Boren 伝説の始まり

観月蓮

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一章 誕生

産声

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今回登場するキャラのプロフィール
トキ モモの配偶者であり龍蛇人で、イト国の近衛隊長。
モモ トキの配偶者であり龍蛇人モデル。最近は驚異の晴れ人として、とても有名。
医者 キョウで一番の医者。名前はカワ。
看護師 名前はフネ。
猫好きのタケ 武器屋を巨人の血が少し濃ゆい人間の妻と営んでいる竜人。
イチゴ 2ヶ月前に子供を出産した龍蛇人の友達。ワカの配偶者で、イチゴたちとは妊娠おめでとうパーティで出会った。
ワカ イチゴの配偶者。イチゴと2人で野菜を売っている。




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ここから本編



 妊娠してから1年と半年後、庭のアジサイは上手く夏越えが出来ていた為まだ咲いていた。そんな時、陣痛が来た。モモとトキは、医者に陣痛の前におしるしと呼ばれものが出ると聞いていたがそれは来なかった。その為何事かと一瞬思い、モモはトキに言った。

 「なんか、お腹がやけに痛いんだけど、これなんだと思う?」
 「もしかして、陣痛じゃないかな。ほら、お産が近づくと陣痛が来るって聞いたじゃない」
 「それは知ってるのよ。だけど、おしるしが来てないの」
 そう言った直後、また陣痛が来た。
 「痛い」
 痛みを堪えながら言った。
 「大丈夫?」
 「大丈夫。本当に陣痛かもね。また来たってことは」
 「ならすぐに病院に行かないと」
 「いや、まだよ。もう少し痛くなったり、規則的になったりしないとダメみたいなの」
 「そうなのか。なら、近くにいるから何かあったらすぐに言ってね。」
 それから数時間後、外は昼から夜になってきた頃。モモは言った。
 「トキ、お腹結構痛くなってきたし、規則的になってるみたいだから、病院に行こうか」
 「わかった」

 そういうとすぐにトキはモモを連れ、庭に行った。その後、トキは龍蛇に変身し、上半身の服はネックレスに下半身は鞍に変え、モモは背中に乗った。キョウは基本的に飛行が禁止されている。また、竜人も同じである。だが、出産が近づいた妊婦を運ぶ場合は良しとされていた為であった。
 「大丈夫かしら」
 「大丈夫さ」
 そういうと、トキは体の下部を波打たせ、竜巻を起こし飛び立った。ビューボオーーーと風を切る音が耳に響く。その音はまさに轟音であり、周囲一帯に響いた。これは飛行が基本的に禁じられている理由の一つでである。

 なるべく高くまで浮上した後、病院を目指した。やはり、高いところから見る夜の町並みは綺麗であり、夜空に光る城は絶景であった。景色に見とれていると歩いて30分かかる病院に10分で着いた。スピードを出せばもっと早く着けたがモモとその子のためにスピードを落として飛んでいたからであった。

 病院に着いてからは早かった。龍蛇の状態で来たため、すぐお産の為に来たとわかったからであった。テキパキと準備がなされ、すぐ陣痛室に入った。ご飯を食べたり本を読んだりして、数時間経った後に分娩室に入った。

 それからまた少し経った。
 「吸って~。吐いて~。吸って~。吐いて~」
 看護師が言う。その声に併せて息を吐く。
 「す~は~。す~は~」
 「モモさん、もう少しですよ」
 汗びっしょりになっているので、トキが顔を拭き、モモはまた息を吐く。
 「す~は~。す~は~。」

 --なんか液体が出てきてる。これはもしかして、破水?
 「もしかして、破水してますか?」
 「はい。破水していると思います。もう少しですね。頑張りましょう」
 そう医者が言った後今度は、何かが出ていくような感覚にモモはなった。
 --なんか貯まりにたまった大を出してる感覚だわ。
 「頭が出てきていますね。もう少しです。せ~の。吸って~。吐いて~。吸って~。吐いて~。」
 「す~は~。す~は~。」

 その時だった。
 「おぎゃあ。おぎゃあ。おぎゃあ」
 「モモさん、トキさん、元気なお子さんですよ」
 そう言うと医者はへその緒を切り、赤ん坊を布で包んでモモに見せた。その姿はトキとモモに似て綺麗な白い髪であり、目は力強く、とても可愛らしい顔の持ち主であった。また、他の赤ん坊と同じように爪は長く、髪は赤ん坊にしては長い方であった。

 モモは看護師たちに部屋へと運ばれ、トキはそれを見守り部屋に入った。
 「モモ、どうする?名前決めてなかったよね。」
 モモは、はっとした。何故ならあれだけ待ち時間があって本を読んだりしていたのに考えていなかったからだ。
 「う~ん。何がいいかな?」
 「ならオリジンとかはどうかな」
 ももは要素外の答えに一瞬ぽかんとしてしまった。
 「むむ、なんでオリジン?イトらしくないけど」
 「まぁ、確かにそうだね」
 そういうとトキは少し間を開けモモの横で寝ている赤ん坊を手に抱えて言った。
 「オリは織りを成すのオリで、ジンは神々しかったから神のジンがいいかなってね。そう思ったんだ。まぁ思い付きだから他の名前でもいいよ。」
 「神のジンじゃなくて、仁のジンならいいと思う」
 「そうか。なら織りを成せる仁義の人になって欲しいという意味をこめてオリジンにしようか」
 ーーやけにあっさりと決まったな。問題はオリジンがこの名前を気に入ってくれるかだが。
 
 それから、数日後モモは退院した。また数日後の土曜日出産おめでとうパーティーを猫好きのタケが催してくれた。その日は家に色々な人々がお祝いをしに来た。勿論、猫好きのタケや二か月程前に子供が産まれたばかりのイチゴと、その配偶者のワカも出席していた。

 お祝いを皆言い終え暇をしているときにタケが話しかけてきた。
 「本当におめでとう。念願の子だもんな。名前は何にしたんだ?」
 タケが言うとトキが答えた。
 「ありがとう。決めかねていたが結局、名前はオリジンにしたんだ」
 「へぇ~。まさかクロスターンの名前が好きだったとは思わなかったよ」
 「いや、違うんだ。オリジンはちゃんとイトの言葉の意味があるんだよ。織りを成せる仁義ある人になって欲しいっていう」
 「そうなのか。まぁ最近の流行りみたいな感じだな。確かマリン王子の名前もそんな感じで決まったらしいからな」
 「それは、気づかなかった。マリン王子と同じように名前が付けられたとなれば光栄だ」
 「そう捉えるか。まぁ幸せにしろよ」
 笑いながらタケは言った。

 モモにはイチゴが話しかけてきた。
 「モモさんは、子供産んだ実感ありますか?私まだ湧いてなくて」
 「そうなのね。私はだんだん湧いてきていると思う。二か月は大変だった?」
 「そうですね。ワカが幸い家で仕事しているので、結構色々としてくれているので、大変ですけど大丈夫ですね」
 「それでも大変なのね。大丈夫かしら私。やっぱりお手伝いさんを雇おうかしら」
 「モモさん達はお金持ちですし、その方が良いと思います。あと、流石に近衛隊長は休めないですし」
 「そうね。トキに相談してみるわ」
 
 その後、皆に赤ん坊の名前を発表し、頼んでおいたモモお気に入りの定食屋、カツヤマ定食の定食を食べて解散した。

 「それからはオリジンの覚えてる通り。どうだった?」
 話に夢中でオリジンが寝ていることにモモは気が付かなった。
 「やっぱり寝てる。チュ」
 モモは、オリジンの額にキスをし、寝顔を数秒確認して部屋を出た。
 「おやすみなさい」



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次回からオリジンが本格的に動きます!乞うご期待!!
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