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第五話
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ミア、と名前を呼んでもらえた。愛してると言ってもらえた。リエルと今の自分が『好き同士』だという実感が、じんわりと胸を満たしていく。
リエルの太ももの上に跨ったまま、もう一歩近付き身体を寄せると、彼の手が伸びてきて、髪をそっと撫でてくれた。
「髪の毛、自分で切ったのか?」
「うん。あちこち引っ掛けちゃったみたいで、ボロボロだったから」
「……そうか。辛かったな」
かすれた声とともに、指先が髪を梳く。もう残っていない傷跡や、切るしかなかった髪にそっと寄り添うように──何度も、何度も。
「生きていてくれて……本当に、良かった」
「……正直ね。覚えてないからあんまり実感はないんだけど。でも、リエルさんに会えて、こうやって一緒にいられて……すごく、幸せ」
首に腕を回してぎゅっと抱きつき、頬を彼の頬に押し当てる。ずっと触れてみたいと思っていた、精巧な彫刻のような横顔。
一度だけ、リエルは驚いたように瞬きをした。けれどすぐにふっと目元を緩め、柔らかな口づけを落としてくれる。
そのあとで視線がゆっくりと下へ滑っていく。胸元から胴、腰布に包まれた太もも、露出した膝やふくらはぎへ──遠慮がちに、けれど見ずにはいられないというように。
「前から聞きたかったんだが……その服、やっぱり自分で作ったのか」
「うん。元の服、破れたり汚れたりで酷かったから。毛皮とか革とか拾ってきて、色々縫い合わせてみたの。動きやすいんだ」
初めて服の話題を振られて、ミアは思わず上機嫌になる。森暮らしに合わせて動きやすさを優先した即席の服は、胸を布で押さえ、腰布も邪魔にならないよう短くしている。そのせいで、太ももは半ばまで露わだ。
「……よく似合ってる。が」
少し間を置いたその言葉は、褒めているはずなのにどこか迷いを含んでいた。笑みの奥で、何かを飲み込んだような気配が揺れる。
「が?」
「……少し、刺激が強い」
小さくこぼれた呟きは、ミアには届かなかった。聞き返そうとした瞬間、太ももに大きな手が落ちる。露出した肌に、熱を帯びた手のひらが触れた。
「ひゃあっ!」
思わず声が跳ね、身体が小さく震える。その反応を合図にするように、手のひらは撫でる動きへと変わった。太腿をゆっくりさすり上げ、節立った指が内側をなぞるたび、痺れるような感覚が肌の奥へ沁みていく。
「んっ、くぅ……、リ……エル、さん……」
もう片方の手は肩へ移り、露わになった肩口から二の腕へと大きく撫で上げる。骨ばった部分に軽く圧をかけるたび、体温と重みがじわじわ染み込んで、どうしようもなく落ち着かない。
「ずっとこの格好で、寒くはなかったのか」
耳元に吹き込む低い囁き。気遣いの言葉なのに、籠もる熱は抑えきれないまま混じっている。口角がわずかに上がるのが見えて、背筋にぞくりと震えが走った。
「ん、やっ……! だ、大丈夫っ……!」
吐息と声が絡み合い、触れられるたびに甘く上ずる。何度目かの声が漏れたとき、頭上から小さな笑いが落ちてきた。
「はぁ……、可愛い」
低く、欲を含んだ甘やかな声。視線を逸らそうとしても、紅い瞳が真っ直ぐに絡め取って離してくれない。
「んんっ……みないで、っ……」
「無理だ。ずっと我慢してきたんだから。ようやく、ミアに触れられる……」
じわじわと色を濃くしていく瞳に射抜かれ、燃えさしに油を注いだように、抑えていた理性が一気に飲み込まれていくのを感じる。
腰をぐっと抱えられたと思ったら、身体がふわりと浮き、正面から向かい合うように抱き上げられる。あぐらをかいたリエルの胴を両脚で挟む形で、すっぽりと抱え込まれた。逃げ場などなく、心臓が胸を突き破りそうに暴れる。
「……ミア」
名を呼ばれると同時に、後頭部を大きな手に支えられ、上を向かされる。次の瞬間、唇が深く塞がれた。舌が口内をくまなく探り、絡め取ってくる。どう息をすればいいのかわからず、胸元の布をぎゅっと掴んで「は、んん……っ」と酸素を求める声をこぼすしかない。
腰には回された腕が絡みつき、さらにぐっと引き寄せられる。腹も胸もぴたりと密着させられ、股の奥には硬い熱が執拗に押し付けられていた。その感覚が重なるたび、下腹の奥がぐつぐつ煮え立つように熱を帯びていく。
──もっと欲しい。どうしたらいいかはわからないのに、身体だけが覚えている。
無意識に、リエルの動きに合わせて腰を揺らしてしまう。擦れるたびに甘い痺れが全身へ広がり、自分でも止められない声が漏れる。
「……気持ち、いいな?」
耳元に落ちる低い囁きに、びりびりと背筋が痺れる。
──ああ、そうか。これは“気持ちいい”なんだ。
「んっ! うんっ……! きもちいい……!」
必死に頷きながら、どうにか言葉で伝える。答えられたのが嬉しかったのか、耳の縁を甘く噛まれ、肩がびくんと跳ねた。
ねろりと舌が耳の縁を這い、そのまま奥へ差し込まれる。くちゅ、くちゅ……と、脳に直接染み入るような湿った音に、思考がじわじわ溶けていく。逞しい胸板にしがみついたまま、腰を擦り寄せることしかできなかった。
「あ、あ、あ……っ」
「……はぁ、ミア……ミア……!」
熱を隔てる布がもどかしい。奥は、もうぐずぐずに濡れきっているのが自分でもわかる。けれどリエルなら、この先を知っている──そんな確信めいた本能があった。昂ぶりを迎え入れるように腰を押しつけ、胸元の布を握りしめて涙目で見上げる。
「リエル、さんっ……! も、やだぁっ! ねえっ……!」
ごくりと喉が鳴り、腰に回された腕がするりと下がる。大きな手が開かれた足のあいだへ伸び、めくれた服の下から下着に指がかかる。視線を落とすと、布地はぐっしょり濡れて色を変え、リエルのズボンにも染みが移っている。恥ずかしさに、顔が一気に熱くなった。
「……ミアのここ、もっと気持ちよくなりたいって、そう言っている」
低く甘い囁きとともに、濡れた布越しに中心をゆっくりなぞられる。指先が沈むたび、胸の奥まで痺れが走った。
「一緒に……気持ちよくなろうな」
「う、んっ!? あっ、いやっ!」
答えきる前に、下着がほどかれて床に落ちる。大事なところが急に空気にさらされ、ミアは大きく息を呑んだ。
驚いているあいだに、リエルは片腕でミアを抱えたまま、もう片方の手で自分のズボンと下着を乱暴に押し下げる。その必死さに気づく余裕すらない。
隔てるものなく、熱が割れ目に押し当てられた。そっと大きな指で割り開かれ、くぷ、と先端だけが中に触れる。押し広げられる感覚に、声にならない声が喉を震わせた。
体格に見合ったそれは先端だけでも圧倒的で、狭い内側を押し広げていく。けれど痛みはなく、むしろ待ち望んでいたみたいにちゅうちゅうと吸い付いてしまう。
「ミア、こっちを向いて」
後頭部を支えられ、視線を合わせたまま口づけが落ちる。その合間に、壁を擦りながら少しずつ奥へ──ずるり、と内側が押し広げられていく。柔らかな襞をなぞられるたび、意識まで一緒に絡め取られるようで、背筋が震えた。
鋭い刺激が走る一点を抉られ、「んんっ……!」と声が弾ける。リエルは最初から知っていたようにそこを探り当て、頭や頬を撫でながら容赦なく快感を重ねていく。恥ずかしくてたまらないのに、なぜかその視線に晒されていることすら気持ちよくて、奥で幾度もきゅっと締め付けていた。
「……くっ、きつい、な……」
押し殺した声とともに、汗が頬を伝う。ゆっくり、少しずつ──やがて最奥にこつんと届いた瞬間、全身が雷に打たれたみたいに震え、背中が大きく反り返った。
「あっ!? ああーーっ!!」
内側が強く収縮し、逃がすまいと絡みつく。彼も限界を迎え、どぷどぷと熱が流れ込む。痺れるような余韻が中いっぱいに広がった。
リエルが吐き出した熱と、互いの荒い呼吸。火照った身体を押し合わせながら、しがみつくミアを抱き込んだまま、二人でその衝撃を受け止める。
「ん……。り、える、さ……」
「……すまない。我慢が出来なかった」
ばつが悪そうに眉を寄せる顔が、泣きたくなるほど愛おしい。重い身体を持ち上げて頬を寄せると、中に満たされたものがこぷりと揺れ、「……ん」と声が漏れてしまう。
「っ、こら」
困ったように笑う横顔にまだ余韻が滲んでいて、ひどく色っぽい。もっと近くで見たくて頬擦りを繰り返し、ちゅっと短く口づけを落とす。
「……そんなふうにされたら」
耳元に低く熱を帯びた声が落ちた次の瞬間、奥でむくむくと硬さが甦る。まだ足りないと告げるように、熱のこもった瞳が見つめてくる。
「もっと欲しくなるんだが」
囁きとともに腰を掴まれ、奥まで深く押し込まれる。慎重だった先ほどとは違う、貪るような律動に翻弄され、ミアはただ甘い声を上げるしかなかった。
もっと欲しくなる、と言ったのは本当のようで、リエルは夜が明けるまで片時もミアを離さなかった。
上衣の結び目が解かれると、押さえ込まれていた胸が弾けるように現れ、揺れるたびにリエルが熱い息を吐く。何度も口づけを交わしながら奥まで繋がり続け、そのまま寝床まで抱き上げられる。そこは彼の匂いに満ちていて──まるで彼の巣に連れ込まれたみたいだと気づいた瞬間、余計に身体が熱くなった。
四つん這いで後ろから深く突き上げられたとき、森で見かけた動物たちの姿がふと頭をよぎる。おずおずと「これ……もしかして、交尾……?」と尋ねると、リエルは堪えきれない笑みを浮かべて「そうだ」と答え、うなじにそっと歯を立てた。まるで番に印を刻むような仕草。
その言葉と仕草で、さっきまでただ気持ちよさに溺れていた行為が“交尾”なのだと自覚してしまい、顔が一気に熱くなる。視線を伏せたところを髪ごとかき上げられ、耳元に荒い吐息がかかった。
「……もう、離れない」
「あっ、やっ! 奥っ、んんっ! そんな……!」
「はぁっ、愛してる……。ずっと、ずっと一緒だ」
大きな身体が覆いかぶさり、容赦なく奥を何度も貫かれる。幾度目かわからない熱を受け止めたあと、うなじを労わるように舐められ、ようやく獣のような熱が静まっていった。
そのあとも抱き合う姿を変えながら何度も繋がり、最後は、力尽きたようにリエルの胸に沈み込む。抱きしめられた腕のぬくもりに包まれたまま、二人で眠りに落ちた。
昼近くまで眠り込んでしまい、陽に照らされた乱れた寝床や散らかった服を目にして、思わず顔を見合わせる。同時にくすりと笑い合い、片付けからまた一日が始まっていった。
リエルの太ももの上に跨ったまま、もう一歩近付き身体を寄せると、彼の手が伸びてきて、髪をそっと撫でてくれた。
「髪の毛、自分で切ったのか?」
「うん。あちこち引っ掛けちゃったみたいで、ボロボロだったから」
「……そうか。辛かったな」
かすれた声とともに、指先が髪を梳く。もう残っていない傷跡や、切るしかなかった髪にそっと寄り添うように──何度も、何度も。
「生きていてくれて……本当に、良かった」
「……正直ね。覚えてないからあんまり実感はないんだけど。でも、リエルさんに会えて、こうやって一緒にいられて……すごく、幸せ」
首に腕を回してぎゅっと抱きつき、頬を彼の頬に押し当てる。ずっと触れてみたいと思っていた、精巧な彫刻のような横顔。
一度だけ、リエルは驚いたように瞬きをした。けれどすぐにふっと目元を緩め、柔らかな口づけを落としてくれる。
そのあとで視線がゆっくりと下へ滑っていく。胸元から胴、腰布に包まれた太もも、露出した膝やふくらはぎへ──遠慮がちに、けれど見ずにはいられないというように。
「前から聞きたかったんだが……その服、やっぱり自分で作ったのか」
「うん。元の服、破れたり汚れたりで酷かったから。毛皮とか革とか拾ってきて、色々縫い合わせてみたの。動きやすいんだ」
初めて服の話題を振られて、ミアは思わず上機嫌になる。森暮らしに合わせて動きやすさを優先した即席の服は、胸を布で押さえ、腰布も邪魔にならないよう短くしている。そのせいで、太ももは半ばまで露わだ。
「……よく似合ってる。が」
少し間を置いたその言葉は、褒めているはずなのにどこか迷いを含んでいた。笑みの奥で、何かを飲み込んだような気配が揺れる。
「が?」
「……少し、刺激が強い」
小さくこぼれた呟きは、ミアには届かなかった。聞き返そうとした瞬間、太ももに大きな手が落ちる。露出した肌に、熱を帯びた手のひらが触れた。
「ひゃあっ!」
思わず声が跳ね、身体が小さく震える。その反応を合図にするように、手のひらは撫でる動きへと変わった。太腿をゆっくりさすり上げ、節立った指が内側をなぞるたび、痺れるような感覚が肌の奥へ沁みていく。
「んっ、くぅ……、リ……エル、さん……」
もう片方の手は肩へ移り、露わになった肩口から二の腕へと大きく撫で上げる。骨ばった部分に軽く圧をかけるたび、体温と重みがじわじわ染み込んで、どうしようもなく落ち着かない。
「ずっとこの格好で、寒くはなかったのか」
耳元に吹き込む低い囁き。気遣いの言葉なのに、籠もる熱は抑えきれないまま混じっている。口角がわずかに上がるのが見えて、背筋にぞくりと震えが走った。
「ん、やっ……! だ、大丈夫っ……!」
吐息と声が絡み合い、触れられるたびに甘く上ずる。何度目かの声が漏れたとき、頭上から小さな笑いが落ちてきた。
「はぁ……、可愛い」
低く、欲を含んだ甘やかな声。視線を逸らそうとしても、紅い瞳が真っ直ぐに絡め取って離してくれない。
「んんっ……みないで、っ……」
「無理だ。ずっと我慢してきたんだから。ようやく、ミアに触れられる……」
じわじわと色を濃くしていく瞳に射抜かれ、燃えさしに油を注いだように、抑えていた理性が一気に飲み込まれていくのを感じる。
腰をぐっと抱えられたと思ったら、身体がふわりと浮き、正面から向かい合うように抱き上げられる。あぐらをかいたリエルの胴を両脚で挟む形で、すっぽりと抱え込まれた。逃げ場などなく、心臓が胸を突き破りそうに暴れる。
「……ミア」
名を呼ばれると同時に、後頭部を大きな手に支えられ、上を向かされる。次の瞬間、唇が深く塞がれた。舌が口内をくまなく探り、絡め取ってくる。どう息をすればいいのかわからず、胸元の布をぎゅっと掴んで「は、んん……っ」と酸素を求める声をこぼすしかない。
腰には回された腕が絡みつき、さらにぐっと引き寄せられる。腹も胸もぴたりと密着させられ、股の奥には硬い熱が執拗に押し付けられていた。その感覚が重なるたび、下腹の奥がぐつぐつ煮え立つように熱を帯びていく。
──もっと欲しい。どうしたらいいかはわからないのに、身体だけが覚えている。
無意識に、リエルの動きに合わせて腰を揺らしてしまう。擦れるたびに甘い痺れが全身へ広がり、自分でも止められない声が漏れる。
「……気持ち、いいな?」
耳元に落ちる低い囁きに、びりびりと背筋が痺れる。
──ああ、そうか。これは“気持ちいい”なんだ。
「んっ! うんっ……! きもちいい……!」
必死に頷きながら、どうにか言葉で伝える。答えられたのが嬉しかったのか、耳の縁を甘く噛まれ、肩がびくんと跳ねた。
ねろりと舌が耳の縁を這い、そのまま奥へ差し込まれる。くちゅ、くちゅ……と、脳に直接染み入るような湿った音に、思考がじわじわ溶けていく。逞しい胸板にしがみついたまま、腰を擦り寄せることしかできなかった。
「あ、あ、あ……っ」
「……はぁ、ミア……ミア……!」
熱を隔てる布がもどかしい。奥は、もうぐずぐずに濡れきっているのが自分でもわかる。けれどリエルなら、この先を知っている──そんな確信めいた本能があった。昂ぶりを迎え入れるように腰を押しつけ、胸元の布を握りしめて涙目で見上げる。
「リエル、さんっ……! も、やだぁっ! ねえっ……!」
ごくりと喉が鳴り、腰に回された腕がするりと下がる。大きな手が開かれた足のあいだへ伸び、めくれた服の下から下着に指がかかる。視線を落とすと、布地はぐっしょり濡れて色を変え、リエルのズボンにも染みが移っている。恥ずかしさに、顔が一気に熱くなった。
「……ミアのここ、もっと気持ちよくなりたいって、そう言っている」
低く甘い囁きとともに、濡れた布越しに中心をゆっくりなぞられる。指先が沈むたび、胸の奥まで痺れが走った。
「一緒に……気持ちよくなろうな」
「う、んっ!? あっ、いやっ!」
答えきる前に、下着がほどかれて床に落ちる。大事なところが急に空気にさらされ、ミアは大きく息を呑んだ。
驚いているあいだに、リエルは片腕でミアを抱えたまま、もう片方の手で自分のズボンと下着を乱暴に押し下げる。その必死さに気づく余裕すらない。
隔てるものなく、熱が割れ目に押し当てられた。そっと大きな指で割り開かれ、くぷ、と先端だけが中に触れる。押し広げられる感覚に、声にならない声が喉を震わせた。
体格に見合ったそれは先端だけでも圧倒的で、狭い内側を押し広げていく。けれど痛みはなく、むしろ待ち望んでいたみたいにちゅうちゅうと吸い付いてしまう。
「ミア、こっちを向いて」
後頭部を支えられ、視線を合わせたまま口づけが落ちる。その合間に、壁を擦りながら少しずつ奥へ──ずるり、と内側が押し広げられていく。柔らかな襞をなぞられるたび、意識まで一緒に絡め取られるようで、背筋が震えた。
鋭い刺激が走る一点を抉られ、「んんっ……!」と声が弾ける。リエルは最初から知っていたようにそこを探り当て、頭や頬を撫でながら容赦なく快感を重ねていく。恥ずかしくてたまらないのに、なぜかその視線に晒されていることすら気持ちよくて、奥で幾度もきゅっと締め付けていた。
「……くっ、きつい、な……」
押し殺した声とともに、汗が頬を伝う。ゆっくり、少しずつ──やがて最奥にこつんと届いた瞬間、全身が雷に打たれたみたいに震え、背中が大きく反り返った。
「あっ!? ああーーっ!!」
内側が強く収縮し、逃がすまいと絡みつく。彼も限界を迎え、どぷどぷと熱が流れ込む。痺れるような余韻が中いっぱいに広がった。
リエルが吐き出した熱と、互いの荒い呼吸。火照った身体を押し合わせながら、しがみつくミアを抱き込んだまま、二人でその衝撃を受け止める。
「ん……。り、える、さ……」
「……すまない。我慢が出来なかった」
ばつが悪そうに眉を寄せる顔が、泣きたくなるほど愛おしい。重い身体を持ち上げて頬を寄せると、中に満たされたものがこぷりと揺れ、「……ん」と声が漏れてしまう。
「っ、こら」
困ったように笑う横顔にまだ余韻が滲んでいて、ひどく色っぽい。もっと近くで見たくて頬擦りを繰り返し、ちゅっと短く口づけを落とす。
「……そんなふうにされたら」
耳元に低く熱を帯びた声が落ちた次の瞬間、奥でむくむくと硬さが甦る。まだ足りないと告げるように、熱のこもった瞳が見つめてくる。
「もっと欲しくなるんだが」
囁きとともに腰を掴まれ、奥まで深く押し込まれる。慎重だった先ほどとは違う、貪るような律動に翻弄され、ミアはただ甘い声を上げるしかなかった。
もっと欲しくなる、と言ったのは本当のようで、リエルは夜が明けるまで片時もミアを離さなかった。
上衣の結び目が解かれると、押さえ込まれていた胸が弾けるように現れ、揺れるたびにリエルが熱い息を吐く。何度も口づけを交わしながら奥まで繋がり続け、そのまま寝床まで抱き上げられる。そこは彼の匂いに満ちていて──まるで彼の巣に連れ込まれたみたいだと気づいた瞬間、余計に身体が熱くなった。
四つん這いで後ろから深く突き上げられたとき、森で見かけた動物たちの姿がふと頭をよぎる。おずおずと「これ……もしかして、交尾……?」と尋ねると、リエルは堪えきれない笑みを浮かべて「そうだ」と答え、うなじにそっと歯を立てた。まるで番に印を刻むような仕草。
その言葉と仕草で、さっきまでただ気持ちよさに溺れていた行為が“交尾”なのだと自覚してしまい、顔が一気に熱くなる。視線を伏せたところを髪ごとかき上げられ、耳元に荒い吐息がかかった。
「……もう、離れない」
「あっ、やっ! 奥っ、んんっ! そんな……!」
「はぁっ、愛してる……。ずっと、ずっと一緒だ」
大きな身体が覆いかぶさり、容赦なく奥を何度も貫かれる。幾度目かわからない熱を受け止めたあと、うなじを労わるように舐められ、ようやく獣のような熱が静まっていった。
そのあとも抱き合う姿を変えながら何度も繋がり、最後は、力尽きたようにリエルの胸に沈み込む。抱きしめられた腕のぬくもりに包まれたまま、二人で眠りに落ちた。
昼近くまで眠り込んでしまい、陽に照らされた乱れた寝床や散らかった服を目にして、思わず顔を見合わせる。同時にくすりと笑い合い、片付けからまた一日が始まっていった。
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