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58 聖女としての結婚式
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結婚式、という言葉を聞いて、リリアはきょとんとしていた。
「ああ、だってまだリリアたちは婚約者で、結婚したわけじゃない。式もあげてないだろ。リリアは聖女だし、式をあげることは国としては国内が活性化する良いイベントになるって思ってるんじゃないのかな」
ガイザーがそう言うと、セルはムッとして眉間に皺を寄せる。
「……もしかしてそれが嫌で式を先延ばしにしてたりする?リリアは何もわかってなさそうだし、話してないんだろう」
「そう、なんですか?」
チラリ、とセルを見ると、セルはリリアへ視線を向けてから小さくため息をついた。
「実は国王から式について色々と言われてはいたんだ。ただ、……俺たちの結婚を、聖女の結婚という祝い事として国を活性化させる材料にされるのがなんだか気に食わなくて、今まで忙しいことを理由にかわしてきた」
そんなことがあっただなんて、とリリアは驚いて目を丸くする。
「セル、私はそんなに気にしませんよ?結婚式をすることで国が活性化するなら、むしろ喜ばしいことかと……」
「リリアならそう言うだろうと思っていた。だからあえて話していなかったんだ」
そう言って、セルはまた小さくため息をつく。
「聖女の結婚式となれば、国中が喜び、騒ぎ、お祭りのようになるだろう。それは良いことだ。……良いことなのはわかってる。でも、ただでさえ国はリリアを聖女として利用しているんだ。俺たちの結婚式を利用されるのは、個人的になんだか釈然としないんだよ。いくら頭ではわかっていても、だ」
そう言って、セルは不服そうな顔のまま黙り込んだ。
(セル、私のためにそう思ってくれているの?)
リリアがこれ以上無理することのないように、国に利用されすぎないように、セルは思っているのだ。そのセルの思いを知って、リリアの心はふんわりとあたたかくなった。
「セル……」
「まぁ、気持ちはわからなくもないかな。だけど、先延ばしにするにも限度があるだろう?いっそのことそれはそれと割り切って、別で二人きりで式をあげてみても良いんじゃないのか?」
「「二人きりで?」」
ガイザーの提案に、セルとリリアは口を揃えた。
「他国では、二人きりで挙げる式も流行ってるみたいだよ。なかなかロマンチックじゃないかな?」
ガイザーがそう言うと、セルとリリアは目を合わせて見つめ合う。
(結婚式だなんて全く何も考えてなかったけれど、聖女としての結婚式だけじゃなく私自身としてもできるとしたら、それはそれで嬉しいかもしれない……!)
「確かに、それはそれでロマンチックかもしれませんね……」
リリアが目を輝かせてほんのり頬を赤らめながらそう言うと、セルはそれを見て目を見開く。
「……なるほど、それはいいかもしれない。リリアが望むなら、そうしてみよう」
「えっ、いいんですか?」
「ああ、……だが、国をあげての結婚式ももちろんやることにはなるだろう。リリアに無理をさせたくはないんだが」
「問題ありません。聖女リリアとして、しっかり結婚式を勤め上げてみせます!」
「勤め上げるって、そんな」
リリアの返事を聞いて、ガイザーは苦笑する。だが、セルは静かに微笑んでいた。
「それじゃ、近々国王を交えて結婚式について話し合おう。二人きりでの結婚式については、それが終わってからゆっくり決めようか」
「はい!よろしくお願いします!」
両手をグーにして勢いよく返事をするリリアに、セルとガイザーは目を合わせ苦笑しつつも、嬉しそうだった。
「ああ、だってまだリリアたちは婚約者で、結婚したわけじゃない。式もあげてないだろ。リリアは聖女だし、式をあげることは国としては国内が活性化する良いイベントになるって思ってるんじゃないのかな」
ガイザーがそう言うと、セルはムッとして眉間に皺を寄せる。
「……もしかしてそれが嫌で式を先延ばしにしてたりする?リリアは何もわかってなさそうだし、話してないんだろう」
「そう、なんですか?」
チラリ、とセルを見ると、セルはリリアへ視線を向けてから小さくため息をついた。
「実は国王から式について色々と言われてはいたんだ。ただ、……俺たちの結婚を、聖女の結婚という祝い事として国を活性化させる材料にされるのがなんだか気に食わなくて、今まで忙しいことを理由にかわしてきた」
そんなことがあっただなんて、とリリアは驚いて目を丸くする。
「セル、私はそんなに気にしませんよ?結婚式をすることで国が活性化するなら、むしろ喜ばしいことかと……」
「リリアならそう言うだろうと思っていた。だからあえて話していなかったんだ」
そう言って、セルはまた小さくため息をつく。
「聖女の結婚式となれば、国中が喜び、騒ぎ、お祭りのようになるだろう。それは良いことだ。……良いことなのはわかってる。でも、ただでさえ国はリリアを聖女として利用しているんだ。俺たちの結婚式を利用されるのは、個人的になんだか釈然としないんだよ。いくら頭ではわかっていても、だ」
そう言って、セルは不服そうな顔のまま黙り込んだ。
(セル、私のためにそう思ってくれているの?)
リリアがこれ以上無理することのないように、国に利用されすぎないように、セルは思っているのだ。そのセルの思いを知って、リリアの心はふんわりとあたたかくなった。
「セル……」
「まぁ、気持ちはわからなくもないかな。だけど、先延ばしにするにも限度があるだろう?いっそのことそれはそれと割り切って、別で二人きりで式をあげてみても良いんじゃないのか?」
「「二人きりで?」」
ガイザーの提案に、セルとリリアは口を揃えた。
「他国では、二人きりで挙げる式も流行ってるみたいだよ。なかなかロマンチックじゃないかな?」
ガイザーがそう言うと、セルとリリアは目を合わせて見つめ合う。
(結婚式だなんて全く何も考えてなかったけれど、聖女としての結婚式だけじゃなく私自身としてもできるとしたら、それはそれで嬉しいかもしれない……!)
「確かに、それはそれでロマンチックかもしれませんね……」
リリアが目を輝かせてほんのり頬を赤らめながらそう言うと、セルはそれを見て目を見開く。
「……なるほど、それはいいかもしれない。リリアが望むなら、そうしてみよう」
「えっ、いいんですか?」
「ああ、……だが、国をあげての結婚式ももちろんやることにはなるだろう。リリアに無理をさせたくはないんだが」
「問題ありません。聖女リリアとして、しっかり結婚式を勤め上げてみせます!」
「勤め上げるって、そんな」
リリアの返事を聞いて、ガイザーは苦笑する。だが、セルは静かに微笑んでいた。
「それじゃ、近々国王を交えて結婚式について話し合おう。二人きりでの結婚式については、それが終わってからゆっくり決めようか」
「はい!よろしくお願いします!」
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