醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ

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前世の私はエステティシャンだった。それも凄腕でこのサロンにはゴットハンドがいると、口コミでどんどん顧客が増えるほど。

ボディもフェイシャルも施術に入るのは大好きだった。
ボディの施術は1回で目に見える結果が出るのが楽しすぎた。解剖学を勉強し、骨格や筋肉、血管にリンパを指先で感じながらその人それぞれに合わせてお手入れをした。だから結果の出る早さも段違いだった。
フェイシャルの施術も1回で目に見える結果を出すのが私のポリシーだった。首回りから頭皮の凝りや張りをほぐし、その後に顔の筋肉、リンパ、骨格を触っていく。ただの気持ちいいだけのフェイシャルではなく、確実に変化が分かり3~4回の施術で周りから痩せた?と言われるほどでエステ以上整形未満だと言われていた。


この世界に転生したとき、化粧品類が全くといっていいほどない事に愕然とした。クレンジングもない、化粧水もない、クリームもない、乳液もパックもないないない!!!それでいいのか!!世の女性たちよ!!いや、いいわけないだろ!!!

子供の私が野山を駆け回り集めた薬草や実、穀物や野菜類などで、化粧水やクリームなどを作り上げた。最初の実験台は当然お母様や我が家の使用人たちだった。特に使用人たちは日に焼けて乾燥気味だったので効果は覿面てきめんだった。

ある時家に出入りする商人から、魚も住まない死の池があると聞いた。ま…まさか…。ここにもあるの?が!?その場所を聞いて、馬で単身爆走した。1週間かかってたどり着いたそこに、前世では有名すぎる美容では欠かせない、を見つけた。

私はをそれを持ち帰り、お母様のお手入れの時に全身に使ってみた。お母様の感動たるや、それはもう凄かった。その日の夜会で、とぅるんとぅるんの全身艶やかなハリと肌理きめで会場中のご婦人方の目を釘付けにした。それはもう、その秘密を探ろうと血走った目で詰め寄られたと言っていた。やっぱりどこの世界でも、女性の美にかける気持ちは変わらないんだなー。

それから私は、商会を立ち上げ美容に特化した商品を取り扱った。当然子供の私ではダメなのでお父様に協力してもらったけども。
商会ではクレンジング、ウォッシング、化粧水、美容液、乳液、クリーム、薬草パックなどを取り扱い、飛ぶように売れた。
そして…そう、死海デッドシーの泥を使ったマッドパック。これは取り扱いが難しいので私が直接施術する人にしか使用しないスペシャルケアとして、知る人ぞ知るお手入れとなっている。
よく肌の状態や体調などを見ながら使用しないと、痒みや赤みが出るため見極めが難しいから。


そうして、エステティシャンに必須の化粧品類を手に入れた私は自重することなくその腕を振るうことができるようになったのである。







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