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家族になった人族のポムと魔族のポム
04.ポムが目をさましました
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河原の木の下で倒れていた女の子を助けてツリーハウスのベットに寝かせた。
女の子のおでこにできた"たんこぶ"に濡らした布をかけて冷やした。
野菜が少しだけ入ったスープを作った。
起きたら食べさせてあげよう。
気に入ってもらえるといいな。
今日は、畑仕事も牧場仕事もないので、川に釣りに行くことにした。
魚が釣れたら女の子に食べさせてあげよう。
ひとりだったポムは、家に誰かがいるだけで嬉しくて、ついついいろんなこと考えてしまう。
草原で魚の餌にするミミズを取ってから川に向かった。
今日は、魚が6匹も釣れた。
これなら干物にしておけば何日分ものごはんになると思ってうれしかった。
釣った魚を持ってツリーハウスに戻ると女の子がベランダからから下を覗いていた。
いそいでハシゴを上って女の子に話かけた。
「体の具合は大丈夫?」
「…」
「まだ体の具合が悪いなら寝てなよ。」
女の子の顔は青かった。
やっぱりあれだけのケガをしていたからまだ体調が悪いのだろうと思った。
青い顔をした女の子が初めて口を開いた。
「なんでこんな高い木の上にいるの?」
「怖くて動けないじゃない。」
女の子は、青い顔をして四つん這いのままベランダからツリーハウスの中に入っていった。
部屋に置いておいた鍋の中にあった野菜スープが空になっていた。
野菜スープ食べてくれたんだ。
少しほっとして女の子に聞いてみた。
「きみは、河原の木の下で倒れていたけど、あそこで何をしていたの。」
「ゴブリンにでも追いかけられて木にでも登ったの。」
「そのおでこの"たんこぶ"は、木から落ちたときにできたの?」
女の子はおでこの"たんこぶ"に手をあてて痛がっていた。
「そうよ、夜に魔獣に襲われないように木に登ったの。その後、眠くなって木の上で寝てしまったの…。」
「私、なんで木に登って寝ていたんだろう。魔獣に襲われないように…なんで?」
「…頭が痛い。」
青い顔は幾分かは元に戻ったけど、木から落ちたときに出来た"たんこぶ"がかなり痛いみたい。
「まだ、無理しないでベットで寝ていなよ。」
「少し早いけどごはん作るね。」
ポムは、釣ってきた魚のうち4匹を軒下に吊るして干物にする準備をした。
魚は川で内臓を取り出しておいた。
2匹の魚に塩をまぶして焼いた。
2日前に畑仕事で貰ったパンを出す。
少し固くなっているけど、食べられない訳じゃない。
芋は、2人分なのでいつもより多く茹でた。
牧場でもらったバターも出した。
テーブルの上には、少し固くなったパン。茹でた芋。焼いた魚が並んだ。
牧場でもらったバターも出した。
バターはあまり貰えないので食べる時はチビチビ食べるんだけど今日は特別だ。
「さあ、食べて。」
「ぼくの稼ぎではこれくらの食べ物し出せないんだ。」
女の子がベットから起き出して椅子に座った。
「ポム。」
女の子が突然、ぼくの名前を呼んだ。
「はい。」
ぼくは自分の名前を呼ばれたと思って返事をした。
「私の名前、ポム。」
「え。」
「私の名前、ポムって言うの。」
「えー。ぼくの名前もポムだよ。」
「同じ名前なの?」
「…女の子みたい。」
「…よく言われる。」
「ご飯、ありがとう。」
女の子はあまり多くないバターを湯気が出ている形の悪い芋の上に乗せて美味しそうに食べていた。
芋の上にバターを乗せて食べるなんて初めて見た。
ぼくも熱々の芋の上にバターを乗せて食べてみた。
美味しかった。
「名前が同じだと間違えるから、ぼくのことは"ポム"くん、きみのことは"ポム"ちゃんでいい?」
「ポムくん、何歳?」
女の子のポムが突然、年齢を聞いてきた。
「え、ぼくは11歳だよ。もうすぐ12歳になるんだ。」
素直に答えた。
「私ね、16歳なの。だから"ポム"さんって呼んで。」
女の子のポムは、顔を赤くしながら自分の歳を素直に話した。
「またまた、だってぼくと同じ身長だっし、確かにぼくより重かったけど。」
「体重が重いって?なんで知ってるの。」
「だって、河原からここまで運んできたのぼくだよ。」
「ごめん。重かったでしょう。」
「少しね。」
ポムくんは、いつもひとりでご飯を食べていた。
だから話をしながらご飯を食べるとお母さんとごはんを食べているようで楽しかった。
「ポムさんは、魚嫌い?」
魚に手を付けないので、ポム君が気にして聞いてみた。
「あまり、好きじゃないかな。」
「美味しいのに。」
ぼくが魚を食べるのでポムさんも魚を恐る恐る食べてみた。
「美味しい。」
さっきまで"好きじゃない"って言っていたのがウソのように1匹を綺麗に食べてしまった。
ポムさんが魚を勢いよく食べるのを見て唖然としていたら、ポムさんの目線が僕の魚に注がれていた。
「食べたい?」
ぼくの食べかけだけど食べたそうにしていたので聞いてみた。
ポムさんの頭がこくっと静かに揺れた。
「食べかけだけど、よかったら食べて。」
ポムさんは慌てて魚を食べ始めた。
「かなりお腹が減っていたんだね。明日は、干した魚があるからポムさんには2匹焼いてあげるね。」
ポムさんが少し赤い顔をしてコクっと頭をゆらした。
夕食が終わった。
ポムさんの服は、このあたりでは見かけない服だった。
しかもあちこち焼け切れていた。
「ポムさん、これぼくのお母さんが着ていた服だけど、よかったたらこれに着替えなよ。」
「焦げた服をいつまでも着ているのもたいへんでしょう。」
「うん。」
「じゃあ、ぼくあっちを向いているね。」
「子供が気を使わなくてもいいのよ。けど、ありがとうね。」
ぼくの後ろで女の子が着替えをしている音がする。
振り向きたい気もするけどガマン。
「これ、ポムさんが持っていた鞄。」
「中は見ていないから。」
気を使ってくれているのがよく分かってポム君を可愛いく感じてしまったポムさんだった。
鞄を開けると、水筒と携帯食が少し、それと地図と身分証。
身分証には、"魔族国 辺境軍 魔術師部隊所属 アルべリュート・ポム"と書かれてあった。
これが私の名前なの。
頭の奥がまだ少し痛い。
頭の中に何かモヤのようなものがあって、記憶がいまいちはっきりしない。
身分証は、鞄のいちばん奥へしまい込んだ。
「ぼくは、明日の朝早くから村に行って畑の手伝いをするんだ。その後は農場でお手伝い。」
「だから、ポムさんはここで休んでいて。」
「いいの?」
「うん、ぼくのお父さんもお母さんも死んでいないから、誰かが家にいると嬉しくて。」
ポムの顔が赤くなっていた。
ポムさんは、ポムくんが可愛いと思ってしまった。
「そうだ、ポムさん。寝る前にやっておくことがあるんだ。」
そう言ってポム君が近づいてきた。
何をするのかと思ってポムくんを見ていると、回復魔法を使って来たのにはびっくりした。
それも魔法の使い方がかなり上手いのが分かった。
「ポムくんって回復魔法が使えるんだ。すごいね。」
「へへへ。たまに村で病人やケガ人が出ると治療に行くんだ。」
そうか、だから両親がいなくても、村の人に"そっぽ"をむかれずに生きてこれたんだ。
ポム君ってすごい。
「そうだ、ポムくん。寝る前に教えて」
今度は、ポムさんがポムくんに質問をした。
「トイレに行きたいの。どうやってあの高いハシゴを降りるのか教えて。」
女の子のおでこにできた"たんこぶ"に濡らした布をかけて冷やした。
野菜が少しだけ入ったスープを作った。
起きたら食べさせてあげよう。
気に入ってもらえるといいな。
今日は、畑仕事も牧場仕事もないので、川に釣りに行くことにした。
魚が釣れたら女の子に食べさせてあげよう。
ひとりだったポムは、家に誰かがいるだけで嬉しくて、ついついいろんなこと考えてしまう。
草原で魚の餌にするミミズを取ってから川に向かった。
今日は、魚が6匹も釣れた。
これなら干物にしておけば何日分ものごはんになると思ってうれしかった。
釣った魚を持ってツリーハウスに戻ると女の子がベランダからから下を覗いていた。
いそいでハシゴを上って女の子に話かけた。
「体の具合は大丈夫?」
「…」
「まだ体の具合が悪いなら寝てなよ。」
女の子の顔は青かった。
やっぱりあれだけのケガをしていたからまだ体調が悪いのだろうと思った。
青い顔をした女の子が初めて口を開いた。
「なんでこんな高い木の上にいるの?」
「怖くて動けないじゃない。」
女の子は、青い顔をして四つん這いのままベランダからツリーハウスの中に入っていった。
部屋に置いておいた鍋の中にあった野菜スープが空になっていた。
野菜スープ食べてくれたんだ。
少しほっとして女の子に聞いてみた。
「きみは、河原の木の下で倒れていたけど、あそこで何をしていたの。」
「ゴブリンにでも追いかけられて木にでも登ったの。」
「そのおでこの"たんこぶ"は、木から落ちたときにできたの?」
女の子はおでこの"たんこぶ"に手をあてて痛がっていた。
「そうよ、夜に魔獣に襲われないように木に登ったの。その後、眠くなって木の上で寝てしまったの…。」
「私、なんで木に登って寝ていたんだろう。魔獣に襲われないように…なんで?」
「…頭が痛い。」
青い顔は幾分かは元に戻ったけど、木から落ちたときに出来た"たんこぶ"がかなり痛いみたい。
「まだ、無理しないでベットで寝ていなよ。」
「少し早いけどごはん作るね。」
ポムは、釣ってきた魚のうち4匹を軒下に吊るして干物にする準備をした。
魚は川で内臓を取り出しておいた。
2匹の魚に塩をまぶして焼いた。
2日前に畑仕事で貰ったパンを出す。
少し固くなっているけど、食べられない訳じゃない。
芋は、2人分なのでいつもより多く茹でた。
牧場でもらったバターも出した。
テーブルの上には、少し固くなったパン。茹でた芋。焼いた魚が並んだ。
牧場でもらったバターも出した。
バターはあまり貰えないので食べる時はチビチビ食べるんだけど今日は特別だ。
「さあ、食べて。」
「ぼくの稼ぎではこれくらの食べ物し出せないんだ。」
女の子がベットから起き出して椅子に座った。
「ポム。」
女の子が突然、ぼくの名前を呼んだ。
「はい。」
ぼくは自分の名前を呼ばれたと思って返事をした。
「私の名前、ポム。」
「え。」
「私の名前、ポムって言うの。」
「えー。ぼくの名前もポムだよ。」
「同じ名前なの?」
「…女の子みたい。」
「…よく言われる。」
「ご飯、ありがとう。」
女の子はあまり多くないバターを湯気が出ている形の悪い芋の上に乗せて美味しそうに食べていた。
芋の上にバターを乗せて食べるなんて初めて見た。
ぼくも熱々の芋の上にバターを乗せて食べてみた。
美味しかった。
「名前が同じだと間違えるから、ぼくのことは"ポム"くん、きみのことは"ポム"ちゃんでいい?」
「ポムくん、何歳?」
女の子のポムが突然、年齢を聞いてきた。
「え、ぼくは11歳だよ。もうすぐ12歳になるんだ。」
素直に答えた。
「私ね、16歳なの。だから"ポム"さんって呼んで。」
女の子のポムは、顔を赤くしながら自分の歳を素直に話した。
「またまた、だってぼくと同じ身長だっし、確かにぼくより重かったけど。」
「体重が重いって?なんで知ってるの。」
「だって、河原からここまで運んできたのぼくだよ。」
「ごめん。重かったでしょう。」
「少しね。」
ポムくんは、いつもひとりでご飯を食べていた。
だから話をしながらご飯を食べるとお母さんとごはんを食べているようで楽しかった。
「ポムさんは、魚嫌い?」
魚に手を付けないので、ポム君が気にして聞いてみた。
「あまり、好きじゃないかな。」
「美味しいのに。」
ぼくが魚を食べるのでポムさんも魚を恐る恐る食べてみた。
「美味しい。」
さっきまで"好きじゃない"って言っていたのがウソのように1匹を綺麗に食べてしまった。
ポムさんが魚を勢いよく食べるのを見て唖然としていたら、ポムさんの目線が僕の魚に注がれていた。
「食べたい?」
ぼくの食べかけだけど食べたそうにしていたので聞いてみた。
ポムさんの頭がこくっと静かに揺れた。
「食べかけだけど、よかったら食べて。」
ポムさんは慌てて魚を食べ始めた。
「かなりお腹が減っていたんだね。明日は、干した魚があるからポムさんには2匹焼いてあげるね。」
ポムさんが少し赤い顔をしてコクっと頭をゆらした。
夕食が終わった。
ポムさんの服は、このあたりでは見かけない服だった。
しかもあちこち焼け切れていた。
「ポムさん、これぼくのお母さんが着ていた服だけど、よかったたらこれに着替えなよ。」
「焦げた服をいつまでも着ているのもたいへんでしょう。」
「うん。」
「じゃあ、ぼくあっちを向いているね。」
「子供が気を使わなくてもいいのよ。けど、ありがとうね。」
ぼくの後ろで女の子が着替えをしている音がする。
振り向きたい気もするけどガマン。
「これ、ポムさんが持っていた鞄。」
「中は見ていないから。」
気を使ってくれているのがよく分かってポム君を可愛いく感じてしまったポムさんだった。
鞄を開けると、水筒と携帯食が少し、それと地図と身分証。
身分証には、"魔族国 辺境軍 魔術師部隊所属 アルべリュート・ポム"と書かれてあった。
これが私の名前なの。
頭の奥がまだ少し痛い。
頭の中に何かモヤのようなものがあって、記憶がいまいちはっきりしない。
身分証は、鞄のいちばん奥へしまい込んだ。
「ぼくは、明日の朝早くから村に行って畑の手伝いをするんだ。その後は農場でお手伝い。」
「だから、ポムさんはここで休んでいて。」
「いいの?」
「うん、ぼくのお父さんもお母さんも死んでいないから、誰かが家にいると嬉しくて。」
ポムの顔が赤くなっていた。
ポムさんは、ポムくんが可愛いと思ってしまった。
「そうだ、ポムさん。寝る前にやっておくことがあるんだ。」
そう言ってポム君が近づいてきた。
何をするのかと思ってポムくんを見ていると、回復魔法を使って来たのにはびっくりした。
それも魔法の使い方がかなり上手いのが分かった。
「ポムくんって回復魔法が使えるんだ。すごいね。」
「へへへ。たまに村で病人やケガ人が出ると治療に行くんだ。」
そうか、だから両親がいなくても、村の人に"そっぽ"をむかれずに生きてこれたんだ。
ポム君ってすごい。
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