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10.出逢い1(ゴードン視点R15?)
しおりを挟む※R15??
私はゴードン・サンダーム。
侯爵家の長男だ。
政略結婚により、侯爵家の娘のフィオナと結婚する事が決まった。
曽祖父が決めてきた縁談ではあったが、フィオナは中々の美人だった。
まあ、コイツなら妻でも恥ずかしくないだろう。
そう思っていた。
侯爵家の長男として求められるのは後継だ。
しかしながら、私はその為の行為をした事が無い。
娼婦で前もって練習しようと思い、女を買ったが、ソイツが最悪だった。可愛くも無いし、下手くそで私のアレは何も反応しなかった。
というか、今まで一度も反応した事が無い。どいつもコイツも魅力の無い女ばかりだ。
娼婦たちも始めは頑張るものの1時間もしたらすぐ諦める根性の無い奴らばかりだった。そして最後に言うのだ。
「ゴードン様は、好きな人なら反応されるタイプの方なのだわ。」
なるほど、そういう男もいるのか。
どんな女にもほいほいと反応する訳では無いなんて、私は何て良い男なのだろうか。
そして迎えた結婚初夜。
フィオナの印象は悪くない。
これならいけるだろう。
そう思ったが、やはり私のアレは反応しなかった。
(くっ…やはりこの女も大した事ないな…。)
「ゴードン様…。どうされましたか…?」
潮らしく聞いてきたが、白々しい!!
「お前の魅力が足りないから、今日はお前を抱く気にならん!!」
「私…あまり知識が無く…。申し訳ございません…。」
そう謝るフィオナを置いて部屋を出たのだった。
その後数日して、この国の聖女が死んだと聞いた。
聖女を産んだ者は、王家に手厚く扱われる。公爵家の爵位も頂けるかもしれない…!!
何としても聖女が欲しい!!
そう思い、その後も数回試みたが、結果は同じだった。
フィオナは役立たずだった。
少し離れた場所で寝衣も脱がず背筋を伸ばし静かに座っているだけだった。そして罵ると、静かに出て行くのだった。
(くそ!役立たずが!!聖女が何としても欲しい…!!)
そうこうしている間に結婚してから一年が経とうとしていた。
そんなある日の夜会で、ハンカチを拾った時、1人の女が声をかけてきた。
「あぁ、それ私のハンカチですぅ!拾ってくださってありがとうございますー!お名前聞いても良いですかぁ?」
品は無いが、大きく開いたドレスから覗く胸は大きくて顔は中々悪くないだろう。
「私はゴードン・サンダームだ。」
「えっ!と、いうことはサンダーム侯爵家のぉ~!?すっごーいっ!カッコいいと思ったんですぅ!私、マーガレットです!男爵家のぉ~!ね、ハンカチ拾っていただいたお礼に、ちょっとバルコニーで飲みましょうよぉ~!」
「あ、あぁ…。」
引きずられるようにバルコニーへ連れて行かれ、浴びる程酒を飲まされ…。
……気が付いたら、私は裸で寝ていた。そして隣を見ると、裸のマーガレットが寝ていたのだった。
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