朝起きたら夢の世界

魔王

「次郎、次郎起きて」

「うるさいなわかった...！な......なんで葵がいるんだよ！」

「来ちゃった」

「来ちゃったじゃないよ」
次郎が目を覚ますと葵を目の前にいる。

「これは夢だ夢だ絶対夢だ」
試しに頬をつねってみた。夢だった。
現実は朝の4時だった。
少しホッとした。正夢だったらどうしようと不安の気持ちもあった。
下に降りてリビングに行くとロングの髪の女の子がいた。

「あっ次郎起きてたの」

「本当だった......」

「えっなんか言った？」
そうさっき見た夢は正夢。葵が夢を操作していたらしい。次郎の治療らしい。

「今日からここに住むからよろしく」

「えっ...えー」
俺は好きな人と一つ屋根の下で住むことになった。嬉しいような不安な複雑な気持ちになった。

ーー翌日

「じっちゃんおはよう」

「じっちゃんってなんだよじいちゃんみたいじゃないか」

「次郎だからじっちゃんそれは置いといて今日から本格的な治療始めるから」

「わかった」
嬉しくてにやけてしまった。なぜ治療を急ぐかというと5年以内に治ならなければ死ぬからだ。

学校に登校すると男子からの視線が半端じゃなかった。コソコソ陰口を言われてる気がした。
でも俺は何も気にしない。だって好きな人と屋根の下で住むことになったのだから。

「次郎視線感じないのか。」
ガブリエル淳平は飽きれた顔で言った。

「うん 気にしない」
本当に気にしていなかった。
俺はずっと授業中も休み時間も葵を見ていた。
いわゆる変態になる直前。

「キーンコーンカーンコーン」
六時限目の終わりのチャイム。

「治療のため国際特別機関に行くわよ」
唐突に言われたので不安だった。

「それで本当に治るのか？」
治るのならばなんでもいい。  

「1%の確率で治るわよ」

「1%！！」
あまりの確率の低さに驚いた。

治療室に着いた。そこには手術台みたいなものが置いてあった。俺の推測だと多分そこに寝て誰かが夢に入り込み治療するのだろう。
その推測は当たっていた。

「治療するからそこに寝て私が夢に入り込むから」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「あっじっちゃん気づいた。」 

「ここはどこだ。」

「ここはじっちゃんの夢の中よ」 
夢の中はアニメの異次元のような世界だった。
魔術士や剣士などが町中に歩いていた。
ハロウィンの仮装どころのできではない。

「ここで魔王ジョセフを倒せばじっちゃんの病気は治るわよ」

「魔王ってなんだ？どこにいるんだ？」

「それはもちろん魔界にいてここは光界というところだよ。魔王は魔界の理事長みたい奴だよ。凄く強いから倒すにはとても時間が必要だよ」

夢の中光界の中での生活が始まる。