お付き様のおもわく

三々 こころ

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5-3. 法政会議(三) 触手キタ━(゚∀゚)━!

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 会を開いて半刻が過ぎようとしていた頃。


 何かに胸を締め付けられるような気がして、桃雪はびくりと背筋を伸ばした。

 内側から席を誘うような、というよりかは、物理的に何かに抱きつかれた感じに近かった。

(なんだ?)

 しかしその時、桃雪は隼樺と改案方針の最終確認をしていたため、、口にすることはできなかった。

「…でよろしいですね?」
「…ああ」

 では、と隼樺が大臣たちへの告知を促す。
 気づいたときにはもう遅く、桃雪は話し始めていた。


「したがって、住居地特に風俗を生業としているあたりの一帯は、治安向上のために…」

 重ね着の薄いところから突然、胸にくりっと力がかかった。


「っ…」

 肌着に擦れたのではない。
 胸の締めつけはさっきより酷くなっているし、その何かは明らかに人為的に、繰り返しその頂をなじった。


「っ…国路、開通に建設費を、割く」


 痴漢にでも遭っているような不快感に抗じて、一文言い切ったときだった。

 一層胸を漁る手つきが激しくなったと思った途端、ずるっとした感触のものが一気に、桃雪の背中から衣服の中に侵入した。

(なんだこれ…!)

 水に濡れ、しかしその何かはそれ自体でぬらぬらと粘度をもって桃雪の首筋をまとわった。
 「何か」は脇腹を伝い、ずるずると桃雪のからだ全体に粘着する。
 桃雪は、払おうにもすべて何枚も内側の布の中で起こっていることなのでどうすることもできない。

 そのうち、漢服の袴の上からも到達した脚のようなものが、少々彼が腰を中折っていた原因とされるものを慰め出した。
 驚いてばかりの桃雪だったが、不意にその動作が茶会での隼樺との出来事を彷彿とさせた。

(ちがうっ)

 勝手に起こった生理現象に、必死で山になったところを潰そうとする桃雪はしかし、いきおい強い力で肩甲骨をつかまれた。
 そこの皮膚はなんだか吸われたようにひりひりした。

(吸盤…?)

 その感覚を例えてみる。

 いきなり起こったことだが、どう考えても桃雪を襲ったそれは形が普通ではなかった。

 今もぬめっとしたものは桃雪の背中全体に張りつき、側鎖とも言うべきか似た感触をした大小の管がずるずると身体を降りてきていた。

「…桃雪さま」

 隼樺の声がする。

「奥の大臣が、そのための税はどうするのかと訊いています」
(まだ言うべきことは、あるのに…!)

「…いま、いう」


 なんとか返事をしたとき、ずるんっと何者かの手が褌に滑り込んだ。
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