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家族になった人族のポムと魔族のポム
06.村を守るもの(後編)
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夕べのごはんはとても美味しかった。
なかなか食べられないソーセージやベーコンを久しぶりに食べることができた。
いつもは食べられない果物も食べた。
こんなことは、昨日だけの事と思って気持ちを切り替えて村に向かった。
もちろん、ポムさんと一緒に。
ただ、ポムさんに言われた。
「ゴブリンは剣も使うし魔法も使う。」
「何も持たずに出歩くのは危険だから、短剣でもいいから持ちなさい。」
たしかにポムさんの言うとおりだ。
釣りに行く時や草原に出るときは、短剣を持っていったけど村の中は安全だと思っていた。
村について、畑に向かうとおじさんの隣りに村長さんが立っていた。
村長さんからポムさんの魔法で他の畑にも水やりをして欲しいと頼まれた。
ポムさんは村長さんと話をしていた。
話が決まったみたい。
用水路から水の巨大な塊がいくつも空中を浮遊して畑のあちこちに移動していた。
巨大な水の塊は小さく分かれてやがて雨のように畑に降っていった。
「これで村の畑の水やりは全て終わったわ。」
おじさんも村長さんも開いた口が塞がらなかった。
ぼくも同じ。
「ポムくん、村の畑の水やりの仕事を受けたの。1日に1回の水やりで10日間で銀貨1枚。夏の熱い時期は畑の水やり1日2回を10日間で銀貨2枚にまけておいたわ。」
「お金は、村長さんが代表で支払ってくれるそうよ。」
「…魔法ってすごいんだね。」
「そうね。ポムくんも魔法の練習する?」
「回復魔法が使えるし、素質はあるんじゃないかな。」
「うん。ぼくがんばる。」
村長さんの家で、今日の分の水やりの代金を貰った。
牧場でもポムさんの魔法で糞尿の処理と肥料作りが直ぐに終わってしまった。
もうぼくはいらいない子になったようで少し寂しかった。
もうすることもないので2人で家へ帰ろうとした。
「ゴブリンだ。しかもすごい数だ。」
村の若い男が血相を変えて村長の家に走り込んできた。
「村長、村の外れにゴブリンが50体以上いる。」
「剣も持っているし、弓も持ってた。あんなのが村に来たらみんな殺される。」
「とにかく村の男は、剣を持って集まれ。警告の鐘を鳴らせ。女子供は、集会所に集まるように伝えろ。」
「村の門を閉じろ。ゴブリンと戦うぞ。」
次々に指示を出して振える男達をまとめる村長さん。
ぼくは、村長さんってかっこいいと思ってしまった。
村の門を閉じてゴブリンの集団が来るのを待った。
「"ココ"の街が魔族軍に襲われたし、"コラ"の城塞も魔族軍に襲われて兵士が不足している。しかも魔族軍が"バーラ"の城塞都市を攻撃すとかで、王国軍の全てがそこに向かっているだ。こんな小さな村には、兵を回してもらえないんだ。だから俺達でなんとかしないと村も家族も守れないぞ。」
「ふんばれ。」
村の男たちは、櫓の上からゴブリンの集団が村に向かって来るのを確認した。
皆、震えていた。
ぼくはポムさんの顔を見た。
なにかお願いをしたいような顔だったと思う。
ポムさんがぼくの顔を見て"仕方ない"と言いたそうな表情で村長さんのところに向かった。
ポムさんは村長さんと何か話していた。
村長さんがびっくりした顔をしている。
話が決まったようだ。
ポムさん何かすごいな。
「ポムくん、村長さんと話しがついたわ。ゴブリンの集団を魔法で退治する。」
「あのゴブリンの集団を退治したら金貨1枚ですって。なんて楽な商売かしら。」
ポムさん。楽しそうに村長さんと交わした契約内容を話してくれた。
ぼくは、金貨なんて見たことがない。
でも、ゴブリン50体なんて退治できるのか心配になって聞いてしまった。
「ポムさん。疑ってごめんね。でも本当にゴブリン50体を退治できるの。」
「ポムくん、そこはポム姉さんを信じなさい。ゴブリン50体なんて簡単、簡単。」
もう、ケラケラ笑いながら話すポムさんを信じるしかないよね。
ゴブリン50体が村の塀の近くまでやってきた。
村の男たちは、剣と盾を握った手が汗まみれだった。
戦う練習はしていた。
でも所詮は練習だった。
この村には、兵隊経験者もいないし、冒険者だった者もいない。
本当に戦うことにはど素人だった。
村長は、体が震えて今にも逃げ出しそうな村の男達にげきを飛ばしていた。
そうでもしないと本当に逃げ出してしまうからだ。
そんな村の男達を見ていたポムが言い放った。
「いいですか、村のおじさま方。これからこの小さな女の子のポムが魔法でゴブリンを退治して
さしあげます。」
「魔法でゴブリンを退治できたら拍手をお願いしますよ。」
振える村の男達は、突然女の子が言い出した言葉に返す言葉がなかった。
「では、いきますよ。」
ポムは、炎魔法を無詠唱で放った。
村の塀の前で弓と射る準備をしていたゴブリンがいた。
塀をよじ登って村の中に入る準備をしていたゴブリンがいた。
そこに炎魔法が放たれた。
ゴブリンは、何が起きたのか理解できないまま黒炭へと変わっていった。
塀の側にあった畑の作物が一部焼けていた。
生き残ったゴブリンは1体もいなかった。
「さて、みなさん。ゴブリンを倒しました。拍手をお願いします。」
ポムさんは櫓の上で皆の方に向き治り、拍手を求めるしぐさを行った。
村の男達は剣を鞘にしまい、ポムさんに向かって拍手を送った。
声援を送った。
歓喜の声になった。
皆、喜んでポムさんを称えた。
ぼくは、ポムさんのようになりたい。
そう心に誓ってしまった。
その後、またゴブリンの襲撃があるかもしれないということで、ぼくとポムさんは村に泊まることになった。
村に泊まる期間は1ヶ月だって。
ぼくとポムさんは1ヶ月間、村の護衛をする仕事を請け負うことになりました。
村の護衛代は金貨3枚。
護衛に冒険者を雇ったらもっとお金がかかるんだって。
ゴブリンや他の魔獣の襲撃があった場合、倒した魔獣によって追加料金が出ることになった。
住むところと食事も村が出してくれることになった。
全てポムさんが村長さんと決めてきた。
もううちの家計はポムさんに握られてしまったみたいです。
なかなか食べられないソーセージやベーコンを久しぶりに食べることができた。
いつもは食べられない果物も食べた。
こんなことは、昨日だけの事と思って気持ちを切り替えて村に向かった。
もちろん、ポムさんと一緒に。
ただ、ポムさんに言われた。
「ゴブリンは剣も使うし魔法も使う。」
「何も持たずに出歩くのは危険だから、短剣でもいいから持ちなさい。」
たしかにポムさんの言うとおりだ。
釣りに行く時や草原に出るときは、短剣を持っていったけど村の中は安全だと思っていた。
村について、畑に向かうとおじさんの隣りに村長さんが立っていた。
村長さんからポムさんの魔法で他の畑にも水やりをして欲しいと頼まれた。
ポムさんは村長さんと話をしていた。
話が決まったみたい。
用水路から水の巨大な塊がいくつも空中を浮遊して畑のあちこちに移動していた。
巨大な水の塊は小さく分かれてやがて雨のように畑に降っていった。
「これで村の畑の水やりは全て終わったわ。」
おじさんも村長さんも開いた口が塞がらなかった。
ぼくも同じ。
「ポムくん、村の畑の水やりの仕事を受けたの。1日に1回の水やりで10日間で銀貨1枚。夏の熱い時期は畑の水やり1日2回を10日間で銀貨2枚にまけておいたわ。」
「お金は、村長さんが代表で支払ってくれるそうよ。」
「…魔法ってすごいんだね。」
「そうね。ポムくんも魔法の練習する?」
「回復魔法が使えるし、素質はあるんじゃないかな。」
「うん。ぼくがんばる。」
村長さんの家で、今日の分の水やりの代金を貰った。
牧場でもポムさんの魔法で糞尿の処理と肥料作りが直ぐに終わってしまった。
もうぼくはいらいない子になったようで少し寂しかった。
もうすることもないので2人で家へ帰ろうとした。
「ゴブリンだ。しかもすごい数だ。」
村の若い男が血相を変えて村長の家に走り込んできた。
「村長、村の外れにゴブリンが50体以上いる。」
「剣も持っているし、弓も持ってた。あんなのが村に来たらみんな殺される。」
「とにかく村の男は、剣を持って集まれ。警告の鐘を鳴らせ。女子供は、集会所に集まるように伝えろ。」
「村の門を閉じろ。ゴブリンと戦うぞ。」
次々に指示を出して振える男達をまとめる村長さん。
ぼくは、村長さんってかっこいいと思ってしまった。
村の門を閉じてゴブリンの集団が来るのを待った。
「"ココ"の街が魔族軍に襲われたし、"コラ"の城塞も魔族軍に襲われて兵士が不足している。しかも魔族軍が"バーラ"の城塞都市を攻撃すとかで、王国軍の全てがそこに向かっているだ。こんな小さな村には、兵を回してもらえないんだ。だから俺達でなんとかしないと村も家族も守れないぞ。」
「ふんばれ。」
村の男たちは、櫓の上からゴブリンの集団が村に向かって来るのを確認した。
皆、震えていた。
ぼくはポムさんの顔を見た。
なにかお願いをしたいような顔だったと思う。
ポムさんがぼくの顔を見て"仕方ない"と言いたそうな表情で村長さんのところに向かった。
ポムさんは村長さんと何か話していた。
村長さんがびっくりした顔をしている。
話が決まったようだ。
ポムさん何かすごいな。
「ポムくん、村長さんと話しがついたわ。ゴブリンの集団を魔法で退治する。」
「あのゴブリンの集団を退治したら金貨1枚ですって。なんて楽な商売かしら。」
ポムさん。楽しそうに村長さんと交わした契約内容を話してくれた。
ぼくは、金貨なんて見たことがない。
でも、ゴブリン50体なんて退治できるのか心配になって聞いてしまった。
「ポムさん。疑ってごめんね。でも本当にゴブリン50体を退治できるの。」
「ポムくん、そこはポム姉さんを信じなさい。ゴブリン50体なんて簡単、簡単。」
もう、ケラケラ笑いながら話すポムさんを信じるしかないよね。
ゴブリン50体が村の塀の近くまでやってきた。
村の男たちは、剣と盾を握った手が汗まみれだった。
戦う練習はしていた。
でも所詮は練習だった。
この村には、兵隊経験者もいないし、冒険者だった者もいない。
本当に戦うことにはど素人だった。
村長は、体が震えて今にも逃げ出しそうな村の男達にげきを飛ばしていた。
そうでもしないと本当に逃げ出してしまうからだ。
そんな村の男達を見ていたポムが言い放った。
「いいですか、村のおじさま方。これからこの小さな女の子のポムが魔法でゴブリンを退治して
さしあげます。」
「魔法でゴブリンを退治できたら拍手をお願いしますよ。」
振える村の男達は、突然女の子が言い出した言葉に返す言葉がなかった。
「では、いきますよ。」
ポムは、炎魔法を無詠唱で放った。
村の塀の前で弓と射る準備をしていたゴブリンがいた。
塀をよじ登って村の中に入る準備をしていたゴブリンがいた。
そこに炎魔法が放たれた。
ゴブリンは、何が起きたのか理解できないまま黒炭へと変わっていった。
塀の側にあった畑の作物が一部焼けていた。
生き残ったゴブリンは1体もいなかった。
「さて、みなさん。ゴブリンを倒しました。拍手をお願いします。」
ポムさんは櫓の上で皆の方に向き治り、拍手を求めるしぐさを行った。
村の男達は剣を鞘にしまい、ポムさんに向かって拍手を送った。
声援を送った。
歓喜の声になった。
皆、喜んでポムさんを称えた。
ぼくは、ポムさんのようになりたい。
そう心に誓ってしまった。
その後、またゴブリンの襲撃があるかもしれないということで、ぼくとポムさんは村に泊まることになった。
村に泊まる期間は1ヶ月だって。
ぼくとポムさんは1ヶ月間、村の護衛をする仕事を請け負うことになりました。
村の護衛代は金貨3枚。
護衛に冒険者を雇ったらもっとお金がかかるんだって。
ゴブリンや他の魔獣の襲撃があった場合、倒した魔獣によって追加料金が出ることになった。
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