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鬼っ娘チャコちゃん

チャコちゃん、怒りの鬼っ娘パンチ

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竹左衛門邸から必死の思いで逃走してきた翌々日。

「ったくよぉ!! なんだよあの変態!! アイツのせいで門番の仕事クビになったじゃねーかぁ!!」

リビングで強炭酸飲料「鬼嫁殺し」を瓶のままラッパ飲みしつつ悪態をつくチャコ。職を失った事が相当ご立腹な様子だ。

因みに正確に言えば俺のせいではなく、雇い主の竹左衛門なる人物がお縄になって、あの組が解散したからだ。

そう、あそこは極める道な人々のお屋敷だったわけだ。

詳しい事は分からないが、やましい事をしていたので、門番が必要だった・・・のだろうか??

「てか、ホントなんなんだよあの変態!! 何者なんだよアイツ!! 自慢ぢゃねーが、あたしをワンパンでのすなんて只者ぢゃねーぞ! 家のおっさん以外にそんな奴ぁいないと思って、マジ調子に乗ってたわー。反省!!」

椅子に手をかけて頭を下げるチャコ。それはサルの反省じゃねーか・・・

でもまぁ、うん。その変態は俺だからな。認識自体はそう間違ったもんでもないな。うん。

「だがなぁ! この反省を生かして、今度見つけたら即金玉を攻撃して悶絶させた後、動けない所への追い討ちでチン棒を切り落として、その肉棒をゲームのレバーにしてレバガチャしまくってやるんだよ!! それがなぁ! 今のなぁ! あたしの生きる目的なんだよぉ!」

反省のポーズを取ったのもつかの間、速攻で立ち直り握り拳をわなわなさせながらそう叫ぶチャコ。

おいおいおい、なんておっかねぇ事を生きる目的にしてんだよ。

こりゃ二重三重の意味で、俺があのおパンツ野郎であった事はバレるワケにはいかねーな。

だって言うのに、

「下、右斜め下、右! それ!はどー拳! あそれ! はどー拳!!」

などとのたまい、俺の股間周りで小気味良くコマンド入力を模すミントが1匹。そして、

「お姉ちゃん、そのレバーならここにあるよん」

と、チャコに向かって暴露。即バラしやがった!!! コンチクショウめ!!

「なんだ・・・と?」

驚愕の表情で俺を凝視するチャコ。

「ほら、ちょうさんにパンツ被せたらこの間の変態の完成でしょう? 服装とかも良く見てよ? まんまでしょ? いつでも作業着で色気もクソもないこの感じ。あの変態もそうだったでしょ? てかこの界隈でお姉ちゃんを素手でぶっ飛ばせる人なんて長さんだけなんだから、その時点で犯人は確定でしょ」

バカ故に至らなかった考えを、常識で語り補足するミント。正論過ぎる内容にチャコの奴は見る間に得心していく。

「そうだよ。あたしをぶっ飛ばせるのなんておっさんぐらいなんだから、アレはおっさんだったと言う事で証明終了じゃん!! クソ!! 見た目のインパクトが強すぎて当たり前の考えに至れなかった!!」

いや、お前が当たり前の考えに至れないのなんてデフォなんだから、そこは悔しがるポイントぢゃねーと思うが?

「私もあの場に居て一部始終見てたから、見た目のインパクトが強烈だったのは認めるけど、なんで気付かないのさ? あのパンツだって私のだし」

「言われて見れば、確かに妹の7番目の勝負パンツだったな。あれ」

「でしょう? 長さんにパンツ出せってせがまれて大変だったのよ」

おいおい嘘つくんぢゃねーよ!!ミント!! パンツなんて指定してねーぞ!! 
つーかパンツ見ただけで何番目の勝負下着だったのかまでわかるのかよ。いつもの事だが、ダメな意味ですげぇなチャコは・・・。

「はっ!! って事はお前もグルか!! 妹よ!! 許さんぞぉ~。許さんぞぉ~」

「え? うぇええ!! チガウチガウ!! 私はグルぢゃないよ!! 話を聞いて!! 私はむしろパンツを押収された被害者だよ!!」

「問答無用!!」

神妙な顔つきで会話をしてたチャコだったが、パンツの行で鬼の形相となり(鬼だけに)、瞬時に間合いを詰めてミントの胸周りへとしがみつく。

「あ、あの、お姉ぇちゃん?? な、なにを???」

怒りから突然の大好きハグ。という流れに困惑するミント。
背丈の都合から、この抱きつきはミントのおっぱいにチャコが顔をうずめている感じになるので、そっち方面でもドキドキ感を煽られるだろう。

んが、この行動はそんな、なまちょろいファンシー&ハートフルな物ではない。

「秘儀。鬼っ娘鯖折り!!!」

チャコが技を叫ぶと同時に、ミシミシッ!と言う、危ない感じの効果音がミントのボディから鳴り響く。

ちんちくりんの有する妙技の一つ、鬼っ娘鯖折りがものの見事に炸裂した。

この技は相手の虚を突いた突然の流れで、効果を2重にも3重にもする恐るべき技なのだ。

やられた相手は、怒り状態からの突然のハグ?どういう事?と思考が乱され、ちっちゃい子が抱きつくという見た目にほんわかさせられ、おまけに乳部を刺激されエロ方面でもドキドキさせられる。

そんな心を乱される穏やかではない状況を瞬時に作り出し、身体の力も頭の力も抜けている所に渾身の鯖折りを決め込むのだ。鬼の腕力で。

その威力は推して知るべし。

最も、チャコはそこまで考えて行動しているわけではなく、荒ぶる本能のままに抱きつきへし折ってるだけなんだが。

強烈な鯖折りが決まったおかげで、ミントは言葉を発する事もできず、例によって例の如く、ビクンビクンと痙攣しつつ白目をひん剥いて舌を出しながら失神した。

相変わらずのやられっぷりを披露してくれるミントだったが、最後には意地を魅せた。その両手はダブルピース。
つまりアヘ堕ちダブルピースでの失神だ。見事と言わざるを得ない。

いつかエロいシーンでそれができるといいな、ミント。

「さてと、次はおっさんの番だぞぉ~」

ダメな子でも成長している事に感激していたのもつかの間、共犯者を倒したので、当然、主犯の俺へと矛先は向いて来る。

まぁ、共犯でもなんでもなくて、実際問題、ミントの言った通り、どちらかと言えば奴は強要された被害者なんだが、おパンツ野郎が俺だってバラしたから、ざまぁって事で。

「おらー!おらおらおらー!! あたしはトサカに来てるんだぞおっさん!! そこになおれやー!!」

ジャブジャブ、フック、ストレートとシャドーボクシングをしながら俺を威嚇するチャコ。

いいだろう。今度は俺が魅せてやるぜ!!

「そうだな、チャコ。お前がしっかり働いてるのに、俺はそれを邪魔した。ものすごく悪い事をしちまったな」

「お? おう。そうだぞ、邪魔したんだぞ! 悪い事だぞ!」

努めて神妙な面持ちと語りでまずはチャコのボルテージを下げる事に専念する。

「そうだな、悪い事をしたんだから謝るのが筋だ。そうだよな?チャコ?」

「そうだぞそうだぞー、謝るのが筋なんだぞー」

「だよな。でもな、悪いのは俺だけぢゃない! チャコールさんに労働を強制するような事をしたリリィも悪いと思わないか? 未だに首からプレートも下げたままだし!」

そう。ここまで突っ込まなかったが、今だにリリィからのお許しは出ず、チャコは件の罪状が書かれたプレートを首から下げたまま生活していた。

「うん?うん?ううん?? そうなのか?おティヌちゃんも悪いのか?」

「ああ、悪い! だからちょっと連れて来て二人で土下座するから! 待っててくれ!! しかもな、ただの土下座ぢゃないぞ!スライディング土下座だぞ!!ツインスライディング土下座だぞ!!」

「まじで!! まじでスライディング土下座すんの!! まぢで!! リアルで見れるのかよ!! しかもツイン!! すっげー!!」

よし。食いついた。

「ああ、ちょっとリリィ連れて来るから待っててくれ」

そう言い残して俺はリリィの部屋へと向かった。


~~~~~~~

「リリィ、入るぞー」

ガチャリ

「ふぁっこふ!! ご、ご主人様!!」

そう声だけかけて許可も取らずにドアノブを捻ってリリィ小屋に入った所、謎の発言で出迎えられた。

リリィを見やればマッパでベッドに転がっており、赤面しながら多いに狼狽している。

シーツにはうねうねしていた後も残ってるし、今更マッパを見られた所で気にするような間柄でもないので、これはもしかして自家発電三郎してた所を邪魔してしまったのだろうか??

って、おかずはリリィが自作した俺の写真集かよ・・・

もう抵抗しても無駄だから、製作については突っ込まない様にしてたんだが、そうしたらスルーを暗黙の許可だと勘違いしたのか、えらい勢いで作り始めて、いつの間にやらこの部屋の本棚、全部俺関連の創作物で埋まっちまったんだよな・・・。

ここはリリィの部屋なのか?俺の写真集置き場なのか? と聞かれたら正直どう答えたらいいのか分からないぐらいにはカオスな部屋だ。

しかも1冊1冊がすげぇ分厚いんだよな、これ。愛がすんごく、重い。

まぁそれはさておき、

「おいリリィ。服着ろ服。そしてこれも羽織れ。外出るから寒いぞ」

飼ってるモン娘の電三郎現場に遭遇するなんて良くある事なので、大して気にも留めず、そう言ってどてらを投げ渡す。

まぁ、おかずについては思う所はあるが、あえてスルーだ。

「あ、あ、あわわわ、あ、あ、あら? あー!これはご主人様愛用のどてらー! くれるのですかー!!」

リリィはと言えば、突然の闖入で初めて自家発電三郎現場を見られた焦りであわてていたが、投げ渡された物が俺の愛用しているどてらだと確認した瞬間、狂喜乱舞。

「いや、一時的に貸すだけだぞ!! 帰ってきたらちゃんと返せよ!!」

「やっふー!! いいものもらってしまいましたー!!」

「やらんぞ!やらないからな!!貸すだけだからな!!」

あああ、もうこれ絶対取られてしまうパターンだ・・・10年近く使ってて愛着あるんだが。
マッパのまま手にしたどてらをくんかくんか嗅いでめっさ興奮してるし、あーうん。ホント、普段はおしとやかなんだが、スイッチ入ったら痛い事この上ないな。この子。

「説明は後だ。ちゃんと着込んだらくんかくんかしてもいいから、早く着替えるんだ!」

「えへへ~はい~」

返事はするものの、喜びの頂点とも言える表情で惚けていて全く動く気配がないので、しかたなくベッド脇に脱いであったいつもの白装束を俺が着せ、その上から分厚いどてらを羽織らせる。

蛇部分の寒さ対策は直ぐにはできないので、外出すると言っても長い時間は予定していない。とりあえずはこれでいいだろう。

装備完了したリリィを連れて、俺はチャコの元へと急いだ。



~~~~~~~


「待たせたな」

「遅い!! こっちから迎えに行く所だったぞ!!」

「すまんすまん。リリィが電三郎してたから終わるの待ってたんだよ」

「ちょ、な! ご主人様!!」 

「お、おう。それじゃあしかたねーな」

乙女の秘密をバラされて赤面するリリィと、それに対してやや困惑しつつも素直に納得するチャコ。

ふー、危ない危ない。リリィの部屋まで来られたら俺の計画はパーになってたぜ。

「それにしても、なんでおティヌちゃんはそんなどてら着込んでるんだ?」

「そらお前、スライディング土下座なんだから危ないだろ? 俺は怪我しても痛いの我慢すりゃいいけど、リリィにそんな思いさせるワケにゃいかんだろ? もこもこガードみたいなもんだよ。どてらマンだよ」

「そっかー、もこもこガードでどてらマンは大事だよな!」

よしよし。なにも疑ってないな。アホで助かるぜ。

「んぢゃあ、一発派手なの頼むぜ!お二人さん!!録画の準備もできてるからな!!」

百万ドルの笑顔で先を促すチャコ。

「まぁ待ちな。事はスライディング土下座なんだぜ?この距離ぢゃ面白くないだろ?おもいっきりダッシュして魅せるからな!」

「お、おう」

「だからちょっとお前から離れるぜ?」

「おう」

「まだまだ離れるぜ!」

「おう」

そうやりとりしながらじょじょにじょじょに離れる俺とリリィ。

「もうその辺でいいんぢゃなイカ?」

「いやいや、まだまだ、もっとな、も~っと離れるからな。二人でスライディング土下座するんだから。な。待ってろ。な?」

「お、おう。スライディング土下座だからな、そのぐらいの距離はしかたねーよな」

間近でリアルスライディング土下座×2と言う稀有な状況を拝める誘惑からか、チャコの奴はワクワクしつつここまで全く疑わず大人しく従っている。

リリィは相変わらず自体が飲み込めていない様子だったが、長い事我が家で暮らしてる経験からか現場の空気を感じ取り、この後の展開を予想して苦笑いしつつも従ってくれている。

そして要所要所でどてらをくんかくんかしている。

俺はそんなリリィの手を引きながら玄関へと向かい、靴を履き、玄関を出た所で室内へと振り返った。

チャコの奴はいよいよ来るのかと、目をキラッキラさせながら待ち構えている。

いよ~し。そろそろ頃合だぜ。そんなチャコに向かって、ぴょんぴょん飛び跳ねながら俺は告げた。

「うっそぴょーん!! 誰がてめぇなんざに謝るかよ!! ばーかばーか!!」

一瞬の沈黙。その結果にぽかーんとアホ面で反応していたチャコはほどなくして我に返ると、

「な、なんだとコノヤロー!!騙しやがったなー!!」

と、顔を真っ赤にして赤鬼と化し、猛烈なスピードでダッシュしてきた!

「うはははは! 来た来た来たww うけるーww」

そんなチャコからダッシュで逃げて門を抜け、その横に付いている擦れて名前も読めなくなったボロい木の表札をパカリと上へと開けると、下にある家の結界レベルを制御するスイッチの威力上昇ボタンをビコビコビコビコMAXに向けて連打する!!

家の結界は普段は低か並ぐらいに抑えてあり、モン娘の生活に支障が出ない範囲に調整してあるが、この威力は有事の際には誰でも操作できる様になっていないといけない為、室内と室外、両方に制御スイッチがある。

主に室内のスイッチは内部でトラぶった際にブリーダー自身が起動する用で、室外のスイッチはなんらかの事情でブリーダーが対応できない場合に、外部の人間が操作する用だ。

まぁ、明確な区切りがあるワケではないが、そういった物が開業時にはきちんと設置されているか見取り図面に記して行政に提出しなくてはならない。

そのスイッチが家の場合は表札の下だったと言うわけだ。

「ふははははは! 日本の結界は世界一だぜー!!!」

「ぐぬぬぬぬ! このクソ親父がぁぁぁ」

玄関先で怒り顔のまま固まってるチャコ。最大レベルに達した結界は中に居る魔物に多大な重圧を与え、その力も削ぎ落としていく。

リリィを連れ出したのは、家の中だとダメージを受けてしまうからだ。なにもしていないリリィにそんな苦痛を味わわせるわけにはいかないし、調子を崩したら大変だからな!

まぁ、鬼神の領域に片足を突っ込んでいるチャコにとっては、最大出力にしても大した影響はないが、出入り口の硬さだけは別格。

ドーム状の境界部分はかなり頑丈な作りなので、神属であっても容易に破れるものではない。

神属よりは数段劣る鬼神属に片足を突っ込んでる程度のチャコなら、マズ破れないだろう。

「はっはっはー。お前はそこでずっとぐぬってろよー。俺達は外で美味いもんでも食ってくるからなー」

勝った!勝ったぜ!!ミント以上に魅せてやったぜ!!

まぁ、我ながらナニに対して勝ったのかは良くわからんが。

そうして、ひらひらと手を振りながら結界の境界でわなわなしているチャコに背を向けた直後、

「鬼っ娘パーンチ!」

と言う掛け声と合わせて、ドーンと言う轟音と地響きが。

少しの間を置いて再び「鬼っ娘パーンチ!」と言う掛け声と共にまたもや轟音。

振り返ってみれば、どうやらチャコの奴が猛り狂って、ちんちくりん妙技の一つ、鬼っ娘パンチを結界に向けて連打してる模様。

この技はチャコの鬼力(魔力とかオーラとかなんかそんな感じの物)を拳に集めてぶっぱなす右ストレートだ。

ふざけた名前に反して、鬼神モドキの放つそれはビル一つぐらい楽々崩壊させる威力がある。

んが、所詮はその程度。

この、偉い結界師先生に高いマネーを払って張った我が家の結界(商品名ミノムシ)のMAX状態を破れる程ではない。

ないのだが・・・

彼奴が「鬼っ娘パーンチ!」と叫んで一発当てる度に、めきょ!とかミシ!っとかって言う不穏な音が聞こえて来るんですが??

そしてとうとう、10発目の「鬼っ娘パーンチ!」でバリーン!と言うよろしくない音が鳴り響いた。

結界を見れば、無残にも砕け散り消滅していた・・・おーまいがー。

これ、いくらしたと思ってるんだよ・・・

ちょっとしたお茶目がとんでもない悲劇を招いてしまった!!!

「よう、おっさん。念仏は唱え終わったか?」

破壊した本人は全身が青白い発光に包まれ、怒りMAXだ。

この状態はスーパーチャコちゃん化と呼ばれている。ようはスーパーサ○ヤ人みたいな物だ。

鬼属には檣頭電光器官と呼ばれる電気を発する臓器があるのだが、多くの種族で退化する傾向にあり、実用化レベルで使えるのはそれに特化して進化した雷様ぐらいだ。

人間で言えば盲腸みたいな物だと思ってくれれば分かりやすいだろうか。

んが、怒りのエネルギーと言う奴は、二次元共々、リアルでもしばしば常識を覆すようで、チャコの奴も数年前にこんな感じでからかったら、ブチギレて、檣頭電光器官を利用した能力に目覚めてしまった。

まだまだ意識して使いこなせる物ではないので、こうやって怒りがMAXになった時しか発現しないのだが、そうか、スーパー化する程にキレちまったか。

それでも結界がぶち壊されるとは思わなかったぜ・・・日々食っちゃ寝している鬼娘でも成長してるんだな。

この状態は非常にやっかいで、単純なパワーアップに加え、磁力を利用して飛んだり跳ねたり石を飛ばしたり等々、色々できるので、クソめんどくさい事この上ない。

おまけに触ると痺れるので、パンチやキックを入れるとそれだけで俺にもダメージがある。

つまり俺のアビはチャコ相手ではただでさえ軽減されるのに、なおさら使い辛い物になると言う事だ。

まぁ、そんな事はどうでもいい。問題は結界だ。結界を張り直さない事にはファームを名乗ることすらできねぇ。

しかも飼育しているモン娘を押し込める事ができるレベルの結界を張らなくてはならない。

トラとかライオンを飼う時には専用の檻を作って、強度が基準を満たしてる事を確認してからでないと飼育できないって言うルールと同じだ。

てか、現時点で最高レベルの結界だったのに、これ以上のモンを用意しろとか、無理ゲーだろ!! 資金的にも技術的にも!!

「さぁ~て、怒りの鬼っ娘パンチをぶちかましてやんよ、歯ぁ食いしばれよ、おっさん!」

そう言って、今までとは比べ物にならない速さで突撃してくるチャコ。

てかよ、よくよく考えてみたら俺悪くねーし! 元はと言えばコイツがじゃぶじゃぶじゃぶじゃぶ課金しまくったのが原因だろ?

おまけによくわからんブラックな職場でポリス相手に問題起こしたのもコイツぢゃん!!

ミントのパンツまで被るハメになって、変態のレッテルまで貼られて、明らかに俺の方が被害者ぢゃん!!

だんだん腹が立ってきたぜ! こうなったら今日は久々に全力で相手してやるわ!!



こうして、周囲の御宅に甚大被害を出しつつ、久々の大喧嘩となった。

もちろん。その弁償代として借金が増えたのは言うまでもない。


追伸・
すっかり忘れていたが、破壊されたとは言え、ミノムシのMAX状態を食らった事によりミントはぺちゃんこになっていた。(復活した後の第一声はぺちゃパイになったらどうするのさ!だった)

因みにリリィはこの間、ずっと着込んだどてらをくんかくんか嗅いでいた。

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