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縁談もあげる
しおりを挟む「ルイス殿下と婚約ですか?」
「そうだ」
父が頷き、その横にいる母は
膝の上で拳をギュッと握っている
ちなみに私もだ
「サーシャ、受けてくれるな?」
「王子のお妃様…つまり、姫」
「そうだ。お前を守ってくれる人だよ
サーシャ」
父が優しい笑みを浮かべるのを見て
私は何だか泣きそうになった
姉が殿下の婚約者になれば
もう、魔物と戦わなくていいのだ
嬉しくなった私はギュっと左腕を強く握る
姉なら毒を仕込まれても魔法で察知出来るだろうし
魔物と戦うより遥かに安全だ
「素敵よ、素敵よ……!!シャーロンっっ!!」
「えぇ!!お姉様!!」
いきなり隣に座る私の方を向いた姉と
手と手を取り合い微笑み合う
「お姫様はシャーロン貴女にこそ似合うわ!!」
「うんうん!……は?」
感動が一気に冷めてゆく
お姉様、なんて?
「シャーロン、貴女が結婚なさい
王宮はとっても安全だもの!」
ニコニコしながら、家令のバッカスに姉は新しい紅茶を頼むけど皆石のように固まって動けない
「バッカス?バッカース?」
呑気な姉に、私たち4人の声が重なった
「「「「そんな事出来ません!!!!」」」」
ビクゥっと肩を跳ねさせながら今度は
姉が固まるのだった。
****
ハミルトン王国
それが私達が暮らす国の名前だ
そして、その国で筆頭公爵家となっているのが
我がアルベル家だ。
父が国王陛下の弟であるのもだが
何より、姉、サーシャリア・アルベルの功績が大きい。
6歳の頃、突然暴発した魔力で盗賊のアジトを
消してしまったのだそうだ。
なぜ姉がそんな危険な場所に居たのか
誰も教えてくれない
昔はどうしても知りたくて、バッカスに
お願いしたけど
゙サーシャお嬢様の願いなのでずとしか言われなかった
それから歳を重ねる毎に姉にとってそれは
知られたくないものだと理解出来るようになった
姉はとにかく私に甘かった。
魔法で大きなシャボン玉をつくり
飛べない私をその中に入れて空の旅に連れて行ってくれた事もある
゙おねえさますごーい!!゙
私が喜ぶほど姉も喜び、両親が苦笑いしていた
゙おねえさま、こわいとこいくの?゙
これは、私が5歳、姉が8歳の時の記憶だ
夜中に遠い村で出たドラゴンの気配を
魔力の強い姉が察知してしまった
邸が騒がしくなり、目を覚ました私は部屋を出て
黒いローブを羽織った姉に言ったのだ
゙いかないで、いっちゃいや゙
お気に入りのクマのぬいぐるみをギュッと抱きしめた私の頭を姉が撫でる
゙大丈夫よ、シャーロン。もう私は貴女を置いて行かないわ゙
父も、母も、騎士団がとか魔道士団がとか言って
引き止めていたけど
姉は、討伐に向かい、無傷で帰ってきた
そんな事がいくつもあって
アルベル公爵家は国からとても大切にされている
「シャーロン??」
「リリー」
学園のベンチでぼーっとしていた私の隣に
親友のリリー・ローレンスが座る
ちなみに彼女の家は伯爵家だ。
「サーシャ様、相変わらず素敵ね」
「当たり前よ。お姉様だもの。」
姉が通うのはエリートだけが入学を許される
魔法騎士養成所だ。
魔力の強いものか、騎士として才能あるものか
国王陛下からの推薦状が無いと入れない
そんなすごい学校と同じ敷地内に私が通う
貴族学園がある
平凡な貴族の子供達の集まりである
「先程、学園の窓から令嬢達がサーシャ様の
魔法を使う姿を見て騒いでいたわ」
姉は強いだけでは無い
女性にしては少し高い身長に黒い髪
瞳は紫と金と左右で違う
普段は意図的に紫で揃えているけど
魔法を使う時や使った後は色が違う
魔力が暴走するまでは髪と同じ黒だったらしいけど
6歳で魔力が発動してからこうなったらしい
闇と光の魔法が使えるせいじゃないかと
両親は言っていた。
色が白いのに、魔物と戦うから身体を鍛えてもいる姉は、見る人が見れば美男子で……
王子であるルイス殿下と並ぶとそれはもう絵になる
だから、ファンが多い
「殿下とお似合いなのになー」
空に向かって呟いた言葉にリリーが力強く頷いた。
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