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22.父親
「なぁ、フィオナ…!何とか言ってくれよぉ…。やっぱり愛していたのはフィオナ。お前だったんだよ…!!子どもを産めるなんて知らなかったんだ。子どもが欲しくって、私はこんな悪い女に騙されてしまった…。私に対する当て付けでニケなんかと結婚してしまって…。悪かった…!!俺が悪かった…!!また2人で…。いや!そこの聖女と3人でやり直そう!!!」
両脇を衛兵に捕えられながらも必死に訴える。
「今更何を言われても何も響きません。そしてそもそも私、貴方の事を愛した事は一度もありません。今までも。そしてこれからも。私は…。心の底からニケ様をお慕いしております。なので、当て付けなどではありません。全く興味が無いのです。貴方に…。」
これっぽっちも興味が無い。結婚している時に不倫している事は気付いていた。が、どうでも良かったのだ。その浮気相手が出会ってから10日でゴードンの子どもを妊娠したと言った時に、確実にゴードンの子どもでは無い事も分かった。しかし、それすらどうでも良い事だったのだ。
「そ、そんな…。くそっ……。くそうっっ!!」
ガクッと項垂れたと思えば、顔を勢いよく上げ私を睨みつける。
「ニケ!!!子どもは自分の子だと言い張るがその子どもはフィオナと私が別れてからすぐに出来た子どもだ!!!私の子どもかもしれないだろう!?同じ髪の色で兄弟だ!!お前の子だという証拠はあるのか!?」
ゴードンの視線と私の間にニケ様が私達を庇うように立つ。
「フルールがお前とフィオナの子ども?それはありえない。フルールが産まれた時は離婚から一年半年近く経っている。」
(ニケ様がもはやゴードンをお前呼ばわりしている…。)
「しかしっ!!フィオナは未練がましく度々私に会いに侯爵家へ来ていた!!」
(お義父様に会いに行っていたのですが…。しかもニケ様と一緒に…。)
ゴードンのお花畑発言に辟易する。
「父上に会いに行っていたのだ。お前では無い。そして、お前はなんだ?魔法使いか何かなのか??」
「どういう事だ!!」
(あ、言ってしまわれるのですね…。)
「お前とフィオナは…白い結婚では無いか。お前の……不能のせいで…!!」
あたりがざわつく。
「わっ!私のせいでは無い!!フィオナのせいなんだ!!フィオナが私をその気にさせる事がっ出来なかったからっ!!その、反応しなかっただけで…ゴニョゴニョ…。私は断じて不能なんかでは無い!マーガレットとは子どもがっ…」
「できていないだろう?結局お前の子どもではなかったでは無いか。大方酔っ払って覚えていない事を良い事に、責任を取らされたのだろう?」
「「うっ…!」」
マーガレットが明らかに動揺した。
その時、
「くくっはははっ!!ダメだ、笑いを堪えきれない!会うだけで子どもができると思ってるのか?はははっ!お前はいくつなんだ。サンダーム侯爵は長男にそういう教育もしてこなかったのか??」
皇子が笑い出す。
「はっ。教育はしたのですが…。その…。できないのは指南役の女性が悪いと何度も罵り追い出してしまい、指南役を不憫に思い教育をやめてしまいました…。私の病状も悪化してしまった為、最後までできていなかったようです…。」
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(皇子…。)
「そっそんな…!!」
その時。
神殿の外を守っていた衛兵が困惑した様子で入ってきて言った。
「あの…。すいません。そこの子どもの父親を名乗る者が訪ねて来たのですが、通しますか…??」
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