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家族になった人族のポムと魔族のポム
05.村を守るもの(前編)
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朝、村に向かって歩いている。
ふたりで。
なぜかポムさんもついてきた。
畑の手伝いの仕事が見たいらしい。
畑の手入れなんてつまらないって言ったんだけど。
ポムさんは、僕のお母さんが冒険者だった時に来ていた服を着ている。
少し服が大きいので、あちこち紐で縛って調整していた。
防具を付けてはいないけど、一見すると冒険者という感じだ。
しかも、腰には短剣も装備していた。
短剣は、ポムさんが持っていたもの。
村は木でできた高い塀で囲まれていて、畑は殆どが塀の外にある。
いつもの畑に行くと、もうおじさん達が畑の手入れをしていた。
いそいで畑に入り雑草取り、若芽摘み、虫取り、水撒きをする。
水は、近くにある用水路から桶で汲むんだけど重労働なんだ。
最初、ポムさんは畑の周りをプラプラ歩いていたり、村の塀の位置を確認していたりしてた。
何をしているのか分からなかった。
ぼくが用水路から水を桶で何度も汲んでは畑に移動して水を撒いていたら、ポムさんが近づいてきた。
「ねえ、こんなことやってたら1日が終わっちゃうよ。なんで魔法使わないの?」
ポムさんが呆れた顔で聞いてきた。
「ぼくには水魔法なんて使えないよ。村にも水魔法を使える人はいないよ。」
「そっか。」
ポムさんは、ぼくと同じように用水路から桶で水を汲んでは畑に撒いているおじさんのところに行って話をしていた。
そして何か話が決まったみたいだ。
ポムさんが何かの動作をすると用水路の水が大きな水の塊になって畑の上に飛んで行った。
ぼくもおじさんもきょとんとして事の成り行きを見守っていた。
大きな水の塊は、やがていくつもの小さな水の塊に分かれて畑の上で弾けた。
畑は雨でも降った後にようになっていた。
「はい、これで畑の水やりは終わり。おじさんには、仕事が早く終わったからパンを多めに貰えるように言っておいたから、ポム君がパンを貰ってきてね。」
これなら毎日来てほしいと、おじさんがよろこんでいた。
おじさんの家でいつもより3倍のパンを貰うことができた。
魔法ってすごいと思った。
今度は、牧場で糞尿の処理が待っていた。
家畜がいる畜舎から糞尿を集めて藁と混ぜて肥料にする。
かなり臭いし汚いけど、いい肥料ができると畑の野菜がよく育つから大事な仕事なんだ。
ぼくの仕事を遠くから見てるポムさん。
臭いから近くに行きたくないんだって。
そしたら牧場のおじさんと話し始めた。
なんかさっきと同じ感じだ。
やっぱり話が決まったみたいだ。
ポムさんが何かの動作をすると畜舎の中から糞尿が次々と空中に集まってひとつの黒い塊になった。
畜舎の裏にある肥料を作る場所に糞尿の塊は空を浮遊しながら移動していった。
なにかすごい光景だ。
黒い塊は、糞尿を溜めておく大きな桶に入っていった。
その後もポムさんの魔法で藁と桶の中の糞尿が混ぜ合わさって、肥料があっという間にできてしまった。
牧場のおじさん感動してた。
ぼくも感動した。
おじさんがソーセージとぺーコン、チーズとバターを持ってきてポムさんに渡していた。
なんかぼくの仕事がない。
でも今日はポムさんがいてくれたので、昼前には全ての仕事が終わってしまった。
村から出ようとしたら、子供が熱を出して苦しんでいるので見てほしいと言われた。
その子の家に行くと、苦しそうにしている男の子がいた。
探査の魔法で悪い場所を探して回復魔法をかけてあげると子供の息が楽になってきた。
明日、もういちど見に来ると言って帰ろうとしたら、男の子のお母さんから銅貨を10枚渡された。
いらないって言ったんだけど、ぼくの手に銅貨を握らせて行ってしまった。
「ポム君、もし街で今と同じ事をしたら10倍のお金を貰えるからね。」
「そうなの。」
ポムさんは、回復魔法は使えないので口出ししないと言っていたけど、世の中の相場は知っていて損は無いと言っていた。
ポムさんはさすがお姉さんだ。
身長は僕と同じだけど。
村から帰ろうとしたら村のおじさん達が剣を持って集まっていた。
話を聞いてみたら、村はずれにゴブリンが現れたそうだ。
それも6体。
ゴブリンは皆剣を持っていたそうで、畑仕事をしていた人が襲われて慌てて逃げてきたらしい。
集まったおじさん達は、兵士でも冒険者でもないから剣を持って集まっても、ゴブリンが現れたら殆ど何もできないんだ。
だから数で威嚇してゴブリンを追い返すくらいしかできないんだ。
恐る恐るゴブリンが現れた村外れの畑に行ってみると、ゴブリンがトマトを美味そうに食べていた。
おじさん達がゴブリンに石を投げて威嚇をしたら、ゴブリンが剣を振り上げてこっちに走ってきた。
おじさん達は剣を捨ててあわてて逃げてしまった。
そこには、ぼくとポムさんの2人だけが残されていた。
ぼくはいつものように石をゴブリンに投げた。
1体のゴブリンの頭に当たって倒れた。
でももう5体もいる。さすがに全部のゴブリンに石を投げて倒すのは無理みたいだ。
ポムさんは、仕方ないといった表情で両手を体の前に突き出し、手の平の上に火の塊を作っていた。
それをポムさんはゴブリンに向かって飛ばした。
火の弾はすごい速さでゴブリンに命中すると皆黒焦げになって倒れた。
ゴブリン5体を一瞬で倒した。
もうびっくりするしかないよね。
ゴブリンが生きていたら怖いので、ポムさんの短剣で一応とどめを刺して耳を切り落とした。
村のおじさん達がぼくたちを置いて逃げてしまったので慌てて戻ってきた。
そこには、頃焦げのゴブリンとゴブリンの耳をそぐ僕と元気に立っているポムさんがいた。
村のおじさんたちは、その場に座り込んでしまった。
村のおじさん達から礼を言われて野菜をいっぱいもらった。ゴブリンの耳を売ったお金と村を守ったということで少し余分にお金を貰った。
今日は、ポムさんと一緒に村に来たことでいろいろなことがあった。
今日は、早めに帰ってご飯の準備をしよう。
こんなに食料がいっぱいになったのは初めてだった。
今日は楽しくて美味しい夕ご飯になりそう。
ふたりで。
なぜかポムさんもついてきた。
畑の手伝いの仕事が見たいらしい。
畑の手入れなんてつまらないって言ったんだけど。
ポムさんは、僕のお母さんが冒険者だった時に来ていた服を着ている。
少し服が大きいので、あちこち紐で縛って調整していた。
防具を付けてはいないけど、一見すると冒険者という感じだ。
しかも、腰には短剣も装備していた。
短剣は、ポムさんが持っていたもの。
村は木でできた高い塀で囲まれていて、畑は殆どが塀の外にある。
いつもの畑に行くと、もうおじさん達が畑の手入れをしていた。
いそいで畑に入り雑草取り、若芽摘み、虫取り、水撒きをする。
水は、近くにある用水路から桶で汲むんだけど重労働なんだ。
最初、ポムさんは畑の周りをプラプラ歩いていたり、村の塀の位置を確認していたりしてた。
何をしているのか分からなかった。
ぼくが用水路から水を桶で何度も汲んでは畑に移動して水を撒いていたら、ポムさんが近づいてきた。
「ねえ、こんなことやってたら1日が終わっちゃうよ。なんで魔法使わないの?」
ポムさんが呆れた顔で聞いてきた。
「ぼくには水魔法なんて使えないよ。村にも水魔法を使える人はいないよ。」
「そっか。」
ポムさんは、ぼくと同じように用水路から桶で水を汲んでは畑に撒いているおじさんのところに行って話をしていた。
そして何か話が決まったみたいだ。
ポムさんが何かの動作をすると用水路の水が大きな水の塊になって畑の上に飛んで行った。
ぼくもおじさんもきょとんとして事の成り行きを見守っていた。
大きな水の塊は、やがていくつもの小さな水の塊に分かれて畑の上で弾けた。
畑は雨でも降った後にようになっていた。
「はい、これで畑の水やりは終わり。おじさんには、仕事が早く終わったからパンを多めに貰えるように言っておいたから、ポム君がパンを貰ってきてね。」
これなら毎日来てほしいと、おじさんがよろこんでいた。
おじさんの家でいつもより3倍のパンを貰うことができた。
魔法ってすごいと思った。
今度は、牧場で糞尿の処理が待っていた。
家畜がいる畜舎から糞尿を集めて藁と混ぜて肥料にする。
かなり臭いし汚いけど、いい肥料ができると畑の野菜がよく育つから大事な仕事なんだ。
ぼくの仕事を遠くから見てるポムさん。
臭いから近くに行きたくないんだって。
そしたら牧場のおじさんと話し始めた。
なんかさっきと同じ感じだ。
やっぱり話が決まったみたいだ。
ポムさんが何かの動作をすると畜舎の中から糞尿が次々と空中に集まってひとつの黒い塊になった。
畜舎の裏にある肥料を作る場所に糞尿の塊は空を浮遊しながら移動していった。
なにかすごい光景だ。
黒い塊は、糞尿を溜めておく大きな桶に入っていった。
その後もポムさんの魔法で藁と桶の中の糞尿が混ぜ合わさって、肥料があっという間にできてしまった。
牧場のおじさん感動してた。
ぼくも感動した。
おじさんがソーセージとぺーコン、チーズとバターを持ってきてポムさんに渡していた。
なんかぼくの仕事がない。
でも今日はポムさんがいてくれたので、昼前には全ての仕事が終わってしまった。
村から出ようとしたら、子供が熱を出して苦しんでいるので見てほしいと言われた。
その子の家に行くと、苦しそうにしている男の子がいた。
探査の魔法で悪い場所を探して回復魔法をかけてあげると子供の息が楽になってきた。
明日、もういちど見に来ると言って帰ろうとしたら、男の子のお母さんから銅貨を10枚渡された。
いらないって言ったんだけど、ぼくの手に銅貨を握らせて行ってしまった。
「ポム君、もし街で今と同じ事をしたら10倍のお金を貰えるからね。」
「そうなの。」
ポムさんは、回復魔法は使えないので口出ししないと言っていたけど、世の中の相場は知っていて損は無いと言っていた。
ポムさんはさすがお姉さんだ。
身長は僕と同じだけど。
村から帰ろうとしたら村のおじさん達が剣を持って集まっていた。
話を聞いてみたら、村はずれにゴブリンが現れたそうだ。
それも6体。
ゴブリンは皆剣を持っていたそうで、畑仕事をしていた人が襲われて慌てて逃げてきたらしい。
集まったおじさん達は、兵士でも冒険者でもないから剣を持って集まっても、ゴブリンが現れたら殆ど何もできないんだ。
だから数で威嚇してゴブリンを追い返すくらいしかできないんだ。
恐る恐るゴブリンが現れた村外れの畑に行ってみると、ゴブリンがトマトを美味そうに食べていた。
おじさん達がゴブリンに石を投げて威嚇をしたら、ゴブリンが剣を振り上げてこっちに走ってきた。
おじさん達は剣を捨ててあわてて逃げてしまった。
そこには、ぼくとポムさんの2人だけが残されていた。
ぼくはいつものように石をゴブリンに投げた。
1体のゴブリンの頭に当たって倒れた。
でももう5体もいる。さすがに全部のゴブリンに石を投げて倒すのは無理みたいだ。
ポムさんは、仕方ないといった表情で両手を体の前に突き出し、手の平の上に火の塊を作っていた。
それをポムさんはゴブリンに向かって飛ばした。
火の弾はすごい速さでゴブリンに命中すると皆黒焦げになって倒れた。
ゴブリン5体を一瞬で倒した。
もうびっくりするしかないよね。
ゴブリンが生きていたら怖いので、ポムさんの短剣で一応とどめを刺して耳を切り落とした。
村のおじさん達がぼくたちを置いて逃げてしまったので慌てて戻ってきた。
そこには、頃焦げのゴブリンとゴブリンの耳をそぐ僕と元気に立っているポムさんがいた。
村のおじさんたちは、その場に座り込んでしまった。
村のおじさん達から礼を言われて野菜をいっぱいもらった。ゴブリンの耳を売ったお金と村を守ったということで少し余分にお金を貰った。
今日は、ポムさんと一緒に村に来たことでいろいろなことがあった。
今日は、早めに帰ってご飯の準備をしよう。
こんなに食料がいっぱいになったのは初めてだった。
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