配してくれていることにも嬉しさが込み上げてくるが、今はその感情に浸っている場合ではない。
「大丈夫だ、リラ達は治癒に専念してくれ」
すぐに襲ってくる魔物達を斬りつける。数はそこそこ多いが一体一体の強さは大したことないな。騎士達を追いかけてきた魔物はあっという間に倒し終えることができた。
「す、すげぇ……やっぱり白龍使いの騎士は強いんだな」
騎士の言葉にリラの顔が心なしか綻んでいる、どうやら俺が誉められて嬉しいらしい。そうやって表情に出すようになったんだな、なんて微笑ましく思っていると、そんなリラの表情を見て手当されていた騎士がソワソワし始めた。
ん?なんだか嫌な予感がするな。
「討伐祭の打ち合わせの時もずっと無言で真顔だったからわからなかったけど、聖女様って結構可愛らしいんですね」
「確かに、よく見ると可愛い」
他の騎士達もリラの顔を見て次々に可愛い可愛いと言い始めた。おいおい、お前らいい加減にしろよ。
騎士達の様子にリラはよくわからないと言った顔で俺を見る。いや、説明に困るんだが……。
「うちの妻を誉めていただいて、どうも」
ズイッと一つ前に出てそう言うと、あっ!そうだった、という顔をして騎士達が萎縮する。リラの表情が少しずつ和らいで変化のレパートリーが増えていくことは喜ばしいことだ、だがそれによってリラの可愛さが他の奴らに知れてしまうのはなんだか気に食わない。大いに気に食わない。
着ていたローブをリラに羽織り、フードを被せた。リラはキョトンとしているがわからなくて構わない。この可愛さを誰にも見せたくないだなんて俺もしっかり独占欲の塊になりつつあるな。
「寒くないように、だ」
本当は違う目的だが、リラはそんなことには全く気づかずに俺を見て嬉しそうに笑った。
「ありがとう、ロイ」
ヒューゥと口笛が聞こえる。お熱いことで、なんて声も聞こえてきた。うるせぇんだよ、全く。
「うわああああ」
救護班と一緒に救護所の前で待機していると、突然森の中から王都の騎士が叫びながら走ってきた。
「どうした!」
何かから逃げてきたようだが、何もいない空中に剣を振り翳していてどうやら騎士は錯乱しているらしい。他にも数名の騎士が森の奥から走ってきたが、やはり錯乱しているようだ。
「いけない、このままだと幻覚に、飲み込まれる」
リラが神妙な顔で言うと、白龍ジュインが片手を大きく広げて空中を扇ぐ。すると光が周囲に舞い、騎士達の周りに降り注いだ。騎士達はハッと我に返る。
「お、俺たちは一体……」
「どうしたんだ、急に森の中から出てきたが」
静かに聞くと、騎士達は顔を見合わせて身震いをする。
「ケインズ団長達の後に続いていたんだが、突然魔物が沢山現れてきて。倒しても倒してもわいて出てくるんだ。出元を突き止めて向かっていると突然みたことも無い恐ろしい魔物に襲われて……」
「君たちはどうやら幻覚を見せられていたようだね。弱い心に漬け込む魔物がいたようだ」
ジュインが言うと、騎士達はバツの悪そうな顔をしている。
「怪我、してる」
リラが気づいて治癒魔法をかける。リラが自分から誰かの状態を気にかけるなんてすごい進歩だ、驚きと嬉しさが込み上げる。だが、なぜか同時に心配にもなってしまうのは過保護だろうか。
リラの様子に気づいた救護班の医師や看護師たちも他の騎士達の救護に当たり始めた。
「!」
森の中から禍々しい気配がする、数体いるか。
「ひっ、あいつらわいて出てくる魔物達だ、俺たちを追ってきたのか」
騎士が悲鳴をあげる。
わいて出てきたと言っていたが、気配からするにそんなに数は多くないし今のところ限られている。騎士達を追って本体からはぐれた魔物ってとこだろう。すぐに剣を抜いて構える。
「ロイ」
リラが心配そうに俺の名前を呼ぶ。心配してくれていることにも嬉しさが込み上げてくるが、今はその感情に浸っている場合ではない。
「大丈夫だ、リラ達は治癒に専念してくれ」
すぐに襲ってくる魔物達を斬りつける。数はそこそこ多いが一体一体の強さは大したことないな。騎士達を追いかけてきた魔物はあっという間に倒し終えることができた。
「す、すげぇ……やっぱり白龍使いの騎士は強いんだな」
騎士の言葉にリラの顔が心なしか綻んでいる、どうやら俺が誉められて嬉しいらしい。そうやって表情に出すようになったんだな、なんて微笑ましく思っていると、そんなリラの表情を見て手当されていた騎士がソワソワし始めた。
ん?なんだか嫌な予感がするな。
「討伐祭の打ち合わせの時もずっと無言で真顔だったからわからなかったけど、聖女様って結構可愛らしいんですね」
「確かに、よく見ると可愛い」
他の騎士達もリラの顔を見て次々に可愛い可愛いと言い始めた。おいおい、お前らいい加減にしろよ。
騎士達の様子にリラはよくわからないと言った顔で俺を見る。いや、説明に困るんだが……。
「うちの妻を誉めていただいて、どうも」
ズイッと一つ前に出てそう言うと、あっ!そうだった、という顔をして騎士達が萎縮する。リラの表情が少しずつ和らいで変化のレパートリーが増えていくことは喜ばしいことだ、だがそれによってリラの可愛さが他の奴らに知れてしまうのはなんだか気に食わない。大いに気に食わない。
着ていたローブをリラに羽織り、フードを被せた。リラはキョトンとしているがわからなくて構わない。この可愛さを誰にも見せたくないだなんて俺もしっかり独占欲の塊になりつつあるな。
「寒くないように、だ」
本当は違う目的だが、リラはそんなことには全く気づかずに俺を見て嬉しそうに笑った。
「ありがとう、ロイ」
ヒューゥと口笛が聞こえる。お熱いことで、なんて声も聞こえてきた。うるせぇんだよ、全く。
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