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めでたしめでたし 2
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996年6月6日、目覚めた神、聖ミカガミ様乱心。
デミの集団を率いて第0番宮殿になだれ込んだ。
神様に逆らうこと許されず、
人々はなすがままに宮殿を開け渡した。
その後デミと彼は、天子様以下職員を人質に取り、
零番宮に立てこもる。
立てこもりから五日、彼らから要求は未だなく、
世間は不穏で緊張のある生活に慣れ始めていた。
***
「兄さま、シンヤさんどうしてこんなことしちゃったんだろ?」
朝食のテーブルを囲むエリカは口に出した。
テレビの向こうには零番宮が映し出されている。
すべての門は固く閉ざされ、沈黙と共にたたずんでいた。
「わからないよ」
サラダを口に運ぶその手を止める。
「シンヤさん、罰されちゃうのかな?」
「僕たちでは神様に罰を与えられないから大丈夫さ」
そこで会話は途切れて、カチャカチャと食器とフォークの当たる音だけが響く。
そのまま淡々僕らは食事を終えた。
「さあ、時間だ」
時計を見て僕はたちあがる。
「こんな時でも。お勤めに行かなきゃならないの?」
エリカは今更ながらに尋ねる。
「天子様が、僕らの内なる彼女を通してお伝えしてることだ。今まで通りに過ごすこと。それはシンヤ達も許容してる。エリカも学校に行く時間だよ」
そう言って彼女を急かした。
食器を洗い終わるころに、エリカが学校へ行く準備を整えて降りてきた。
「兄様…」
いつもはそのまま玄関のほうに向かう彼女がリビングに顔を出す。
「このままでいいのかな?」
控えめな声で言った。
「僕たちにできることなんてないよ」
「でも、私も兄様もシンヤさんのお友達でしょ?シンヤさんは何の理由もなくこんなことする人じゃない。シンヤさんが何かに悩んでこんなことしてるなら、力になってあげるのは私たちだと思うの」
彼女の言葉は全く持って正しい。
「そうだな」
僕は短く答える。エリカはその言葉に満足したのか微笑んだ。
「うん、私シンヤさんの為にできること考えてみる。シンヤさんの為に何かしてあげたい。友達だもん」
それから僕に尋ねる。
「兄さんはどうしたいの?」
僕はどうしたいのだろう。もちろんシンヤの力になりたいという気持ちはある。
でもそれは友達とはそういうものだと、
内なる彼女が演算した結果の感情かもしれない。
いや、やっぱりこれは僕の意思だ。
あるいはそんなことどちらでもいいのかもしれない。
思考はグルグル回って考えるのを放棄する。
頭を遮断して、心に聞いた。
そう、これが純粋な僕の感情であるかなど関係ない。
結局、僕はそうせずにはいられないのだ。
「…うん」
とようやく僕は小さくつぶやく。
エリカは考えを巡らせる間にとっくに玄関に向かっていた。
僕の返答はただ僕の口から出て、僕の鼓膜から入って、
僕の心を揺らした。
僕も彼の為に何かをしてあげたかった。友達だから。
デミの集団を率いて第0番宮殿になだれ込んだ。
神様に逆らうこと許されず、
人々はなすがままに宮殿を開け渡した。
その後デミと彼は、天子様以下職員を人質に取り、
零番宮に立てこもる。
立てこもりから五日、彼らから要求は未だなく、
世間は不穏で緊張のある生活に慣れ始めていた。
***
「兄さま、シンヤさんどうしてこんなことしちゃったんだろ?」
朝食のテーブルを囲むエリカは口に出した。
テレビの向こうには零番宮が映し出されている。
すべての門は固く閉ざされ、沈黙と共にたたずんでいた。
「わからないよ」
サラダを口に運ぶその手を止める。
「シンヤさん、罰されちゃうのかな?」
「僕たちでは神様に罰を与えられないから大丈夫さ」
そこで会話は途切れて、カチャカチャと食器とフォークの当たる音だけが響く。
そのまま淡々僕らは食事を終えた。
「さあ、時間だ」
時計を見て僕はたちあがる。
「こんな時でも。お勤めに行かなきゃならないの?」
エリカは今更ながらに尋ねる。
「天子様が、僕らの内なる彼女を通してお伝えしてることだ。今まで通りに過ごすこと。それはシンヤ達も許容してる。エリカも学校に行く時間だよ」
そう言って彼女を急かした。
食器を洗い終わるころに、エリカが学校へ行く準備を整えて降りてきた。
「兄様…」
いつもはそのまま玄関のほうに向かう彼女がリビングに顔を出す。
「このままでいいのかな?」
控えめな声で言った。
「僕たちにできることなんてないよ」
「でも、私も兄様もシンヤさんのお友達でしょ?シンヤさんは何の理由もなくこんなことする人じゃない。シンヤさんが何かに悩んでこんなことしてるなら、力になってあげるのは私たちだと思うの」
彼女の言葉は全く持って正しい。
「そうだな」
僕は短く答える。エリカはその言葉に満足したのか微笑んだ。
「うん、私シンヤさんの為にできること考えてみる。シンヤさんの為に何かしてあげたい。友達だもん」
それから僕に尋ねる。
「兄さんはどうしたいの?」
僕はどうしたいのだろう。もちろんシンヤの力になりたいという気持ちはある。
でもそれは友達とはそういうものだと、
内なる彼女が演算した結果の感情かもしれない。
いや、やっぱりこれは僕の意思だ。
あるいはそんなことどちらでもいいのかもしれない。
思考はグルグル回って考えるのを放棄する。
頭を遮断して、心に聞いた。
そう、これが純粋な僕の感情であるかなど関係ない。
結局、僕はそうせずにはいられないのだ。
「…うん」
とようやく僕は小さくつぶやく。
エリカは考えを巡らせる間にとっくに玄関に向かっていた。
僕の返答はただ僕の口から出て、僕の鼓膜から入って、
僕の心を揺らした。
僕も彼の為に何かをしてあげたかった。友達だから。
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