悪役令嬢の私が姫に転生した件  ――それはいいのですが、なぜ魔王城に幽閉から始まるのですか?

しばたろう

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エピローグ

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 ある日の午後。

 王立アウレリア初等学舎の教室で、
 先生がぱん、と手を叩いた。

「みなさん、今日は転校生を紹介します」

 ざわ、と教室が揺れる。

 その瞬間――
 私は、颯爽と教室に足を踏み入れた。

 黒板の前。
 壇上に立ち、胸を張る。

 教室中の視線が、
 一斉に、こちらに集まるのがわかる。

 ……ううん。
 正確には、私の頭のてっぺんだ。

「では、自己紹介できるかな?」

 先生にそう振られ、
 私はにっこり笑った。

(初手が肝心)

 父さんに、前に言われた言葉を思い出す。

(まかせて、父さん)
(この自己紹介で、みんなのハートをつかむわ!)

 私は、はっきりと言った。

「リリア・ローディアです。六歳です。よろしくね。」

 ――ざわっ。

 視線が、さらに集まる。

「みんな、
 私の頭の角が気になるみたいね」

 くすっと、笑いが起きた。

「いいわ。教えてあげる」

 私は、ちょっとだけ顎を上げる。
 


 私は、人間と魔族のハーフなの。
 ほら、角が生えてるでしょ?
 ちっちゃいけど。

 私ね、世界で最初のハーフなの。
 すごいでしょう?

 最近は、ハーフも少しずつ増えてきてるみたいだけどね。

 ちなみに、二番目のハーフは、
 父さんのお友達のところの、アルヴィス。

 アルヴィスは、私より二つも年下で、
 角も私よりちっちゃいのに、
 すっごく生意気なの。

 ……でも、まあ。
 ちょっとだけ、かわいいの。

 父さんは、お仕事中に、母さんと出会ったんだって。
 それでね、
 父さんが母さんに一目ぼれして、プロポーズして。

 それから、
 ふたりで旅に出たんだって。

 その旅の途中で、
 私が生まれた。
 
 それからも、ずっと親子三人で旅してたわ

 すごい経験、いっぱいしたし、
 すごいものも、いっぱい見た

 それはね、
 また今度、ゆっくり聞かせてあげる

 それで―― 
 
 私も、だいぶ大きくなってきたから
 旅は、ちょっとお休み

 この街に、帰ってきたの


 父さんはね、
 この街でしばらく、
 アルヴィスのお父さんの会社のお手伝いをするんだって。

 母さんも、
 パートを始めるんだって。
 “さんぼー”っていうお仕事。

 わたしね。
 おおきくなったら、また旅に出たいの。

 森も、山も、海も。
 まだ見ていない場所が、
 この世界には、たくさんあるでしょう?

 だからそれまでに、
 いっぱい勉強するの。

 父さんみたいに、強くなって。
 母さんみたいに、賢くなって。

 それでね。

 もし、
 クラスのみんなの中で、
 「私も一緒に旅したい」って思った子がいたら、
 ちゃんと言ってね。

 わたし、
 すごいところに連れていってあげる。

 だって――

 この世界は、
 まだ、知らないもので、あふれているんだから。

 ね?
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