62 / 82
虹の力
しおりを挟む
気づくと、ランス様の唇が自分の唇に重なっていた。そっと唇が離れるとランス様の顔が見える。その顔は切羽詰まったような表情だった。
「ランス様……?」
心配になって名前を呼ぶと、ランス様は一度うつむいてすぐに私の顔を見つめた。
「ごめん、君にそんな風に言われてしまって……勝手に体が動いてしまったんだ。本当にそう思ってくれているんだとしたら嬉しすぎてどうにかなってしまいそうだよ。まさか本当にこんな気持ちになるなんて。君の体も心も全てを食べてしまいたい」
何かをこらえるかのようにまたうつむきながらランス様はゆっくり深呼吸した。
「本当に、いいんだね?」
ランス様の問いに、私はしっかりとうなずいて微笑んだ。それを見てランス様も嬉しそうに微笑む。
「なるべく優しく、大切にする。だから安心して」
そういってランス様はゆっくりとまた口づけをしてきた。今度は何回も何回も唇が重なる。次第に口づけは激しさを増していって、そのままベッドに倒れこんだ。
◇
ふと目が覚めてすこし見上げると、寝息を立てているランス様の美しい顔があった。どうやらランス様の腕の中にいるようで、私はいつの間にか眠ってしまっていたみたい。
キスの後のことは正直はっきりとは覚えていない。ただ、指輪から放たれる青白い光に包まれて、ずっと身体中に虹の力が沸き上がっていくのを感じていた。暖かくて優しくて心地よくてそのままどこかに飛んで行ってしまうのではないかと思うくらいだった。
ただ、あとはなんとなく断片的にだけど覚えているような気が、する……?ふとそれを思い出して急に自分の体温が上がっていくのがわかる。あぁ、どうしよう恥ずかしい!あまり覚えていないとはいえ、ランス様とついにそういうことをしてしまったんだ!
「んん……」
動揺して少し動いてしまったからなのか、ランス様もゆっくりと目を覚ましたようだ。開かれた目は私をとらえて一瞬驚き、そして嬉しそうに微笑んだ。
「おはよう、セシル」
幸せそうな表情でささやかれる挨拶にくらくらする。
「おはようございます、ランス様……」
恥ずかしくてうつむくが、ランス様の腕の中だということを思い出してまた動揺してしまう。
「体、大丈夫?どこか痛いところはない?」
「大丈夫です。それよりもランス様は大丈夫ですか?」
白龍の力を使いすぎたせいで一時は相当危ない状態だったのだから心配になってしまう。ちゃんと力分けはできたんだろうか。
「あぁ、大丈夫。おかげですっかり良くなったよ。ありがとう」
そう言ってランス様はぎゅっと強く抱きしめてきたので恥ずかしくなってしまう。でも、そんなことよりもランス様が無事で本当によかった。
「……よかったです。本当によかった!」
嬉しさのあまり思わず見上げて微笑むと、すぐ目の前にランス様の顔がある。ランス様の手が髪の毛をゆっくり優しくとかしてくれているけれど、その手触りもなにかを思い出させるのか体の奥が熱くなっていく。
「セシル?」
動揺して思わずすぐにうつむいたことを不思議に思ったのか、ランス様が顔をのぞき込んできた。目が合ってランス様が驚く。
「……セシル、その表情はずるいよ。無理させたくないしもうそんなつもりはなかったのに、そんな顔されたら正直まずい」
ランス様が少し離れながら顔をそむける。ちょっとそれが寂しくて、無意識にランス様の腕を掴んでいた。
「セシル、だからこれ以上あおらないで。俺の自制心が保てなくなる」
ランス様は困ったように言う。ランス様を困らせたいわけじゃないけれど、でもやっぱりまだ離れたくないと思ってしまうのはダメだろうか?
「とにかくいったん起きよう。ジョルジュたちも心配しているだろうし、ね」
優しく微笑むランス様の言うことは確かにそうだ。少しだけ寂しい気持ちを抑えてうなずいた。
「ランス様……?」
心配になって名前を呼ぶと、ランス様は一度うつむいてすぐに私の顔を見つめた。
「ごめん、君にそんな風に言われてしまって……勝手に体が動いてしまったんだ。本当にそう思ってくれているんだとしたら嬉しすぎてどうにかなってしまいそうだよ。まさか本当にこんな気持ちになるなんて。君の体も心も全てを食べてしまいたい」
何かをこらえるかのようにまたうつむきながらランス様はゆっくり深呼吸した。
「本当に、いいんだね?」
ランス様の問いに、私はしっかりとうなずいて微笑んだ。それを見てランス様も嬉しそうに微笑む。
「なるべく優しく、大切にする。だから安心して」
そういってランス様はゆっくりとまた口づけをしてきた。今度は何回も何回も唇が重なる。次第に口づけは激しさを増していって、そのままベッドに倒れこんだ。
◇
ふと目が覚めてすこし見上げると、寝息を立てているランス様の美しい顔があった。どうやらランス様の腕の中にいるようで、私はいつの間にか眠ってしまっていたみたい。
キスの後のことは正直はっきりとは覚えていない。ただ、指輪から放たれる青白い光に包まれて、ずっと身体中に虹の力が沸き上がっていくのを感じていた。暖かくて優しくて心地よくてそのままどこかに飛んで行ってしまうのではないかと思うくらいだった。
ただ、あとはなんとなく断片的にだけど覚えているような気が、する……?ふとそれを思い出して急に自分の体温が上がっていくのがわかる。あぁ、どうしよう恥ずかしい!あまり覚えていないとはいえ、ランス様とついにそういうことをしてしまったんだ!
「んん……」
動揺して少し動いてしまったからなのか、ランス様もゆっくりと目を覚ましたようだ。開かれた目は私をとらえて一瞬驚き、そして嬉しそうに微笑んだ。
「おはよう、セシル」
幸せそうな表情でささやかれる挨拶にくらくらする。
「おはようございます、ランス様……」
恥ずかしくてうつむくが、ランス様の腕の中だということを思い出してまた動揺してしまう。
「体、大丈夫?どこか痛いところはない?」
「大丈夫です。それよりもランス様は大丈夫ですか?」
白龍の力を使いすぎたせいで一時は相当危ない状態だったのだから心配になってしまう。ちゃんと力分けはできたんだろうか。
「あぁ、大丈夫。おかげですっかり良くなったよ。ありがとう」
そう言ってランス様はぎゅっと強く抱きしめてきたので恥ずかしくなってしまう。でも、そんなことよりもランス様が無事で本当によかった。
「……よかったです。本当によかった!」
嬉しさのあまり思わず見上げて微笑むと、すぐ目の前にランス様の顔がある。ランス様の手が髪の毛をゆっくり優しくとかしてくれているけれど、その手触りもなにかを思い出させるのか体の奥が熱くなっていく。
「セシル?」
動揺して思わずすぐにうつむいたことを不思議に思ったのか、ランス様が顔をのぞき込んできた。目が合ってランス様が驚く。
「……セシル、その表情はずるいよ。無理させたくないしもうそんなつもりはなかったのに、そんな顔されたら正直まずい」
ランス様が少し離れながら顔をそむける。ちょっとそれが寂しくて、無意識にランス様の腕を掴んでいた。
「セシル、だからこれ以上あおらないで。俺の自制心が保てなくなる」
ランス様は困ったように言う。ランス様を困らせたいわけじゃないけれど、でもやっぱりまだ離れたくないと思ってしまうのはダメだろうか?
「とにかくいったん起きよう。ジョルジュたちも心配しているだろうし、ね」
優しく微笑むランス様の言うことは確かにそうだ。少しだけ寂しい気持ちを抑えてうなずいた。
3
あなたにおすすめの小説
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
子供が可愛いすぎて伯爵様の溺愛に気づきません!
屋月 トム伽
恋愛
私と婚約をすれば、真実の愛に出会える。
そのせいで、私はラッキージンクスの令嬢だと呼ばれていた。そんな噂のせいで、何度も婚約破棄をされた。
そして、9回目の婚約中に、私は夜会で襲われてふしだらな令嬢という二つ名までついてしまった。
ふしだらな令嬢に、もう婚約の申し込みなど来ないだろうと思っていれば、お父様が氷の伯爵様と有名なリクハルド・マクシミリアン伯爵様に婚約を申し込み、邸を売って海外に行ってしまう。
突然の婚約の申し込みに断られるかと思えば、リクハルド様は婚約を受け入れてくれた。婚約初日から、マクシミリアン伯爵邸で住み始めることになるが、彼は未婚のままで子供がいた。
リクハルド様に似ても似つかない子供。
そうして、マクリミリアン伯爵家での生活が幕を開けた。
虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました
たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました
鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。
けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。
そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。
シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。
困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。
夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。
そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。
※他投稿サイトにも掲載中
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる