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レオン・ライラックの秘密
第30話 俺と祖父さん(side レオン)
しおりを挟むそれから数日後。
俺は祖父さんに今回の出来事を勇気を出して話したら、案の定、こっ酷く叱られて、俺がボロボロになるくらい手合わせをさせられた。
そして、祖父さんは俺に、人間と念話をする方法を教えてくれた。
方法はいつくかあったが、どれもその頃の俺には難しく、唯一出来そうだと思った方法をやってみる事にした。
それは、【主従契約】を結ぶこと。
俺は、あの男児が気に入ったし、あいつの魔力があんまりにも気持ちが良くて、ずっと一緒に居たいと、心から思ったんだ。
祖父さんにその事を言ったら「この先、辛い試練があるが、耐えられるか」と訊いてきた。
どんな試練か訊ねると、人間の寿命と俺達の寿命の違いを説いた。
今は俺より年下に見えるが、近い将来、俺より年上になって、あっという間に寿命が尽きる。
それを、耐えられるか、と。
そんなこと……正直、その時にならなきゃ分からないと思った。
今はただ、アイツと一緒に居たいと。アイツに何かあれば、俺が力になりたいと、ただただ、そう強く思ったんだ。
その為にも、俺はもっと強くならないといけないんだと祖父さんに言ったら、翌日からの手合わせは、まさに崖から突き落とされるという、荒業だった。
まぁ、その甲斐あって、俺は神獣としての魔力の扱い方も早く学べたし、アイツに早く会いに行く事が出来たんだ。
アイツに助けられてから、丸っと一周した次の花咲く季節に、俺たちは再び出逢ったんだ。
「……君、かい? もう来ては駄目だよって言ったのに」
そう言いながらも、アイツは嬉しそうに笑ってて。
「すごく大きくなったね……。元気そうで良かった」
俺の身体は、確かにデカくなっていた。
初めて会った時は、アイツでも頑張れば抱えられるくらいの大きさだったが、今は俺がアイツを背中に乗せられるくらいの大きさになった。
そんなアイツの前に、俺は姿勢正しく座り頭を垂れた。
「……神獣さん、僕と友達になってくれるの?」
少し戸惑った様なその声に、俺は「クゥ」と鳴いて返事をした。
それが了承の返事だと伝わったようで、アイツは俺の立髪に優しく触れた。
お願いだ。俺に名前を与えてくれ。そうすれば、【主従契約】が成立するんだ。頼む。
そう、心から強く願った。
すると男児は、俺の心の声が聞こえたかのように、こう言った。
しかも、【主従契約】を交わす正式な文言で。
「僕の名前は、アレックス・ランドルフ。君は今日から、僕の友達だ。レオン」
レオン。
そう呼ばれた途端、俺の中の魔力とアレックスの魔力が融合するかの様に身体中を駆け巡った。
それはアレックスも同様だったらしく、少し驚いた顔付きで自分の身体を見ていた。後にアレックス本人に、なぜ神獣との主従契約の正式な文言を知っていたのかと訊ねたら「ん? 正式な文言? そんなものは知らないよ?」とキョトンとした顔で小首を傾げられた。
「友達になるなら、自己紹介は当然のことだし、君は僕と友達になってくれるって、返事したから」
なんてことだ。
人間の世界の常識など一切知らない俺にとっては、衝撃的で「これはまさに運命だったのだ」と思った。
が、人間の世界で生活するうちに、自己紹介は当たり前なのだと理解すると、俺は出会って名前を与えてくれたのがアレックスで、本当に良かったと心の底から思った。
主従契約を結んだその日から、俺は「レオン」という名で、ランドルフ家の一員となった。
アレックスは、「主侍」という呼び名を嫌がり、俺達の関係を「親友」と名付けた。
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