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爽やかな晴天の中。艶やかなサラサラの黒髪に紫水晶のような瞳、透明感のあるシミひとつないお肌、うるうるぷるぷるな桜色の唇に、ほんのりとピンクに色づく頬。何よりもその美しさを際立たせる内側から溢れ出す自信。
わずか4ヶ月前に出会った頃の貞◯と大違いである。
私の施術を受け続けた結果、劇的ビフォーアフターを遂げたお嬢様。その施術中に痛い痛いを連発し、大きな声を出し続けた弊害なのか、とてもしっかりと腹から声が出るようになった。蚊の鳴くようなポソポソと話をしていたお嬢様はもうどこにもいない。
顔を隠すこともない、背筋もピンと伸びて全身から滲み出る気品と自信により、周りの男性陣がソワソワしている。
そして私たちの目の前には、頬を朱に染めた公爵家のボンボン、もといお嬢様の婚約者の姿。人が恋に落ちた瞬間をこんな間近で見れるなんて思わなかったわ。
「美しい御令嬢。ぜひ私にあなたの名を教えていただけませんか?」
完全に色ボケした公爵家のボンボンの横には、推定ヒロインが顎が外れそうなほどポカーンと口を開けてこっちを見ている。
あれ?推定ヒロイン、次は公爵家のボンボン狙いだったのね。ってことは、ウチのお嬢様ってば根暗な悪役令嬢役だったってこと??陰気なオーラを出しつつ生霊となってヒロインを呪おうとするリアル呪怨、あのホラーな悪役令嬢??あらー全然気づかなかったわー。
「いやですわ。わたくし、あなたの婚約者ですよ?」
そう答えた瞬間、隣の推定ヒロインと同じくらい顎が外れそうなほどパカーンと口を開けて固まった。
仮にも公爵家の人間がそんな間抜け面していいの?
ウチのお嬢様の可憐さと清楚さと美しさに平伏すがいいわ!!暴言吐いたその口でどんなことを言うのか楽しみよのーう。
ふふふふふ…と、低い地の底を這うような笑い声が出てたようで。
イケナイイケナイ。私ハ侍女。魔王チガウ。
「は?え?う…嘘だろう?何でアレがこのような美しい女性になるんだ!?」
「まぁ、わたくしのことを美しいと仰っていただけますの?」
「と…当然だろう!誰が見ても美しいと言うだろう!!本当に…どうやって…?」
「それは、わたくしの侍女のおかげですわ。お陰で自信がつきましたの。わたくし、あなたの隣を歩くことは許されますか?」
「も…もちろんだ!!そなたの努力を尊敬する。こんな短期間で変わるほど、とてつもない努力をしたのだとわかる。その頑張りは尊敬に値するよ。かつての愚かな私をどうか許してほしい」
「謝罪を受けとりますわ。あなたのために、少しでも美しくなれるよう頑張って本当によかったですわ」
ふふっと笑った笑顔に、完全ノックアウトのボンボン。顔が真っ赤で鼻血出てますよー。
隣でイチャイチャし始めた婚約者の二人を呆然と見つめる推定ヒロイン。何だかかわいそうになっちゃったけど…人のものを盗る、ヨクナイ!
そして私は…
侯爵家での依頼を完了し、次なるお屋敷へ…
さぁ、次はどんな方かしら?
楽しみだわ…
ー完ー
わずか4ヶ月前に出会った頃の貞◯と大違いである。
私の施術を受け続けた結果、劇的ビフォーアフターを遂げたお嬢様。その施術中に痛い痛いを連発し、大きな声を出し続けた弊害なのか、とてもしっかりと腹から声が出るようになった。蚊の鳴くようなポソポソと話をしていたお嬢様はもうどこにもいない。
顔を隠すこともない、背筋もピンと伸びて全身から滲み出る気品と自信により、周りの男性陣がソワソワしている。
そして私たちの目の前には、頬を朱に染めた公爵家のボンボン、もといお嬢様の婚約者の姿。人が恋に落ちた瞬間をこんな間近で見れるなんて思わなかったわ。
「美しい御令嬢。ぜひ私にあなたの名を教えていただけませんか?」
完全に色ボケした公爵家のボンボンの横には、推定ヒロインが顎が外れそうなほどポカーンと口を開けてこっちを見ている。
あれ?推定ヒロイン、次は公爵家のボンボン狙いだったのね。ってことは、ウチのお嬢様ってば根暗な悪役令嬢役だったってこと??陰気なオーラを出しつつ生霊となってヒロインを呪おうとするリアル呪怨、あのホラーな悪役令嬢??あらー全然気づかなかったわー。
「いやですわ。わたくし、あなたの婚約者ですよ?」
そう答えた瞬間、隣の推定ヒロインと同じくらい顎が外れそうなほどパカーンと口を開けて固まった。
仮にも公爵家の人間がそんな間抜け面していいの?
ウチのお嬢様の可憐さと清楚さと美しさに平伏すがいいわ!!暴言吐いたその口でどんなことを言うのか楽しみよのーう。
ふふふふふ…と、低い地の底を這うような笑い声が出てたようで。
イケナイイケナイ。私ハ侍女。魔王チガウ。
「は?え?う…嘘だろう?何でアレがこのような美しい女性になるんだ!?」
「まぁ、わたくしのことを美しいと仰っていただけますの?」
「と…当然だろう!誰が見ても美しいと言うだろう!!本当に…どうやって…?」
「それは、わたくしの侍女のおかげですわ。お陰で自信がつきましたの。わたくし、あなたの隣を歩くことは許されますか?」
「も…もちろんだ!!そなたの努力を尊敬する。こんな短期間で変わるほど、とてつもない努力をしたのだとわかる。その頑張りは尊敬に値するよ。かつての愚かな私をどうか許してほしい」
「謝罪を受けとりますわ。あなたのために、少しでも美しくなれるよう頑張って本当によかったですわ」
ふふっと笑った笑顔に、完全ノックアウトのボンボン。顔が真っ赤で鼻血出てますよー。
隣でイチャイチャし始めた婚約者の二人を呆然と見つめる推定ヒロイン。何だかかわいそうになっちゃったけど…人のものを盗る、ヨクナイ!
そして私は…
侯爵家での依頼を完了し、次なるお屋敷へ…
さぁ、次はどんな方かしら?
楽しみだわ…
ー完ー
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