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第六話
しおりを挟む「おっしゃ!やっとスキルレベルがCランクに上がった!」
まさしは自分の手を見つめ、スキルの力が強まった感覚を確かめる。スキル「3Dプリント」で作成するものは、今後すべて自動的にCランクの性能を持つようになった。ランクが上がることで、道具そのものの耐久性や能力も大幅に向上するのだ。
「Cランクともなると、普通の道具でも付加効果がつくかもしれないな。よし、早速試してみよう!」
Cランク道具の実験と防衛強化
まずまさしは、農具や簡単な道具を生成してテストすることにした。
「『Cランク鍬』、お前はどんな感じかな?」
まさしが鍬を手にすると、それは自然に手に馴染むような滑らかさと軽さを備えていた。さらに、触れた瞬間、手に「耐久力+30%」の効果が浮かび上がった。
「おお、やっぱりランクが上がるとこういう能力が付くんだな!これなら畑仕事も楽勝だ。」
鍬で土を耕すと、柔らかくほぐれた土が一瞬で広範囲に広がった。まさしは満足げに頷く。
「次は防衛だな。今度はBランク並みのゴブリンが来ても耐えられるようにしないと。」
防衛システムを見直したまさしは、以前の罠を解体し、新たに「Cランクトラップ」を作り上げた。
「さて、これでどうなるか…」
装置を起動すると、まさしが作成した自動防衛装置は周囲の魔物を感知し、一瞬で矢を発射する仕組みを備えていた。性能が大幅に向上し、効果範囲も広がっている。
「よし、これで安心して寝れるな。これからもっと強い魔物が出てきても余裕だ!」
グリンの大活躍
その日の夕方、まさしはグリンとともに畑の準備を進めていた。すると、突然グリンが空気の変化を察知し、森の方を睨む。
「どうした、グリン?また魔物か?」
次の瞬間、小型のゴブリンが数体、森の奥からこちらに向かって走ってきた。しかし、グリンはまったく怯むことなく前に飛び出し、自信たっぷりの表情で尻尾を振る。
「お前、まさかやる気か!?無理するなよ!」
だが、まさしの心配をよそに、グリンはCランクのゴブリン相手にも圧倒的なスピードで飛びかかり、瞬く間に全てを倒してしまった。
「おいおい、またお前の実力がバレたぞ。どんだけ強いんだよ、グリン…」
自動狩り装置と次の目標
ゴブリンを撃退し、まさしはふと考える。
「もっと効率よく魔物を倒せるようにしないとな…そうだ、自動狩り装置をさらに強化しよう!」
まさしは「Cランク自動狩り装置」を生成し、畑の周囲に設置した。これで近づく魔物は自動的に排除され、経験値がどんどん加算される仕組みだ。
「いやぁ、これで魔物を倒さなくても勝手にレベルアップできるなんて最高だな。」
グリンも満足そうに跳ねている。これで畑作りも進み、防衛も完璧。まさしは村の基盤が整いつつあることを実感し、新たな目標を思い描いた。
「次は畑をしっかり整えて、種から作物を育てよう。市場に出荷できるくらいになったら、大国と取引する日も近いぞ!」
まさしはグリンとともに笑い合い、未来の村の繁栄を想像しながら夜空を見上げた。
「さて、畑もだいぶ形になってきたけど…何を植えるかが問題だな。」
まさしは畑を眺め、次なる目標を考えていた。畑にはまだ何も植えられていない。せっかくCランクの農具を揃えたのだから、何か特別な作物を育ててみたい。
「よし、森に行って種を探してこよう。どうせならレアな植物も手に入れたいし。」
グリンは耳をピクピクさせて、まさしの横で尻尾を振っている。
「お前もついてくるか?まぁ、一人より頼もしいしな。」
こうして、まさしとグリンは森へと足を踏み入れた。
森の奥での発見
まさしは森を歩きながら、気になる植物を観察していた。
「うーん、この辺には普通の草木ばかりだな。せめて薬草か何かでも見つかればいいんだが。」
しかし、森の奥へ進むと、薄い紫色の奇妙な花を発見する。
「お?これはなんだ?…ただの雑草ってわけでもなさそうだな。」
花の周囲には青白い光が漂い、不思議な雰囲気を醸し出していた。
「ひょっとして、こういうのが高く売れるんじゃないか?」
まさしが摘み取ろうとしたその瞬間、背後からカサリと音がした。
新たな仲間?森の魔物との遭遇
「ん?誰かいるのか?」
まさしが身構えると、草むらから小さな魔物が姿を現した。それは緑色の毛並みと、クリクリした瞳を持つ不思議な生き物だった。
「スライム…じゃないな?何だこの可愛い奴は。」
魔物はまさしを見つめると、恐れる様子もなく近づいてきた。
「お、おいおい。俺を襲うんじゃないのか?」
しかしその小さな魔物は、まるで懐くかのように足元に擦り寄ってくる。
「こいつ、俺のこと気に入ったのか?」
グリンも興味津々でその魔物を観察していたが、敵意はまったく感じられない。
「ふむ…せっかくだし、お前も連れて帰るか。どうせこのまま放っておいても、弱い魔物に食われちゃうだろうしな。」
まさしはその魔物を抱き上げ、考え込んだ。
「よし、お前は今日から『ポコ』だ。よろしくな!」
思わぬ実力!新たな仲間・ポコの才能
ポコは可愛らしい見た目に反して、意外にも強力な力を持っていた。
「え?お前、毒の花粉を撒けるのか?」
ポコは小さな体から紫色の花粉を撒き散らし、近くの木の幹がじわじわと腐食していく様子を見せた。
「すげぇ!まさかこんな力を持ってるとは…」
グリンも驚いたように尻尾をパタパタと振っている。
「これなら、魔物相手にもかなり使えるな。よし、ポコ、お前も頼りにしてるぜ!」
ポコは嬉しそうに「プルル」と鳴き、まさしの肩に飛び乗った。
帰路とさらなる計画
森での冒険を終え、まさしはポコを新たな仲間として迎え入れることに決めた。これで畑を守る仲間も増え、防衛力はさらに強化される。
「よーし、これでグリンに加えてポコも仲間になったし、あとは畑に植える種を見つけるだけだな。」
まさしは森の冒険が成功したことに満足し、村へ戻ることにした。ポコとグリン、そして自分の「3Dプリント」スキルを活かして、村をさらに発展させる計画が頭に浮かぶ。
「次はもっと広い畑を作って、村全体を守れる防衛網を整えるか。それにしても、仲間が増えるのは楽しいな!」
こうして、まさしと仲間たちの冒険はますます充実していくのだった。
まさしは森から戻り、村に向かう途中でふと思った。
「スキルのレベルも上がったし、そろそろ家だけじゃなくて、もっと役に立つものも作るか。」
肩にポコ、隣にはグリン。仲間たちと共に村作りをさらに進化させる時が来た。
自動防衛システムを設置
「魔物が頻繁に出てくるなら、防衛も自動化したいな…お、いいこと思いついた!」
まさしは「3Dプリント」のスキルを使って、Cランクの防衛装置を作り出した。
「まずはトゲ付きの丸太を転がす仕掛けだ。これで弱い魔物は一網打尽っと。」
グリンが興味津々にその装置を覗き込む。
「さらに…この装置を複数連動させたら、村全体を守れる仕組みもいけるんじゃないか?」
ポコが「プルル」と鳴いて賛成の意を示す。
「よし、ポコ、設置場所を一緒に探してくれ!」
こうして、まさしは村の周囲に防衛ラインを張り巡らせた。丸太以外にも、魔物が通ると毒花粉を撒くトラップも設置。これで村の安全性は一気に向上した。
畑の拡張と種の選別
「さて、次は畑だな。さっきの森で見つけた種、何が育つか楽しみだ。」
まさしは畑をCランクの農具で丁寧に耕し、持ち帰った種をいくつか撒いてみる。
「うーん、この種は何が出るんだろうな?育ったらとんでもない作物になるかも?」
ポコは好奇心旺盛に畑を覗き込み、グリンも土を掘り返すのを手伝っていた。
「まぁ、どんな作物でも収穫できたら大成功だ。それにしても、こうして作るときっちりCランクに仕上がるのが助かるな。」
道具や作物のランクが上がれば、その効果も比例して高くなる。村の発展には欠かせないシステムだ。
魔物退治とさらなるレベルアップ
畑を整えた後、まさしはグリンとポコを連れて村の周辺を見回りに出かけた。
「今のうちに、まだ出てくる弱い魔物を片付けておくか。ついでにレベルも稼げるしな。」
すると、さっそくスライムの群れを発見。
「お、さっき作った道具で一気にやってみるか。」
まさしは「3Dプリント」で作り出したCランクの捕獲網を広げ、スライムたちを一網打尽にする。網は魔力を吸収する特性があり、捕まったスライムは動きを封じられる。
「おお、これいい感じだな!効率が良すぎて笑えるぞ。」
グリンは大興奮で飛び跳ね、ポコも満足げに「プルル」と鳴いた。こうしてスライムを倒し続けた結果、まさしのスキルレベルは急上昇する。
家作りとさらなる挑戦
「ふぅ…これでレベルも上がったし、今度は家をもっとしっかり建て直すか。」
まさしは「3Dプリント」のスキルを使い、Bランクの材料で家を再建することにした。
「おっしゃ、これでかなり立派な家になるはずだ!」
柱や屋根だけでなく、家具やベッドまですべてを一から生み出す。Bランクのものは耐久性も抜群で、魔物が襲ってきても簡単には壊れない。
「ついでに…畑の自動防衛システムも作っとくか。」
まさしは、弱い魔物が近づくと即座に作動するトラップを畑に設置した。これで、畑の作物も安全に育てられるだろう。
次なる目標
「よし、これで村の基盤は整ったな。次はどんな魔物が来ても大丈夫だ。」
まさしは肩にポコを乗せ、満足げに家と畑を見渡す。
「これからはもっと仲間を増やして、村をどんどん広げていこう。」
グリンとポコも、その計画にワクワクしているようだ。
「お前ら、これからもよろしく頼むぜ!」
まさしと仲間たちのスローライフは、次の展開を迎える準備が整った。大国との取引も夢ではない。果たして、この村はどこまで発展するのか――。
冒険はまだ始まったばかりだ。
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