春と恋心の短編集

すもも

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花冠

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01.

わたしの町で年に一度「花祭り」というものがある。花冠を作って、大切な人と交換するお祭りだ。バレンタインやホワイトデーにはチョコレート。花祭りにはお花。告白に使う人もいれば、家族や友達に渡すという人もいる。そんな晴れやかなお祭り。

そんなお祭り当日、わたしは花冠を見つめたまま心の中で唸っていた。ずっとずっと小さな頃から好きな人がいる。幼馴染の男の子。小さな時は一緒に遊んだのに高校生となった今では会話をしなくなってしまった。

特別何かがあったわけじゃない、自然とそうなった。小さな頃から彼は社交的で好奇心旺盛、わたしが怖くて出来ないこともどんどん向かってく姿が眩しかった。対するわたしはのんびり屋で臆病。置いていかれるのも当然なんだけど、よく手を引っ張って、知らない世界に連れて行ってくれる彼が好きになった。

今でもその思いを引きずっているなんてどうかしてる。でも仕方がない、会えば嬉しくなるし、どきどきする。うじうじと悩む自分が煩わしいのに一歩も進めない。でも、だけど、今日こそは。色とりどりの花をそっと紙袋に隠して会場へ。

暖かな陽気、それにつられたように和やかに笑っている人たち。全部がぽかぽかしているこの空気がとても好き。空はすっかりと暗くなっているのに、白い桜がぼんやりと輝いて綺麗。ライトアップで光っているのは分かっているのに、まるで桜自体が発光しているように見える。ふわりと舞った桜の花びらを捕まえて手の平に包み込む。

ここに来たものの、そもそも彼がここに居るとは限らない。でも賑やかなことが好きな人だから紛れているかもしれない。桜を手のひらに収めたまま視線を彷徨わせる。と、目があった。奇跡、まさかそんな運命のようなことがあるなんて。どきどきと心臓を弾ませながら一歩と足を進めたところで、彼が手を上げて微笑んだ。

「え?」

違う。目があったと感じたのはわたしだけだ。だって彼はわたしを見つけてもそんなふうにしない。

「もー突然迷子になってるんだもん。びっくりするよー」
「ちげぇだろ。俺じゃなくてお前が迷子になったんだろう」
「ふーぅん。ま、そーゆーことにしといてあげましょう」
「うわ。なんかすごい偉そうなこと言ってる」
「ふふふふ。ほら!これならもう迷子にならない」

駆け寄って行った女の子が、彼の手をぎゅっと掴んだ。そんな女の子を見て、彼は嬉しそうにしょうがないなーなんて笑ってる。どう見ても恋人同士の光景。…あの子、隣のクラスの岸井さんだ。朗らかで明るくて、わたしが大量のプリントを運んでいたら手伝うよと声をかけてくれた。とてもいい人。そっか、そっか、そうだよ。彼と岸井さんとてもよく似合ってる。見ているだけでみんなが幸せになるカップルだもの。そっか、そっか。うん。紙袋を持つ手に力がこもる。

「早とちり、しないでよかった」

ぽつりとひとり呟いて、桜の花を背にして灯りから逃げるように歩いていく。涙を我慢しようとして出来なくて、ぽろぽろ溢れてくる。ああ、わたし本当に好きだったんだな。あの無邪気な笑顔も、乱暴そうで優しい手つきも、小さな頃からずっと追いかけてきた背中も、好きだった。

早く家に帰ろう、両親はふたりでお祭りに行っているから、家はひとりだ。部屋まで我慢すればいいのに、涙が止まらない。自分の頬に涙がいくつも伝っていく。

会場から離れてしばらく歩いていると、キキと高いブレーキ音がして横に自転車が止まった。泣き顔を隠すようにして歩いていたのに、音で顔を上げてしまった。

「転んだの?」
「ふふ。なんですか?そんなに小さなこどもじゃないですよ?」

思いがけない言葉でつい笑ってしまった。お隣のお兄さん、好きだった彼がとても懐いている人。小さな頃わたしもよく一緒に遊んでもらった。今もこうして会えば話すほどには仲がいい。泣いていたのが恥ずかしくて涙の跡を拭う。

「小さな頃はよく転んで泣いてたろ。なんでもないところでころころ転んで、お兄さん気が気でなかったですよ」
「そうだったかな?」
「そうだったよ。そのたびにおれはだいじょうぶだーなくなーって頭をグリグリ撫でたもんだ」

そう言って頭をグリグリ撫でられる、ぐりぐり。痛くはないけど、髪ぼさぼさ。

「もう、ぼさぼさになっちゃうよ」

お兄さんなりに泣いているわたしを励まそうとしているのだろう。そんな優しさが嬉しくて、いちど引っ込んでいた涙がまたぽろぽろこぼれだす。

「はは。ほんとにぼさぼさだ。野良猫でももっと綺麗にしてるぞ」
「お兄さんがしたんでしょ」
「そうだなー」

そう言いながらもぐりぐり撫でてくる。だんだんその手が優しくなって私の頭をゆっくりと撫でた。人前でなんて泣きたくなかったのに。

「その中に入ってる花」

話題にされるとは思わなくて、びくりと肩を震わせた。

「おれが貰ってもいい?」
「ぇ?」

驚いて目が丸くなる。ぱちりと瞬きをして涙がひとつ頬を伝った。

「だめ?」
「だめなんかじゃないよ。でも…」

これは、彼へと準備したものだ。渡すことは出来なかったけれど。それを人にあげてしまうの?お兄さんはそんな花でいいのだろうか?戸惑って花とお兄さんを交互にみてしまう。

「じゃあ、こうしよう。おれが持ってるこの花冠と交換だ」

少し歪な花冠。お兄さんが器用でないことはよく知っている。だからこれはきっとお兄さんが誰か、他の女の子のために作ったものかもしれない。私は余計に戸惑う。

「それは、」

でもわたしの言葉を遮って、お兄さんはわたしの頭に花冠をかぶせた。ふわりと香る花の香り。頭から少し落ちてしまいそうになって、わたしはそれを支えるために両手で花冠に手をやった。先ほど握りしめた桜の花びらがひらりと落ちていく。

「うん。よく似合う」

満足げに頷いて、紙袋の中から花を取っていく。

「あ」
「大切にするから、大切にしてよ」

戸惑っている私をよそに、お兄さんは笑ってそのまま自転車を漕いで行ってしまった。頭にお兄さんの作った不恰好な花冠を乗せて、あたしはただ後ろ姿を見送った。涙はもう引っ込んでいた。

02.

小学生に入学した時におばあちゃんに買ってもらった勉強机に、お兄さんの花冠を乗せてお兄さんのことを考えた。どうして花冠をくれたのだろう、不器用な手で一生懸命作られたこの花冠には想いがいっぱい詰まっていた筈なのに。お兄さんももしかしたら好きな相手に断られてしまったのかもしれない。そっと好きな花に触れる、ピンクのガーベラ。他にも色とりどりの花が入っていたけれど特に目立つように飾られていてそれは3本入っていた。摘まれてもう萎れてきてしまっているのが、何だか勿体無くて、私は花冠を解くことに決めた。花冠は取っておけないから押し花にしよう、どんな経緯でここへやって来たとしてもお兄さんの気持ちを大切にしたい。

滅多に開かない大きな国語辞典を開いて、そこに数枚のティッシュを置く。ハサミで3本のガーベラの茎を切って花だけにしてからそっと優しくティッシュの上に置いてその上にまたティッシュを乗せてぱたんと閉じた。

その上の重しに、近くにあった花言葉辞典と英和辞典を乗せて、あとは乾燥を待つだけ。

「花帆!わたし、花祭りで成功したの!付き合うことになった!」

翌日の学校、きらきらした瞳でひとつ上の先輩に思いを寄せていためいちゃんがふたりが笑いながら花冠を被っているスマホ画面を見せながらにこにこ笑う。

「わ。わぁ!おめでとう」

ずっと好きだったことを知っているから、あたしも自然と笑顔になる。

「それで?花帆はどうだったの?」

幸せが満開に咲いためいちゃんの笑顔にわたしは息が詰まって表情が固まる。わたしの顔を見て察したのかめいちゃんは、眉を下げてお兄さんと同じように頭を撫でてくる。

「ごめん。無神経だった」

首を横に振るう。めいちゃんはいい子だけど、たまにこうして思ったままのことを聞いてくることがある。知っているけれど、少し傷ついた。想いが実っためいちゃんと実らなかったわたしとではあまりにも開きがありすぎる。

めいちゃんはそっと自分と彼氏になった先輩が嬉しそうに笑っているスマホの画面を閉じた。

「大丈夫だよ。平気だよ。」

言うたびに心がきゅっと縛り付けられる。昨日枯れるほど泣いたのに、まだ泣ける涙が残っているのか。あたしは泣いてしまわないように無理に笑って見せた。

うららかな昼下がりの日曜日、優しい風が吹くと花の香りがふわりと漂って、ぽかぽか陽気に眠くなりそう。そんな気持ちのいい日なのに庭の花に水をあげながらあたしはひとつため息をついた。泣いてしまうことはなくなったけれど、心にぽかりと穴が空いてしまったかのよう。

めいちゃんとも普通に話したいのに、まだ日が経っていないからと気を使われているのが分かる。他の子には新しく出来た彼氏の話をしているみたいなのに、わたしが来ると途端に止めて別の話に切り替える。気を遣っているのだとは分かっているけれど、その変な気遣いがわたしの気持ちを余計に重くしていた。もうひとつため息。

「そんなに水あげて大丈夫?」

声が聞こえてはっとする。植木鉢から水があふれて、地面に水たまりが出来ていた。

「わ。わっ」

慌てて如雨露をあげて、浸りそうになる足を退かす。

「ぬくぬく陽気だからってぼんやりしすぎると、庭がプールになるぞ」
「そこまでぼんやりしてないよ」

むう。と声をかけてきたお兄さんにむくれて見せる。

「はは。花帆ちゃんこれから時間ある?」
「え?うん」

お兄さんの問いかけに少し驚きながら頷く。

「買い物。付き合ってくれない?」
「買い物?」

首を横に傾けるわたしにお兄さんは頷いた。

「女の子へのプレゼント、誕生日が近いから送りたいんだ」

つきりと胸が痛んだ。花冠をその人に渡そうとしていたのではないの?その人に断られた?何かの事情で渡せなくてわたしに回ってきたの?

「女の子へのプレゼントよく分からないから。付き合って欲しいんだ」

あたしは如雨露をきゅっと握りしめた。

「いいですよ。準備してきますね」

無理に笑って部屋へと戻る。机の引き出しを開けると押し花にして、ラミネート加工したお兄さんから貰った花冠の欠片がある。渡したい人がちゃんと居たならばその人に渡った方がいいよね。本の中に栞を差し込んで、鞄のなかへと入れた。

準備をして玄関から出ると、お兄さんは春のうららかさにぼんやりしながら自転車に座って何処かを見つめていた。普段忘れてしまうけれど、お兄さんは綺麗な顔をしてる。春の日差しの中ぼんやりとしているだけなのに、ひとつの絵みたい。一緒になってぼんやりと見ているとお兄さんが視線に気づいて驚いたように目を丸くした。

「びっくりした」
「あ。お兄さん見ながらぼおっとしてました」
「俺に見惚れて?」

楽しそうにくつくつ笑うお兄さん。

「ふふっ、はい。普段忘れてしまいますけど、お兄さん綺麗だもの」

頷くとお兄さんは奇妙な顔になった。

「俺はかっこいいって言われたい」

幼稚園生みたいなことを言いだして笑ってしまう。

「カッコイイ、カッコイイ、お兄さん、かっこいい!」
「大人をからかうな」

頭に軽いチョップを受けた。お兄さんの顔がほんのりと赤くてかわいいなんて思ってしまった。

03.

お兄さんは何処に行くとか、どういうものを買うのかすらノープランだったらしい。かわいいお店とか知らないからって。

「うぅん?その子の好きなものは何があるの?」
「そうだね。花が好きで自分で育てたりしてるよ、後は…うん。お菓子作りが上手だ」

ふむふむ。花もお菓子作りもわたしも好きだから力になれるかもしれない。お兄さんはきっとそれでわたしに声をかけたんだ。

「それなら、素敵な雑貨屋さんがあるの。そこなら何か見つかるかもしれないよ」

ふたりで雑貨屋さんへ向かう。お兄さんの自転車後ろにまたがって、服を掴む。小さな頃によく見た背中の筈なのに、今は背中が広くて大きくて、男の人の背中で。あたしは妙にどきまぎしてしまった。自転車の後ろからそこを右に曲がってと伝えながら、自転車が進む、桜の花びらがふわふわと舞っていて綺麗だ。

お兄さんを連れだったのは、あたしのお気に入りの雑貨屋さん。色々なものが置いてあって見ているだけで楽しい。

「意外だな」

お店についての一言がそれだった。何が意外なのだろう?と首を傾げてお兄さんを見上げる。

「いや。もっと、こう、かわいいぬいぐるみとかある場所に連れていかれるものかと」
「お兄さんが思うほど小さな子供じゃないですよ」

ちょっとむくれてみせる。

「そうか。そうだね。」

それなのにお兄さんは何故か納得したような顔で頷いた。からかわれると思っていたからちょっと拍子抜け。お兄さんの気持ちはよく分からなかったけれどお店のなかに入ることにした。休日の雑貨屋さんは思ったよりも空いていた。ぱらぱらと人が散らばっているからそう見えるだけかもしれない。

「どんなものがいいんですか?」

お兄さんを見上げる。自分の好きな雑貨屋さんにお兄さんがいることが何だか不思議なことのように思えた。

「そうだなぁ。普段に使えるものがいいかな」
「お箸とか、お茶碗とか?」

必ず使うものと言ったらこれ、でもお兄さんは首を横に振るう。

「そうじゃなく。身につけるものがいいな」

ふむふむ。ってお兄さん、ノープランだと言った割には結構きちんと決まっているじゃないか。

「恋人さんへのプレゼントなら指輪が良いんじゃないですか?」

フラれたばかりのわたしになんて仕打ちをしてくれるのだろう。付き合ったことを後悔し始めたけれど、思ったことを伝える。

「恋人?違う違う。絶賛片想い中」

じゃあ指輪だと重たすぎるよね。

「相手はまだ高校生だし、あまり派手じゃないものがいいなって」

なんですと。

「お兄さん。大丈夫ですか?入学したばかりの1年生とかじゃないですよね?場合によったらわたし通報します」
「いきなり冷たくならないでよ!違うよ。3年生だよ。全くびっくりするようなことを言わないでよ」
「こちらこそびっくりですよ」

でも、お兄さんがどうしてわたしに声をかけたのも納得した。同年齢だし趣味も近いから力になれると思ったのだろう。

気を取り直して、お店を回る。どれもこれも好きなものがたくさん溢れていて目移りしてしまう。そのなかでひとつ目に入ったものがあった。お兄さんはその視線に気づいて、何か良いものがあった?と聞いてきた。

「これすごく綺麗」

頷きながらあたしが取ったものは、バレッタの中に花が閉じ込められたもの。ハーバリウムがバレッタになっている。お兄さんは置かれていたひとつを手にとってあたしの髪に当ててくる。

「うん。似合う」
「ふふ。あたしに当てても仕方がないでしょう?」

好きな人へのプレゼントを探しているはずなのに。

結局わたしはバレッタが欲しかったけれど、手持ちがなくて諦めるしか無かった。でもお兄さんはそれを買うことに決めたみたい。お兄さんの好きな相手とお揃いになってしまうのなら、買うことを諦めて良かったのかもしれない。

「今日はありがとう。付き合ってくれて」

帰り道に自転車を押しながらお兄さんが言った。

「いいえ。お安い御用ですよ。あと、」

わたしは鞄から花冠をしおりにしたものを出そうとしたけれど鞄に手を入れて、しおりに手を触れたのに固まってしまった。これを渡したくない、渡さないといけないことはわかっているのに。どうして。自分の感情に戸惑いながらも、しおりを指先で撫でる。

「どうしたの?」

お兄さんの言葉にはっとして自分の気持ちを無視して、しおりを鞄から出してお兄さんに向ける。

「これ。本当は好きな人にあげるつもりだったのでしょう。花冠はもうなくて、しおりにしてしまったけれど。一緒に渡してあげて」

しおりを持つ手が震えそうになる。平気な顔をしていたいのに、どうして今になって惜しくなったのだろう。お兄さんは差し出したわたしの手をそっと押し返した。不思議に思って顔をあげると、さっき買ったばかりのバレッタが入った可愛らしい包みをわたしに差し出す。

「それは、プレゼント用でしょう?」

変な顔をしているのがばれたのかな。にしても、泣きそうなわたしにものを渡せば泣き止むのではないかという勘違いをお兄さんはしていないかしら。

「これ。かほのだよ」
「ふたつ買ったの?」

状況が飲み込めない。頭上で、これでも気づかないのか。と言いながらも頭を軽くかく。

「あー。つまり。花冠も、これも、元からかほのために用意したんだ」

わたしは呆然としてお兄さんを見る、仄かに頬が赤い。

「おれが好きな人ってのは、かほだよ」

顔が爆発したんじゃないかと思うほど顔が熱くなった。考えたこともなかった。思ってもみなかった。

「ど、」
「ど?」

一文字発して、固まって、お兄さんが繰り返す。

「どうしてわたしなの?」

発した言葉はそんな言葉。聞いてみて何だけれど、あまりにもおかしな質問だ。ほら、お兄さん困った顔してる。

「そうだな…、強いて言うなら、かほの優しいところ、柔らかい空気、花が好きで植物にも優しいところかな。でもこれは付随でしかないし、かほの一面でしかない、あまり理由はないんだ。気づいたら好きだったから」

どうしよう。どうしたらいい、顔が熱くてたまらない。

「おれと恋人になりませんか」

一陣の風が吹いて、何処からか桜を運んで舞った。

わたしの町で年に一度「花祭り」というものがある。町というには村に近い小さな場所だけれど、ここの産地はお花。春になれば色とりどりの花が咲き乱れて観光客もやってくる。花祭りはそんな春に行われるお祭り。花畑の近くに露店が並べられ、昼間は太陽の光を浴びて花たちはひかり、夜はライトアップされて輝く、地元の音楽団や学校の演奏会なども行われ、縁日とはちょっと違うけど、そんなようなもの。

なかでもメインイベントにされているのは花冠をひとりずつ持って大切な人と交換するというもの。お祭りは参加しないけれど花を相手に渡すという人もいる。バレンタインやホワイトデーにはチョコレート。花祭りにはお花。告白に使う人もいれば、家族や友達で。というひとも。そんな晴れやかなお祭り。

わたしには毎年花冠を交換できる相手がいる、最初にもらった時は高校生の時、不器用な花冠。それから年々上手になっていまではわたしよりも上手なくらい。わたしは花あかりの下、手を繋いで歩く。頭上には綺麗な花冠と、バレッタがひとつ太陽の光を浴びて輝いている。

お祭りが終われば、花を解いてしおりにして、それが毎年増えていく。今年もまたひとつ、
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