(完結)浮気相手と子どもができたから別れてくれ?いったい誰の子ですか?

ちゃむふー

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9.確信の理由※若干のR15表現有り

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※若干r15な表現が含まれます。
直接的な表現もありますので苦手な方はご注意ください。





ーーーーーーーーー





「このような場で前夫の話をするのは不躾かもしれませんが…。私、ゴードン様とは致していません。」

これは事実だ。結婚して一年、一度もそのような行為はしていない。

「フィオナが嫌で無ければ理由を聞いても良いかな?」

ベッドに座りなおす。


「はい。正確に言うと、できなかったと言うべきかもしれません。その、とても申し上げにくいのですが…。私もハッキリとは見ていないのですが、多分、男性のその…ものが…全く……。」

ゴソゴソ1人でしていてハッキリは見ていないが、端的に言うと、ゴードンのアレは全く勃たなかったのだ。

しかし、やはり言いにくくてモゴモゴと言い淀んでいると、ニケ様が察したように、


「全く…。そうだったのか…。なるほど、察したよ。ありがとう、言いにくい事を教えてくれて。しかし、子どもができないからとフィオナは追い出されたのだろう?余りにも理不尽すぎでは無いか…!?」

そうなのだ。子どもを産めない女と言われたが、できるわけが無いのだ。そもそも、そのような行為をしていないから。


「はい…。できないのはお前の魅力が足りないからだ!と罵られていました。」


「くっ…!フィオナに何という事を…。辛かったな…。」

そう言って抱き締められる。


「大丈夫です。今では、床を共にせず済んで良かったとさえ思っていますもの。」
心配そうなニケ様を安心させたくて笑って見せる。


「ふふ、そうかもしれないな…。フィオナ。優しくするから…。」


「はい…。」



ニケ様に身体を委ねるのであった。











「おはよう。」

「おはようございます…。」

なんだか、朝を共に迎えるのはとても照れ臭い。でも、とても幸せだ。


「さぁ、お腹も空いているだろう?支度をして朝食を食べよう。シェフのジェットもこちらの別宅に来てもらったんだ。」

「まぁ。彼の作る料理は絶品ですものね。嬉しいです。」



支度を済ませ、居間へ向かう。

執事のギルバートが、ニケ様にコソコソっと耳打ちをしていた。


「ごめんね、フィオナ待たせたね。」


「いえ、マーガレット様の子がお産まれになったのですか?」

「さすが、フィオナだね。その通り。しかし…。」

「しかし…?」

「髪の毛の色も、目の色も、顔つきもゴードンとは似ても似つかないようだ…。」

(やっぱりね…。)

やはり、産まれた子どもはゴードンの子では無かったのだろう。


「そうですか…。」

「私も、本当にあの女マーガレットのお腹の子がゴードンの子どもかどうか怪しいと思っていた。あの女は、私を見ると色目を使い近寄ってきていたからな…。きっと私が皇子付きの護衛の為、王族に近付きたく私にすり寄ってきていたのだろう。」


(確かにそれも1つの理由かもしれませんが…。単純にニケ様が素敵な方だからだと思いますが…。)

整った顔立ちに、高身長。護衛騎士らしく、程良く鍛え抜かれた身体。女性ならば誰でも見惚れるだろう。でも、お腹に子どもがいてもニケ様を狙うなんて…。何とも、はしたない女だ。


(さぁ、今頃ゴードンはどんな顔をしているでしょう…。そして、マーガレットはどのような言い訳をするのでしょう。)

不謹慎ながら、ニケ様と顔を見合わせてクスッと笑ってしまうのだった。











次回、ゴードン視点です。

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