(完結)相談女とお幸せに!(なれるものならの話ですけども。)

ちゃむふー

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13.決意(クロード視点)

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顔合わせが終わった後、
すぐに父に訴えた。


「父上!失礼ですが、この婚約は仕組まれたものであると思われます。あのダーソン子爵令嬢のリリアン嬢は、私のストーカーです。きっと、父上を襲ったのもダーソン子爵の手先であるに違いありません!!」


すると、父は顔色を変える事なく答える。

「証拠はあるのか?」


「証拠は…ありませんが…。」


「なら、この話は終わりだ。」

父は立ち上がり部屋を出て行こうとする。

「父上!!」


「私は何者かに襲われた。しかし油断していた為自分で自分や従者を救えなかった。そこをダーソン子爵に助けて貰った。今はこれだけが事実であるのだ。クロード。その話が事実だと言うなら、証拠を見つけるんだな。」


「くっ…。父上はいつもそうやって人を簡単に信じて騙されるではありませんか…。」



「人を疑うより信じた方が良い。私は今までそうしてきた。騙されたくらいで落ちぶれるような侯爵家なら、無くなった方が良い。そのような小さな事で揺らぐような侯爵家では無い。」



侯爵家だというのに、父はすぐに人を信じて騙される。いつもそんな父に苛立ちさえ覚える事も少なくなかった。


昔、父と領地にある孤児院の視察を行った帰りの時だった。

城下町を歩いていたら、貧しそうな身なりの子どもが寄ってきて、


「貴族様っ!!僕のお母さんが病に倒れてしまって死にそうなんだ!薬を買うお金を恵んでください!!」

そう叫びすがりついた。

父は、

「そうなのか。ほら、これで足りるか?」

そう言って金を握らせた。

「ヘヘッ!ありがとよー!!」

そう言って無礼にも走り去る子ども。




すると、道端に座り込む老人が、


「そこの御貴族様。先程の子どもはいつもあぁ言って金をもらってるんだ。病気の母親なんていねぇ。騙されてますよ。」

老人はカカカッと笑ってそう言った。

私は、侯爵家なのに騙された父の事が恥ずかしくてたまらなかった。


父も老人の方を向き、老人を見る。

「無礼を働いたと儂を切りますか?良いですとも。生きていても何も希望はありませんから。」

そう言う老人に向かって、ずいっと手を出す父。


その手には……先程の孤児院でシスターや子どもにお礼として貰った手作りのクッキーの袋が握られていた。


「ほら。お腹減ってるだろう。食べるがよい。」

そう言って父は老人に笑いかけた。

老人も戸惑いつつクッキーを受け取る。


その場を去った後に、父に聞く。


「父上は…!あのような子どもにまで騙されて悔しくは無いのですか!?」


「クロードは、私が今あの子どもにお金を渡した事によって困る事はあるか?」


「それは…ありませんが…。」


「それならば良いではないか。それとも、あの子どもの母親が病気だった方が良かったか?むしろ、良かったでは無いか。病気ではなくて。」


「しかしっ!!侯爵家が騙されたと笑い者になってしまいます!」


「笑い者になっているか?私はそうは思わない。そのような小さな事で揺らぐような軟弱な家では無い。さぁこの話は終わりだ。家に帰るぞ。」







という事もあった。





父には何を言ってもダメだ。
父が言うように証拠を見つけなければ…。結婚までに……!!!




そう思ってあれから1年。
子爵家や学園でのリリアンの様子を色々な伝手を使って探り調べてきた。




リリアンが学園で色々と動いている事も分かった。

色々な令息に手を出して、破局させかけたり、実際に婚約破棄にさせてきた理由も大体分かってきた。



しかし、まさかミレイユ嬢の婚約者にも手を出すなんて思わなかった。


ミレイユ嬢の婚約者に手を出した理由は1つしか考えられない。




私のせいだ。



きっと、リリアンは私がミレイユ嬢の事を見ていた事に気付いていたのだろう。


その腹いせとしか考えられない。


ハーブス伯爵からリリアンのせいで婚約解消となったと連絡があり、

私のせいだと申し訳なさを感じつつも、


ミレイユ嬢の幸せを願っていたのに、違う令嬢にすぐになびいたガスパルへの怒りと、


2人が婚約解消した事を喜んでしまう自分勝手な自分……。

色々な感情が自分の中を蠢いた。


そして、すぐにミレイユ嬢の元へ行きたいと気持ちがはやる。


私がリリアンの事を愛してなどいない事を分かって欲しい。


リリアンとは婚約しているものの、それは仕組まれた事である事を知って欲しい。


そして…諦めなくても良い気持ちならば……。
ミレイユ嬢に会いたい。





…………。

伯爵家からの帰り道、馬車に揺られながら久しぶりに見たミレイユ嬢を思い出す。

(こんな自分勝手な気持ちを知られたら幻滅されるだろうか…。)



「ふふっ…侯爵家の者が何とも情けないのだろうか。」


(決戦は卒業式…。卒業式を終えたら必ず……。)


そう心に決めるのだった。












次回ガスパル視点です。



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